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  • 飼い猫シロの目線

    本文編集天井が低い。いや床が浮き上がったのか?仏壇のある空間がやけに狭く感じる。空気も薄く息苦しい。この家自体も細かく仕切られていて、いたるところにドアや襖、ガラス障子がある。いちいちそれらを開け閉めするのは面倒くさい。以前は屋根裏にねずみがいて、私が来る前まで夜中には奴らの走る音が聞こえていたそうだ。下の部屋に続くドアは開け閉めすると、いつも「ギャー」というささくれ立った音を発する。2階は激しく歪んでいて、廊下を歩くとき少々やっかいだ。2階も私がちゃんと見回りをしているが、ときどき変な奴がやってくる。そいつらは白い服を着て体がぼやけている。家族の奴らはどうして彼らに気づかないのだろう。2番目の孫娘は何となく気づいているようだが。彼女はぼんくらばかりの家族の中で一番まともだからな・・・・・・。2階の廊下と...飼い猫シロの目線

  • ワルキューレ猫族が風船にぶら下がって、やって来た!

    赤色の風船にぶら下がり、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」の旋律にのって猫族がやってきた。ワルキューレ猫族と人類の命運を賭けた最終決戦の始まりだ。猫たちは青い鈴をつけて首とお腹に風船の紐を巻き付けて空を飛んで僕の部屋にやって来た。彼らは物凄いスピードでガラス窓をぶち破って部屋の中に入ってきた。そして壁や天井を猫パンチ、猫キックでボコボコに破壊した。彼らの最も恐ろしい攻撃は、口の中で鉄球を作りそれをミサイルのように発射するものなのだ!これでは人類は太刀打ちできない!そう言えば以前、猫は壁の中から出てきたと聞いたことがある。猫の体はとても硬いのだ。猫族のメンバーは白いちゃんちゃんこを着ている「白太郎」、首から黒いネクタイ模様のある「リーマン」、巨躯で怪力の茶猫「ドラ」。そして手足は短いが不屈の闘魂を持つキジ猫...ワルキューレ猫族が風船にぶら下がって、やって来た!

  • 環境整備課・有村孝一の秘密

    「おい有村君、例の書類はできたかい?」「アッ、す、す、すいません。もう少しかかります」有村考一は、か細い声で答えた。「あーっ、いいよ、いいよ。まだ会議には時間があるし」課長は投げやりにそう言った。「有村さん、私、何か手伝うことないですか?」先週からパート職員としてこの職場に入ってきた越智菜々子が明るく言った。有村は彼女の元気さに気圧されるように「いや、別にないです」と黒縁メガネの中の小さな眼を見開きながら答えた。「有村君。見神町二丁目三番地のゴミ収集でまたクレームがきてますわよ。あなた、ちゃんと対応したの?」係長は赤い眼鏡のフレームを動かしながら早く現場に行きなさい!と無言の圧力を有村にかけてきた。「じゃあ、あたしも同行していいですか?仕事を覚えるために、ねえ課長さん?」「あっ、あああっ」課長は菜々子の若...環境整備課・有村孝一の秘密

  • 超高速でキーボードを叩くトラ猫

    久しぶりの休日なので、ネットカフェに行く。アイスカフェラテをつくり、オープン席につく。「龍狼伝」と「修羅の門」の単行本と、「キングダム」の最新話が載っておるヤング・ジャンプを持ってくる。パソコンのインターネットからキース・ジャレットの音源を引っ張ってくる。ヘッドフォンをしてキース・ジャレット・トリオの演奏を聴く。「俺は真のジャズ・ファンだぁ!」とうんちくを垂れる奴はどうしてキースが嫌いなのだろう?マイルス・デイビスだってキースを認めているのに。「修羅の門」の最新刊を読んでいると、派手な格好をした婆さんが身体を傾げながら、ゼイゼイ言いながら歩いてきた。僕が優雅に漫画本を読んでいると、婆さんが偉そうに手招きしている。携帯電話を充電するのにプラグの差込口がわからんと言うのだ。それだけしか話していないのに、ヒュー...超高速でキーボードを叩くトラ猫

  • 壁に掛かっている時計と白い猫

    男は灰色の医師から余命数ヶ月と告げられた。彼はそのことに対して心が揺れ動くことはなかった。男の体に痛みはなかった。ただ体内のエネルギーが不足している感覚はあった。「これからは、好きなことをして過ごして下さい」灰色の医師は申し訳なさそうに言った。「・・・はい」男はそう答えたが、自分がやりたいことが思い浮かばなかった。壁に掛かっている丸い時計の秒針がいつもより早く進んでいた。病室の窓から外の景色を見たり、屋上で爽やかな風に吹かれたりして男の時間は過ぎていく。屋上のベンチに座っていると白い少女が話しかけてきた。「おじさん、楽しそうだね」「僕はもうすぐ死ぬんだ」「フーン」白い少女の反応は何の感興もなかった。「おじさん、あたしはずっと病院で暮らしているんだよ」「学校は行ってないの?」「病院で授業を受けてる。ほら今は...壁に掛かっている時計と白い猫

  • 敷布団に別れを言ったのだ

    今日、敷布団をバラしました。といっても怖いことではないのです。敷布団が古くなったので解体したのだ。解体・・・はいまいち正確な表現ではないが、ともかくバラバラにしてゴミ袋に入れたのだ。なんだか書けば書くほどヤバイことをしているようなだが違うのでありんす。なぜ解体したかというと敷布団と布のところが破れて見た目が悪いからです。読者諸兄もご存知の通り晴れの日に敷布団を干すのは気持ちいい。しかしわたくしの愛用していた敷布団はいつから使ったか分からないくらい使ってきました。さすがによる年波には勝てず布が擦り切れて破れてしましました。しかも両面!人間の寝返りの継続は恐ろしいものです?わたくしの愛用している敷布団は綿布団であります。さて破れた個所からはさみでジョキジョキと切りました。すると三か所糸で縫い込んでいるところが...敷布団に別れを言ったのだ

  • バラエティー番組の存在意義

    わたくしはテレビのバラエティー番組というものをほとんど見ない。なぜかというと偉そうだが「くだらない」と感じているからである。くだらない人間のわたくしが「くだらない」と感じているのは同類相憐れむからかもしれぬが・・・。そしてバラエティー番組というのは100%騒がしい。うるさいのである。耳の聞こえが悪くなっているわたくしがそう感じるのであるので、耳の聞こえの良い方々はいかばかりであろうか?そして不思議に思うのは「ギャハハハー」という笑い声がやたら回数が多くて不自然なのだ。こんなところで何故笑うというところが多い。以前コラムニストの小田嶋隆さんが無音でバラエティー番組を見たら、笑い声は編集したものであることに気づいたと仰っていた。なるほど、バラエティー番組の笑い声はつくられていたものなのであるのか。そう言うこと...バラエティー番組の存在意義

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