「実存主義哲学」なるものがある。実存主義というので有名なのは、フランスの思想家J・P・サルトルだが、その祖とされるのは19世紀のセーレン・キェルケゴール。今は…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
中国の北宋時代の思想家であり、唐宋八大家の一人に数えられる欧陽 脩(Ouyang Xiu) が唱えたものに、”三上(さんじょう)” なるものがある。これは、す…
当地では、桜の花が一気に開花して、満開に迫りつつある。とは言いつつも夜になると、花見などの悠長な気分が去ってしまうほどに冷たさを感じる。坂口安吾の小説『桜の森…
平安時代の物語などには、物の怪(もののけ) の話がよく出てくる。これは人間にとり憑いて苦を与えたり病気や死に至らせたりする霊的存在。その正体ははっきりせず、怨…
『竹取物語』は現存する日本最古の物語と言われる。日本の昔話として、そのストーリーは誰もが知っている。児童文学のように取り扱われているが、ところがどっこい、文体…
『春雨 (はるさめ)』は普通に降る雨よりも、もっとささやかに降る雨で、霧吹きで飛ばしたような雨のこと。降るというより、静かにあたりを濡らす雨。万葉集の中に、そ…
「モノ忘れ」は歳をとってくれば、致し方のないところだが、また、忘れてしまった、などと「忘れる恐怖」がだんだん増してきた。とは言え、全て覚えていると脳ははパンク…
かつて流行した言葉に「地域一番店」などというものがある。同じ業種のライバルに打ち勝って地域で一番となること。これによって、さらに人々が集まる良い循環の店舗とな…
世界的建築家であり、長く日本に滞在し、いくつかの著書も書いているブルーノ・タウト氏が「日本人は目で考える」と語っていた。外国人に比べて、見た目で判断することが…
太宰治の小説『人間失格』の中で言葉の意味を探る遊びとして、対義語(アントニム) と同義語(シノニム) を挙げていくシーンがある。その部分を抜粋すると、「黒のア…
「レシピ」という言葉が日常的な言葉となって久しい。日本で使われているレシピは、英語のRecipe から来たらしく、一般的に料理法という意味で使われている。英語…
「暑さ寒さも彼岸まで」などの言葉があるが、そのお彼岸がやってきた。行きつ戻りつしながら、着実に春の歩みを深めている。まだ、花粉が気になる季節ではあるが、SNS…
芥川龍之介の文に「詩という言葉がわかる人」という表現がある。中々味わい深い表現だと思う。詩という言葉がわかる人とそうでない人がいる。日常使っている言葉は、誰で…
「パーキンソンの法則(Parkinson's law)」というのがある。これは、イギリスの歴史学者であり政治学者でもあるシリル・ノースコート・パーキンソンによ…
「災害ユートピア(disaster utopia)」という言葉がある。これは、大規模災害の後に一時的な現象として発生する理想郷的コミュニティを指す呼称。これを…
執行を猶予(ゆうよ)したり、その期間のことを「モラトリアム」と呼んでいる。よく厳しい社会の荒波にいきなり出るのを婉曲的に拒み、大学に残っている若者を「モラトリ…
江戸時代の川柳に 「売り家」と唐様で書く三代目 というのがある。今は、慣用的表現として使われることも多い。意味としては、初代が苦労して財産を築き、2代目は親の…
今は、大相撲の春場所真っ只中。新型コロナなどで「待った!」がかかったり、不祥事があったりなど祟られた3年間だった。思えば、大相撲はスポーツというより娯楽的要素…
「あれっ、今日はブログのメンテナンス?」アメブロ画面には、深夜午前1時から朝10時までメンテナンスと出ている。こんなにも大規模で長時間にわたるアメブロのメンテ…
日本人は会議が苦手と言われている。大きくは、国際舞台でも、雄弁に語る姿を見たことがない。日本人そのものが言葉を使わない文化をDNAの中に継承しているのか?とに…
最近、あまり聞かなくなった言葉の一つに「ごまんとある」という表現がある。これは、溢れるほどあるという意味で使われ、漢字をあてると「五万と」ではなく「巨万と」の…
イギリスの国旗はユニオン・ジャックと呼ばれている。イギリスは連邦制を採っており、4つの国が統合した形。国旗も4つの国の旗を合わせた格好。正式にはユニオン・フラ…
巴里(パリ)、倫敦(ロンドン)、亜米利加(アメリカ)など、かつては、日本でも外国の地名などをこのような漢字で書いていたことがあった。今、こういった漢字表記にす…
アメリカのUS News に「物忘れを防ぐ薬の発明」に関する記事が出ていた。この記事は学術雑誌の"Science(サイエンス)"に"Role of Layer…
印籠(いんろう)と言えば、黄門様の三つ葉葵の紋が浮かんでくる。この印籠、もともとは、その名の如く印章を入れる容器だったが、江戸時代後期には薬籠として使われ、常…
今話題になっているのはWBC野球。メジャーリーグで活躍する大谷選手、ダルビッシュ選手、それから代表となった選手たち。大谷選手のホームランなどが話題をかっさらっ…
3月6日は啓蟄(けいちつ)の日。これは土の中で冬眠したり縮こまっていた「虫」たちが穴を開いて動き出す日のことをいう。「虫」と一言で表現するが、昔の日本人が考え…
ここしばらく、世界を震撼させた事件に「ドッペルゲンガー殺人事件」なるものがある。この事件が起きたのは去年の8月、ドイツで起こった事件。ドッペルゲンガー(Dop…
もう、かなり昔の話になるだろう。京都のとある仏師の作品に魅かれ、仕事場にも訪問させてもらったことがあった。ただ、その仏師は難病をを患い、その後亡くなられてから…
20世紀のアートはフォービズムやキュビズムからスタートした。新しいアートは、新しい観察から生まれるもの。観察する力という観点から言えば、子供の観察眼に勝るもの…
ピーター・フォークが主演する『刑事コロンボ』をテレビで初めて見たときに、その斬新さに驚いた覚えがある。推理ものと言えば、事件が起こり謎解きをしながら全貌を暴い…
今日、インド楽器のシタールの演奏を久々に耳にした。ラヴィ・シャンカールの演奏だった。シャンカールと言えば、ビートルズのジョージ・ハリスンが彼の弟子となったこと…
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「実存主義哲学」なるものがある。実存主義というので有名なのは、フランスの思想家J・P・サルトルだが、その祖とされるのは19世紀のセーレン・キェルケゴール。今は…
当方は四字熟語に、つい惹かれるところがある。漢字クイズなどで難解な文字が入った四字熟語が出題されると妙に燃える。例えば「喧々囂々(けんけんごうごう) 」と「侃…
先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
こんなに暑くなるとビールが欲しくなる。ビールの誕生は、およそ紀元前4000年のメソポタミアでのことだという。誕生は、予期しないものが偶然生み出されるというセレ…
「なめんなよ」という表現は、あまり、紳士的な言葉とは言えない。今日の石破首相の発言「なめられてたまるか」という言葉が話題になっている。これは、トランプ大統領と…
我が地域の裏山に相当するところに六甲山(ろっこうさん)という山がある。931メートルという高さで、ケーブルカーなどもあり気軽に登れる山だが、意外に遭難も多々あ…
アイルランドと言えば、何かにつけてケルト人やケルト文化が取り上げられる。多神教の雰囲気を持った文化だが、そのケルトと言っても、それほどの昔の話ではなく、紀元後…
心の中にあることを言わないで溜めておくのは精神衛生上良くない。『徒然草』十九段に「おぼしき事言わぬは、腹ふくるるわざなり」と出てくる。著者・吉田兼好の時代には…
「もったいない」という言葉がある。漢字で表すと「勿体無い」となるが、この「勿体」という言葉はもともとは仏教用語で、「本来のあるべき姿」を意味する言葉。「もった…
芥川賞は、今はそれほど大きな話題とならないが、1969年の受賞作・庄司薫『赤頭布ちゃん気をつけて』は、大きな反響があった。この小説は、大学紛争のため東大の入試…
「ここがロードスなり、ここで跳べ」という言葉がある。これは、イソップの寓話に出てくる話。あるホラ吹きの男がいて「オレは、(ギリシャの)ロードス(島)にいた頃、…
いつの頃からか、スポーツニュースが始まると大谷選手の活躍から放映される。メジャーの選手とも伍して戦える日本の選手がいることが素直に誇らしく思える。もう、メジャ…
「不如意」という言葉がある。これは、漢文のように返り点をつけて読み下すと「意の如くなら不(ず)」となり、これを簡単に表現すれば「思い通りにならない」。この「不…
今年のカンヌ映画祭、最高賞のパルム・ドールは、イランの映画監督ジャファール・パナヒ氏の"Un Simple Accident" が受賞して閉幕した。世界には、…
「何もなければ、また来週」先週、わが外国語スクールの生徒さんが帰り際に外国人講師に発した言葉。言われた時には、その講師は真意が良くわからなかったが、すぐに納得…
時々話題になるものに学歴詐称がある。こと選挙になると、その時に提出した学歴に偽りがあると、当選しても無効となる。何人かの国会議員としての当選者が職を追われたの…
近未来を扱った映画の中でアンドロイドに向かって"Are you Real (human being) ?" と訊くシーンがある。本物の人間か、それともアンドロ…
このたび、肺炎のため10日間の休筆を行い、その間、皆様の応援がありましたことに感謝したいと思います。だけども、まだ快癒とまでは行っていなく、いまだにモヤモヤと…
クルマを車検に出した。いつもお願いする自動車整備工場は、いかにも車好きのメンバーで構成されている。車検が通るまでの間、いつも代車を用意してくれるが、そこの整備…
先日の日曜日、近所散策をしていると、向かいからくるTシャツ姿の男性の顔に見覚えがある。誰だっけ? 最近、半ボケのせいか思い出せない。と、そばを歩いていた若い男…
松尾芭蕉の句に「這(は)い出(いで)よ かいやが下の ひきの声」とある。「かいや」は養蚕部屋。「ひき」とは蟇(ヒキガエル)のこと。これは、『奥の細道』の中で詠…
高村光太郎は彫刻家でもあるが、詩人としても知られる人物。彼の詩に「根付(ねつけ)の国」というのがある。「根付け」とは印籠(いんろう)などを帯と結ぶための紐(ひ…
四字熟語に『捲土重来 (けんどちょうらい)』 というのがある。ちょっとむずかしい表現だが、意味としては、「一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してやって来る」こ…
イタリア料理のお店で「リストランテ」と呼ぶのは、高級なレストランで、大衆的な食堂は「トラットリア」と呼ばれるのが通例。「オステリア」は居酒屋を意味する言葉だが…
バイデン大統領の次期大統領選への出馬に関して日増しに反対の声が高くなってきている。現在81歳。もしトランプ大統領が返り咲いたらそれも恐怖だが、バイデン大統領が…
いよいよ大阪万博が近づいてきた。その大阪だが、江戸時代は、庶民が作った自由な街。幕府のお膝元、官僚的な江戸とは違う文化が形成された。当時の大坂は、公共事業に関…
思いを寄せている人に、「あなたのことは忘れました」と言われるとショックだろう。ところが、これを逆手に取ることによって、かえって想いの深さを表現する場合もある。…
『奇貨居(きかおく)べし』という言葉がある。「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味。この言葉…
日本のプロ野球の優勝チームは、健闘を讃えて”ビールかけ”を催すが、アメリカのメジャーリーガーたちは、ビールではなくシャンパン。すなわち、"シャンパン・ファイト…
アフリカのタンザニアで1936年に撮られた写真には、奇妙な二人が写っている。これは、この地方に古くから伝わる呪術師。今でもタンガニーカと呼ばれる地域では様々な…
新紙幣がスタートした。20年ぶりとなる新紙幣。今日、銀行で預金を引き出すと全て新紙幣になっているのに驚いた。それで当然なのだが、こうやって少しずつ変えられてい…
オーロラや流星群など、自然が織りなす現象と都会とは相容れないところがある。自然現象を見たければ、極地の大平原に限るが、都会にあるビル群と自然とがタッグを組んで…
「洛陽(らくよう)の紙価を高める」という表現がある。これは、ベストセラーの本になることを婉曲的に表現する言葉。この語源となったのは、中国、魏蜀呉が擡頭していた…
「あべこべ」という意味をあらわす英単語に"topsy-turvydom" というのがある。明治時代になって日本を訪れたアメリカ人は、よくまあ、これだけ逆なもの…
初代・引田天功氏は、水中や爆発などの極限状態から脱出するというマジックで知られ、1970年代に命からがら「脱出」するといったパーフォーマンスで人気をさらった。…
梅雨の雨のことを五月雨(さみだれ)と呼ぶ。特に、静々と屋根を濡らすような雨のことをこう表現するようだ。今日も、五月雨の一日。こんな日は、ちょっと足を伸ばして海…
イタリアの映画監督フェリーニは、数ある映画監督の中でも、かなり特異な人物。その言動に含蓄があり、ふんだんに哲学的断片を感じさせる人物でもある。そんな彼の代表的…
"Longevity" なる単語がある。これは日本語にすると不老長寿の意味となる。この"Longevity" の名を冠した企業が誕生したりと、世のキーワードの…
白眼視という表現がある。これは、無視したり、冷たい視線を投げかけることを言う。逆に、愛想よく迎えることを青眼視と呼ぶ。この「白眼」「青眼」という表現は、中国の…
パリ・オリンピックが近づいてきた。フランスは長い歴史がある国だが、大きな出来事として挙げられるのに紀元800年のシャルルマーニュ(シャルル大帝)の西ローマ皇帝…