弁慶草が少しずつ咲き出す。大半はまだ蕾なので、満開になるのはもう少し。花は小さな薄いピンクの肉厚。それがたくさん集まってこんもりの形に。その上にフタモンアシナガバチいる。ハナムグリもいる。ところで花の名にこうして弁慶草があって一人静も。ならば義経草もあるのかと、調べてみたが出てこなかった。今朝は西の空に明るい月が浮かんでいる。...
昨日、家人が「髪切って」と言った。今度は5泊6日の旅だと。その前にはいつも頼まれる。カットの道具が一式ある。鏡も立ててさながらミニ美容室。まだ白髪が目立たなかった頃からだから、だいぶ年季が入っている。いい仕上がり。今日このあと、8時過ぎの高速バスに乗るのに送っていく。若い頃から旅行好きだった。少しだけだが、アートガーデンにキバナコスモスが咲いている。それはこぼれ種からの花。毎年そのように。少し怠けて...
庭の蝉の声は6月下旬頃からのニイニイゼミから始まり、蜩、油蝉、ミンミンゼミ。そして今は、ツクツクボウシ。独特のリズムと音程の抑揚とデクレッシェンドを組み合わせた少しユーモアのある調子の。それは夏の終わりを伝える一つの象徴。その体全体から発するかのような大きな声を味わいつつ聞く。しばらく前からは淡いブルーのクロホオズキも。花後には茶枯れの袋を作り。それを採って部屋飾りにして楽しむ。 一人の暗い朝...
一昨日、涼しげな服に身を粧った義姉が寄ってくれた。そして「友達からナシをたくさんもらったので」と袋を。中には赤梨が4つ入っていた。「幸水ですか?」「アイカンスイと言うんだって」これから歌会があるからと、上がらずに車に乗った。初めて耳にするその「アイカンスイ」とはどういう字を書くのだろうとネットで調べた。それは“愛甘水”だった。やや大きめなのでそれを半割にして二人でいただく。水分の多い甘い梨だった。そ...
江戸絞りは七月初め頃からの早咲き萩。そして一休みし、また八月末頃からも咲く二度咲きの萩。その白地に淡紅色の線模様は相変わらずやさしい。その近くでは白萩も咲き出している。飛ぶトンボも多くなってきた。昨日の早朝の草取りではキリギリスも見つけた。そろそろかな、夏と秋のバトンタッチも。 二度咲きの木萩のやさしき色模様冴えて今日は爽やかに空も晴れたり (上武旋転子)...
昨日のことである。5時30分、支度してマグボトルにお茶を入れ、離れた畑の草取り準備。すると、「ついでにゼブラを採ってきて」と家人。「まだ早いよ。いつも9月中旬からだから」「でも見てきて」「分かった」ゼブラとは無花果のゼブラスイートのことで家人はいつも略して言う。それは黄色い皮に緑の筋が入るとても甘い実。畑に着く。その入り口で高さ3~4メートほどの木にたくさんなっている。枝を引き寄せて実を触るとどれもまだ...
ブラックベリーは花と実りを長く楽しめる木苺(キイチゴ)。つる性でラズベリーの上を数メートルの長さで横に伸びている。ブラックベリーとラズベリーはそばに植えてはいけないらしいが(当時は知らなかった)、ここではうまく共存している。その薄いピンク色の花が咲きだしたのは6月に入った頃。そして7月の末頃からはラズベリーの2倍ほどの艶やかな実も採れ始めた。未熟の色は茶赤だが、熟すと黒になる。それがまだ今も収穫で...
今年、月下美人はこれまでに3回咲き、今その鉢は庭の隅に出してある。その大きな葉の上に色を同化させた雨蛙がいた。そこは座り心地がいいのだろう。平たいし、厚くてしっかりしているし。前から後から横から上からと、いろいろで見る。可愛くもあり修行僧のようでもあり、相変わらずいい表情と姿をしている。月下美人は4回目も咲くかなあ。雨蛙を彫るのもいいなあ。 月下美人の葉の上に雨蛙が座す修行僧のような顔をして ...
家人はバジルが好きだ。アートガーデンに出ると、その芳香を放つ葉をだいたい数枚取ってくる。そしてそれを鼻に寄せて深く吸い込み「ああ、いい香り」などと、気持ちよさそうな顔をする。時折は料理の上に乗せて出してくれる。花は小さくて白い。だいぶ前から咲いていて、その数は少なくなってきた。一方、葉の方はしっかりなのでまだしばらくその役目を果たしてくれそう。さて、近くの小学校では二学期が始まったらしい。信州の夏...
高砂百合が咲いている。それぞれ離れてそこかしこに。百合としていい立ち姿なのだが。これは種によって繁殖する生命力の強い帰化植物。それが野生化し、こうして庭の周りに勝手に顔を出す。毎年抜き取っているが、同様なことが繰り返されている。今年も花が終わったら早めに処分しよう。先般夫妻で訪ねてくれた東京に住む高校同期の友人から電話があった。そして「10月の再会を楽しみに待っているよ」と話してくれる。今度は私が訪...
残暑の中、庭藤が咲いている。ピンクと白のやさしい色合わせで。これはいつも6月が盛りになる花。そしてまた、毎年こうして夏にも二度咲きする。時には9月の場合もある。株は通常の藤の様に蔓は伸びず、自立し枝を横に広げてこんもりする。房も垂れるというより横に伸びる形になる。肥料いらずの丈夫な木である。アカトンボを一つ見た。...
外から「チュリュリ、チュリリ……」と鳥の声が届く。聞き覚えはあるが、はてなんだったかと庭に出る。小さな体に長い尾が特徴のエナガだった。彼岸桜に10羽ほどいた。ちょこまかとせわしく動く。とまるのが垂直だったり逆さになったりで、見ていて楽しく愛らしい。よく見ればその群れの中に一羽のヤマガラが入っていた。それらが混群するのは知っていたが、見るのは初めてだった。小さな鳥たちは知恵を出し、仲良く助け合っている...
百日紅に映えの季節。その赤い花は手が届かないだいぶの高さにある。二階の寝室に立てば、ちょうど目の位置になる。そこから見れば横に伸びる南アルプスがその背景になる。放任のまま伸びすぎた感がある。蕾もまだ多い。花が終わったら半分の高さに切ろう。...
小中高と同じを過ごした旧友が訪ねてきた。今は東京郊外に住んでいる。私とは初対面になる奥様を伴い、高速に乗って10時30分に到着した。2019年の高校の同期会で意気投合し、個人的に会う機会を作ろうと約束した。それからおよそ4年の歳月が過ぎて昨日実現した。ハチノコを炒めたものを家人が出した。はたして箸をつけるかどうかと思ったが、初めてだという奥様は「香ばしくておいしい」と残さずにすべてを口に運んだ。都...
菖蒲色、杜若色、杏色、苺色、桜色、紫苑色、萩色、薔薇色、藤色、牡丹色、山吹色、梔色……。日本の色には花の名を冠したものが多い。その名から、すぐに色のイメージが湧く。桔梗色もそう。淡い青紫と。ある本にはそれは昔から人々に好まれた色だと解説される。ならば、平安の女性たちがその色の着物を身につけたりしていたのかもと想像を馳せる。今、それが咲いている。蕾は整った五角。子どもの頃の紙風船を思い出させる。そうい...
豊水を採ってお盆のお供えにした。もとは新水と二十世紀とを加え三本があった。そのうちの二本を伐り、この豊水だけが残った。今年は四月中旬に花が咲いた。これまでで最も早い開花におどろいたのを覚えている。その清らかな白い5弁の花が好き。甘くてジューシーな実はもちろん。ところで坂村真民さんに梨の花と実を詠んだ「梨花序詩」という短い詩がある。たまたま一昨日に書き写したところだった。 花咲けば 共に眺めん 実...
柏葉紫陽花がまだ残っている。いや、残してある。それは6月には白かった。今は薄緑から赤茶色へのグラデーション。ドライフラワーを作る過程のように。そんな様をしばらく楽しみたくて。でもそろそろ切るのがいいのだろう。暑い夏までありがとう。...
また非常に強い台風7号が接近し、その後上陸するとの予報。暴風と大雨へ早めの対策が呼びかけられる。交通機関への影響も大きく出そう。たび重なる土砂災害、大きな被害をもたらした台風、そして続く危険な暑さ。今年の夏はその季節をなかなか安心して楽しむことができない。草だけは勢いよく育っている。昨日も2時間ほど作業をした。河原鶸が庭の上を通る電線にいた。全体は少し緑を帯びて。ベビーピンク色の太いくちばしと脚。...
一羽のキアゲハが大天人菊に口吻を伸ばして蜜を吸っていた。近寄って見る。そばにいてもあまり気にならないようだ。少しして花を移る。次も大天人菊に。追う。さらに移るもまた大天人菊。その次もその次も。周りにはヒマワリやコスモス、ルドベキアタカオ、イトバハルシャギク、ヘリオプシスなどもある。バラやニワフジも少し咲いている。しかしそれらには目もくれず、ずっと大天人菊だけを渡っている。結局その時間は別の花に止ま...
撫子がぽつりぽつり。六月の中頃が盛りだった。その名残の花。白があり、薄い色や濃い色のピンクがあり。単色のがあり、模様入りのがあり。いずれも楚々として。なでしこ、なでしこ、なでしこ。声に出すとその響きもまた可憐で。...
家の南側は川になっている。葦が生え、ミゾソバが広がり、ところどころからは葛やアレチウリが這い上がってくる。それで川に降りて草払い機などを用いて刈る。いつも梅雨前と秋雨に入る前の二回する。長さにして数十㍍。昨日それを一人で。ひたすらに2時間半ほど。汗が目に入る。何度も顔を拭う。肌着は絞れるほどに濡れ。シャワーを浴びて着替える。冷えた炭酸割りの柘榴酢を飲む。アートガーデンに出る。マリーゴルドが広がって...
夏の庭。風知草があちこちに。暑さをものともせず。涼やかにふんわりと。裏葉草(うらはぐさ)が本来の名という。葉は基でひっくり返り、上下が逆になっていて、上に見えているのは葉裏で葉表は下なのだと。秋にはすべて麦色の染まる。見ればもう花穂が出ている。桜の木から口笛のような伸びやかないい声が響く。見たらイカルが二羽いた。番なのだろう。毎年2~3回は来てくれる。さて……。 風知る草を見て感じて考えて悔いて恥...
このところほとんど雨はなく。日々、早朝に水遣り。1時間から1時間半ほどかけて根に届ける。薔薇にもじっくりと。そのいくつかには一つ二つと咲いている。朝陽を受けた花は色を冴え、輪郭をくっきりさせる。6月の花の頃のとはまた一味違う引き締まった清楚感。散水を止め、カメラを持ち出し収めた。 薔薇に「そうび」との読みがあることを知った若い頃今でも時々その名で見ている (上武旋転子) ...
今年のコスモス開花は五月下旬とかなり早かった。そして今もさやさやと。一般的には秋の花イメージだが、どうやら蒔いたのは夏咲きの品種だったらしい。セセリチョウが口吻を伸ばしている。上を向いて咲くコスモスは昆虫たちにとってはとまりやすくていいのかもしれない。今日は立秋だという。暑さ極まる中、暦はたんたんと季節を先に進める。 青い空の下自分色にありのままの姿でコスモス咲いて秋は立つ (上武旋転子)...
艶あるライトブルーの花はリナムペレンネ。春にいち早く茎を伸ばし、五月の初旬には咲き出した。それからずっとかわるがわる咲き続けて今にいたる。この猛暑続きの中でも細い花茎は萎れることなくしっかり立って。ここにきて大半は種を包む茶色の丸い殻の形に変わりつつある。そろそろ終わりに近づいているようだ。コアシナガバチの巣が物干し近くにあった。大きさは15㎝ほど。蜂に毎年2~3回は刺されている。完全防備をして取...
ミズーリマツヨイグサ(ミズーリ待宵草)~ふた月の間をおいて~
ミズーリ待宵草は六月初旬に次から次と咲いていた。そして、ふた月の間をおいてまた花を見せている。株は直立せず、濃い披針形の葉を這うように横に広げる。 花はふんわりとした掌サイズのレモン色。中には長い蕊。一日花で赤くなって萎む。その近くではメマツヨイグサも二輪咲いている。これは自然に生えた野生のもの。...
オオテンニンギク(大天人菊・ガイラルディア) ~朝食前までには水遣りを~
うだる暑さの中、オオテンニンギクが咲いている。内側が濃いオレンジと外環が黄色の覆輪の花。いかにも夏といった感じの色合いで。どの株も半分ほどは終わりになって、筒状花が膨らんだ丸い姿になっている。今日もだいぶ気温が上がりそうだ。朝食前までには水遣りをすませよう。...
ルドベキア・タカオ(Rudbeckia triloba ‘Takao’) ~お墓の掃除をして~
いつも野菜をいただく義姉に柘榴酢を届けに行った。猛暑続きの中でも畑作業をしてそれを野良着のまま持ってきてくださる。少しでも体の栄養補給になればと。チャイムを鳴らすと、薄い黒い上下の服を着て出てこられた。「柘榴酢です。美容と健康にいいらしいですよ」「ありがとう。上がって話していって」「では、少しだけ」冷えたトウモロコシと麦茶を出してくださった。先ほどまでお墓の掃除をして、汗をかいたのでシャワーを浴び...
夏に咲く花いろいろあれど、やはりヒマワリは格別。見ていると子どもだったあの頃に戻してくれるくれる。たとえば夏休みの思い出に。今、アートガーデンにも大きさや形、咲き方を違えたその花がある。色も一般的な黄色に加え、淡いレモンイエローやオレンジ系、茶系とさまざまに。それらの花にいろいろな虫がつぎつぎにやってくる。蜂が一番多いが、かわいい小さなハナグモもいたりする。向日葵には彼らをも惹きつける何かがあるの...
また義姉さんがたくさんの夏野菜を持ってきてくれました。トマトやミニトマト、ナスにキュウリ、ピーマンとシシトウ。そして今回はニガウリ(ゴーヤ)もありました。初収穫が3本あり、その1本だそうです。一人で暑い中での農作業です。いろいろ対策をしているとは思いますが、連日熱中症で多くの方が搬送されていると。案じつつ有難く感謝していただきます。薄紫の木槿も白いののそばで並んで咲いています。いい色ですね。...
とてつもない暑さが続いています。そんな中、スイトピーが咲いていました。パステルカラーの淡い青とピンクです。少しの香りがします。スイトピーに「少女の気持ち」と綴った文を読んだことがあります。見てて、なるほどだなあって思いました。...
たくさんの白い木槿です。毎朝次々に咲きます。これも夕には萎む花です。白楽天が「槿花一日の栄え一朝の夢」と詠むようにです。花の底には冴えた紅色が収まります。その中で花蜂が体を粉まみれにしています。花の中に蜂のいる光景を見るのが好きです。その様に夭折の女流詩人の詩を脳裡に呟いています。 白木槿に花蜂のいる朝良いことが何かありそうに思われて (上武旋転子)...
ギボウシ(ミニホスタ・Mini Hosta) ~作品搬出の日~
ミニホスタが並びます。低いところで小さな葉を広げています。立ち上がった細い花茎に薄紫の小さな花が咲いています。それにクマバチがやってきました。猛暑続くこんな折に外を飛び回ってだいじょうぶですかね。今日はグループ展の最終日です。また長野まで行って作品を搬出してきます。高速を走って伊那谷と善光寺までの往復およそ5時間になります。若い頃は長距離の運転も好きだったんですが、この歳になると疲れを感じます。た...
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更紗空木は、内側が白く外側が薄紫の色混じりの花です。その名は、それが更紗染めに似ていることからの名付けのようです。八重の花で下向きにたくさん咲きます。昨日は枇杷に袋掛をしました。どうやら夜に白鼻心がやって来ているようなのです。朝に食べられた後のが散らかっています。毎年見られる光景です。高いところなどは無理しないで、手の届くところだけです。効果があればいいのですが……。 くよくよせぬ腹を立てぬ憎ま...
先週のことである。高速バスで東京に行った。地下鉄に乗って、六本木ヒルズ森タワーを目指した。52階の森アーツセンターギャラリーに入った。10人の芸術家によるMUCA展を観た。その中にバンクシーの作品が数多く展示されていた。それが目的だった。進みゆくと、奥の方に、あのシュレッダーにかけられた「ガール・ウイズアウト・バルーン」があった。そこだけは警備員が立っていた。正面からじっくり観た。左右の側面からも見た。そ...