僕は自転車で坂を下ってすぐに左に曲がるそのとき急に飛び出してきたのはカニさんだったブレーキは間に合わないハンドルをどう切れば避けられるだろうか君が動くのは右か…
シマトネリコの木が大きく育った 高枝剪定鋏で枝を落とすシマトネリコにとってはせっかく成長したのになんてことしてくれるんだというところかそれは人間的な考えでこの…
なんにも楽しい事ないよなんでいつも楽しそうなの?そう言われても普通にしてるだけなんだけど嘘!なにか楽しい事してるでしょ?教えてよいやこれと言ってなんにもしてな…
レースのカーテンに映る木漏れ日を眺める音にすればサワサワではなくザワザワでもなくサワザワ午後三時半のリビングに僕ひとり音はなく言葉にすればシーンではなくボンヤ…
午前一時ふと屋上に上がると東の空には木星が夜空を独り占めするように圧倒的な光量で輝く街灯の灯りが束になって群がっても太刀打ち出来ない不意に南東の空が光る音のな…
雷が四方八方からゴロゴロと空を揺らす降りそうで降らない中をテクテクと歩く左右の繁みからリーリーと秋の虫突然空を一直線に切ってゴーっと飛行機が行く自然の中で自然…
やっぱり思いやりがないとねそうだね信頼関係がグラッと揺れるのは思いやりのなさを目の当たりにした時だと思うな私の場合はグラッじゃなくて崩壊よ私の中にはそういう人…
夢だった目覚めて誰もいないのに気付いてやっと夢だったと分かった大笑いしていた喋りたいのに笑って喋れなくて苦しかったこんなことは現実でもよくあるどうして笑ってい…
雷がゴロゴロと鳴っている何を転がしているのだろうかそういえば昔マンションの4階に住んでた頃真夜中にズーッズーッとダンボールを引きずっているような音その重低音は…
つまらなくて体力的にしんどくてやりがいのない仕事でもそこで出合って仲良くなった人がひとりでもいれば私にとっては最高に楽しい仕事その人は確信のある目でそう言って…
「将来は北欧に住むのもいいな」冬生まれの君が言うそこから話が樹木のように枝分かれして温暖化森林火災地震言語経済福祉無限の可能性がある君との会話は僕の深いところ…
こんな人はどこにでもいる自分が一番正しいと思い込み周りにきつく当たって孤立してるのに当人は全く気付いていない人そんな人のことを同僚は「愉快な人だと思う事にして…
心を奪われると他のことは考えられないでも心がなくても頼まれ事は断らずでも心がないからいつもより淡々とこなすいつもなんでもやり過ぎて蛇足気味なのが丁度いい塩梅に…
晩ごはん時長男と僕の椅子が入れ替わってた「そうやね、もう一度大学生からやり直すっていうのもいいかもね」遠い目で肩まで伸ばしていた髪型を思い出すあの頃は確かに毎…
遠くで蝉が鳴いている君の夏はまだ終わっていないか花が終わったイベリスを枯らしてしまった来年もまた花を咲かせてくれる宿根だったのに植木鉢を空けて新しい土を入れた…
「どっちかにしてくれない?」妻が言うのはテレビでプロ野球中継をつけてステレオで音楽をかけていることだからテレビの音はほとんど聞こえない音量にしている音楽は僕の…
仕事に歩いて行こうかと迷ってやっぱり自転車にした道行く車はなくあちこちから飛んで来た葉が濡れて吹き溜まりに寄り添う増水した川にはいつもと違う水が流れているよう…
ランタンが点かないというので分解してみたわりと名のあるメーカーの物なのに作りがあまりに雑で驚く分解を進めるとなんとも不可解な構造に苛立ち始めるそう言えば見かけ…
スーパーへ行こうとする僕に長男はジャガイモと玉ネギを買って来て欲しいって冷蔵庫のストックは僕がカレーで使い果たしていたなんだって?今度はビシソワーズを作るって…
「美味しいよ」カレーを食べて妻は言ったそこには労いの意味もあった実際普通に美味しかったそれに比べればプリンは味は普通のプリン味だけど食感がよくなかったそれでも…
僕は玉ネギをニ時間も炒めていたけど飴色になる様子はなかったその間にプリンはフライパンで茶碗蒸し風にしたけど固まらずオーブンに入れたけど固まらずレンジに入れてや…
晩ごはんにカレーを作ろうと決めて玉ねぎを炒め始めると長男がやって来てプリンを作ると言いカラメルソースを作り始めた並んで作っていると味が混じりそうで怖い「えっ、…
日中は街全体が熱風にまみれていて笑ってしまったお風呂でさっぱりとすると笑みよりも安堵ふと我に帰って冷蔵庫を明けると無いはずのシュークリームがない当たり前だろう…
僕は冷蔵庫に残った一個の行方が気になってしょうがなかったのだろう「シュークリームあるけど食べる?」と次男に言った「食べた方がいいの?」これがシュークリームを嫌…
夜10時を過ぎていたこんな時間に食べるシュークリームは罪悪感味になってしまうそれでも食べたい妻は次男に「半分っこしない?」と囁き半分に割ったのを差し出す「それ…
仕事から帰ってすぐに冷蔵庫を開けたシュークリームは二個で一個減ってるシュークリーム大好き男の長男が食べたらしい「シュークリームを嫌いな人っているのかい?」フラ…
とっても珍しいことに冷蔵庫にシュークリームが四つ家族分あったいつもは二つか三つなのにていうかそれが謎で我が家の珍しいは世間の常識だと言えるところが誰も食べよう…
招かれざる客は忘れた頃にやって来る仕事中にちょっと屈んだ姿勢を取ると腰から背中に電気が走った長い間忘れていた痛み幸いなのは軽めだったことでも振り返ればここ半月…
口座開設の為の印鑑のことで妻と長男の会話がとんちんかんで笑ってしまった昔の僕ならどちらがいかに間抜けかを解明して解説していた今の僕は解決したのなら細かいことは…
やっぱり若い子は仕事を覚えるのが早いひとつやって見せればあとは見てるだけ逆説的だけど仕事は作業以外の事が大事なんだと気付く性格と相性を踏まえた人間関係がほとん…
その怒りのパワーを何かに活かせたらいいのにねわたしは怒ってないよぜんぜん怒ってないただどうしてかな〜って思うことをちょっと早口で言ってるだけ怒ってないよそっか…
窓の外が騒がしくてちょっと覗いてみたらまるい大きなお月様潮の香りにまみれた海風は気の抜けた汽笛と一緒にやって来て北の空に帰って行った正直になびいた木々の枝葉は…
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僕は自転車で坂を下ってすぐに左に曲がるそのとき急に飛び出してきたのはカニさんだったブレーキは間に合わないハンドルをどう切れば避けられるだろうか君が動くのは右か…
「こんな番組を観るようになったら私もオバハンやな」昭和の懐かしい歌番組を観て妻がつぶやくちゃんと聞き取れなくて聞き直したから二度も言わせて悪かったでもこの番組…
これはもう夏の雲なのではと思った日昨日ちょっとしたミスで落ち込んでいると言う人にどんな言葉も昨日のその人には届く筈もなく今日のその人には気休め未満でしかない遠…
挨拶しても無視されるまあいいか煙草の臭いがやってきたまあいいか自分の方が雑なのに細かい事を指摘してきたまあいいか何を話しても自分の話にすり替えられるまあいいか…
いっぱい知ったからいっぱい忘れられるのかいっぱい知ろうとすればいっぱい忘れられるのか忘れたいと思ってることは忘れたいと思えば思うほど忘れるリストの先頭から後ろ…
窓を開ければレースのカーテンがぐぐっと部屋の内側にふくらんでふくらんで耐えきれずしぼんでいって外に出たいけど叶わずそうこうしているうちにまたぐぐっとそんな永遠…
ポーチュラカが咲いた冬を越して春に少し伸びて梅雨になって蕾を付けた今日落ちてしまう一日花だけど次の蕾がすぐ隣で明日を待っている時の過ごし方は違うけど人の世と同じ
辺りはもう明るいほんの30分ほど前はまだ薄暗かったのに太陽の偉大さに改めて気付かされて外に出ると肌寒かった陽を浴びた風は後からやって来るんだ小鳥のさえずりが一…
夕暮れに雑木林に入ってすぐ話し声が聞こえる目を凝らせばオレンジ色の短パンに黒Tシャツで緑色のキャップ口ひげを生やした太ったオジサンが一人で立ち止まってずっと喋…
もうあと数日たてば職場で健康診断がある誰もが考える愚かなことだけど少しでも体重を落とそうと頑張ろうと思って本当に頑張れるのは十人に一人くらいかその一人になろう…
ポーチュラカを植える為のスペースを確保しようと土を掘り起こしているとでっかいミミズが現れた騒がしてゴメンなさい君がここの土をフワフワのフカフカにしてくれてたん…
からりと晴れた日でも雑木林の中は程よい湿気を纏っているいつものコースを歩き進めると前から若い女性もしかしてこの前の魔女かいいや黒いパンツに黒い靴だけど真っ白な…
この時期はもう夕方の庭いじりは危険でほんの30分程の間に20ヶ所も蚊に刺された最初はちょっとくらいならいいよと刺されても無視していたけどとろい奴がいるよと連絡…
ぼっぽつぱぽばぱぱぼっぽばぽばぱら雨合羽に落ちる雨粒は紛れもないアナログの音フードの中で共鳴するのは頭の中の遠い記憶かずっと聴いていられるしずっと聴いていたい…
雨はそんなに嫌いじゃないこれは周りに気を遣って本心を隠した言葉雨も結構好きだなんて言うと醒めた目で0.5秒程見られてすぐに視線を逸らされて嫌な顔をされる若い頃…
雨水を吸い込んだ雑木林は新芽がぐんと伸びて緑が濃く深くなっている時を忘れて佇めば足から根が生えて木になってしまいそう前から来た女性は上下が真っ黒で黒いフェイス…
雨あがりの夕暮れ前小鳥たちは騒ぎいつもはのんびりのダンゴムシも少し早足雨あがりの宴に僕も参加させて貰おうと長雨で溶けそうな花を摘み進めれば遠目に鮮やかさが蘇り…
何故だろうミルクティーは好きじゃないのにふと飲みたくなったその前にミルクティーが好きじゃないのは何故だったか思い出せないままひと口飲むとミルクティーが好きで飲…
戻れるならいつに戻りたい?なんて話に花が咲いてでも仕事が始まり僕の番は回って来ずその日は終わったそしてお風呂の中でゆっくり考えるはからずも人生を振り返ることに…
花の植え替えをしているとフリーペーパーを配布する人が「いつも勉強になるなと思って見させて貰ってるんですよ。園芸の専門家の方ですか?」「いえいえ、趣味でやってる…
うまくいかない日っていうのは昼寝さえうまくいかない寝苦しくて寝付けずもういいやと起き上がると頭がぼんやりしていてこのあと頭痛になる気配だったけどふと見たスマホ…
店の駐車場にはロープが張られて定休日の文字も昨日あんなに練った予定がボロボロと崩れ落ちるその後は何をやってもうまくいかない今日はそういう日だったんだと諦めかけ…
結局車の買い替えはやめて車検を受けることにしただけど10日ほどの間に夫婦であれこれ話し合って改めてお互いの考えや何に重きを置いて生きているのかがよく分かってよ…
夢を見ながらこれは今後の人生の指針となる夢だから一語一句漏らさず覚えておこうと思っていたそして目覚めるときれいさっぱり忘れていたなんとかして思い出そうと五十音…
雨の日車の中で人を待つスマホがあるからいくらでも待てるでもスマホがなかった時代でもフロントガラスにぶつかって流れ落ちる雨粒の様子はいつまででも見ていられた今な…
車検のタイミングで買い替えの案が出たディーラーを三軒回れば三人の営業と出会うよく喋る人こっちが喋らされる人雜談ばっかりの人人間って面白いだけど三台も買えない誰…
ウォーキングの折り返しに大きな木が群生しているこんにちは挨拶するけど何も言わないでも本当は僕より先に何か言ってるのに僕には聞こえていないのだろうこの世はきっと…
思いがけない休日の朝予定はまだないだらりと伸びた身体は水飴のようだけどそんなに甘くはない学生の頃炉端焼き屋でバイトしていて経営者が醤油ダレを作るのを見せてくれ…
僕は気が動転していたと思うみんなが食べてもちろん僕も食べて残ったわらび餅が三つきな粉を薄く纏って肩を寄せているこういう時は僕が完食するのが通例だけどなんだか気…
時々やってくる浮遊感身体は軽いけど軽過ぎず心はすべすべの縁取りの中を行ったり来たりおかげで心もすべすべのつやつやぎゅっとつかんでもすぐに元に戻りそうだからとい…
僕はその人が苦手だったその人がいきなりやって来て何かの説明を始めたけど全く理解できないその人の言った言葉が頭の中には入らず目の前でフライパンで煽られて跳び跳ね…
今年初めてスイカを食べた年に一度か二度しか食べないのにまだ六月なのにもう食べてしまったスイカはスイカ以上でもスイカ以下でもスイカ以外でもなくスイカだった思った…
風に揺れる枝葉に心奪われるのはとても疲れているからか悟りの境地に近いのかそれほど疲れていないからきっとどっちも違う手を伸ばして触れたい何かがあるとぼんやり分か…
年配女性のコミュニケーション能力の高さには頭が下がったまま上がらない整形外科の待ち合いでそれはすぐに始まるしかも声が大きいから会話の内容は全筒抜けで個人情報は…
念願の朝五時に起きた目覚まし時計に頼ることなくとういうことは起きられたら起きてそうでなかったらまあいいかという淡い念願だった朝焼けに間に合うそう思って屋上に出…
他人のせいで自分の予定が狂ったことを空間をねじ曲げるように自分の思いをねじ曲げて自分のせいにしたり狂った結果が予定より良かったと思うことは出来ると思う空間をね…
雲が繋がっているのか離れているのかまだら模様でどっち付かずそこに飛行機が繋げようと縫っていくもう充分に繋がったタペストリーキャロル・キングの歌を聴きたくなる夕…
夕方六時前でもこんなに明るいのは水平線の向こうまで夏が来ている証拠だ歩幅を少し広くとって足首を使って歩くそう決めていても歩いていると色んな思いが浮んでおろそか…
こんな時代が来るなんてひとつの部屋に家族全員がいてみんな別の方向を向いて手にはスマホかタブレットそれでも誰かの声に反応はして言葉が行ったり来たり昔は視線も姿勢…
天気は下り坂坂はまだまだ続くだろう身体が重く感じる午後ふとやって来た小鳥がひょいひょいと枝を渡っているから僕は窓に駆け寄ったけど思ったよりも身体は鈍くて窓ガラ…