気軽に読めて笑えるショートストーリーです。名作パロディーやファンタジー、ミステリーなどいろいろ書いています。
2分くらいで読めるショートストーリーです。 ブログでは、なるべくハッピーな話を書くようにしています。 伊東葎花のペンネームで、いろいろな文学賞に挑戦中です。
「おはようございます。瑠璃子さん」 「おはよう、春香さん。今日の空は、どんな色?」 「はい、白鳥が飛び立った後の、澄んだ湖のような青です」 「まあ素敵」 視力を失った瑠璃子さんのお世話をするようになって、もうすぐ1年。 初めて会ったとき、瑠璃子さんは私に言った。 「春香さん、私が最後に見た空は、どんな色だったと思う?」 「さあ、その日のお天気にもよりますので」 「絶望の色よ」 「じゃあ、黒………
卒業証書を抱えた高校生とすれ違った。 あの制服、私の母校だ。懐かしい。 放課後のおしゃべりとか、部活のあとのアイスとか、そんなことばかり思い出す。 私の隣にはいつも珠里がいた。よくもまあ飽きずに、毎日一緒にいたな。 二人でいるのが当たり前だったのに、珠里とは卒業してから一度も会っていない。 絶対また会おうって言ったのに、一度も会っていない。 夏休みに会う計画を立てたのに、結局会えなかった。 原…
2105年、人間は2種類に分けられる。 AIを使う人間と、AIに使われる人間。 世界の7割の人間は、AIに使われている。 AIロボットの指示で働き、失敗すると容赦なく切られる。 切られた人間はスラム街へと流れ、ひどく荒れた暮らしをしている。 私はもちろんAIを使う側の人間。 「おはよう、アンジー」 「おはようございます。スドウ様」 「先月の、西区の売り上げを出してちょうだい」 「承知しました」…
「ブログリーダー」を活用して、りんさんさんをフォローしませんか?