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金色銀色茜色 https://blog.goo.ne.jp/knjaskmstkzk

ごめんなさい。 新しい物語になっています。 和洋折中の時代を舞台にしました。

渡良瀬ワタル
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日南市
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2008/05/30

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  • 昨日今日明日あさって。(大乱)265

    敵の領都と神社は外壁一枚で隣り合わせ、完全に一体化していた。共用の、外周の水堀は幅5メートル、水深5メートル。外壁の高さも5メートル。思いも寄らぬ堅固な鎧を纏っていた。アレックス斎藤伯爵は忸怩たる思いであった。国軍駐屯地を落して、幸先良し。それが躓いてしまった。原因は分っていた。水堀の完成を事前に知らなかった、それに尽きた。分っていれば攻城戦用の兵器を牽いて来たものを・・・。主因は別にして、もう一つも彼を苛立たせた。使番が次々に戻ってきて報告をした。どの使番もが同様の言葉。「拒否されました。正面よりの攻撃に尽力するの一点張りです」領都も神社も、街道に面する西側に表門がある。それを破るには橋を渡るしかない。簡単だが、それが難しい。敵が殆どの兵力を集め、的確に交替しながら、外壁の上から強烈な反撃をして来るからだ。そ...昨日今日明日あさって。(大乱)265

  • 昨日今日明日あさって。(大乱)264

    二人は競うように、我勝ちな説明に終始した。これがテストの答案なら零点だ。まあ、この二人だから・・・。泡を喰う事態が出来した、そう理解した。俺は二人の口から出た言葉から推測した。『つまりアレックス斎藤伯爵が俺の領都を攻めてる、と』現在の美濃地方の寄親はアレックス斎藤伯爵。前の寄親・バート斎藤伯爵の嫡男である。木曽から発した魔物の大移動を阻止したバート斎藤は、その功績でもって陞爵、侯爵にして評定衆の一員。今は国都に居住しているので、美濃の嫡男までは目が行き届いていない。世評は、出来る親、比べて怠慢な嫡男。怠慢伯爵が俺の領地を攻めているとは・・・、理解できない。『そうなのよ。木曽ダンジョンからここに戻ろうとしたら、領都の方がやけに騒がしいじゃない。それで立ち寄って見たら、そうなのよ』『ピー、領都と神社が軍勢に攻められ...昨日今日明日あさって。(大乱)264

  • 昨日今日明日あさって。(大乱)263

    兵集めに難渋したのか、伯爵当人が当家を訪れた。アポ取りしてから来訪だったので、俺は面会に応じるしかなかった。刻限近くになったので三階から下を見下ろした。几帳面かどうかは知らないが、ちょうど馬車が入って来た。護衛騎士は四騎。同時に玄関前に当家の執事と手空きのメイド達が整列した。あちらの馬車が馬車寄せに止まると、護衛の女性騎士がエスコート役に早変わり。一人二人三人と降りて来た。一人目はあちらの執事。それらしい恰好をしていた。二人目はあれが当主なのだろう。ハウザー松平伯爵は貫禄があった。腹が出ていた。三人目は見知った顔。娘のセリナ松平だ。夫人はいない。亡くなったのか、離縁したのか、病なのか、それは知らない。知りたくもない。執事のダンカンが俺を呼びに来た。「皆様を応接室に案内致しました」「それで、伯爵の様子は」「面倒臭...昨日今日明日あさって。(大乱)263

  • 昨日今日明日あさって。(大乱)262

    執事が丁寧に言う。「皆様、当家の招きに応じて頂き、誠にありがとうございます。深く御礼申し上げます。これよりほんの少しですが、皆様のお目と、お耳をお貸し下さい。当家の主がご挨拶いたします」言い終えた執事が階上を振り返った。二階部分には、落ち着いた紺色に染め上げられた幕が張られていた。当主の意向なのか、家風なのか、それは知らない。その幕が、左右に引き開けられた。中には主催者側の家族がいた。玄関で顔を会わせた全員が揃っていた。俺の耳元に執事・ダンカンが囁いた。「公爵様や侯爵様が数家、ご当人様の姿がございます」生憎、俺は区別がつかない。公爵も侯爵も、伯爵も、子爵も男爵も、金銭で得られる爵位もだ。誰が何爵やら。しかし、先ごろ亡くなった国王の、実弟二人の公爵家は姿を消したが、妹や叔父や叔母の公爵家は存続していた・・・のか。...昨日今日明日あさって。(大乱)262

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