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2005/08/02

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  • こんなに長い如月は…

    メモ程度に書きつけている日記の2月1日を見返すと、「旧暦の元日」と最初に記してある。それから4週間しか経っていないが、ずいぶん長かった気がする。1月最終週から図書館の利用制限が始まり、昨日から完全閉館だ。その間、相変わらず続くコロナ感染拡大、降雪も昨冬並みとなり、北京五輪、ウクライナ…と。2/27AM6:54の朝日県内感染者が200人台を記録したのは1月末、つまり高止まりはひと月続いた。しかし検査数との絡みがあり、検査制限を指示した国の思惑を考えると、これが実数かという不安はつきまとう。近隣館内の感染が増え、施設も混乱した。こども園や学校のことを想うと、長い閉塞感で浮足立っていないかと心配になる。中旬の出来事はブログに挙げてみた。北京五輪のこともいくつか書いてあるが、もう遠い昔のようだ。そう考えると去年の東京五...こんなに長い如月は…

  • 「昭和」を読んでみた

    先週読み終えた2冊の本。小説とエッセイ、共通点はないと思ったが、あっ、どちらも昭和なんだと気づいた。『寮生~1971年、函館。~』(今野敏集英社)待ちかねていた『隠蔽捜査』の新作は未読だが、何かその前にと警察小説ではないこの本を手に取った。作家と同齢なのでこの年号を記しているということは、やや自伝的な要素もあるかなという興味もあった。モデルはあの函館有名進学校で、男子寮内に起きたある事件を中心に展開していく学園ミステリーものだ。語り手である「僕」と一緒に入学した1年生数人が、校内で起こった2年生徒の死亡を巡って動く。様々な環境で育ち性格も異なる16歳たちが「事件」について、多少堂々巡りしながら、最後には謎を解明していく形だが、ある意味そのもたつき具合が懐かしい。ネットもスマホもない時間にあった空気感だろうか。来...「昭和」を読んでみた

  • お爺さん、手袋置いて…

    先週「確定申告」の文字を見ながら、これはもう少し後だな、天皇誕生日あたりか、と頭をよぎったのは偶然ではなかった。このブログをみると去年も一昨年も(その前年2月は平成だった)、苦闘(笑)メモを残してある。天皇へ税を納める時代ではないが、タイミングのいい休日になっているから、向かうのだと思う。去年は「天皇誕生日の472円」と題し、苦労したわりに還付が少ないことを嘆いた文章だった。その形で語れば今年は「天皇誕生日のマイナス1300円」なのである。時間はさほどはかからなかったが、追加徴税という結果に終わるとは…。何のためにやったのか!!とは思わず、きちんと国民の義務を果たしました。妻の分も取り掛かった。こちらは昨年までと違い孫の世話が忙しく「家内工業」が無くなったので実に簡単。最後には「確定申告の必要なし」と表示もされ...お爺さん、手袋置いて…

  • 横綱は言い訳しない

    昨年末から図書館エントランスに「リサイクル資料」(自由に持ち帰り可)として、古い月刊誌、週刊誌の類を置いている。ずっと放置されているものも多く、数冊家に持ち帰った。その中に、3年ほど前のスポーツ誌Numberがあり特集が「横綱論」だった。おおこれは…なかなか興味深いぞとめくってみた。私が子どもの頃はいわゆる「巨人大鵬卵焼き」の時代。家庭娯楽の一つとして大相撲のTV観戦があった。大鵬は絶対的な存在であり、地元出身の大関清国とともに人気が高かった。今思い出せば、その取り口は四つになって寄り切って勝つことが多いタイプで…雑誌でも語られる「横綱相撲」の典型にも思える。あくまでも個人的な見方と断っておくが、もう一人いわばこうした「受け」の相撲で印象深いのは北の湖だ。全盛期にそれほど熱心に観ていたわけではない。しかし、よく...横綱は言い訳しない

  • 遊弋して構えてみる

    遊弋(ゆうよく)という語を初めて知る。広辞苑には「艦船が海上を往復して待機すること」と載っている。今、自分の「海上」は図書館にあり、絵本の「島」などが見え隠れしているか。そんな想像ができる最近の読書から。『コロナ後の世界』(内田樹文藝春秋)「多様性を認めよう」「他者や異物を包摂しよう」という考え方は、現在の世界では多くの人が(捉え方に差はあるとしても)承知している。しかし、著者はそういった言い方を「すてきな目標」と評価しつつ、こんなふうに語る。「でも、これって、微妙に『上から目線』だと思いませんか。」その眼差しの行方は…「多様性と包摂」を否定するのではなく、その「上があってもいいんじゃないか」と。まえがきの時点でそう語り出すのである。そこでの提言キーワードは引用しないが、つまりは自己の日常性、周辺性、身体性にも...遊弋して構えてみる

  • 続・如月中旬日記

    2月16日(水)朝、教委と連絡をとり来週以降も制限つき開館となることを確認。何人かに連絡をする。昨日準備した「羽後の子ども」詩作品をブログアップ。それから、読み聞かせの予定がなくなった学校へ「絵本のススメ」と題した資料を届けにいく。Jアラートの一斉訓練放送があったが、室内ではどうにも聞こえないようだ。2月17日(木)勤務のない一日。たまたま二人の孫も来ないのでフリーだ。何処かへ出かける状況にもないし、昼食にカレーがいいとレトルトを3種買いにスーパーへ。客の少ない時間帯はどこか恥しい。「新宿」「銀座」「神田」と選び、好みは神田だった。夕食は一昨日届いたセリでしゃぶ鍋を食する。久々のフランス鴨も美味しい。2011年の放春花より①2月18日(金)昨日のスピードスケート高木の金メダルは嬉しい。やはり努力は報われてほしい...続・如月中旬日記

  • 今さら「総合」を語っても…

    昨年秋から何度か出向いた高校の、いわゆる「総合」の発表会があった。町の歴史をレクチャーしたが、自分にとって勉強になった点は多い。まあ、それより高校生の学びがどの程度だったかが肝心だろう。しかし短い発表であり何とも評価し難い。ただ、他グループを含め中身を概観し考えさせられたことがある。それは「総合的な活動の時間」そのものについてだ。現在の流れを知らぬまま書き散らそうと思ったのは、「総合」が始まった時代をリアルに覚えているからだ。その時間の創設を当初は批判的に見ていた。教科学習でできるという考えを持っていたのだ。しかし、担任を外れた自分が面白く取り組めたことも事実だ。小規模校に教頭で勤務した時に総合が始まった。その折はストレートに、「実態に即し」「児童の興味・関心」に照らし合わせた異学年コース別活動を行ったのだ。私...今さら「総合」を語っても…

  • 脱出できない寝床読書

    長編を読む忍耐力がますます衰えたので、短編にしているが、それで分かるのが嗜好というか性癖というか。そこから脱け出せない?脱け出さない?のだろうなあ。『1日10分のぜいたく』(あさのあつこ、他双葉文庫)「NHK国際放送が選んだ日本の名作」のシリーズ三つ目。8人の作家が書いているが、既読の記憶がある作品が二つ。小川糸「バーバのかき氷」と沢木耕太郎「ピアノのある場所」だ。自分の感覚からすると覚えているだけで名作だ(笑)。その以外に重松清「おまじない」と高田郁「ムシヤシナイ」が印象的だ。作家の構想力とは短編でもさすがだなと感じる。「鮮やかな(もしくはぐんと重みがある)言動」が作品のピークをつくるが、その布石となる展開や会話に無駄がない。筋の強弱をはっきりさせていると言うべきか。あっと気づいたのは、挙げた4篇はいずれも子...脱出できない寝床読書

  • 『明日やろう』は馬鹿野郎…か

    結局斜め読みになってしまった。駄文と分かりつつ書き続けている自分には必要感が薄かったか。ただ、先日読んだ『傘のさし方がわからない』(岸田奈美)もそうだが、文章を量産している者には、それなりの秘訣があり、それを確かめたい気持ちがあった。この著者のスタイルは「手を替え品を替え」だな。『書く習慣』(いしかわゆきクロスメディア・パブリッシング)目次の前に「お悩み診断チャート」があり、「書けない…」と思っている人がどの章を読めばいいかおススメしている。以前から見かける形式の一つだ。この章立てが書き続けるための要素である。曰く「書く『勇気』」「書く『習慣』」「書く『ネタ』」「書く『思考』」「書く『技術』」「書く『気持ち』」…普通だが…。この並びは優先順位だと思う。やはり「勇気」が肝心なのだ。そして踏み出し、歩き始めて少し心...『明日やろう』は馬鹿野郎…か

  • 如月中旬日記

    2月10日(木)通常週であれば勤務日ではないが、明日が祝日であり出勤する。来週に予定している蔵書点検の説明を聞き、午後から閉架の資料で慣れる意味で作業をスタートさせる。今日の分は「絵本」だが、題名や内容に気をとられると作業が疎かになる。集中してしかも手首を痛めないように(笑)バーコード読み取りに専念。2月11日(金)朝のうち図書館ブログへ「建国記念の日」のことをアップ。さて今日は天気もよく、車庫の屋根の雪下ろしを予定通り行う。先週、端の部分を1メートルほど降ろしたのだが、そこから降雪の日が続き、その後に晴れて雪が締まり非常に重い。わずか2時間ほどだがヘトヘトとなる。昼に飲むノンアルビールが旨い。2月12日(土)北京の冬季五輪。実際はどうなのかわからないが、競技や審判判定などの問題情報が頻繁に流れてきて、落ち着か...如月中旬日記

  • 出会うたび「芯」を受け取る

    変わった書名である。「傘」というと、昔「傘の自由化は可能か」という大崎善生のエッセイ集を読んだ記憶がある。この本もエッセイである。何のことやらと思いつつ読み進めていくと、もし誰かに「傘のさし方が~」と言われたら(極めて異例だが)自分がどう反応するか…それが問われている題名だと得心した。『傘のさし方がわからない』(岸田奈美小学館)下半身が動かず車椅子生活の母親と、ダウン症の弟が家族である著者。前作でその家族を描き好評だったらしい。書名は「はじめに」に書かれているエピソードで、雨の日に母親がもらした一言である。歩けなくなって身体のバランス感覚が崩れたという事実に直面する。思ってみなかった言葉にどう向き合うのか。「傘のさし方が、わからない」これまで何気なく見ていた景色が、ギュっと愛しくなるひと言を、見逃さないように。...出会うたび「芯」を受け取る

  • 毎日を上手に回れていますか

    孫4歳男児が、TVに映る冬季五輪のフィギュアスケートの演技を観ながら、真似をしているつもりかぐるぐると廻っている。テレビでは4回転ナントカと叫んでいても、もちろん床の上では1回2回でその気になっている。爺婆バカの二人が「上手上手」と囃し立てるから、番組が終わっても廻り続けたりしている。ところで、五輪の競技にいわゆる「回転系」が増えたものだと改めて思う。フィギュアスケートは伝統があるが、フリースタイルスキーのエアリアル、モーグルやスノーボードのハーフパイプ等々、以前からあるスラロームの回転・大回転とは違う演技としての回転系が本当に目立ってきた。歴史的趨勢なのかな。夏季のスケーボー競技もしかり。伝統ある体操競技も、回転数の多さやひねりなどの完成度が主になる。正直「凄い」とは言うが、凄さはわかっていないと自分で思う。...毎日を上手に回れていますか

  • 先が見えない現実を楽しむ

    アドリブということにまったく弱いと自覚しているからだろう。『AI支配で人は死ぬ。』の養老氏の語りで、もう一つなるほどなあと思わされた言葉がある。よく人は「クリエイティブ」って言うけど、でも、その本当の意味は個性的なんてことじゃなくてね、自分の前に「先が見える道」と「先が見えない道」があったら、「より先が見えないほうを選ぶ」っていうことなんですよ。生きるって、そういうことなんです。学校教育で、いわゆる「総合」が始まった時に重視された能力・態度に「見通しを持つ」があった。自分自身も実際に指導にあたるうえで、大きな位置を占めていたと思う。「計画的・意図的」という方向は疑いないものだし、初等教育のねらいとしてふさわしいと今でも考える。しかし、あくまで俯瞰的に捉えねば…。11年前つまり2011年の2月11日の夜。あの年、...先が見えない現実を楽しむ

  • どれだけ豊かにそのスピーチを

    昨年末に某小学校5,6年生向けに「高学年だからこそ読める、高学年にこそ読んでほしい『絵本』のススメ」と題して資料を配った。表紙絵を取り込みながら6冊紹介した。来週他校で読み聞かせがあり、高学年対象なので、そこでも配布したいと見直した。1冊だけ差替えてラインナップに加えたのがこれである。『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(くさばよしみ編中川学・絵汐文社)南米ウルグアイのムヒカ大統領の話題はTVで観たし、本の存在も知っていた。しかしきちんと読むのは今回が初だ。抽象的な語句は少しあるが、高学年ではあれば伝わるだろう。もちろん、大人が読んでも説得力ある内容だ。やや漫画チックな絵だが、演説のテーマを理解するための補助的な役割は十分果たしている。環境と貧困をテーマにした国際会議。小国の大統領の話に最初は関心を抱いてい...どれだけ豊かにそのスピーチを

  • 情報から独立するために

    『AI支配で人は死ぬ。』で養老氏は「『意見』が先で、『事実』が先になってしまった時代」ということを次のように語っている。少し長いが引用する。若い頃はいろいろ理屈を言ってみるけど、そうはいかねえよって年寄りは知っているわけだ。でも、今は逆ですからね。SNSが先だから。「意見」なり「感想」なりが先になってて、「事実」が後追いになっている。そのうち、誰かが「意見」に合わない「事実」を見つけてくると、「事実のほうが間違っている!」と言いかねないよ。これを読んだ時ふと思い出した。何で見たか失念したが、商品PR戦術で一番効果があるのは「今、これが売れています」というフレーズだということ。確かにノセラレテ買った記憶もあるし、同様の人も多いのではないか。売れているかどうか不明であり、詳しく調べたり聞いたりしないままに、消費行動...情報から独立するために

  • ランドクも撚っていくことで…

    如月もランドクか、と思いつつ、今年のテーマ「撚る」をもう一度頭に入れて、関連性を見つけながら読んでいきたい。『挑戦常識のブレーキをはずせ』(山中伸弥・藤井聡太講談社)稀代の研究者と棋士の対談は、堅苦しくなく少し雑談的な印象も受けつつ、「追究者」としての本質が、端的に語られている。特に「限界を自分で決めない」「負けから学ぶ」とよく言われがちな言葉ではあるが、歩んだ道やエピソードからは、そういう思考習慣がいかに身体化されているか伝わってくる。当然ながら頭脳明晰な二人であり、相当の年齢差があっても上手に話題が続いていく。特に「AI」への評価は、現状での限界も踏まえながら、いわば「共存共栄」を目指していくスタンスが共通していると感じた。AIに取り込まれていく世の中は…などとごくありきたりの発想を持つ私のような凡人との違...ランドクも撚っていくことで…

  • 「意味」は生み出すものだ

    前回からの続き~自分が学校という場で働いたことは、「労働」だったか。「仕事」だったか。『仕事なんか生きがいにするな』(泉谷閑示幻冬舎新書)昨日書いたことから言えば、この書名は「仕事」本来の意味であったとすれば反語的な表現として成立する。ただ、働くことに意義や価値を見つけるためには、政治や社会の要求との折合いをどうつけるかが最大の焦点であり、そしてそこに限界もある。少なくとも、そう俯瞰することで自分は保てるのではないか。さて、もう一度「意味」について考えてみる。この著でなるほどと感心した表現の一つがこれだ。「『意味』は決してどこかで見つけてもらうことをじっと待っているような固定した性質のものではなく、『意味を求める』という自身の内面の働きそのものによって、初めて生み出されてくるもの」。要は、意味づける。これを「人...「意味」は生み出すものだ

  • 「意味」と「意義」はちがう

    この精神科医の書く本はいつも刺激的だ。今回も思わずページをめくる手が止まったことが何度かあった。『仕事なんか生きがいにするな』(泉谷閑示幻冬舎新書)書名は内容を端的に表わすと言えるが、読者を惹きつけるねらいもあるだろうし、オーバーではないかと予想できる。読了後そう指摘してもいいと思った。しかし「仕事」を「労働」と読み替えれば、これはまさにその通り、ずばり核心をつく。そして副題の「生きる意味を再び考える」は、「意味」とは何かを問う。小さい頃によく使ったフレーズとして「意味ない」がある。「意味ないじゃん」や「意味ねえし」など今でも時々耳にする。この著を読み、そのことが浮かんできた。「『意味』と『意義』の取り違え」という著者の指摘に頷く。「意味ない」のような言い回しは、実は「有意義かどうか」を問うている場合が全てだ。...「意味」と「意義」はちがう

  • 節分、心内の「鬼」を認めよ

    昨日は除籍資料検討に没頭した。著名な作家の全集類に収められている作品の単行本類(ほとんど昭和期)は当然候補に挙がる。それらを開いていくとホコリが舞い、一足早い花粉症かと思うほどだった。明けて今日は節分。勤務日ではないが、以前から「鬼」の本は紹介したいと考えていたので、ブログアップした。作業中に思い出したのは、かつて国語教科書に載っていた『おにの話』という教材文。確か3年生の説明文だった。光村図書のサイトで調べたら昭和52年度版から平成元年度版までに掲載されていた。とすると自分としては2回しか扱っていないのか。印象が残っているのは当時一番読解に力を入れていたからか。2階書棚にある当時の学級通信綴りを捲ってみた。実践そのものはなかったが1988.2.3付で「節分の日に…『おにの話』をもう一度読む。」と題して、文章を...節分、心内の「鬼」を認めよ

  • 雪と本にまみれる書痴未満

    2月だ。結局、積雪量は昨年に追いついてしまった。思い出せば昨冬は前年のうちに積もった雪と正月頃が連続で酷く、続く作業に疲れた印象がある。今年の降り方は、今のところまでは断続的だったし、雪下ろし等も順調に進んだ。あと半月程度が相場と思うが、その間、お天道様のご機嫌が悪くなりませんように。『ちくま』の先月号で書評を読み、気になったので久しぶりに注文したちくま文庫新刊が届く。書名は「書痴まんが」。漫画のアンソロジーで、本好きの人々がテーマのようだ。「書痴」という語は初めて見る気がしたが、広辞苑にはきちんと載っていた。その意味は「本ばかり読んでいる者をののしっていう語」。多少その傾向が…、さて今日から図書館書架で除籍検討に入る。小さな町の施設ではどうしてもスペースが手狭になってくるので、定期的に入替が必要になる。本来の...雪と本にまみれる書痴未満

  • 一芸に執心したからこそ

    5年前の2月に『いとしいたべもの』という著者のエッセイを読んでいた。その頃は『日々是好日』が映画化される前だったので、おそらく著者名よりテーマや装丁に惹かれて手にしたと思う。感想メモを読み返すと、ずいぶんと共感している。この一冊は続編で、やはり同様の読後感と言えるが少し別の観点で。『こいしいたべもの』(森下典子文春文庫)「はじめに」に描かれた風景は、家族揃って横浜港へ豪華客船を観に行った帰り道の話だ。昭和50年頃だろう。「今夜は、みんなで何かうんまいもの食おう」という父親の声に始まる我が家の「あの日の夕方」を、著者は「幸せ」と言い切る。その日の晴れた空に「ぽっかりと浮かんでいた」匂いや物音や空気の塊。こうした何気ない日常の、安寧な気持ちや滋味深さを「食べ物」のエピソードを盛り込んで、実にさりげなく表現している。...一芸に執心したからこそ

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