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財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館) https://blog.goo.ne.jp/avantgarde-october

「マーメイド クロニクルズ〜第三部配信中!」「第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中!

財部剣人
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2010/03/19

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  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第1章−4 堕天使ダニエル(再編集版)

    「う~ん、いいにおいがする。まずは腹ごしらえといくか」グリッドが突然気づいたように言った。他の二匹もうなずくと飛び跳ねるやいなやストリート・ギャングたちを頭からバリバリ食べ出す。メンバーたちはあまりの恐怖に腰が抜けている。「おい、お前の相手はこっちだ!」ダニエルはヒードンに言い放つと、セラフィムだけが持つ6枚の羽を広げて飛び上がった。ただし、羽は金色ではなく、暗い黒色だったが。「なんだ、このオーラは!まさかセラフィム(織天使)が地上に?なぜ黒い羽?」ダニエルはマクミラを傷つけると言ったヒードンを許せなかった。「地獄で後悔しろ!ミックスト・ブレッシング!」ダニエルの右眼から白い熱線が左目から黒い熱戦が発せられた。黒い熱戦は黒色火薬のようにヒードンの身体を幾重にも包むと、一瞬後に白い熱戦が時限爆弾のように発火した。...マーメイドクロニクルズ第二部第1章−4堕天使ダニエル(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第1章−3 子ども扱い(再編集版)

    マクミラが、一瞬の内にワイヤー入りの鞭を左右に振ると、右の鞭にナイフがからみとられ、左の鞭に銃弾が取り込まれる。いつのまにか、両方の鞭に炎が走っている。「坊やたち、まだまだあまい」マクミラがつぶやくと、鞭をさらに一振りする。燃える炎が、二人のストリート・ギャング団リーダーの頬を一撫でする。アチッ、彼らが思わず声をあげる。「次は、火だるまだよ」脅しに二人がゾッとしたときだった。どこからか、ゴースト・トレーラーが突如として現れた。引っ越し荷物などを運ぶ「鉄の固まり」のようなトレーラーには、普通なら牽引車がついている。このトレーラーには牽引車がなく、どこに進むかわからない頼りなさで、当たるのを幸いになぎ倒していく。停めてあったギャングたちのバイクにトレーラーがぶつかると、激しい音を立ててバイクの車体を引き裂き、ランプ...マーメイドクロニクルズ第二部第1章−3子ども扱い(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第1章−2 深夜のドライブ(再編集版)

    「マクミラ、今夜はどうするんだ?」ハーレーダビットソンFXSTSスプリンガ-・ソフテイルをフルスロットルで走らせる堕天使ダニエルが、声をかける。「セントラルパークに!禍々しいオーラがふくれあがりつつあるわ」キルベロス、カルベロス、ルルベロスの3匹が合体した魔犬ジュニベロスにまたがったマクミラが、深夜の幹線道路を逆走しながら怒鳴るように答える。このところマクミラは、ダニエルと一緒の真夜中の魔物狩りが日課になっていた。どうしたわけか、最近、冥界時代に牢獄に閉じこめたはずの魔物たちが、人間界に下りてくるようになっていた。狩られるのは性に合わない、マクミラは狩られるより狩る側にまわろうと考えた。カンザスでの闘い以降、目覚めつつある力をもてあましており、心と身体の両方が闘いを望んでいた。いったん闘いだすと、ザコ相手ではも...マーメイドクロニクルズ第二部第1章−2深夜のドライブ(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第1章−1 ビックアップルの都市伝説(再編集版)

    カンザスの戦いから2年、ここは1993年初夏のニューヨーク。翌年に就任するルドルフ・ジュリアーニ市長の破れ窓理論*を応用した復興キャンペーンはまだ始まっておらず、経済は沈滞、治安は最悪で、文化も衰退していた。80年代中盤の株式ブームによって回復した経済も87年のブラックマンデーによってブームは終わりを告げ、その後の不況と比例するかのようにニューヨークでは凶悪犯罪、売春が増加し、人々の気持ちもすさみつつあった。マンハッタンで最も治安の悪いロウアーイーストサイドにいたってはスラム街と大差ない環境で、住民の40%が失業者で、アルコール中毒者、麻薬常習者、精神疾患者であふれかえっていた。異人種間のもめごともしょっちゅうであり、建造物の四分の一は空き家同然であった。TheBigAppleは、まさに「強大な腐ったリンゴ」に...マーメイドクロニクルズ第二部第1章−1ビックアップルの都市伝説(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 序章(再編集版)

    ところで、女はいちごのような唇で蛇が身を焦がすように、体をくねらせコルセットの骨の上から両の乳房を揉んで麝香の香りがすっかりしみ込んだ言葉を、流れ出るにまかせていた。――シャルル・ボードレール『悪の華』発禁の断章恐れられたこの私の腕に一人の男をきつく抱くとき、あるいは、内気なくせに淫蕩で、か弱いのにたくましい、この胸を、噛まれる苦痛に委ねるとき、感動を恍惚となった敷物の上で、ああ、不能の天使だって、私を恋いこがれて堕ちていく!――同書同章身も凍えるような恐怖に両眼を閉じ、生き生きとした光で、また眼を開けたとき、たっぷりと血を蓄えたらしい力強いマネキン人形にかわり、両脇は雑然と震える骸骨のかけら。それらがひとりでにたてるのは、冬の夜毎に、風がゆする、風見鶏か、細い鉄の棒の先の看板の叫びか。――同書同章プロローグ我...マーメイドクロニクルズ第二部序章(再編集版)

  • 第一部 序章〜最終章とエピローグのバックナンバー

    財部剣人です!おかげさまで第一部の再配信も終了しました。来週からは、第二部の再配信を始める予定です。さらに第三部の完結に向けてがんばっていきますので、どうか乞うご期待。「マーメイドクロニクルズ」第一部神々がダイスを振る刻篇あらすじ深い海の底。海主ネプチュヌスの城では、地球を汚し滅亡させかねない人類絶滅を主張する天主ユピテルと、不干渉を主張する冥主プルートゥの議論が続いていた。今にも議論を打ち切って、神界大戦を始めかねない二人を調停するために、ネプチュヌスは「神々のゲーム」を提案する。マーメイドの娘ナオミがよき人間たちを助けて、地球の運命を救えればよし。悪しき人間たちが勝つようなら、人類は絶滅させられ、すべてはカオスに戻る。しかし、プルートゥの追加提案によって、悪しき人間たちの側にはドラキュラの娘で冥界の神官マク...第一部序章〜最終章とエピローグのバックナンバー

  • 第一部 エピローグ

    こうして、わたしの聖ローレンス大学一年生の夏は終わった。マクミラが約束した通り、KKK団の講演会は中止になりキャンパスには静寂が戻ってきた。しかし、わたしと孔明、ビルとチャックは極左団体に加担するテロリストだったのではないかと疑いをかけられて、数日にわたる執拗な取り調べを受けた。マウスピークスがあの三人に限ってそのようなことはあり得ないと保証してくれたのと、FBIにアポロノミカンがらみであると伝えてくれたおかげで、今回の事件も膨大な「アポロノミカン・ファイル」の一つになったらしい。あの時のゾンビたちが心の平静を得ていればよいと思う。炎上したローデン・オーデトリアムは、数年後、近代建築の粋を極めたという殺風景なコンサート・ホールに建て替えられてしまった。仲間たちの、その後についても語っておこう。孔明は元気でLUC...第一部エピローグ

  • 第一部 最終章−8 死闘の終わり

    その時、孔明とナオミの帰りが遅いのを心配して、寮で待っていたチャックとクリストフがやってきた。車のドアを開けて飛び出しきた二人はあまりの惨状に声も出せない。もはや勝負はついてしまったのか・・・・・・ナオミはあきらめかけた。「勝負は、まだついてない」皆が声のする方を振り返ると孔明が立ち上がっていた。「ビル、雲から大地に向けて雷を落とせばいいな?」服がボロボロに破れて上半身裸になった孔明が言った。「ああ、アルゴスは雷のエネルギーを利用できる」「よし」演武を始めるために孔明が後ろを向いた。その背中に鮮やかな真紅の龍の入れ墨が浮き上がった。右手が振られると光りが生まれ足をあげると虹が空気を切り裂いた。彼が移動するにつれて闘気が渦を巻きだした。つむじ風が起きた瞬間、幻視ではなく孔明は巨大な龍に変容すると天に向かって昇りだ...第一部最終章−8死闘の終わり

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