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ひだまりの花々 http://hiougi.blog93.fc2.com/

身の周りの花や鳥たちと自然、そして日頃思うこと感じること考えたこと

hiougi
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2007/03/28

  • ハナミズキ(花水木) ~すてきな色~

    今、いろいろに花。小さな草にも高い木にも。そろぞれの色で。それぞれの形で。青い空の下、花水木にも溢れる。花はゆるやかにうねり。色を少しの階調にして。「花水木のすてきな色は造形の神にしか出せない…」以前、そんな文を読んだことがある。 愛の歌がこぼれてくるような気がしてあふれる花水木を見上げている (居山聞涛)...

  • ウコンザクラ(鬱金桜) ~地味な黄色い桜~

    遅れて鬱金桜も咲きます。黄色い八重の桜です。花びらには黄緑色の斑が見られます。そして咲き進むと中のほうから赤みがでてきます。一味違う桜です。 四月の風に黄桜咲いている道ゆく人は気づかず (上武旋転子)...

  • ユスラウメ(梅桃の花) ~「郷愁」~

    梅桃の花は5弁の白い花です。梅のようでもあり桜にも似ています。それは6月頃、赤い小さな実になります。甘味と酸味がほどよく混じります。この可憐な花には「郷愁」の花言葉がありました。「郷愁」……ですか。さて、あと二ヶ月後の収穫を楽しみにしましょう。...

  • ヤマブキ(山吹) ~揺れて触れて~

    山吹が並ぶ。家を挟んで、花水木の下と桜の下に。あふれて気持ちいい。風に応じて枝がふわっと揺れる。一つは一つでゆかしく。手を添えたくなり。今日は画家の知人宅を訪問する日。石楠花の広がる庭、アトリエ見学、そしてこだわりのコーヒーを淹れてくれるというお誘い。昨夏の約束を忘れずにいてくれて。 やさしく揺れてそっと触れてさまざまな思いを振り返らせるごとに山吹のある (上武旋転子)...

  • 宿根イベリス(Iberis) ~「春を感じるのは?」~

    ラジオでパーソナリティーがリスナーに問いかけていました。「あなたが春を感じるのはどんな時、どんなことでしょう」と。草花、人事、伝統行事などの答えが届けられていました。 私の頭に出てきたのは食器洗いです。水の温みを感じ、手袋を外すようになったことです。片栗とか福寿草とか蕗の薹なども思い浮かんだのですが。洗い物をするとき、少し前までは水が冷たくて、手袋をしていました。それが今は素...

  • ニワザクラ(庭桜) ~白い八重の桜~

    庭桜は白い八重の桜。蕾の時は少しの赤みをまとっている。他の桜が散った今、時を置いて咲く。埋め尽くすように白シロしろ。私にもそんな白い時があった。 白いままでいたいと詩の中の青い頃いろんな色に染まり混濁しまった今戻れない (奈美あや)...

  • タケノコ(筍) ~「今朝掘ってきた」と~

    昼食を終わって一休みしていた時、穂波さんがやってきた。そして「今朝、清人さんがタケノコを掘ってきたの」と言って大きな袋を差し出す。受け取るとずっしりと重い。「ありがとう。お茶でも飲んでいかない?」「まだ友達のところにも届けるので、これで。じゃあ」中に4本入っていた。新聞に広げる。まだ湿った土がついたままだ。1本はかなり太くて大きく、1面の横幅ほど。それ一つで2.6㎏あった。全部で5㎏を優に超える。家人...

  • ハナズオウ(花蘇枋) ~鮮やかな躑躅色~

    花蘇枋は葉のない枝に鮮やかな躑躅色の花を付けます。マメ科の植物なので同様に蝶形花です。細くて低い木です。太くて大きな山茱萸の木の下にあります。あ~あ。青大将がでーんと。いやいいや。つねよりかなり早いご登場です。このところ5月頃の陽気が続いていたのからでしょうか。1分ほどしてのそのそと離れていきました。毎年何度か勝手にやってきて庭を散策します。おとなしいのですが、苦手な相手です。ん~ん。 枝に吹...

  • ウコギ(五加木) ~またまた旬をいただきました~

    ウコギも食べ頃です。手を伸ばして枝を切りとります。さらに作業しやすいように短く揃えます。枝から一つ一つ摘み取ります。葉の付け根には棘がありますので気をつけてします。けっこう時間がかかります。ゆっくりとのんびりと。洗って。茹でて。けずりぶしを乗せて。醤油をかけて。ああ、いい食感。またまた旬をいただきました。 空を切って軽やかに飛び翔る燕今日は一羽二羽三羽 (居山聞涛)...

  • ユキヤナギ(雪柳) ~初燕~

    さーっと、軽やかに。アートガーデンの上を横切って。見ました。初燕です。まだ一羽だけでしたが。また、一つ春の姿が加わります。 初燕来てうれしうれしと作業の手を休めて茶を口に眺めている (居山聞涛)a href=

  • ハナニラ (花韮) ~春の星花~

    ハナニラの英名は“Spring starflower”とあります。春の星花とでも訳すのでしょうか。たしかにその6弁の花はきれいな星の形です。昨日はクレマチスの誘引をしました。モッコウバラの整枝もしました。梅と杏には肥料の施しです。お供は携帯ラジオにルイボスティーの入ったボトルです。園芸作業にあれこれ手が求められる楽しい毎日です。遠くの山はかすんでいます。黄砂でしょうか。...

  • グミ(茱萸の花) ~天道虫がいる~

    今年も茱萸にはたくさんの花が咲く。生成りの筒状花が下向きに枝に垂れて。これらがすべて実になれば申し分ないのだが。ここ数年はそれほど多くの収穫は得られていない。木はしっかりしているし、必要な肥料は施している。はたして今年はどうだろう。中で天道虫が仲良くしている。 枝に垂れてブラブラ茱萸の花睦まじく天道虫のいる (奈美あや)...

  • ナシ(梨の花・豊水) ~白い五弁の花~

    梨の花は白い五弁。これもやはり常より二週間ほど早いのではないか。ちょんちょんと赤い蕊。仄かに桃色の蕾。艶やかな赤味の新葉。清少納言は、楊貴妃の泣き顔を引き合いに出しながら、梨の花はきわめて素晴らしくこの上ないと綴っている。 (『枕草子』「木の...

  • アメリカスミレ(ビオラ・ソロリアフレックルス) ~そばかすの少女~

    白い花びらにスパッタリングしたように青い斑点を乗せる小さな花。これはアメリカスミレのビオラ・ソロリア・フレックルス。フレックル(freckle)とはそばかすのこと。思春期の少女の顔のイメージからの名付けか。なるほど、なるほど愛らしい。元気で丈夫で、何カ所かに増えて出る。ぺちゃくちゃとおしゃべりも聞こえてきそうだ。昨日は知人からうれしいお誘い。「庭の石楠花が見頃を迎えています。美味しいコーヒーを淹れますか...

  • ハナモモ(源平花桃) ~蕊までも~

    源平花桃は紅白がいっしょに咲く。単独の白い花と紅い花もあるが、多くは一つの花の中に紅白が混じる。中には蕊までもが紅白になっていたりする。見て楽しい。昨日6回目のワクチン接種の案内が届いた。今日は特定健診の日。大きなケガや病気、事故もなくこれまで健やかに過ごすことできている。周りに感謝。自分の心と身体に感謝。 春たけなわに花競い花踊る落ち着け心落ち着け私 (上武旋転子)...

  • チューリップ(tulip) ~植えるのを忘れていた~

    チューリップを植えるのを忘れていたことに気がついたのは三月の早い日のこと。いつもたくさん植える。場所それぞれで一列に並べたり、円形にまとめたりと。そして夏に球根を掘りあげる。秋になるとまた球根を植える。いいのだけを選り残し新しいのを加えながら。その繰り返し。だからてっきりそうしたものと思い込んでいた。しかし今年その芽が土の上に顔を出していたのはほんの少し。農具小屋に行って確かめると、たくさんの球根...

  • ツバキ(椿) ~よくわかりませんが~

    赤い椿があります。斑入りのもあります。それは1本の木にあります。赤は上の方、斑入りは下の方と。それぞれ領分を決めて。よくわかりませんが最初からそんな咲き方です。その境では二つの色が仲良く寄り添っています。気温が上がりました。月下美人と孔雀仙人掌を外に出しました。...

  • キバナカタクリ(黄花片栗) ~散る花の下で~

    桜が散り、中庭の小径に広がる。そんな中にいろいろな花の姿。そして黄花片栗も二輪。やはり花びらを後ろにくるりとして。と、近くで高い口笛のような澄んだ声がした。姿は見えないが、あれはたぶんイカル。...

  • ピンクユキヤナギ(桃色雪柳) ~いい風いい景色~

    向かいの中山さんの庭で大きなのぼり旗がパタパタはためいています。二階の屋根を越える高さです。端午の節句の準備が始まったようです。鯉はまだ付いていませんが、来週末にはきっと揃っても泳いでいることでしょう。いい風です。こちらでは桃色雪柳もたっぷりの姿です。いい景色です。 桜吹き散らす春の風マスクして草を取る私の頭に二片(ひら)三片(ひら) (上武旋転子) ...

  • コゴミ(屈・草蘇鉄) ~茹でてけずりぶしをのせて~

    コゴミも採りました。頭をクルクル巻いたのがいくつも立っています。やわらかいので手で摘み取ります。野の匂いが手に残ります。まずは一籠分。けずりぶしを乗せていただきました。間を空けてまだ何度かは採れそうです。 指先で折るクルクルのコゴミは野の匂い茹でて口にうれし旬の味 (居山聞涛)...

  • ジンチョウゲ(白花沈丁花) ~四月のさわやか~

    春のいい香りが広がっています。それを放っているのは白い沈丁花です。一枝折って、鼻に付けます。花びらに小さな花蜘蛛が遊んでいます。彼もその香りを感じるのでしょうか。 写実の静物画観て外に出れば柳の青葉枝垂れる四月のさわやか (上武旋転子)...

  • タラノメ(楤の芽) ~採って食べた~

    山菜も今年はずいぶん早い。まだ四月初旬なのに、もう食べ頃になっているのが多く。タラノメは鬱金桜と白木蓮の下に何本か生えている。そして少し離れてナンジャモンジャノキの下にも。昨日それを半分ほど採った。そして食べた。毎年のことながら、オイシイ~。 タラノメ採って天麩羅にこの時期ならではの舌鼓うつ (居山聞涛)...

  • ミツマタ(三椏) ~枝先が三つ三つに~~

    三椏です。それは枝先を三つ三つに分けて伸びます。だからミツマタ。わかりやすいですね。家のには黄色と濃朱色の二色が一緒に咲きます。理由はよくわかりません。栽培段階で接ぎ木されていたのかもしれません。一度に二つ分楽しめてありがたいことです。すこし香りがあります。 小さな一輪挿しに差して三椏がトイレにあるいい四月 (上武旋転子)...

  • ツバキ(白椿) ~毎日咲いてそして毎日~

    白い椿があります。毎日新しく咲いてくれます。ちょうどダイニングから食事しながら見えます。いいなあと眺めます。でもそれを毎日ヒヨドリが来て食べるのです。家人は立ち上がって「コラッ!」と怒ります。するとあわてて逃げていきます。しかししばらくすると戻ってきてまた食べるのです。困ったものです。しかし彼には生活する上での単なるオイシイモノにしか見えないようです。「美を愛でる」とか、「生活に潤いを」とか、感性...

  • ヒトリシズカ(一人静) ~屈み見る~

    小さな一人静が咲いている。艶のある赤茶色の若葉の間から白い糸のようなのを何本も伸ばして。どうやらそれらは蕊で、この花には花びらがないという。なかなか趣のある変わった形の花だ。離れたいくつかのところにまとまって見られる。移植などしたことはないのだが、種が飛んで増えるのだろうか。 胸の奥に秘めて語らずこともあり白きまゆはき草を屈み見る (居山聞涛)...

  • ボケ(木瓜) ~入学式~

    昨日は県内の多くの学校で入学式があったらしい。ある小学校ではたった一人の新入生だと、テレビでその様子が紹介されていた。緊張した面持ちの男の子が映っていた。これから続く長い学校生活の始まり。元気で伸び伸び育ってほしいと思いつつ。黄色い連翹の前に赤い木瓜の花が咲いている。 新しい服を身につけた子らに己の色と形の花を咲かせよと四月の声 (上武旋転子)...

  • シデコブシ(四手辛夷・姫辛夷) ~捩れ花びら~

    薄紅色の花が風に揺れる。捩れた花びらがヒラヒラ。形を整えないこんな不規則な咲き方の花もいい。比して中に覗く蘂は崇高さを漂わせ。それは四手辛夷。あるいは姫辛夷とも。 植えて何年経ったのか姫辛夷咲く信州に私は静かに生きている (上武旋転子)...

  • ムスカリ(Muscari) ~展覧会の案内~

    いたるところにムスカリがあります。たくさんの青い小さな花が集まって一つの房状に立ちます。膨らんだ花は口を6つに割って咲きます。その先だけを白くそめて、いいアクセントになっています。蕾も風船のようでかわいくて。ふえて、ふえて、もうすっかり野に溶け込んでいます。知人から展覧会の案内が届きました。会場は伊那のホールです。初日が当番で一日いるということですので、その日に出かけて話しもしましょう。9ヶ月ぶり...

  • ヒメリュウキンカ(姫立金花) ~友の来訪~

    友人夫妻が訪ねてきた。彼とは学生時代からの付き合いである。高遠城址公園の桜を見てきたと。ついでに脚を伸ばしてくれた。そこの花見は初めてだったらしい。 その見事な様に感動しきり。お土産の高遠まん頭を一緒にいただく。小一時間の話しのあと見送る。春風に家の桜が舞い散っている。艶のある黄色い花は姫立金花。笑顔のように咲いている。...

  • シュンラン(春蘭) ~四月の顔~

    今、大手拓次(1887~1934)の詩集を読んでいる。その中から「四月」の一つを。 四月の顔 ひかりはそのいろどりをのがれて、 あしおともかろく、 かぎろひをうみつつ、 河のほとりにはねをのばす。 四月の顔はやはらかく、 またはぢらひのうちに溶けながら あらあらしくみだれて、 つぼみの花の裂けるおとをつらねてゆく。 こゑよ、 四月のあらあらしいこゑよ。 みだれても みだれても やはらかひおまへの...

  • ハナモモ(花桃・照手桃) ~木々の色~

    三つの花色が並ぶ。彼岸花の淡い色は少し散り始め。照手桃の鮮やか色は今充溢し。山茱萸の黄色は褪せてきた。木々の生命力。満ちる春の勢い。家人が「ポッポポッポポッポッポ」と繰り返し口遊む。何だと問えば、花が次々に咲く様(さま)だと。言い得て妙。...

  • 三つの花色が並ぶ。

    三つの花色が並ぶ。彼岸花の淡い色は散り始め。照手桃の鮮やか色は今充溢し。山茱萸の黄色は少し褪せてきた。木々の生命力。満ちる春の勢い。家人が「ポッポポッポポッポッポ」と繰り返し口遊む。何だと問えば、花が次々に咲く様(さま)だと。言い得て妙。...

  • ヒュウガミズキ (日向水木) ~お宮の春季大祭~

    笛と太鼓の響きが近づく。それはお宮の春祭りの音。繰り返されるゆったりとした同じメロディーの間、間に太い男達の囃子が入る。山車が家の前をゆっくり通り過ぎていった。アートガーデンの一角では日向水木が咲いてる。花は淡黄色で風鈴状。どれもが垂れて下向きに。あるのは桜のそば。彫刻の近く。心と身体を外に促される気持ちのいい春日和。 オオイヌノフグリに天道虫のいる春日和遠くの山に女の雪形がある (居山聞涛...

  • レンギョウ(連翹・golden‐bell) ~連翹忌~

    今日四月二日は連翹忌。高村光太郎は1956年のこの日、朝3時40分に死去した。連翹を好んだ彼はアトリエの庭に植えてあった。そのことを知る友人たちによって、棺の上には一枝の花が置かれたという。以来、彼の忌日を連翹忌と呼ぶ。私は若い頃から詩人光太郎、彫刻家光太郎が好きだった。智恵子のすべてを愛した夫光太郎が。人間光太郎がまるごと。そんな光太郎の連翹が今庭で咲いている。今朝もいつも同様に3時過ぎに目が覚める。そ...

  • シャクナゲ(石楠花) ~それぞれの四月一日~

    石楠花も盛り。やさしいピンク色の花がたっぷりと。山越えの朝陽を受けて。中から伸びるの蕊の様もなかなかで。見ればほんの少しだけ開いた蕾からは雌蕊の頭がのぞく。全体もまとまりも一つも部分もすべてが美しい。さて、生活や精神に「新」の期待感をもたらす四月。それに、たとえば始月、志月、為月、試月の時をあてる。変化、希望、意志、挑戦……。私もまた、その時々の初心を胸に置く。 薄紅色の石楠花咲き誇る四月一日は...

  • ソメイヨシノ(染井吉野) ~三月尽~

    染井吉野も三月に。たぶんこれまでで最も早く。去年の記録をひもとけば4月10日。あれもこれもとみんなまとめてやってくる感じ。その遠く、西には中央アルプス、東に南アルプスの山並み。春うららか。彫刻と胴吹き桜もコラボする。 様々が胸に思い起こる三月尽今年の桜はどれも早く咲いて (居山聞涛)...

  • ヒガンザクラ(彼岸桜) ~蜜蜂がやってきた~

    いつもなら彼岸桜の見頃は四月に入ってから。しかしこれも他の花木同様に今年は早い。蜜蜂がやってきた。3月の内に見るのは珍しい。やはり常より暖かいんだ。私は、まだ脚が冷える。そして右手の親指が割れて痛い。 誰か団子を持って花見に来ないか今盛りなのだから語ろうよ (居山聞涛)...

  • スモモ(李の花) ~純白の五弁花~

    白、白、白。木にびっしりの白。李の花は純白の5弁。例年より少し早く。今その盛り。ああ見事と一人見る。さてもそんなにたくさんの花なのに。夏に実るその青紫の実はもう何年もほんの少しだけ。収穫という言葉とはほど遠く。されど、文句は言うまいに。生るだけでもありがたい。想い起こせばそれは小さな苗木。植えてから40年近く。数メートルの高さにまでなって。枝を張り、太い太い幹になって。 いつのまにか年は過ぎ知...

  • オオサカフユザクラ(大阪冬桜) ~毎年二度の花~

    大阪冬桜がほぼ満開。その名にあるように、葉を落とした冬が本番の桜。そして毎春、葉が出るのに合わせて再び開花する二季咲き。このように年に二度の花は大変なエネルギーを使うのではないかと思ったりもするが。花はやや小振りの白い八重。咲き進むにつれピンクを纏う。 冬桜の上をピーヒョロロととんびがゆっくり飛んでいるそろそろ四月 (居山聞涛)...

  • クリスマスローズ(Christmas rose・八重咲) ~トカゲがスルスルスルと~

    八重咲のクリスマスローズがある。示す名をうまく表せないような微妙な色の。近くにある他のに比べて地味で目立たない。でも、それがまたいい個性。トカゲがスルスルスルと抜けていった。今年初めて見る。いろいろが活発に動く。 桜と李が同時に咲いている今日やることをメモしてポケットに入れる (上武旋転子)...

  • ハクモクレン(白木蓮) ~ふんわりゆらゆら~

    たくさんのやわらかな白い花。木を覆うほどにハクモクレン。ふんわりふわり。ゆらゆら揺らぎ。ハクモクレンはやさしい。ハクモクレンは温かい。 離れて見る近づいて見る白木蓮はやさしくて温かい (上武旋転子)...

  • アンズ(杏の花) ~ん~、きれい~

    杏も咲く。ほぼ満開に。今年は全国的に花木の開花がだいぶ早いという。これもそのよう。薄紅色のやわらかな花。ん~、きれい。その花の中では虫たちが遊んでいる。花びらに人の顔をし腕を伸ばしたような花蜘蛛も見える。彼らもうれしいんだろうなあ。夏には甘みにほんのり酸味を乗せた独特の味わいの黄色い実が生る。私はそれを生で食べるのが好き。 杏という名のおしゃべりの子がいた今頃どこで何をしているのだろうと花に顔...

  • ムラサキハナナ(紫花菜) ~北へ帰る頃~

    中庭の南側は下がって土手になっていてそこにムラサキハナナが咲いている。野生化し周りになじんで。立ち上がる茎の先に複数の花を付ける。紫の花びらは4枚でゆるく波打つ。中の蕊はくちなし色。その軽やかな様は心地よい。作業をしていたらジョウビタキが山吹にとまった。三月も下旬、彼もそろそろ北へ帰る頃か。 春風がひらひら吹く胸を抜けるような心地もして土手の花 (居山聞涛)...

  • スイセン(水仙・ティタティタ) ~いつもの景色~

    家の入り口に背の低いスイセンが並んでいる。これは三月下旬のいつもの景色。そこはちょうど山越えの朝陽があたるところ。青い空をバックにするとその黄色がいっそう映える。 植えっぱなしでもう何年にもなる。 普通に春が来て普通の日常があることの幸せを水仙の中に見る (上武旋転子)...

  • ブンゴウメ(豊後梅) ~毎年梅干しを作ります~

    ほかのにだいぶ遅れて咲く淡い紅梅があります。品のいい一重の美しい花です。いい香りがします。私は毎年梅干しを作ります。この梅の花はその実を取るために植えた“豊後”という品種です。今年もたくさん咲いています。今年もたくさん実が生ることでしょう。今年もたくさんの梅干しができそうです。遠くで小綬鶏が鳴いています。そろそろ鶯の声も聞こえるでしょうか。 花の数が実の数と眺める梅花の楽しさよ (実野滸人)...

  • サンシュユ(山茱萸) ~春黄金花(ハルコガネバナ)の名~

    山茱萸の木が黄色で満ちる。その咲く様を見てサンシュユの花に「ハルコガネバナ」との別名をつけたのは牧野富太郎博士だという。まさにその名に相応しい景色だ。蕾は米粒のような形。開いた花は1㎝あるかどうか。4枚の花びらはくるりと反り返る。中から4本の雄蕊と1本の雌蕊が伸び出る。花期が長いのでそのハルコガネバナはおよそ一ヶ月ほどは楽しめる。 新しい気をいっきに発するかのように山茱萸が咲いているあっぱれ ...

  • サクランボ(桜桃の花) ~花見と美味しさの二得~

    その咲く様は桜に似ていますが、桜ではありません。サクランボの白い花です。蕾の時にはほんのり紅を差します。今年はいくぶん早めの開花となりました。華やかさはありませんが、花見できるほどにきれいです。もともと実を得るために植えたもので、品種の違う二本があります受粉は毎年蜂任せですが、それでも十分な実りを届けてくれます。サクランボはこうして目と口で楽しみ味わうことのできる二得の木です。...

  • アセビ(馬酔木) ~どうしましょう~

    馬酔木も盛りです。壺状の小さなかわいい花が溢れるように咲いてます。まとまってたっぷりとした長い房になって垂れ下がります。見事いうほかありません。春が次々に訪れてくれます。どうしましょう。今日は8:00から自治会総出の「道作り」です。スコップを持っていきます。いい天気とのことで、汗を搔きそうです。 『馬酔木』について語っていた現国教師の顔が浮かぶ日の光の中にその花がある (上武旋転子)...

  • カタクリ(片栗) ~このままじっと見ていたく~

    片栗が2輪咲きました。横から見て真上から見れば。くるりと反り返る6枚の薄紫の花びら。濃い青紫色の雄蕊しべは6個。雌蕊は長く伸びて先を3裂させています。いいですね。腰を屈めてこのままじっと見ていたくなります。 片栗の花を見て思い出した「春の手紙」時流れて今を元気にしているか (上武旋転子)...

  • クリスマスローズ(Christmas rose) ~蚯蚓を見た~

    中庭の一角には両サイドにクリスマスローズを並べて植えてあるそれらは今咲きそろい小径のようになる。種類はそう多いわけではないがそれぞれに違う表情を見せてくれる。縁を赤紫から弱めのグラデーションにする花はほとんど下を向いて。その顔を低い位置から覗いて見る。昨日そこを15㎝ほどの蚯蚓がゆっくりゆっくり進んでいた。土の中で過ごしていたいろいろなものたちも地上に出てきてで動く。 クリスマスローズのそばを蚯...

  • ロウバイ(蝋梅) ~一筋の飛行機雲~

    春は黄色。蝋梅の黄色。並んで満作の黄色。元気な黄色。幸せの黄色。楽しい黄色。その中に一筋の飛行機雲。...

  • フキノトウ(蕗の薹) ~大人になって~

    庭のそこかしこにフキノトウ。石楠花の下に。紫陽花の下に雪柳の下にも。オオイヌノフグリの中からも。そして草取りしたアートガーデンの中にぽつんと一つ。まだまだあちこちに出てきそうだ。 その形と香りと苦味が春の旬大人になって好きになった蕗の薹 (居山聞涛)...

  • クリスマスローズ(Christmas rose) ~庭を歩く度に~

    東京では桜の開花宣言となったらしい。どうやら今年はいろいろの花がいつもより早いようだ。庭の草花、花木を見てもそれは実感する。いつも4月の頃に咲くサクランボや二季咲きの大阪冬桜、日向水木にも花があり。山茱萸はすでに満開。一昨日見つけた片栗はあっとにいうまに花が立ち上がってきている。おおかたのクリスマスローズも見頃。並ぶ中で黒紫のがひときわ目立つ。 スポーツウエアーに身を包んだランナーのように次々...

  • 東京(丸の内ストリートギャラリー) ~ 《私は街を飛ぶ》舟越桂作~

    高速バスは渋滞のため到着時間が1時間も遅れた。会いたかったその人は東京駅にほど近い丸の内仲通りにいた。ブランドの洋品店を向いて静かに佇んでいる。髪とアイシャドーは淡いブルー。頬紅と口紅は鮮やかな赤。頭には建物と木を乗せて飾る。変わった恰好だがとても似合っている。すぐ横では男性が本を手にコーヒーを飲んでる。買い物袋を持った人が足早に過ぎる。私はそばに近寄って前から後から、横からじっくり彼女を見る。「...

  • ユキワリソウ(雪割草) ~雨上がりの庭に~

    昨日の朝。覚めれば久しぶりの雨。それは次第に強くなり。旅への家人をバス停に送る頃には激しい土砂降りに。「春雨」と言葉の情緒もないほどに。午後には上がり、陽も差す。しばらく乾燥していたので草花にとっては嬉しいこと。庭に出れば落ち葉の中に赤い雪割草が四つ。そばでは片栗が土を割って出ていた。 みんな待ち侘びて信濃の春土の上に小さな花二つ三つ (上武旋転子)...

  • クロッカス (Crocus) ~白はいい~

    クロッカスが3輪。山茱萸の木の下に。白い色の。昔「白い色は恋人の色」という歌があった。きれいなハーモニーだった。白はいい。ほんとに。私は家人の髪をカットしてやった。...

  • アマガエル(日本雨蛙) ~「ごめん。起こしちゃったね」~

    アートガーデンの草とりをした。そろそろ種蒔きの準備もしなくてはと。三角ホーを使って草を搔く。と、何かがピョンと飛び出した。何だろう。ホーを置いて探す。アマガエルだった。顔も体も土にまみれている。今まさに地上に掘り出された感じ。まだ冬眠中だったのだろう。「ごめん。起こしちゃったね」少し手を休めて眺める。跳ねてどこかへ行った。いつかその保護色から緑に変わった彼とどこかで会うかもしれない。続きをした。汗...

  • クリスマスローズ(Christmas rose) ~くしゃみと鼻水と~

    今の時期とは思えないほどに気温が上がった。庭作業をした。部屋に戻った途端、くしゃみ、くしゃみ、くしゃみ。加えて鼻水もたらりたらりで鼻をかむ。眼も痒い。「まさか……」マスクをしていたのに、まずいではないか。葉色に近い薄緑色のクリスマスローズも咲く。中には赤紫の斑。蕾は薄緑と赤紫を半々にして包む。目立たないがその味がいい。 なぜ卑しい鳥の字なのか鵯が毎日来て蝋梅の花を食べている (居山聞涛)...

  • ウメ(紅梅) ~ますますの春~

    風も光も水ももうちゃんと春です。八重の紅梅も咲き進みます。その花には早くも蜜蜂がやってきました。これも今季初めて見ます。虫や鳥にもうれしい春です。私はタイヤ交換をしました。...

  • シンビジウム(Cymbidium・“In The Mood”) ~花が奏でる音楽~

    シンビジウムが咲きました。私の居る部屋の窓辺に置いてあります。1月に2本の花茎が伸びて立ち上がってきました。私がその花茎を傷つけてしまうというハプニングもありましたが。それからゆっくりゆっくりと時間を掛けて。「ありがとう」。“In The Mood”の名のついた淡いピンクの花です。素敵な音楽が聞こえてきそうです。...

  • クリスマスローズ(Christmas rose) ~初蝶と初蕗の薹と鶫~

    オオイヌノフグリにタテハチョウがとまりました。今年の初蝶です。その近くでフキノトウを一つ見つけました。まだ小さくて固そうです。これも今年初めて見ます。クリスマスローズもだんだんに咲いています。その上の桜では鶫が鳴いています。温かです。四月の陽気だそうです。二枚脱ぎました。 尾崎豊の「卒業」とアンジェラアキの「手紙」が流れる3月7日初蝶を見た (上武旋転子)...

  • クロッカス (Crocus) ~花いちもんめ~

    そこにも黄色がありました。クロッカスです。土のすぐ上に。ちょっと離れて数輪ずつの株が二つ。唱えあい、かけあう“はないちもんめ”。もう春ははっきりです。 もうはっきり春黄色いクロッカスの“はないちもんめ” (居山聞涛)...

  • アートガーデン(『花のフェスティバル』) ~『町内一斉土手焼き日』~

    一昨日と昨日は『町内一斉土手焼き日』だった。越冬害虫駆除や果樹の剪定枝焼却を目的としている。あわせて各家庭では庭作業で出た剪定枝などを焼く。私はマサキとピラカンサの枝をアートガーデンに運び、『花のフェスティバル』近くのスペースで燃やした。穏やかな日和で風もほとんどなく、火を焚くにはいいコンディションだ。一時間半ほどで火はほぼ消え、大方灰になった。念のため水を掛けて終える。...

  • カゴシマコウバイ(鹿児島紅梅) ~その色が好きだ~

    鹿児島紅梅は五分咲きほどになった。もともとはしっかり枝を張った木だった。しかし年々枝が枯れていった。それらを切り落としていった。中心の幹も弱るのが見えた。それも切った。もう枯死するのだろうと思った。数年前から少しずつ細い枝が出るようになった。数は少ないけれど花も咲くようになった。元気を取り戻しつつある。花はやや小振りの深紅。その色が好きだ。着物の色にいいと思う。...

  • コウム(原種シクラメン・Cyclamen coum) ~「いと愛(かな)し」~

    コウムが咲いている。1㎝ほどの淡いピンクの花。斑入り藪蘭の中で一輪。ひっそりと。信州の厳しい冬を耐えてこうして。小さいけれど。コウムのけなげ。 藪蘭の中コウム一輪信濃の春 (奈美あや)...

  • 雛飾り(紙細工) ~「季」を楽しむ~

    今年もまた「ひな祭」と書かれた箱を出す。中には叔父の手になる小さな紙細工の雛飾り。お雛様は3㎝、屏風の高さは10㎝、雛壇の壇幅21㎝。男雛、女雛、右大臣に左大臣。膳と菱餅、橘、桜に雪洞の一揃い。女の子はいないが、飾ってともに「季」を楽しむ。春三月。約束通り、もう少し温かくなったらお招きしよう。...

  • マンサク(満作) ~黄色が溢れている~

    木に溢れる黄色。捩れた紐状のが。蕾から伸び出て。枝を覆うほどに。不思議で面白く。満作の花の見事。 まんさくの黄色あふれて笑みと拍手の三月入り (奈美あや)...

  • ホオズキ(枯れ鬼灯) ~三・サン・さん~

    3月弥生。「サン」という響きが届けてくれるもの。それは弾む明るさ。あるいは優しさと感謝の思い。そして生命(いのち)。燦燦とふりそそぐ陽光。歌う春のサンシャイン。神秘な自然への賛美。温かさと愛しさの「○○さん」。アートガーデンの一角には枯れ姿の鬼灯がある。 春という言葉はそれだけでエネルギー心は漲り体は張る (居山聞涛)...

  • アートガーデン(『石は木々に宿る』) ~二月も終わる~

    一本の木に数個の小さな彫刻。白い大理石と黄銅で出来た作品。タイトルは『石は木々に宿る』。青い空に白い月。偶然にして素敵なコラボ。さていつになく寒かった二月も終わる。...

  • フクジュソウ(福寿草) ~冬時間から春時間へ~

    福寿草が落葉の中に5つ。笑顔のような黄色の花が。いつもは大家族のようにかたまって咲く。いくつものはまだ土の中でもぞもぞしている?すべてが出て咲き揃うのはもう少し先か。風も川も鳥も草木も、冬時間から春時間へ。 福寿草五つ昨日と違う小さな春があってまたきっと明日も新たに (居山聞涛)...

  • シジュウカラ・メジロ(四十雀と目白) ~青い空と桜枝に~

    今度は彼岸桜に四十雀。ツッピー、ツッピー、ツッピーと。歯切れの良いリズミカルな声。嘴を枝に伸ばす。何を食べているんだろう。そばに目白もやってきた。ピチュピチュピチュ。 「元気かい」「うん、君は」と二つの鳥の声と澄んだ青い空と平和な桜枝 (上武旋転子) ...

  • ホオジロ(頬白) ~梅一輪~

    柿の木にいろいろな鳥がやってくる。頰白もとまった。ふだんはどこで寝泊まりしているのだろう。パートナーは居るのだろうか。 「新しい自分になるためには捨てなければならないものがある」と書いて梅一輪 (居山聞涛)...

  • フユシラズとハコベ(冬知らず・繁縷) ~小さな春~

    二月も残り日が少なくなる。月の区切りでいえば冬の終わりが近づくということになる。思索の小径にはわずかにフユシラズ。あたたかな色がうれしい。そのそばにハコベも。小さな白い5弁の花びらは深く切れ込み、ハートに見える。水仙の芽がたくさん出ている。ピラカンサと箱根空木の徒長枝を切った。 春はないかと下を見て歩いたら小さなハコベを見つけた詩を口遊む (上武旋転子)...

  • 雪嶺(南アルプス) ~見える~

    南アルプスが見える。アトリエや寝室などから東を望めば。左に塩見岳。連なって烏帽子岳や小河内岳などが。朝陽はその嶺々を越えて昇る。毎日変わらずの景色なのだが、いつ見ても大きな力を感じる。 雪嶺が穏やかに諭す「落ち着け」「いっぽいっぽ」と二月 (居山聞涛)...

  • オオサカフユザクラ(大阪冬桜) ~太枝を伐る~

    大阪冬桜はおよそ十一月から十二月にかけての寒い頃に咲く。そして少し休んでまた春四月にも咲く二季咲きの白い八重桜である。その幹元に近いところの太枝を伐った。張り出して横に広がっているのが気になっていた。ほんとは一月に伐る予定だったが延びてしまった。すっきりした。それをさらに短く切って片付けるのに少し時間がかかった。陽が差す中だったので少し汗をかいた。安曇野の犀川からはコハクチョウの北帰行が始まってい...

  • ツグミ (鶫) ~木の仕事~

    少しだけ木の仕事をした。ライラックの徒長枝を切ったり。源平桃を剪定して形を整えたり。小径に張り出す姫楮の枝も。雪柳の頭は抑えて。鹿児島紅梅が一輪咲いている。蝋梅の花は昨日より多くなった。柿の木では鶫が枝をつついている。皮の中にいる虫でも食べているのだろうか。 香りがいいからと妻も剪ってきた蝋梅が和室にある (居山聞涛)...

  • ソシンロウバイ(素心蝋梅) ~二月の雨の中~

    傘を差して外に出た。さすがに鳥はいない。福寿草は閉じている。万作が開きかけている。長靴の底の土が厚くなって歩きにくい。アートガーデンも雨の中。ソシンロウバイがいくつか開いている。その花びらや蕾の雨粒に周りの景色が取り込まれている。一枝剪って玄関に置いたらいい香りが広がった。一日雨だった。...

  • ケンチャヤシ(Kentia palm) ~「雨水(うすい)」~

    目覚めればしっかりの雨。雪ではなく。どうやら一日ずっと。「雨水(うすい)」の節気どおりに。地に潤いをあたえ一段と動植物の活動を促す。部屋にはケンチャヤシ。20数年経つが十分に元気。繁るのでおさまりよく幾度も切って抑えつつ今に。知人から読書の日々だとメールが届く。私は……。...

  • 『苔の詩(仮題)』(石膏直付け) ~造型を終える~

    一月から進めてきた石膏直付けによる制作をようやく終えた。表現テーマは早くに決まり、頭に描く人物像も一貫していた。出刃包丁をメインにタガネと鑿などを用いて造型していく。顔と首はおよそイメージ通りスムーズに進む。難儀したのは頭髪のボリュームや流れの表現。顔とのバランスを取りながら石膏を付けたり取ったりを何度も繰り返す。すべて納得というわけではないが、区切りを付ける。氷点下が続く中での水を使う作業であっ...

  • フクジュソウ(福寿草) ~ひょっこり一つ~

    白い綿毛になった石蕗の黄色い花。その横にひょっこり福寿草。春告草がまた一つ。「やあ、おはよう。ごきげんいかが?」歩けば庭のそこここに目覚めの花すがた。見つけてはほくそえむ。 福寿草一輪耳を澄ませば聞こえる聞こえる聞こえる (居山聞涛)...

  • クリスマスローズ(Christmas rose) ~眼科の定期検診~

    6ヶ月ごとの眼科検診。視力は左右とも前回と同じで良好を保つ。右目に白濁が広がりつつあるのが確認される。「現在生活に不都合はないようなので手術についてはもう少し様子を見ましょう」とやさしく丁寧な助言。次は8月半ば。進行しないように自分でできる可能なケアを。クリスマスローズが咲き始めている。ここらでの開花は通常今の時期。ゆえに、“バレンタインローズ”とか“スプリングローズ”の名で呼ぶのもいいかなどとも。多く...

  • スノードロップ (snowdrop) ~庭を歩けば~

    山茱萸の下にスノードロップ。落葉を押しのけて一輪。前日には無く。いつもなら何本も立つ。まだ目覚めぬそれらが揃うのも楽しみ。清らかな白い花しずく。花言葉には『希望』と『慰め』。庭を歩けばささやかに春が少しずつ。 何事もなく生かされ生きている私のバレンタインデーにはスノードロップ (上武旋転子)...

  • シンビジウム(Cymbidium) ~「まずい」~

    10日ほど前のことである。シンビジウムに二本の花茎が立ち上がってきていた。そこで真っ直ぐに咲くように誘引することにした。支柱を差し込んで下の方から上に向けて、紐で茎を結わえていく。一本目を終え、続いて二本目のやや斜めに曲がった茎。三つめの紐で結ぼうと茎を引き寄せたとき「ボキッ」と音がした。およそ3分の3ほどまでにヒビが入ってしまった。「まずい」戻す力がやや強引だったかもしれない。その上には蕾が7つある...

  • ホトケノザ(仏の座・三階草) ~ちいさなこえ~

    制作の手を休めて庭の『思索の小径』を歩きます。気分転換に折々そうします。陽の当たらないところにはまだだいぶ雪が残っています。そこに一株のホトケノザが咲いているのを見つけました。薄紫のほんの小さな花です。表情豊かなかわいい花です。三月には溢れるように咲きます。みんなより早く目覚めたようです。「こんにちは」さて……。 雪残る小径に一株のホトケノザがある小さなこえがきこえる (上武旋転子)...

  • ヒヨドリ(鵯) ~白い月~

    前日から一転して青い空です。周りにはまだ多くの雪が残っています。剪定を終えた柿の木にやってきたのは鵯です。「ピーッピーッ」と大きな声で鳴きます。「ここはオレのシマだ」とでも。首をかしげて枝にわずかに残る実に嘴を入れます。「おいしかった……」満足気な様子で飛んでいきました。白い月が浮かんでいます。...

  • モズ(百舌・鵙) ~雪の日の情景~

    昨日は未だ薄暗い時間から雪でした。朝食前から雪かきです。後から後から降り積もっていきます。時間と共に重くなります。片付けた嵩も増していきます。手袋の中の手も冷えました。休憩です。部屋に入って温かいルイボスティーを飲みます。真弓に鳥がとまりました。下に曲がる鋭い嘴が見えます。百舌でした。こんな天気の中をどうしたんでしょう。雪はまだ降り続いています。また外へでます。ガーデンテーブルにはいくつも小山がで...

  • ジョウビタキ(尉鶲) ~「後ろ姿」~

    柿の木にジョウビタキ。後ろ姿でもそれはわかる。黒い翼に白い三角の斑。銀白色の頭と橙茶色の腹の特徴で。しばらくの後、体を向き直し、黒い目のかわいい顔を見せてくれた。「後ろ姿」という言葉でいつも思い出すのが幸田露伴の文章の一説。『後ろ姿の香る』 香木を焚くとそのまことの芳しき気は、煙のまだ少しも立ち上らぬ先に迸りでる。人の心の匂いその人のもまた同じである。その人の一念が私に向かい、まことに美し...

  • メジロ(目白) ~卒業アルバム~

    高校の卒業アルバムを開いた。ふと、あることを確かめたくなって。最初のページはギリシャ建築の柱にも似た正門。そして様々な行事のカットが続く。後半に各クラスの集合写真と一人ひとりの顔写真。各学年10クラスある大人数の学校だった。私は3年9組。確かめは済み、必要なことは分かった。しかし、中に収められているコトやヒトの大部分は記憶の輪郭が曖昧となっていた。3年間共に様々な青春がそこにあったはずなのだが。少しの...

  • ソメイヨシノ(冬の染井吉野) ~巣と小さな彫刻~

    二月の染井吉野。見れば広がる枝に鳥の巣一つ。大きさと形からして鵯のか。太い枝の切り口には小さな彫刻。花の頃の人呼ぶ華やぎの様とはまた違った風情。冬木の静かな営み。今は寒さを体に取り込み、その春を待つ。...

  • ホオジロ(頬白) ~気分もポカポカ~

    臘梅にやってきたのはホオジロ。いつもの澄んだ声が聞けるかと期待したが、発することはなかった。彼にとって二月はまださえずる季(とき)でないということらしい。初めて10℃を超える気温。嬉しいポカポカ。気分もポカポカ。しばらく陽気は行ったり来たりつつしながらだんだんに……。 「今日の肉はやわらかくて美味しい」と言うと「じゃあ明日も同じ肉を買って来る」と言った夕食 (上武旋転子)...

  • クリ(栗・丹沢) ~季節外れの栗ご飯~

    「栗の皮を剥いて」という。栗は昨秋も多くの収穫があった。多くの人に届けた。そしていろいろな料理にしていただいた。食べきれなかったその残りをいくつかの袋に分けて冷蔵庫で保存してあるらしい。調理はもちろん家人がするが、その前段階の皮剥きなどは長年私の仕事である。結構手間がかかるし力が要るし、ある意味テクニックも必要で私がやった方がよほど早い。今回は栗ご飯にしてくれた。長い冷蔵の割には栗そのもの風味はち...

  • レオパ(レオパードゲッコウ・ひょうもんとかげもどき) ~ありがとう~

    昨夕、レオパが天命を全うした。約十七歳。人の歳にすればおよそ卒寿。2年ほど東京で過ごして、信州に来たのは2008年。それから生活を共にして15年。今年に入ってからなかなか食事を摂ろうとしなかった。だんだんに瘦せ細っていった。いよいよお迎えの時だと覚悟してその準備をしてはいた。朝、動きがゆっくりとなった。そして静かに息を引き取った。新しい白いハンカチを出してくるんだ。「埋葬はどこにする?」「柘榴の木の下が...

  • ヒナゲシ(雛罌粟・ポピー) ~去年の10月1日~

    土の上にたくさんの小さな株。それは去年の10月1日に蒔いたヒナゲシ。春に彫刻の周りを色とりどりに埋め尽くしたいと。そして秋が終わり、冬が来て。霜が降り、雪が降って。土が凍る日が続き。ようやく春立つ日の訪れ。咲くのは5月頃になるか。その作品のタイトルは『森の子』。それがやさしいふわふわの花に囲まれた様を思い浮かべて待つ。 夢見る少女になります麦稈帽子を乗せてポピーの花の中で遠い過去 (奈美あや)...

  • 鬼やらひ(追儺) ~『季節飾り』~

    小さな季節飾りが十七箱ある。どれも叔父の手作り。細かなところまで丁寧に拵えてある。おりふしに合わせ飾って楽しむ。二月は節分飾り。『鬼やらひ』の文字と千代紙を貼った箱にも叔父の心が。中には定番のアイテム。金棒と青鬼赤鬼。朱塗りの台に桝豆。柊鰯とお多福さん。毎年揃え並べてもう何年も。そうそう、「春になって暖かくなったら招きします」との約束だった。さて今日は豆の用意してくれるのだろうか。...

  • ジョウビタキ(尉鶲) ~首を下げて~

    庭からは下に川を見下ろせる。辺りには先日降った雪がまだ少し残っている。そこへジョウビタキがやって来て石の上に立った。ふだんは木に遊ぶことが多い鳥だ。首を下げ、嘴を突き刺して水を飲んだ。あまり見ることのできないレアな光景に嬉しくなった。喉が潤ったのか、満足げな顔をする。そして羽を広げて飛んでいった。1分にも満たなかった。 もやしのひげをとってというので軽くいいよと答えたら30分かかった (上武...

  • ツグミ (鶫) ~今季初めて見た気がする~

    心地よい冬日和。栗の木にとまったのは鶫。何するというのでもなく。静かにたたずんで。時々吹く風に首を軽く右に左に向けたりして。彼の周りだけ時間がゆっくり流れているようで。私も穏やかな気分となりしばらく眺めていた。ダンプが通った。飛んでいった。今季初めて見た気がする。もしかすると晩秋の頃には来ていたかもしれないが。 心地よい冬日和栗の鶫を見ていたらダンプが通った (居山聞涛)...

  • ナンテン(南天の実) ~一月は行く~

    葉を紅くした南天。実の多くは食べられて果柄だけ。わずかに残る艶やかな赤。小さいのに豊か。知人が転んで腰椎にヒビとの報。「キャンバスは届き、さあこれからというのに」と。その後いかがか。早めの快癒を祈る。見上げる空は澄んで青い。一月は行く。 長く感じた今年の一月「過去を思わず未来を思わず」と言い聞かせ (上武旋転子)...

  • メジロ(目白) ~桜祭り~

    木々が葉を落とした今の時期は鳥の姿がよく見える。ほぼ毎日来てくれるのはジョウビタキ、メジロ、シジュウカラ、そしてそれらが苦手とするヒヨドリ。ジョウビタキはほぼ単独だが、それ以外はだいたい群れか複数の場合が多い。氷点下8℃の朝にメジロが二羽。体を丸めて。顔も寒そう。沖縄では寒緋桜が見頃を迎えているとニュース。桜祭りが開かれているらしい。今、何度くらいあるのだろう。...

  • ウグイス(鶯) ~一人で感激している~

    やってきたのはウグイス。絡み合う冬枯れた蔓草の上に立つ。あまり動かない。全体地味な色。雄雌同色なのでどちらかは判別できない。白みを帯びた眉斑と淡黒の過眼線。肉色の嘴と脚。鈍い灰緑の頭部と白い腹。それにやや長い尾。春から夏の間、よく知られるその美しいさえずりは家に居てもよく聞くことができる。しかし、姿を見るのは至難。私は過去に2回だけ。前回は2015年の3月だから8年前になる。いやあ、うれしい。ほんとにほ...

  • サザンカ(山茶花) ~雪でした~

    雪でした。積もったのは数㎝と、ほどほどです。山茶花の葉や花をも覆います。雪かきをします。軽い雪です。さほど力を入れなくても押し運べます。前庭と道路と二つの入口でおよそ30分。残るアートガーデンと中庭と裏庭はやめました。そこは時と自然に任せます。松山さんの奥様も赤い防寒具で雪かきをしています。いつにも増して寒い冬です。 「今年は寒いね」「寒いですね」の交わされる久しぶりの雪かき (居山聞涛)...

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