小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
☆自作の純愛小説と詩、毎日更新☆愛が人の心を開き、夢を繋ぎ、人と人、命と命、あの世にまで橋を架けます
愛が連れてくる幸せと、いつか来る別れ。 でも、彼らには永遠の別れはなかった…。 三代に渡る愛の物語。 ブログタイトルと同名の小説の他に、『時の追いかけっこ』『ひのくに物語』『雪洗YOU禅物語』『忘れられた零地点』『あの人は広い傘をもっている』などがあります。 別ブログ「幽霊っているんでしょうか」http://kuri-ma.seesaa.net/もどうぞ
75 〈終〉10夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ “星の家”には キューピット役が好きな 妖精がいるようです。 そして、そこに集まる人たちも 同じみたいですね★ 昂輝とみちは顔を見合わせた。昂輝が言った。 「一回くらい、普通にデートしたいんです。前に俺がもっと男らしく誘っていれば、きっとできたはずのことですから…」と、昂輝はまっすぐ初樹を見つめた。 初樹は二人を見てから言った。 「じゃあ、みんなから知恵をもらおう。来て」 初樹は、二人を中央のピアノの横に立たせた。志幸に何か耳打ちすると、ここでは暗示的に何かすぐわかる曲を、一フレーズだけ弾いた。 ..
74 9夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ さて、みちの婚約者の発表は? 有力候補がいたはずですが… 昂輝とみちの会話の続きから★ 「ここには来てもいいって許可はもらえたんだけど、志貴までも、叔父さんたちが選ぶ相手の方が君を幸せに出来るって言うんだ。 どうしたら俺が認めてもらえるか考えて、俳優に本腰を入れた。何かこれってものを掴めるまでは、君とは会えないと思ってたんだ。覚悟がゆらむから。 ごめん。この間の打ち上げでも素っ気なくして。君の気持ちも知らなかったし、志貴からいよいよ君の婚約者が決まりそうだって聞いてたから、今日あたり来てるだろうなって思って..
73 8夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 昂輝の何年越しかの思いが ようやく 実る時が来たようです★ 「嬉しい」みちが言った。 「…嬉しい、って?」ようやく彼は上ずった声で聞き返した。 みちは昂輝を見上げて言った。「ええ」 「…ってことは?」 「私も昂輝さんが好きです」 確かに両耳でその言葉を聞くや否や、抑えていた彼の思いは頂点に達し、彼女を強く抱き締めた。昂輝の心には、今まで味わったことのない感情がわっと湧いて来ていた。 思ってもいなかった。よもや彼女が、自分の思いに応えてくれるなど。 彼の目からも涙が溢れ、止まらなかった。絶対難し..
72 7夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ “星の家”の集まりにやってきた昂輝。 やはり好きな人の姿は見たいですし 決定的なことがないかぎり 諦められないようです★ 昂輝は、その場にみちの婚約者がいるのだろうと、目で探した。 大体は、前と同じ顔ぶれの、“星の家ファミリー”だったが、一人、目新しい男が目に留まった。麗美たち叔母さん連と、談笑していた。彼に違いない。 志貴に確認しようと思ったが、昂輝はたちまち皆に取り囲まれ、様々な質問を受けた。皆がみちの相手役の彼を、好意的にしかも好奇心旺盛に見ているのだった。 ひとしきりの質問で、皆の関心が去っ..
71 6夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ みちが女優デビュー?! それも昂輝と共演?! そして、ロミ・ジュリ?! さて、一旦断った昂輝でしたが…。 二人は再会するのでしょうか? 今日は一気に展開します★ 初樹は治郎の話をひとしきりして、昂輝の心を解きほぐしていった。そして、最後に余裕の口調で言った。 「実はね、君の事務所からは、OKを既にもらってるんだ。もちろん、君が嫌なら正式に契約はしていないから、白紙に戻せばいいんだけど…」 今日の初樹は若い頃から会得したその微笑みと、覗き込むような視線で、完全に彼を落としてしまった。昂輝は、どうして自分..
いってしまった夏 いってから気がつく いらなくなってから 思い出した、忘れ物のように…★ 「 その秋をつかまえて 」 春は待ちわびて、ようやくやってくるもの 夏の間は 我を忘れて夢中になり 秋はいつの間にかやってくる そして 冬は時を止めたよう 幸せな時間はその中にいるときにはわからない 別れは気づかないうちに訪れている 願って願ってようやく叶えた夢 望みもしないのに、悲しみは忍び寄る 季節が巡るように この秋もゆき やがて春が訪れる まだまだ夏と思っていたのに 秋が来て ますますそれは深まってゆく..
70 5夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ みちとの関係を、 志貴に相談した 昂輝でしたが…★ 昂輝は言った。「無事に送ることしか考えてなかったっていうか、それしか会う口実もなかったし…」 「口実って、そんなもん、いくらでも作れたろ?」 「実は、ただ毎日会えるだけで満足っていうか、十分って気持ちで」 「ボディーガード役に徹したんだな。その間に約束の一つも取り付けなかったのか?」と、志貴は呆れて言った。 昂輝は黙った。最後の誘いは約束と言えるだろうか。 「まあ、幸いだったかもしれないけどな」と、志貴は言った。「お前がみちを口説いていたら、叔父さん..
69 4夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 夏も終わりです。 何かが始まる… かもしれないのですが…★ 毎年、葉奈の命日がやって来ると、もうじき夏休みも終わりだという合図だった。連れ合いの一郎はすっかり老人と言われる年になっていたが、掲げられた葉奈の写真は、若いまま年を取らなかった。 夏休みの最終日、みちの“星の家”のバイトも終わりだった。最後の帰り道、自転車を並んで走らせながら、昂輝とみちはあまり言葉は交わさなかった。 青山家の近くまで来ると、いつもはそのまま自転車を走らせながら、挨拶を交わし別れるのだが、その夜は昂輝は自転車から降りた。 ..
68 3夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 高校生の夏休み。 “星の家”のバイトをしながら、 一朗の家に滞在するさち。 今日はイケメン・キャラの登場です★ また、滞在先が青山家だったから、みちは一朗と接する機会も多かった。 七月の終わりの葉奈の月命日の日、みちは従兄姉や叔父たちと共に早朝からお墓参りをし、その後、いつもなら一朗が一人で巡るという葉奈との思い出の場所を、一緒に周って過ごした。 その時、生前父、志道が妻子に伝えてほしいと言っていたという話を、一朗から直に聞かされたのだった。 亡くなった人が、目には見えなくても近くにいるのかもしれな..
67 2夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 叔母の未来から 若かった頃の話を聞くみち。。。 みちのゆく道は?★ 親と言ってしまってからみちは、ハッとして言い直した。「お祖父ちゃんやお祖母ちゃんに勧められたのかなって」 未来叔母は優しく笑って言った。「私たちのことは、あなたのお祖父ちゃんお祖母ちゃんも、亡くなった曾お祖父様もみんな喜んでくれたの。でも、一番嬉しかったのは私。付き合い始めた時も、結婚が決まった時も、嬉しくて仕方なかった」 「叔母さんは、三和の会社のために犠牲になったのかなって。私たちは違うけど、普通みんな恋愛結婚が多いじゃない?」 「私..
66 1夏の忘れ形見 さちの娘みち'21 「涙の女王と笑顔の王」より 【三月さくらⅦ-3】
ある夏から始まる物語── 今年は夏を過ぎてしまいましたが 一挙連載で1年ぶりに再登場★小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 「碧斗&未来の物語」からは 1世代あとの物語。でありながら、 不思議に歴史は繰り返すようです。 志道の娘・みちを主人公にすえたお話。 父の死から数年、 高校生の夏の日々を振りかえりつつ、 数年間を追いかけます。 さて、どんな物語が 彼女を待ち受けているのでしょうか★ 第�Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング) 第三章 〜夏の忘れ形見〜 さちの娘みち ──その頃は、夏が大好きだ..
〈終〉65 眠り姫の子供たち ~ニュー・ムーン・ウィーク~ 泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2021 【三月さくらⅦ2-2】
志道を中心とする物語の最終話! 主人公の最期の、後日談★ 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 新しい節は、 志道が亡くなってからの エピソード★ 第�Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング) 第2章 泣いてしまうのはきっと… 第二節 眠り姫の子供たち 〜ニュー・ムーン・ウィーク〜 志道が亡くなった晩、大きく円かった月が、日に日に痩せていき三日月になる頃、彼の死を悼む人たちがまたひと所に集まった。 彼のラストコンサートに参加した顔ぶれは残らず“Jiro’s music home..
赤勝て、 白勝て! がんばっての声が あなたにも届きますように♪ 「 悔しいことがあっても 」 〜九月の応援歌〜 悔しいことがあっても 腐っていないで あなたらしさが押し込められるから 空気を変えてしまおう 燻ぶった思いを吹き飛ばして 苦しいことがあっても 唇噛んで我慢する 次に笑うために 暗い闇夜のトンネルも くぐり抜けられる 雲で覆われたどんより空も くっきり晴れる日が来る くよくよしないで 悩んでも何も解決しないから くたびれた顔している? ため息をうつさないでね 繰り返..
64 志道の最期1~3 ~泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2021 【三月さくらⅦ2-1】
いよいよ別れのときが 迫っています。 「志道の最期」一挙3話どうぞ小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 志道の最後の願いとは? 最後まで、わがままというか、 志道は志道というか…★ 志道の最期 志道が父に告げた願いとは以下のようだった。 「まだ作曲し掛けの曲があるんですよ。コンサートもやりたい。もう一度だけでいいから。いつかは、キリをつけなければならないですが」 志道は、子供たち一人一人と、一対一で、あるいはさちも交えて三人での時間を綿密に取っていった。それぞれの子供たちのピアノ演奏も聞いて、最後の指導の時間を取った。 志..
63 天(そら)からの特別便2 ~泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2021 【三月さくらⅦ2-1】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 死が近づく時、 誰もが祈ってみたり あの世のことを考えたりするようですね。 今日は志道と、 父、治郎の会話です。 * 志道が居間のソファーにもたれるように座っていた。夜が更けた時間、仕事に疲れてそうやって座っている姿を、治郎は数えられないくらい見て来た。 たとえ、すごく疲れていたとしても、曲が浮かべば徹夜でもピアノに向かうし、常に精力的に活動していた。父が見ても、タフな男だと思っていたのに…。 今はベッドで大半は休んで、調子のいい時でも、もたれるものがある場所で座っているだけだった。 「さちさんを..
62 天(そら)からの特別便1 ~泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2021 【三月さくらⅦ2-1】
この世とあの世を繋ぐ 不思議な物語、 「天(そら)からの特別便」を 一挙2日でお送りします★ 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 若い頃妻を亡くして 今は幸せなお祖父ちゃんになった一朗。 彼の、あの世との 不思議な関わりの世界とは…★ 天(そら)からの特別便 「もうずっと若くに奥さんを亡くされてるおじさんに訊くのは申し訳ないんですが、やっぱり訊いていいですか?」と、志道は言った。 「奥さんを亡くした頃の話を聞きたい?」と、一朗は既にそのつもりで来たようだった。 「できれば。いいですか?」 一朗は生涯のほとんど大半を亡..
61 涙の理由1 ~泣いてしまうのはきっと… 「涙の女王と笑顔の王」2021 【三月さくらⅦ2-1】
今日からは、 結婚後21年を経た「志道とさちの物語」。 数話ずつ一気にUPします★ 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 涙のクィーンと笑顔のキングの登場。 いきなり、さちの涙と それに笑顔で対する志道のシーンが★ 第�Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング) 第2章 泣いてしまうのはきっと… 第一節 涙の理由 涙は潮のように満ち引きし 涙は微かに海の味がする 何を願うのか 人は 泣いても人を求め 何を信じるの あなたは 何でも笑い飛ばしてくれる 何かが..
〈終〉60 孔雀の羽が広がる瞬間8 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2021 【三月さくらⅦ-1】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 碧斗と未来の 婚約パーティーでのインタビュー、 一挙公開!!★ その晩、碧斗は蒔原家の自分の部屋でくつろいでいた。三和家に籍は入ったが、生活は以前と変わらず、新生活は結婚後になる予定だった。 今日の婚約披露パーティーでの、気持ちのよい疲労が彼を包んでいた。その顔には微笑が浮かんでいた。 未来と並んでいられたことは、照れ臭くて仕方がなかったが、やはり嬉しかった。今まで、あんなふうに一緒にいられたことがなかったから、公認されたことのが夢のようだった。 インタビューで訊かれたひとつひとつのことも、二人で顔を..
秋ともなれば 結婚式のシーズン。 ゴールインするカップルに── おめでとうございます。 これが新しい出発ですね。。。★ 「 九月 孔雀の羽が広がる瞬間 」 苦労知らずと言われて くよくよ いつも 比べてばかりだったあの頃 孔雀の羽が広がる瞬間を 待ってる… くしゃみを我慢する辛さ 悔しい思い 繰り返す失敗ばかりの日々 暗闇のトンネルを抜ける時 今かも? 崩れたケーキのよう くしゃくしゃな笑顔 くす玉の下に立った 二人 鯨の親子に出会う幸運 来た..
58 孔雀の羽が広がる瞬間6 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2021 【三月さくらⅦ-1】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 未来の涙には めっきり弱いのが 碧斗です。 撮影中ですよ!★ 碧斗には想定外の未来の反応で、彼は今内緒の撮影の最中だということも、どこかに飛んでしまった。 プロポーズで未来が泣き出した時も、人目がなければそうしてあげたかった。カメラの位置と方向ももう全然頭になかった。 彼は未来を立たせると、固く抱きしめた。 「君が心配することないさ。大丈夫だよ。いろいろ波風があるのも覚悟してるさ。大丈夫。たとえこれ以上何か言われても、俺たちが結婚するのは変わらないよ」夢中で言っていた。 部屋に兄姉たちが入っ..
57 孔雀の羽が広がる瞬間5 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2021 【三月さくらⅦ-1】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 碧斗のプロポーズの結果を 心待ちにしている人たちが…★ 未来と別れた後、碧斗が今日の彼女の姿を思い出している時、空からの連絡が入った。 「どうだった、未来は?」と訊かれて、つい「とってもかわいかった」と言い掛けて、碧斗は答えた。「っていうか、OKしてくれたよ」 その後碧斗は“Jiro's Home”で、空や初樹に報告させられていた。 未来の方は、蒔原家に行って、葉摘と話しをしていた。聞きながら、葉摘が言った。「すごい、碧斗君って。星矢さんなんてほとんど何にも言ってくれないのに。 彼の気持ちがはっき..
56 孔雀の羽が広がる瞬間4 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2021 【三月さくらⅦ-1】
しっかり決めないと、 断られるかも?! 碧斗は一世一代のプロポーズが できるのか・・・★ 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 未来から 1ヵ月は会わないと言われ、 ギクシャクしたまま時が過ぎていきます。 そして、いよいよ…★ そして、かれこれ数週間たった土曜日、碧斗は兄の星矢に、半ば強引に店に引っ張り出された。碧斗にとって、未来と共に仕事が出来るのは嬉しい反面、彼のことを無視する彼女の態度には閉口していたので、却って会わない方がマシと思うくらいだった。 碧斗は得意なはずのオムライスを失敗し、未来と二人一緒に休憩を言い渡されていた。 星..
55 孔雀の羽が広がる瞬間3 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2021 【三月さくらⅦ-1】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 未来に会ってもらえなくなった碧斗は、 彼女の兄たちに相談を持ちかけます。 さて、どうなる???★ 碧斗の話には、志道が加わる前に既に一回、空にあっさり結論付けられていたが、志道もはっきりと言った。 「一ヵ月後に、プロポーズをはっきり決めるしかないですね。三和の後継者として仕事で実績を立てることよりも、女性には愛が全てですから」 「未来はね、プライドがすごく高いんだ。今まで従順そうにしていたけど、昔からね、一回嫌となったらテコでも動かなかったんだから」と、空も追い討ちを掛けるように言った。 そして、その後帰..
54 孔雀の羽が広がる瞬間2 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2021 【三月さくらⅦ-1】
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ さて、なぜ碧斗が今 下がり気味なのか この5、6年の経緯が分かります★ 未来は激することもなく、悠然と言った。「会ってる間なんかないはずでしょ、一ヵ月後まで」 碧斗には何が起こっているか理解できなかった。「未来…?」 「なぁに?」未来はにっこり笑った。「じゃあ、一ヵ月後に」 「待てよ」碧斗が言う声も空しく、「おばさんと葉摘ちゃんが待ってるから」と、未来は手を振って行ってしまった。 あっけにとられた碧斗は、しばらく頭を巡らせてみたが、うまく思考できないのだった。 「蒔原家の男は、プロポーズに時間が掛か..
53 孔雀の羽が広がる瞬間1 続「じゃじゃ馬ならし」プロジェクト2021 【三月さくらⅦ-1】
今日からは 三月さくらに戻り、 碧斗と未来の物語の 続編をお送りします★小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 「じゃじゃ馬ならし」から 6年後の設定です★ 第�Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング) 第一章 九月 孔雀の羽が広がる瞬間 苦労知らずと言われて くよくよ いつも 比べてばかりだったあの頃 孔雀の羽が広がる瞬間を 待ってる… くしゃみを我慢する辛さ 悔しい思い 繰り返す失敗ばかりの日々 暗闇のトンネルを抜ける時 今かも? 崩れたケーキのよう くしゃくしゃな笑顔 く..
2021年版再公開! 登場人物・目次 ▼△ [THE PAST POST] 時の追いかけっこ△▼
[THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ 2021年再公開の第1話は→ こちら 最終話は→ こちら THE PAST POST 時の追いかけっこ この物語はタイムパラドックスもののファンタジー。 中学校にあった古い下駄箱、これが5年前の過去と、 現在をつなぐ「時間のポスト」だった。 中学教師、斉藤と、女子中学生、澄子との、 偶然で始まった手紙の交流。 5年の時を隔てて会うことはできないが、 二人は信頼を交し合ってゆく。 澄子に手紙で恋のアドバイスをもらう斉藤が、 10年来の愛を告白しようとしたその日に、 ..
夏の名残… かすかに漂う秋の気配… 残暑の9月に送る愛の詩★ 「 なつかしい夏 あきらめない秋 」 九月 雲を追いかけて 夏の端をつかまえて 九月 くるぶし見せてた サンダルが懐かしい 九月 苦労したのに 最初から無理だったの? 九月 黒い日焼けあと まだ戻らないのが口惜しい 九月 クスクス笑いは 卒業したわけではないけど 九月 くやしいけれど 私 あの日に帰れない くじけない 少女でいられた夏のままに くよくよしない はしゃいで過ごしていたかったけど ..
(詩) あなたの風が懐かしい ~私のダニー・ボーイ~ 2021
風、風、風 都会を吹く風は 昨日故郷から来た風?! 「あなたの風が懐かしい」 〜私のダニー・ボーイ〜 メリーゴーランドに乗ったときの ゆるやかな風が好き ブランコをこぎながら 空気を動かす くすぐったい快感 故郷には変わらぬ風が吹いている 夏は川で夕涼み 冬は厳しい山風にさらされ 私が恋しくなるのは あなたの起こす自然な風 私のダニー・ボーイ パパとママの周りを回り いつもあなたが風を連れてきた 動かないでいると風は起こせない たまには息をつぎに故郷(こっち)に来て まあ風にでも当たっていっ..
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小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
時は流れ── 今日は物語の最終話を迎えます★ 小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼
小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
何が恋しいのか 春なのに 力がない人がここにいます★
最終章スタート。 今日は、老舗旅館のイケメン若旦那 藤野の、愛の物語を 一挙3話お届けします★ 小説…
今日は「初めての喧嘩」にようやく決着が?! 「夏の踊り 秋の舞」の〆ともなります。★ 小説 ▼…
小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
一挙3話続けてどうぞ★ 小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆき…
今日は一挙3話掲載します! 小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼ ゆ…
小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがたり…
爽やかな春を ただ謳歌することができない人もいます。 寂しがり屋の意地っ張りは特に…。 春真っ盛り。 そし…
新章の始まりは、 香苗との交際で、幸せいっぱいの圭一の様子。 そして、秋風が吹き始めますが…★
小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
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小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがたり…
新年度のスタート! 初々しい季節ですね。 フレッシュマンにも古参の人たちにも 同じように春はやってきます★…
香苗が高校生の時に見ていた夢。 それは予知夢だったのか…。 今日は章の〆です★ 小説 ▼△ 雪…
小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがたり…
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 美しい日の入りと共に クライマックスの節に突入です 第5節 リセット、再出発〜新しいゼロ・ポイント〜 奈津美は俊幸の甥っ子たちを通して、自分が流産したという話を知ったのだった。 「お姉ちゃん、流産って何?」と訊かれて、突拍子もない質問に戸惑いながら奈津美は子どもにわかるように話してあげた。 「なんでそんなこと訊くの?」 「パパとママが話してたから」 「お姉ちゃんの赤ちゃんも、産まれなかったの?」 「死んじゃったの、赤ちゃん?」 「…赤ちゃんが?」奈津美は呟くように言った。 「かわいそうだね、赤..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼今日はプロポーズ・シーンを 一気にお送りしましょう★ そう、もうプロポーズをしなければ! しかし奈津美の反応は??★ * 俊幸は意を決してプロポーズをするために、奈津美を公園に呼び出した。どこか気の利いた店でというよりは、この公園が二人にとってはふさわしい場所だと思ったから。 夕方になると、俊幸たちの子供の頃と違い、子どもたちは早々に家に帰っていく。帰宅時刻というのが決まっているらしい。 その時間というのは、実はとても美しい時間なのだ。 夕日を背に受けて俊幸は、口を開いた。単純な求婚の言葉だったとし..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 触れることのなかった 奈津美の暗部に 物語は触れることに…★ 「じゃあ二人は結婚するのよね」 「そうだろう」 俊幸の兄とその妻、つまり甥っ子たちの両親が話していた。 「お似合いだと思うけど」 「例の件が本当らしいから、どっちにしたってあいつが責任取るしかないのさ」 「ねえ、本当なの、流産って」 「本当ってことだ。四年以上つきあってたらしい。奈津美さんには言うなよ。記憶喪失なんだから」 「俊幸さんも治ってよかったわ」 「そうだな。障害が残ったら、所帯持つどころじゃなかったよ。若年性の脳梗塞とか脳血栓って、..
何が恋しいのか 春なのに 力がない人がここにいます★ 「 四月なのに五月病?! 」 〜思春期のぶり返し〜 幸せはどこから来るのか 忍び足でやってきて 知らないうちに去っていくのか 死んだ振りをしていたら 失敗もやり過ごせるのか 四月なのに五月病 支離滅裂なセレナーデ 春眠暁を覚えず 白昼夢 思考回路は五里霧中… 四月くらいは シャキッとしていないとね しれっとだらけていると 幸せが逃げていくよ 宿題は虫食いだらけの暗号のよう 質問は増えるばかりで 死ぬまでに答えがでる..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ すれ違った時間を 埋め合わせるように、 俊幸は奈津美との愛を 大切に育んでいましたが…。 思い掛けない出来事が!!★ 第4節 ターニング・地点(ポイント) 〜マイナスからの逆転〜 俊幸は倒れる間際、奈津美の名を何度も呼んだ。 「奈津美ごめん」 彼の目から涙がつっと流れた。 一緒に遊んでいた甥っ子たちが、祖父母に走って知らせに行き、俊幸はすぐに近くの病院に運ばれた。対応が早かったため、大事には至らなかった。 「叔父ちゃん、ナツミってずっと呼んでたよ」子供たちが祖父母に教えた。 「ナ..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ さて、いよいよ真子の息子、 中学生の雄一が、 実の父親と 初めて対面します!?★ 「じゃあ、やっぱり会いたがっているんですね」 俊幸が電話した相手は、精神科医の美春だった。 以前に美春が紹介した、奈津美の見合いの相手こそ、雄一の実の父親、早瀬雄造であったのだ。美春は雄造が結婚暦があり子どもがいることを知っていたが、よい相手と考え紹介したのだという。 俊幸は内心、真子と早瀬は、復縁できるのではないかと思っていて、それを取り持つつもりでいたが、美春はその意見には賛成できないようだった。 美春は言った。「..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 今日は真子と、 その息子にズームアップです。 俊幸と真子の会話の続きから★ 「やっぱ、待ってたんじゃないか、彼を?」 「そんなはずないでしょ」 「奈津美は、ずっと待っててくれたんだ、俺のこと。記憶を失くしても」 「奈津美は幸せになる資格があるわ」 「お前もだよ。幸せになるべきだ。そのためにも、けじめを付けた方がよくないか?よりをもどすとかじゃなく、親だろ、二人は?大学生で父親になったら、確かに大変だっただろうと思うよ。けど、お前もだけど、相手もちゃんと責任は取らせてあげた方がいいと、思う。雄一のためだと思って」 ..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 記憶が欠けたまま、 8年振りならぬ 12年振りの交際を続ける二人です★ 第3節 交差する記憶 (スクランブル・交差点) 俊幸と奈津美は、毎日夕方早い時間から会うのが日課のようになった。俊幸は、実家でパソコンに向かいながら、昼間と夜仕事をする。 甥っ子たちとの遊びの時間は気分転換に最適だった。そして奈津美と会う時間は、それ以上にかけがえのないものだった。 公園だけでなく、街にも出掛けるようになった。 「早瀬さん」と、奈津美が声を掛けると、その男性は笑顔で挨拶した。美春が紹介した見合い相..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 精神科医の美春先生VS辰巳俊幸、 でお送りします。 「女医の教えるほんとうに 気持ちのいい〇〇」に 目からうろこの俊幸です★ * 俊幸は、奈津美の母と陽菜子に会った土台で、精神科医美春と話し、奈津美の現在と八年前の状況をようやく理解することができた。自分を責めてばかりの俊幸を、この三人の女性たちが、三人三様に慰めてくれた。 中でも美春医師のカウンセリングは、実践的で即効的な力となった。専門家の話というのは、説得力のあるものだ。 「『こんな風に会うのはやめよう』か」美春が言った。「それって、会いたくないとか、..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 奈津美の親友、 陽菜子を通して 記憶を失う前の様子を知った俊幸。 彼は、新たに心に誓います★ 「…もっと早く来るべきだった」と彼は言った。 つまらないことで意地を張らなければ、八年も経つことはなかっただろう。 陽菜子が俊幸を慰めるように言った。「そうね。でも、あの頃はちょっと厳しかったかも。仕事も辞めざるを得なかったし。 お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの介護を、続けて奈津美がしたの。最期まで看取って。とっても献身的に。それで落ち着いたのよ。精神科には掛かってるけど、もう心配ないくらいに安定した。だから、今再会し..
ひとにとって いちばん大切なのが「愛」 愛が命を、家族を、故郷を、そして時間を 優しく包み、限りのあるものを エンドレスに 完全なものに変えていきます★ 「 生まれた時から愛がすき 」 わたしたちが生まれた理由(わけ)、それは愛 わたしたちが生きる意味、それは愛 わたしたちが貴い理由(わけ)、それは生命(いのち) わたしたちが感じる意味、それは生命(いのち) お祖父ちゃんが走り回ったこの山々 お祖母ちゃんが見つめていたあの海原 お父さんが大切にしていたその夢 お母さんが歌ってくれた希望の詩(うた) 生まれた時から愛がすき 愛..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ ようやく奈津美との関係を 再出発させた俊幸。 高校の再現のような二人の恋。 彼女の失くした過去との接点を 彼は探り始めます★ * 俊幸は再び奈津美の母と対面した。 母はじっと彼を見つめると尋ねた。「俊幸君は、奈津美のことどう思ってくれているの?」 「大切に考えています」 「それは、このことを知る前のこと?それとも知ったから責任を感じてくれて言ってるの?」 「俺にとって、奈津美は昔も今も大切な存在です。この間久し振りに会って、それからは毎日会ってる。ずっと会わなかったのは行き違いがあったからで、今は、もう..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ さあ、再びここに帰って来ました。 ファーストキスのここに…★ 第2節 零地点(ゼロ・ポイント) 奈津美と俊幸は、二人で中学の方に歩いた。 母校の中学校は、十二年前と同じようにそこにあった。門は閉まっていたが、やはり鍵は掛かっていなくて、すんなり中に入ることができた。グランドではまだ部活動の練習に励む中学生の姿があった。 奈津美が言った。「私のクラスに真子っていたじゃない。あの娘(こ)、高校中退して子供産んだんだけど、その子が今年この中学に入ったんだって」 「俺たちはOBっていうより、親の世代..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 奈津美との奇妙な食い違い、 記憶喪失の原因とは? 「マイナス地点(ポイント)」の最終話です★ 奈津美は、精神科医の美春を訪ねていた。 「それで、幸せそうな表情(かお)をしているのね。じゃあ、お見合いの方はどうする?相手は乗り気だったのよ。でも本命が現れたなら…」 「俊幸、…彼は、まだどう思ってるかわからないし…」 「だって、毎日会ってるんでしょう?嫌なら会わないはずよ」 「そうですね」 「彼は独身でしょ?付き合っている人とかもちろんいないわよね?」 「いないそうです」 「じゃあ、お見合いは私からお断りして..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 今日は俊幸と再会した、 ちょっと謎の 奈津美に迫ってみます★ 奈津美は、生まれてからずっと、この町に住んでいる。駅の周辺こそ賑やかになってきたが、彼女の住む所はのどかな住宅地だった。 けっして彼女はこの町を嫌いではなかった。むしろ愛着をもっていたが、家族以外からは、まるで忘れられたような気がしていた。自分だけが変わらずに、皆がひとかどの仕事を持ったり、家庭を築いたりしている。取り残されたような感覚だった。 何年も介護した祖父母が亡くなってからも、奈津美は家事を任されながら、仕事はしていなかった。その立場もそう感..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 彼の忘れられない女性との 濃厚な回想シーン。 そして、彼は 帰郷しますが…★ 彼の名前は辰巳俊幸(たつみ としゆき)といった。都会での生活をやめ、この日、大学時代からずっと住んできたアパートを引き払う予定だった。 すべてのものを送り出し、立会いの不動産屋を待ちながら、彼はまた奈津美のことを思い出していた。 勤め始めた最初の夏、お盆休みで帰省していた時、やはり俊幸は彼女と会った。その時の奈津美は学生の頃のようなかわいさと共に、女性らしい魅力が兼ね備わったようだった。その後何年も、彼はその時の彼女の姿を思い浮か..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ある夕焼けの日、 その思い出が 二人の忘れられないゼロ・ポイントのはずでした… 甘酸っぱくも ほろ苦い青春の日々、 初恋ははかなく、 叶わないものといいますが・・・ 全30話を一挙再連載でお送りします★ 今日はヒロイン(?!)の登場です★ 「 忘れられた零地点(ゼロポイント) 」 プロローグ 彼女は今でも高校卒業前のその日を人生最良の日だと思っている。 夕陽が、オレンジ色に全てのものを変えて照らしていた。もう記憶が曖昧になってもいいほど時が経ったのに、落ちていく陽..
爽やかな春を ただ謳歌することができない人もいます。 寂しがり屋の意地っ張りは特に…。 春真っ盛り。 そして、季節はまた移っていきます。。。★ 「 すみれが愛される理由は 」 すみれが愛される理由は すっとした立ち姿の麗しく 好きだよと言われたら 俯きがちに ほほ染めて 素直に微笑むから タンポポがかわいい理由は 明るい陽射しの色をもらって 一心にあなたを見上げて 満面の笑顔のように 花を広げてくれるから。 すみれが愛される理由は… タンポポがかわいい理由は… 私がちっとも愛されない理由と ..
早春に 8日間でお送りする愛の物語── 「さき初めさくら」 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 春はまだまだと 思っていたのに…。 あきらめない人には、 きっと やってくるのです。 最終回、お送りいたします★ 遭難した山をじっと見上げながら、峻の心には、いろんな思いが湧きあがってきていた。 「お前に会えてよかったよ」と、峻は初めてその気持ちをはっきり明かした。 「ほんとにそう思う?」と、茜はしっかりと彼を見つめていた。 その瞳を見つめ返すことは、今までどうしてもできなかった。視線を逸らすようにして、そっけない素振りをしながら、わからな..
小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ とうとう茜の両親の前で、 「好きです」と告げた峻。 え、星一はなんて?! まだ信じられず固まっている 峻ですが…★ みどりが、すでに店に来ていた茜と共に戻って来た。 星一が口を開いた。「さぁ、二人が揃ったところで、言っておくぞ。峻、茜、お互いを大切に思えるなら、付き合っていいぞ。こそこそせずに、堂々と付き合えばいい」 「パパ…」と、茜は信じられないような顔をしていた。 「さっき、峻は冬山には登らないと約束したし、あと条件は健全に付き合うことだけだ」 峻はようやく口を開いた。「いいんですか?茜はまだ..