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2005/08/02

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  • 神が出かけている間に

    ずいぶんと長いひと月だったように感じる。月初めは前月のコンクールまとめや掲示があり、三連休にワークショップの連続開催、翌週には三年ぶりの絵本ライブということで、その準備・運営が慌ただしかった。特に個人的に読み聞かせとブックトーク合わせて、計9回も子どもたちの前に立ったことが大きいか。何かしら役に立てることがあれば、という気持ちを仕事上で表現できるのは幸せだ。時代が激しく変化し、自分がしていることの意味づけに疑問を感じるときはあるが、結局のところ大人のエネルギーこそが、年少者の心に響くという考えに変わりはない。もっとも食い入るような子らの眼にパワーを得てのことだが。さて、実は昨日、電話で何気なく話したあることについて、久しぶりに自己嫌悪に陥った。それは他者に影響を与えるものではないが、自らの貧しさ、厭らしさ...神が出かけている間に

  • もののはずみで買う決心

    この本のキーワードは「物心」。普通に「ものごころ」と言えば「人情・世態などを理解する心」(広辞苑)を意味する。また「ぶっしん」と読めば、それは「物質と精神」(同)を表す。しかしそれらとは違う「『もの』じたいが持っている心」もしくは「所有者、製造者らの顔、匂いなど」と解し、このエッセイは書かれた。『もののはずみ』(堀江敏幸小学館文庫)「主としてフランスで出会った『もの』」たちが描かれている。読み手である自分とは縁遠いと思いながら読み進めたが、さすがの文筆家は落とし処が上手い。「時間について」と題された章に陶芸市のことが記されていて、不満を覚え、考え気づく「ありきたりのものを美しくする『時間』」という一節に、不変さを感じた。「靴屋の分別」という章も心に残る。靴屋の店先で目に留めた「古びてへたった人形」を買い求...もののはずみで買う決心

  • 歴史に学べば、見えてくる

    「歴史に学ぶ」という点で共通項があり、現状の乗り越え方について考えさせられる新書を二冊読んだ。『生贄探し暴走する脳』(中野信子・ヤマザキマリ講談社+α文庫)世界史、中世の知識がもう少しあればより楽しめたかもしれない。多様な心理模様を語る脳科学者と、イタリアと日本を行き来する人気漫画家の対談はシビアだ。「魔女狩り」を切り出しに、現代日本社会の闇を突く。人間の脳は他との比較によって楽しみを得ようとすることを止められないという結論にどう対するか。ヤマザキは異質なものに対して「まずはそれを興味深く、面白い現象として受け入れてみればいい」という。つまりは好奇心と想像力。個人的には衰えをどう食い止めるかが焦点か(笑)。「生贄」で浮かんだのは、先日NHKで放送されたドラマ『山女』。飢饉にあえぐ東北寒村で追いつめられた人...歴史に学べば、見えてくる

  • 読書の秋、息を吹きかける

    霜が降りて、いよいよ秋も深まる。読みたい気持ちの、その熾火に一息吹きかけて過ごしたい。『食堂つばめ③駄菓子屋の味』(矢崎存美ハルキ文庫)3年前にシリーズ②を読んだ時はいろいろ考えさせられた。今回の設定は少しわかりにくい気がした。「食」がテーマなので手にとった文庫だったが、美味しさがあまり伝わってこなかったからかと思う。ただ、巻末のショートショート「もんじゃの神様」はなかなか小気味いいし、「人につく食事」の深さのような想いが浮かんだ。『ぜんぶ、すてれば』(中野善壽Discover)2年前に書名に惹かれて読んだ本の再読。何度読んでも「言うことはわかるけど、実際には…」と思っているようではいけない。肝心なことは「ぜんぶ」とは何か、である。この「ぜんぶ」の中身を自分が明確にできることだ。比喩としての「ぜんぶ」は、...読書の秋、息を吹きかける

  • いつの間にか二回り

    久々にコミックにハマった。そこからの、何年振りか思い出せないほどのジャズCD購入である。最初に『BLUEGIANT』のコミックを購入したのは、春にほぼ日の「今日のダーリン」を読んだからだと思う。紹介されていたのは『BLUEGIANTSUPREME』というヨーロッパ篇で、あまり考えず中古で1~5巻注文したのだった。最初それらを読み通したとき、実はそんなにぴんと来ず読み流した感じだった。ところが、8月になってからなんの拍子か読み直したとき、なんだか妙に惹きつけられた。ヨーロッパ篇を6巻から11巻まで注文し、あっという間に読みきった。そしたら、そもそもの『BLUEGIANT』つまり日本篇は読まなくちゃとなる。舞台は仙台。我が青春(笑)の地でもある。懐かしい気持ちも湧きつつ、全10巻注文して読みきる。そして、第3...いつの間にか二回り

  • 今さら、かなり重いぞ

    2019年に開催した大きなイベント二つ(絵本ライブ、朗読コンサート)は、それまでの段取りとか確かに難儀な面は多かったが、今となってみればそれほど問題はなかった。コロナ前に内諾をとった2020年の大物絵本作家さんとは、何度も延長を重ねたが結局実現できずじまい。昨年度もかなり前から交渉をして作家側も非常に積極的だったが、秋の時点で県外講師はOKが出なかった。そして今年、招聘して行うことに対して制限が緩まったが、まだまだ課題は大きかった。一つは会場確保。当初、押さえていた広い施設は何の因果か予防接種会場となりってしまい…主対象とした小学校低学年も2年生だけに絞り込み、一般参加は呼びかけない形で、それも2回に分散して行うことで準備を進めた。そして迎えた本番前日、一校から連絡があり学級に陽性者が判明、濃厚接触者も数...今さら、かなり重いぞ

  • 早送り、倍速では展望できない

    「大いなる違和感」と題された序章は、昨年3月のあるビジネスサイトのネット記事。映画等の「倍速視聴や10秒飛ばしに対する違和感の表明」は話題を呼び、賛否両論が寄せられたという。記事を目にしたのは最近だったが、読書活動推進の仕事に携わっている身として抱いていた問題意識にも強く響く内容だった。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史光文社新書)若い世代の、いわゆる読書離れについて詳細なデータは掴んでいない。しかしよく話題になるし、勤めている図書館にあってもその傾向は顕著だ。実際に接した子たちの声を拾っても「忙しい」「面倒」が溢れる。ゲーム等も含めた映像文化に染まっていることが大きな理由だろうと感じていた。しかし、現実はその上にあるようだ。この新書に添えば、書籍であれ映像であれ、「作品」というより「コンテンツ」とい...早送り、倍速では展望できない

  • 余所人の楽しみは…

    今日で10月も半分過ぎた。半月でこれだけ読み聞かせ等を行ったのは初めてである。数え上げたら7回。内訳はこども園が2回、小学校が4回、館内が1回ということになる。もっとも2年生向けのブックトーク風絵本紹介が4回あった。それは来週のイベントへ向けて企画したもので、複数本を少しずつ読んでいくパターンだったが、それなりに新鮮だった。それにしても、数多く足を運べば、改めて感じるのは「教室の空気」の違いだ。もちろん同じ地域なわけだから、きわめて特徴的な差というわけではない。ただ、おそらくどこに居る活発な子、反応が積極的な子らに対する大人の所作によって、その場の空気が醸成されていくことには違いない。余所人で訪問者である自分は、その空気を楽しめれば理想だ。そのためにはやはりある程度慣れが必要であり、これだけ回数をこなした...余所人の楽しみは…

  • 三代(台)目の使命

    スマホに切り替えたのはずいぶんと遅い方で、学校を退職してからだった。時間はあるだろうし手慰みになるかしらんと思ったが、うまくいかなかった。買いたての頃、音声認識が通用せず笑い話になったことも思い出である。結局使いこなせないまま、といっても電話、メール、検索ぐらいはできるわけだが、4年ぐらい過ぎた。機器に飽きたということもあるし、ちょっと写真をきれいに撮りたいなという気持ちが湧いてきて、安価なモデルでと探して手頃なものを見つけた。これが2年前の6月だった。デジカメもコレクションとまでは言わないが結構あるのに、最近はスマホの方が圧倒的に頻度が高いということは、ある面では手に馴染んだわけだ。しかし、物欲とは怖いものだ。またぞろ新しいモノに手を出した。もちろん機器代金であり、それも言い訳にはなるが、それ以上の理由...三代(台)目の使命

  • 今、実っているのは何か

    この三連休は毎日午前中に2時間ほど出勤し、イベントの様子を見守った。ハロウィンパーティーと称して、工作ワークショップとちょっとしたゲームなどを取り入れた内容である。結構な時間と労力を割いて、職員が準備してくれたものだ。10月8日(土)10月9日(日)10月10日(月)まずは無事に終了し、ほっとしている。今月はこの後も大きなイベントがあるし、来月には「こどもブックフェスタ」が控えていて、図書館の落ち着いた雰囲気の裏には別のせわしなさもあるのだ。先週末からぐっと気温が下がり、秋の深まりを実感する。秋と言えば…冬が近づく、齢を重ねるとそんな思考になりがちだ。しかし、「今、実っているのは何か」を忘れず、腰を落ち着けて見つめてみたい。今、実っているのは何か

  • 抽象度の塩梅がいい本

    図書館では小さい子向けの書架に収められてしまうが、ヨシタケシンスケの絵本には「これはどちらかと言えば…」と思うものが結構ある。例えば『もしものせかい』などもそうだ。同じ出版社から発刊され、同サイズのこの絵本もそうだ。紹介されているサイトには「4歳/5歳/6歳/7歳以上」とある。「以上」だからいいのだが、幼児向けを意味している。しかしなあ、と思う。左ページに文章、右ページに絵が中心なスタイルで進む。その1ページ目が、「よのなかには、いろんなひとがいる。」描かれている絵は全員が後ろ姿。これは4歳ならば4歳なりに、18歳ならば18歳なりに受け取るに違いない。もちろん80歳であっても。結局「読む」もしくは「与える」者が何を期待するか、ということになるのかな。これは絵本全般に言えるのかもしれない。パッとみて小学校高...抽象度の塩梅がいい本

  • 密から遠ざかってはいけない

    TVニュースでドイツのオクトーバーフェストの話題が流れた。もちろん本場のそれには行ったことはないが、20年以上買い続けている盛岡のクラフトビール工場のイベントに参加したことがある。もう7年が経つ。9月の連休時だった。飲み放題はもちろんで、歌を歌い、隣席の方々と談笑した記憶がまだ離れない。楽しかったあ。それはやはり「密」だったから、なのだなあとつくづく思う。人として生きる楽しさの一部は、確実に密にある。食べ、飲み、喋り、時には肩を組み、手を握り、叩きあったりする…妙に寒くなった一日の終わりに、久々にその時のジョッキを出してみる。密から遠ざかってはいけないと、一気に飲み干してみる。密から遠ざかってはいけない

  • みそネギ、ココ始め

    BASSOどりるまん商店の中華そばは好きなので、こちらが休業中となったので本町「蔵しこ」に行ってみた。実はあまり近い距離にあるので、開いて一年過ぎたが初めて足を運ぶ。(蔵しこ自体は、ちょっと思い出深いものがあるが…)開店直後にガラガラッと戸を引いてみたら「みそラーメン」という文字が…さらに「みそネギ」もあるではないか。なんとっ。どの店にいってもかなりの確率で「みそネギ」を注文する者としては捨ておけない。1000円と値ははるが、+50円の中盛にしてもらい、届いたのが白髪ネギ好きとしては、ちょっと残念。しかしなかなか魅せるビジュアルである。実食…んーーーつ、スープはよろしいが麺が今一つ好みではない。やっぱり、普通の中華そばがいいかなというのが本音。(味噌は先週からのメニューなのでした)みそネギ、ココ始め

  • 山法師の実のように

    昨日と一昨日は午前中にこども園の読み聞かせに出向いた。昨日訪れた園では、年長組が遠足ということで、年中の子たちが聴いてくれた。年中ぐらいだと必ず黙って聞いていられない子が数人いる。しかし、それも絵本への反応であり、実はいいことでもある。帰り際に積極的に抱きついてくれたりするのも、そんな子だ。絵本や紙芝居などへの対し方は、一律である方が変だろう。それは幼児でも小学生でも同じだ。表面上はどうあれ、その姿勢だけはいつも心に留めておきたい。今年は山法師の実がたくさんついている。小鳥は啄みにやってくるし、夜な夜な狸!!も出没し、下に落ちた実を平らげている。山法師の実のように

  • 久々、独り視聴者委員会

    終了した朝ドラ『ちむどんどん』の出来が悪いと書いたのは6月。そこに絡んだら面白くそうな人物を挙げておいたのだが、その通りにはならなかった。またその後も様々なキャラクターが登場した。どう関わり合ってくるのだろうと思わせておき、素通りしてしまう展開が最後まで目立つ話だったな。いわば回収なし、アレレッと肩透かしの連続。最後はそれに慣れてしまった。「失敗作」で盛り上がるのは世の中のいじめ体質なのか。「一番嫌いなキャラクターは」というランキングまで出るのだから…。コラムニストの堀井憲一郎の記事は、全体を振り返ってよくまとめてあった。直観的な感想として「「食卓前の小さな物語」を目指していたのはたしかだとおもう。ただ、コメディ部分があまりうまく機能しなかったのではないか」とある。納得できた。夏からのクールで見続けたドラ...久々、独り視聴者委員会

  • 秋空、ヤラカシちまった爽快感

    最近は正直「慌しいなあ」と感ずることは少なくなってきていたが、ここに来て久しぶりのビジーモードになっている。そのあれこれは、実は並べるまでもないことだ。しかし、齢相応に注意力が衰えると、チョンボを誘発しそれはまた連鎖する。ああ、ヤラカシちまったと空を見上げたのは久しぶりだった。ただ、それが何か一種の爽快感にもつながっているようで笑えてくる。紹介文コンクールがあって、入選者一覧や審査員の短評を整理・清書するのは自分の役割だ。一覧を一応仕上げ、職員に確認をしてもらった。一箇所の漢字の間違いを指摘され、まずまずかと思い、図書館だよりや町広報原稿、そして賞状作りデータなどほぼ完了したときだった。優秀作品(原版)を台紙に貼り付ける段階になって、「あれ、この名前は…」と気づいたのだった。ひらがなもおぼつかない低学年氏...秋空、ヤラカシちまった爽快感

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