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遠藤雷太のうろうろブログ
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2014/10/06

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  • 北海道帯広三条高等学校『お昼の放送』(春フェス2025)

    2025年上演2北海道帯広三条高等学校「お昼の放送」(OPENREC)2025/4/25放送部がお昼の放送を始めるが、アナウンサー役の生徒の病気が進行し放送を続けられなくなる話。ちょっとパワハラ気質の部長と、何を考えているのかよくわからないエンジニア系の後輩、進行性の病気を抱えるアナウンサー後輩の三人。ウザがらみする部長とエンジニア後輩の掛け合いは、見ていてわりと冷や冷やするけど、後輩も月日が経って対抗できるくらいに成長していく。病気(具体的な病名は不明)が進行するアナウンサーの生徒との残酷な対比も読み取れる。場面転換は、放送部という題材と既存曲の相性の良さで乗り切っていたけど、もう少し何かできそう。感動を呼び込むための病気要素という点が否めないところや、本人の希望だとしても事情を知らずあの放送を聞かされ...北海道帯広三条高等学校『お昼の放送』(春フェス2025)

  • ドストエフスキー『罪と罰 上(角川文庫)』(上巻・第ニ篇/二・三)

    罪と罰上(角川文庫)ドストエフスキーKADOKAWA2025/4/22《あらすじ》ラスコは自分の部屋で盗品を確認し何もかも堀に投げ込む作戦を立てるが、堀のまわりは人が多く投げ捨てる隙がない。運よく、堀に囲まれた空き地に盗品を隠すことができた。自然と大学の知り合いだったラズーミヒンの家にたどり着き仕事の紹介を頼むが、すぐに気分が変わってそのままで出ていく。往来で通りがかりの母娘から20コペイカの施しを受けるが、河に投げ捨てる。部屋に戻ると、イリヤがおかみさんを暴行しているような音を聞くが、ナスターシャは否定する。4日ほど昏倒していたラスコが再び目を覚ますと、ナスタと知らない男がいる。すぐにラズが加わる。男は母親が借りたお金35ルーブリを届けに来た。精神不安定なラスコは受け取りのサインも渋る。ラズが説得してサ...ドストエフスキー『罪と罰上(角川文庫)』(上巻・第ニ篇/二・三)

  • ドストエフスキー『罪と罰 上(角川文庫)』(上巻・第一篇/七、第ニ篇/一)

    罪と罰上(角川文庫)ドストエフスキーKADOKAWA2025/4/17《あらすじ》ラスコはアリョーナと対峙する。ラスコの小細工が功を奏し、斧で彼女の頭をたたき割る。手間取りつつ財布と少量の金品を奪う。偶然、入ってきたリザヴェータも同様に殺す。階下から客が上ってくるが、たまたま空いていたペンキ職人の部屋でやり過ごすことで、鉢合わせを回避する。結果的に彼は誰にも気づかれず帰宅する。消耗したラスコは部屋で眠る。しばらくして目を覚ました彼はようやく証拠になりうるものをどうやって処分しようか思案する。ナスターシャと庭番がやってきて警察からの呼び出し状を渡す。疑心暗鬼のままラスコは警察署に出向くが、殺人の件ではなく、家主から家賃の滞納で訴えられたことを知る。安心して気が大きくなったラスコは署長や副署長を相手に身の上話...ドストエフスキー『罪と罰上(角川文庫)』(上巻・第一篇/七、第ニ篇/一)

  • S.S.ラージャマウリ監督『RRR ビハインド&ビヨンド』

    2025/4/18・『RRR』のメイキング。名シーンの撮影裏や完成した作品が世界的に広がっていく様子を紹介している。・本編から時間が経っているので結構忘れている。・ラーマが暴徒と化した群衆に飛び込んでいくシーンから始まる。ああ、あったあったと気持ちが上がる。・殺陣と言うには泥臭い乱闘で一人一人に演技は付けられない。エキストラがとても興奮しているように見える。そういうノリの良さも作品の質に直結するんだと気づく。・総じて、主演二人の超人的な頑張りと、演者スタッフがこぞって指摘するS.S.ラージャマウリ監督のイメージの明確さによって成立している。・もともと親友の二人が主演でこんな映画が作られたら、役者人生のゴールなんじゃないかという気がする。・役者さんの名前をちゃんと認識していなかった。ビームは、N.T.ラーマ...S.S.ラージャマウリ監督『RRRビハインド&ビヨンド』

  • ドストエフスキー『罪と罰 上(角川文庫)』(上巻・第一篇/五・六)

    罪と罰上(角川文庫)ドストエフスキーKADOKAWA2025/4/13《あらすじ》ラスコは本当に自分が人を殺せるのか、自問自答を続ける。精神が不安定になり、草の上で寝る。幼いころの馬を虐待する男たちの記憶が夢として現れる。起きて散策を続けると金貸しのアリョーナの妹、リザヴェータが立ち話している様子を見かける。安料理屋に入ると、大学生と将校が立ち話をしている。話題は、アリョーナの悪評とその彼女に搾取されているリザヴェータのこと。ラスコは家に帰って布切れを取り出し、斧を隠し持つための輪っかを作る。運よく斧を手にいれたラスコは、さっそく外套に斧を忍ばせアリョーナ・イヴァーノブナの住む部屋の前までやってくる。・もう明らかにラスコの情緒がおかしい。・嫌な夢の内容も凄惨だけど、寝るまでの過程も心配になる。藪を分け入っ...ドストエフスキー『罪と罰上(角川文庫)』(上巻・第一篇/五・六)

  • 「2025年4月11日 北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ」(2/2)

    2025/4/14・すぐに逆転できるような点差ではなくなったところで、席を外して施設内を見て回った。・試合中はお店があんまり混んでいないという利点がある。気になっていた電光石火でお好み焼きをいただく。・最初は北海道日ハムなんだから、道内のお店だけ入れればいいのにと浅はかなことを思っていた。・よく考えたらお客さんの大半は道内の人なので、道内チェーンはエスコンじゃなくても食える。・席を離れても至るところにモニターがあるので、試合展開がわからなくなることはない。・加えて、1階の客席の隙間からグランドが見える。長々とは留まれないけど、アングルが変わって楽しい。・席に戻ると、またちょっと点差が開いている。・今回はポケットラジオを持参した。周波数をHBCにあわせると、球場内でもちゃんと聴こえる。・音声ガイドとしてあり...「2025年4月11日北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ」(2/2)

  • 「2025年4月11日 北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ」(1/2)

    2025/4/13・シフト勘違いしていて、前日に明日は仕事が休みだと判明する。滅多にない日曜の休みで慌てる。・エフチケを見たらわりと席はある。チームの調子も悪くなさそうだし、今度こそ勝てるような気がする。・臨時出費で迷う。座席の選択と解除を繰り返すうち、試合後、MOSのライブがあることに気づく。・金管楽器は野球場に映えそう。チケットを購入。・当日。北広島駅から徒歩移動。天気はいいが、風と土ぼこりがひどい。開場後に到着したのですぐ入場する。・受付で万波選手のTシャツをいただく。ライブもあるし、これで元を取ったも同然と上機嫌になる。ちなみにサイズはLのみだそう。・席はスターレベル(3階)の中でもほぼ最後部。グランドまでの距離感は前と大差ないけど、二列後ろが壁。さすがにここまで上にくると、階段が結構怖い。・応援...「2025年4月11日北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ」(1/2)

  • ドストエフスキー『罪と罰 上(角川文庫)』(上巻・第一篇/三・四)

    罪と罰上(角川文庫)ドストエフスキーKADOKAWA2025/4/10《あらすじ》ラスコが部屋にいると、女中のナスターシャが様子を見に来て、母親からの手紙を渡す。母親からの手紙には、ラスコの妹ドーネチカが家庭教師先で雇い主スヴィドリガイロフからのセクハラと、その妻に疑われ苦しんでいたこと、濡れ衣が晴れたこと、ルージンという実務家と婚約することが書かれていた。ラスコは、ルージンの描写から彼の卑劣さを感じ、破断させる決意をするが、一方で自身の無力さを感じる。往来に出たラスコは、男に乱暴されたと思われる少女を助けたが、巡査にウザがらみして困惑させてしまう。彼は大学時代の旧友ラズーミヒンを訪ねようかと思う。・一昔前の大学生ってこんな生活だったなという感じがする。親の期待を背負って都会に出てきたはいいけど、身になる...ドストエフスキー『罪と罰上(角川文庫)』(上巻・第一篇/三・四)

  • ドストエフスキー『罪と罰 上(角川文庫)』(上巻・第一篇/一・二)

    罪と罰上(角川文庫)ドストエフスキーKADOKAWA2025/4/10《あらすじ》半病人で家賃の滞納を続ける元学生ラスコーリニコフが時計を質に入れる。彼には自身でも半信半疑ながら大きな計画を抱いている。気分を変えたくて初めて酒場に入る。退職管理風の男マルメラードフに出会う。ラスコはマルメの身の上話に付き合う。家から娘が体を売って作った金を持ち出して酒を飲んでいた。ラスコは泥酔したマルメを家に送る。マルメの妻カチェリーナは、激高してマルメの髪をつかんで引きずり回すが、なぜかマルメは嬉しそうだった。・新潮文庫を読み、『罪と罰を読まない』を読み、ちょっと訳が新しい角川文庫版を読み始める。相乗効果でだいぶん中身がわかりやすくなった。・アリョーナ・イヴァーノブナの部屋にあるゼニアオイにも意識を向ける余裕がある。・今...ドストエフスキー『罪と罰上(角川文庫)』(上巻・第一篇/一・二)

  • 岸本 佐知子・三浦 しをん・吉田 篤弘・吉田 浩美「『罪と罰』を読まない」

    『罪と罰』を読まない(文春文庫)岸本佐知子文藝春秋2025/4/9・ドストエフスキーの『罪と罰』を読んでいない四人が、断片的な情報から、おそらくこういう話だろうと想像して語り合う話。・『罪と罰』を読んでから読めばいいのか、読まず読めばいいのか迷う。ちょっと読んでみて、読んでから読んだほうがいいように感じたので先に読んだ。「隣の竹垣に~」みたいな文になってしまった。・世界的な名作なので、読まずとも全く情報がないわけではない。加えて、限定的にテキストを読んでもいいというルールが設けられる。・四人が即興的に話しながらルールを決めていく。高度な知的遊戯なのは間違いない。・それぞれがおぼろげな知識となけなしの情報から予想を立て、自らが勝手に予想した作品の内容に対して、それなりに感情が動かされているのがおもしろい。・...岸本佐知子・三浦しをん・吉田篤弘・吉田浩美「『罪と罰』を読まない」

  • 『野田版 鼠小僧』

    2025/4/6・芝居小屋の近くで棺桶屋を営むドケチの三太が、成り行きで鼠小僧のまねごとをする話。・平成15年に上演された作品。20年以上前。・映画館の客席は半分くらい埋まっていた。結構入っている印象。・本編開始直前にシネマ歌舞伎アプリで解説も聞けることを知らされる。慌てたけど、野田版なら大丈夫だろうと結局利用せず。でもお知らせはもう少し早いタイミングでほしい。・棺桶屋は中村勘九郎(当時)。舞台上はもちろん、客席も含めた会場の空気を一手にコントロールしている。場の支配力がすごい。・話は鼠小僧の劇中劇で始まる。屋根の上の殺陣。・歌舞伎特有の間の取り方がかっこいい。斬られ役が前宙しながら倒れている。派手。・町民たちが勝手な感想を言いながら芝居小屋からぞろぞろ出てくる。ここからの数分で何度か笑う。すでに楽しい。...『野田版鼠小僧』

  • ドストエフスキー『罪と罰』(新潮文庫)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/4/6・サンクトペテルブルクに住む青年ラスコーリニコフが質屋の老婆とその妹を殺して、自首するまでの話。・今年のテーマは「活字を読むこと」「とにかく書くこと」なので、古本屋で購入して長く本棚の肥やしになっていたのを引っ張り出す。・少し読んでは中断、内容忘れて最初から読み直しの繰り返しだったので、毎日ページ数を決めて読んでいく。・厚めの新潮文庫で上下巻。長い。登場人物も多く、メモを取りながらでないと完走できなかったと思う。・最後までなぜラスコーリニコフが人を殺してしまったのかがよくわからなかった。・本人も色々理屈こねていたけど、強いて言えば生活に行き詰って、運命(≒偶然)が自分に味方した...ドストエフスキー『罪と罰』(新潮文庫)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(450~485p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/4/2ラスコついに自首する。長かった。やっと決意を固めて警察署に出向いたのに、スヴィドリガイロフの話を聞いて、つい一回階段をおりてしまうところに人間味を感じてしまう。焦らしてくる。ソーニャがいてくれなかったらどうなったんだろう。火薬中尉(あだ名)の「帽子なんてプリンみたいなもの」という珍言が味わい深い。結局、ラスコがなぜこのような凶行に至ったのか、誰にもわからない。本人の分析ですら、一つの解釈に過ぎない。何かしらの精神疾患の類というのは疑いようもないけど。自首が精神の開放をもたらすというのは、なんとなく理解できる。よくわからないラスコの犯行動機よりも、エピローグでのソーニャの行動のほうに興味を引かれた。おそらく信仰の効果だけど、人生に対して謙虚になれ...ドストエフスキー『罪と罰』(450~485p)

  • ポケット企画『わが星』

    2025/4/11・とある家族に生まれた子どもと、星の一生を重ねて描いた話。・ままごとのホームページには「時報で奏でるラップ・ミュージカル」と紹介されている。戯曲も読める。・前説でワイヤレスマイク使用のため、スマホの電源を必ず切るよう言われる。劇場は久しぶりで何度も確認してしまう。・演劇に詳しくない人でも、見れば簡単に「そりゃ月単位で練習期間いるわ」と納得できるぐらい、セリフや動き、演奏との掛け合いが複雑かつタイト。・最初から等間隔の歩き、同時発話、文字単位の掛け合い。ミスがごまかせない。聞いているほうも緊張する。・時報にあわせたセリフ。単なる形式に留まらず、そのまま作品テーマに結びつく仕組み。相似形を成す人間と宇宙の時間進行を組み合わせて同時に見せる。・宇宙の100億年を引き合いにして、最終的に人間の一...ポケット企画『わが星』

  • 「2025年4月4日 北海道日本ハム対オリックス 」(3/3)

    2025/4/4・審判が出てきてアウトの判定。リクエスト実らず。・ため息が万単位の人間から漏れる。そんなプロ野球の試合会場は本当にすごい場所と思う。・このリクエストは判定への疑義だけでなく、投手の集中力を乱す効果もありそう。おもしろい駆け引きだった。・これが最後の見せ場だった。一点差で九回にもランナーは出るものの、下位打線で逆転の雰囲気はなく、最後の打者が打ち取られてゲームセット。・バファローズの先発宮城がヒーローインタビューのお立ち台に上がる。・わざわざ北海道に遠征してきたバファローズ応援団が見守るなか、しっかり受け答えしていた。・思い返すと、球場全体が異様に盛り上がっていた8回の裏、清宮のところから淡々と三つアウトを取っていたのは本当にすごいことだと思う。強い。敵チームなのにファンになりそう。・嫌な流...「2025年4月4日北海道日本ハム対オリックス」(3/3)

  • 「2025年4月4日 北海道日本ハム対オリックス 」(2/3)

    2025/4/4(2/3)・試合直前。正面から見て両サイド二か所の大型ビジョンで先発メンバ―が紹介される。アウェーのバファローズでも相当かっこいいけど、ファイターズの番になると気恥しいくらい盛ってくる。・巨大なスペースになるほどシンプルな光演出が強い。・試合はファイターズ山崎福也選手、バファローズ宮城大弥選手の先発で始まる。・と言っても、全然選手を知らないので、気になる選手がいたらスポナビで過去の成績を調べたり、「パワプロ」のアンド検索で、ステータスを見たりする。・山崎選手はコントロール重視で調子が極端とか、見た目の印象が打率2割4分本塁打40本のレイエスは意外と巧打者とか、だいぶん理解が進む。・その間、プレーから目が離れてしまうので、イヤホンでラジオ中継を並行して聞いたほうが楽しめたと思う。ラジコを試し...「2025年4月4日北海道日本ハム対オリックス」(2/3)

  • 「2025年4月4日 北海道日本ハム対オリックス 」(1/3)

    2025/4/4・来月、日ハム戦を見るために、まあまあ高齢の親が初めてエスコンにやってくる。自分も付き合うので、下見も兼ねて試合観戦してくる。・去年エスコンには行ったけど、エスコン観戦は初めて。試合時の混雑具合を体験したかった。・JRで北広島駅。先月オープンしたトナリエを覗く。日ハムのレプリカユニフォームを着たひとたちがたくさんいる。沼田ビールなるものを飲んでいる。美味しそう。・駅からなら徒歩でも行けるけど、今回はバス移動してみる。早くから誘導の人がしきりに声掛けしている。・エスコン到着が15時くらい。スタジアムに入れない。ナイターの日は10時から入れるが、試合準備のため14:30でいったん外に出なければいけない。次の開場が16時。・ゲート前にものすごい数の人が並んでいて、開場を待っている。トイレに行きた...「2025年4月4日北海道日本ハム対オリックス」(1/3)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(410~450p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/4/1作者の視点は、まさかのスヴィドリガイロフに移る。彼も彼なりに苦しんでいることがわかる。善人が善人で在り続けるのが難しいように、悪人が悪人であり続けるのは難しいと言えるのかどうか。悪人のほうが欲望には近いだろうから、逆は真ならずのほうが多そうだとは思う。それでも、葛藤があって当然だし、ここまでの行動にも表れていたし、味わい深い男だったとは思う。そしてラスコは結局自首する方向に動く。世の中をよくするために殺したが、それを完遂できるほど優秀な自分ではなかった、というのが彼なりの結論らしい。「自分を過大評価していた」で殺される方はたまったものではない。ついでに殺されたリザヴェータは祟っていい。あいさつ回りはすっかり終わって、あとは自首するだけ。次のパー...ドストエフスキー『罪と罰』(410~450p)

  • モリエール『守銭奴』

    守銭奴(岩波文庫赤512-7)モリエール岩波書店2025/4/2ケチな資産家のアルパゴンが、息子の思い人と結婚しようとしたり、貯め込んだ金を隠されたりする話。彼がお金だけに執着しているならわかりやすいけど、自分が気に入った女と結婚しようともしている。欲望の方向性がちょっとブレている。金持ちならどんな女と結婚しても構わなさそうなのに。人間の多面性の表現なのだろうか。言い換えると、アルパゴンの欲望を何一つあきらめない姿勢は強い。娘と父のオウム返し的な掛け合いや、ある「宝物」をめぐるアルパゴンと執事のすれ違い、コメディっぽい掛け合いはあるものの、今のコメディとして見せるのは大変そう。実際、前に視聴した上演作品でも、そのあたりのコミカルなシーンも笑えるシーンとしては見せてはいなかったと思う。戯曲では、最後あっさり...モリエール『守銭奴』

  • SPAC『守銭奴 あるいは嘘の学校』(2022年)

    2025/3/31ケチな資産家の老人アルパゴンが息子の恋人と結婚しようとして、周囲を振り回す話。落語の小話みたいな内容だけど、2時間近く使ってじっくり見せる。戯曲の内容はほぼ忘れているけど、だいぶん現代向けに調整されているのはわかる。老人の息子と娘がチャラ男とギャルの組み合わせ。資産家の家族でも彼が金を使わせないので、その辺から拾ってきたような貧乏くさい布切れを身にまとっている。そんな雑多な組み合わせでも舞台上の色味をしっかりまとめている。そして、話の全ては、終盤の金以外すべてを失ったかのように見える彼の姿に集約されている。いい構図。実績のある演者さんが集まっていると思うけど、特にアルパゴンの娘が印象に残った。わりとごちゃごちゃしがちな舞台上で、自然と目が行く。姿勢なのか表情なのか動きのキレなのかな。古典...SPAC『守銭奴あるいは嘘の学校』(2022年)

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(370~410p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/31ここのパートは、ほぼスヴィドリガイロフとドーチャの対決。「さあ、私たちもう角を曲がりましたわ」(下379p)何も見ずに「スヴィドリガイロフ」と書けるようになった。またすぐ忘れそうだけど。まさかここまでの重要人物になろうとは。金持ちで口が達者な彼は、ドーチャを籠絡しようとする。というか、ほぼ脅迫。彼のなかの一線はあるようだが、そんなことは彼女に関係ない。ここでようやく罪と罰のタイトルの意味みたいなことを考える。誰もが悪いと考える人殺しを行ったラスコと、法的には何にも悪いことはしていない(ルールを熟知しているだけとも言える)スヴィドリガイロフの対立。小説としてはラスコのほうに感情移入させるバランスで書かれている。実際のところは、ラスコ自身の悪行が...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(370~410p)

  • ギンツ・ジルバロディス監督『FLOW』

    2025/4/1・陸地が水に沈みゆく世界で、生物たちが生き延びようとする様子を、一匹の黒猫を中心に描いた話。・水の表現にかなり力が入っているので、洪水に嫌な記憶のある人は気をつけたほうがいいかも。・(たぶん)鯨類も出てくるし、あれは海水でいいんだろうか。透明度の高さがちょっと違和感。・人間は一切出てこないのに、生活の痕跡は濃い。・たくさん動物が出てくる。喋らない。行動と環境の変化だけで進行する。・それがどれくらいの難易度になるかは、目的によって変わる。誰もが楽しめる長篇娯楽映画ならほぼ不可能。本作も基本アート映画として見る感じ。・ラジオ番組のアトロク2で言及されていた「神話的」というのは同感。・黒猫は、人が残した空き家を住処にしていたが、その家も沈み、たまたま流れてきた小舟に乗って漂流する。・人類が一切出...ギンツ・ジルバロディス監督『FLOW』

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(330~370p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/30ポリフィーリイとラスコの会話が終わる。終始、ポリフィーリイのペースだった。逮捕しないのも温情ではなく、確実性を求めてのこと。犯罪者の心理を深く理解したような物言いに説得力を感じざるを得ない。そして、解放されたラスコは、よりによってスヴィドリガイロフに会いに行く。そして、スヴィドリガイロフから、女の落とし方とその実践を聞く。彼にとっての武勇伝らしいが、正直、気持ち悪い。ラスコの妹ドーチャの思考の流れまで見透かしているかのような物言い。経験値に基づく何かはあるんだろうけど、彼自身が見抜いたと思っているものと、現実はだいぶん乖離してそう。本作の登場人物は、それぞれ程度の差こそあれ、現実とは別のレイヤーでその人自身の仮想現実を持っている感じがする。身...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(330~370p)

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(296~330p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/28ラズミーヒンとの決別に、ポルフィーリイとの二回目の対話。喜劇として書くなら、紆余曲折のすえ、やっと自白しても、周りがどうせ嘘だろうと妙に出来のよい解釈をして無罪になるということもありうる。あいつは実は秘密結社に所属していたんだとか、文脈によっては勘違いコメディになりそう。分離派信徒(ラスコーリニック)320というプロテスタントの一派があるらしい。そのまま、ラスコの名前になっているが、意図的なものなんだろうか。もう固有名詞の長さと数が嫌がらせかというくらいなので色々疑心暗鬼になっている。ポルフィーリイの詰め方が巧み。安心させておいてズドンと核心を突く。名探偵の定番ムーブでもあるけど、これでもかというくらいシロを強調しておいて、言葉を紡いでいくう...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(296~330p)

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(262~296p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/27マルメの妻カテリーナも死ぬ。家を追い出され、子供たちを連れまわし、往来で大道芸のまねごとをする。レベジャーニコフに発狂したと言われるほどの奇行を見せつけ、肺病が一気に進行してしまった。壮絶。「これ、発狂なのかな」とも思ってしまう。彼女の中ではそれなりの道理があるし。自分の難儀な性格と、不幸な境遇が混ざり合って、結果あんな感じになってしまった。どんなかたち形であれ、母親が死ぬというのは読んでいてつらい気持ちになる。本作はみじめに死んでいく人が多い。セクハラおやじこと、スヴィドリガイロフが急に出てくる。よりによって、こいつが真相に気づく。まさか彼が本作のキーマンになっていくのか。今のところ、カテリーナの子供たちを大金を添えて孤児院に送ったり、本当...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(262~296p)

  • Yoko Oike & Bilkent University "The Radiant City(かがやく都市)"

    YokoOike&BilkentUniversity"TheRadiantCity(かがやく都市)"2025/3/28・広場のある街で、教職を辞める男と、都市計画の立案を試みる生徒、宇宙人の後輩女子、その兄で工場を運営する宇宙人、宇宙人に因縁のある女性の五人がそれぞれに交流していく話。・ラジオ番組アトロク2にて国際交流基金の活動として紹介されていた。・トルコ語に訳された大池容子さんの戯曲を、自身の演出でトルコの人が演じるという、なかなかカオスな座組。・設定をトルコ人向けに調整したりもしてないそうだ。・トルコの人が日本語で日本の歌を唄うところが混沌のピーク。よくわからないけど、リズムで笑った。・トルコの人は、言葉の意味はわからないだろうけど、歌の持つ切なさみたいなものは伝わったんだろうか。・人生ゲームみたい...YokoOike&BilkentUniversity"TheRadiantCity(かがやく都市)"

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(230~262p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/26ラスコ、ついに自首…ではなく、ソーニャに自らの犯行を告白する。ここまで結構長いこと「これ何が面白のかな」と思いつつ読んできたけど、たぶん何度も読み返すならこのパートになるんだと思う。言いにくいことを言わなければいけない葛藤と、言ったあとの解放感。告白後も葛藤は続くけど、抜けの良さが段違い。当たり散らしたりしない(少しする)し、自省もできる。なんとか自分の置かれている状況を説明しようと頑張っている。根本的な思想は相いれないけど、今までの支離滅裂な言動に比べれば、はるかにわかりやすい。悪魔に「お前は特別な人間だ」とそそのかされ、いざ実行した途端に「お前は特別な人間ではない。しらみだ」と言われたかのよう。虱かあ。自分も英雄と虱の二択だったら虱。告白...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(230~262p)

  • 笑の内閣『そこまで言わんでモリエール』

    笑の内閣『そこまで言わんでモリエール』(観劇三昧)2025/3/25・モリエールの劇団への書き下ろしだったはずの戯曲が、ほぼ同時期に別の劇団でも上演されることになり、作家とモリエールや劇団員が対立する話。・モリエールのことは「フランスの喜劇作家」というくらいでほとんど知らない。演劇では見たことないし、戯曲も『守銭奴』を読んだだけ。特に印象は残っていない。・作中でもツッコまれていたけど、日本で外国の古典と言えばシェイクスピア一強。個人的にはイプセンくらい。・モリエールの死後、その問題を起こした作家や近い人間の証言を聞いていく形式が採られている。・設定を日本に置き換えているわけではないものの、いきなり盆踊りが始まったり、登場人物がおそろいの劇団Tシャツを着ていたり、上演後の様子もちょっと経験した人ならわかる雰...笑の内閣『そこまで言わんでモリエール』

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(200~230p)

    罪と罰〈下〉(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/25マルメの妻カテリーナと家主のアマリアの口論が続く。この二人、一緒に葬式の運営をしていたのに何でこんな仲たがいしているのかよくわからない。故人と子供と来客の前でいったい何やってるんだ。唐突にアマリアの父称の話題になる。イワーノヴナかリュドヴィーゴブナなのかはっきりしないらしい。本人はアマリ・イワンだと言う。フョードロヴナやリッペヴェフゼフはどこにいったのか。メモを間違えたのか。ルージンが突然ソーニャを呼び出した意味がわからなかったが、彼の策略だったことが判明する。姑息。この雑な作戦が通るんじゃないかと思ってしまうところが残念。今までも理不尽なことを言って強引に通した経験があるんだろう。ラスコがかっこよくソーニャを助けるシーンではあるけど、そもそ...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(200~230p)

  • 中村元『みんなが知りたい水族館の疑問50 イルカは楽しんでショーをしているか? 水槽が割れることはないのか?』

    みんなが知りたい水族館の疑問50イルカは楽しんでショーをしているか?水槽が割れることはないのか?(...中村元SBクリエイティブ2025/3/21水族館プロデューサーの著者が、水族館に関する素朴な疑問に答える本。水族館の水槽は割れないのか、どうしてシャチは人を襲わないのか、という本当に素朴なところから、水族館の水はどこからどうやって運んでくるのかという言われてみれば一筋縄ではいかなそうなところまで、色々ひとつまみずつ紹介されている。動物園のように種類ごとではなく、地域ごとに展示されているというのは言われるまで意識してなかった。海獣ショーのくだりで餌のことを代償とか賄賂とか言っていたり(報酬でよいのでは)、ちょっと筆者の言葉選びが独特な感じはあるけど、読み始めると止まらない興味深い話題が収録されている。イル...中村元『みんなが知りたい水族館の疑問50イルカは楽しんでショーをしているか?水槽が割れることはないのか?』

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(140~170p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/23妹の婚約者(元かも)のルージンと、彼が後見人となっているレベジャーニコフの会話。この人、ずいぶん前に出てきたのですっかり忘れていた。ソーネチカを侮辱してカテリーナを殴ったとメモにある。酷い。そのレベジャーニコフが迷惑系インフルエンサーみたいなことを言い出している。あの女のほうから飛びかかってきた、自分はちょっと押しただけ、あいつらは最初は怒るだろうが後に利益をもたらしたことに気づくはずだ、とかSNSでよく見る残念な人のような言い回しで自己弁護をはかっている。残念男性は古今東西似たような発想になる。今だったらすぐ男女平等パンチとか言い出しそう。目くそ鼻くその二人の会話が長い。それはともかく、とかく男が突飛なことを言いがちな話なので、三人称「彼」...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(140~170p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(110~140p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/22疑心暗鬼の殺人犯ラスコが覚悟を決めて法律家ポルフィーリイと対峙する。もう早く楽にしてやったらいいのに、ポリフィは全然ラスコを疑う様子を見せない。ラスコが動揺して不安定な状態になっても、神経症で自身が殺人犯だと妄想している人の話を始める。とぼけているようにも見えるし、まったく疑ってないようにも見える。錯乱して全てをさらけ出す一歩手前まで追いつめられるというか、ゴールまであと少しだったのに、解散になる。そして、上巻の最後でラスコを殺人犯だと喝破した町人が現れる。いよいよかと思ったら、いきなりの謝罪。上巻最後の迫力はどこへやら。話をたたもうとしたら、意外と人気が出たので引き延ばしをはかるかのような展開。殺人現場の詳細や推理の過程にあんまりついていけ...ドストエフスキー『罪と罰』(110~140p)

  • ジョン・M・チュウ監督『ウィキッド ふたりの魔女』(2回目)

    2025/3/22・2回目。今回も字幕版だけど、声出しOK上映。・シングアロング仕様。歌唱シーンになると英語歌詞が表示され、歌の進行にあわせて該当部分がキラキラする。・歌詞の日本語訳は出てこないので、すでに歌を聴き込んでいる人や、一度は別ver.で見た人向け。・歌詞は長くないので事前に調べておくべきだった。・本仕様にあわせて、開演前に、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデによる特別映像。エルファバじゃない時はこんな感じなんだと少し得した気になる。・アトロクの映画時評を聞いて、1939年の『オズの魔法使』も見たので、少し落ち着いて見ることができた。・発声OKと言っても、一緒に唄うような雰囲気の曲でも映画でもないのでほぼ普通の映画として見る。・序盤、エルファバが崖のふちまで出てきて歌ったところで客席から最初...ジョン・M・チュウ監督『ウィキッドふたりの魔女』(2回目)

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(80~110p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/21ラスコをはやく逮捕してあげてほしい。本人が苦しいのは自業自得なんだけど、真相を知らず、わけもわからず彼に振り回される人たちがかわいそうだ。このパートではまずソーニャが被害を受ける。いきなりやってきて聖書を読めと言ったり、人の信仰や人生にダメだししたり、「大きなお世話だ」ということしか言っていない。急に「きみに頭をさげたんじゃない、人類すべての苦悩に頭を下げたんだ(下82)」とか、大した親しくもない人に言われたら怖い。金を渡したことが暗に効いている。頼まれると断れない。本作に出てくる登場人物のほとんどが、有害な男性性にとらわれている。調べてないけど、そういうのと『罪と罰』の関連する論文は山ほどありそう。次にポルフィーリイのところに出向く。自首し...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(80~110p)

  • 「苫小牧市科学センター/ミール展示館」

    2025/3/18・ウポポイついでに調べてみたら、苫小牧市科学センターの隣に宇宙ステーション「ミール」の予備機が展示されているという。入場は無料。立派。・いまはISSが有名だけど、世代的なこともあって、自分にはミールのほうが馴染み深い。・日本がバブル期のころ、売り出されていたミールの予備機を、苫小牧の建設会社が買い取ったそうだ。・勢いのある国がやることって、こういうことだと思う。・苫小牧でロケット関連の実験も行われていたそうなので、全く脈略がないわけでもない。・入館すると、別々のスタッフさんから「写真や質問OK、記念写真撮るときは声かけて」と、二回言われる。やさしい。・実際に宇宙に行ったわけでもないし、展示用に直したところもあるそうだが、行こうと思えばこのまま宇宙に行ける機体はである。すごい。・最近、宇宙...「苫小牧市科学センター/ミール展示館」

  • ヴィクター・フレミング監督『オズの魔法使』(1939年)

    2025/3/19・農家の娘ドロシーが家出して魔法の国に紛れ込んでしまい、かかし、ブリキの木こり、ライオンとともに、オズの魔法使いを訪ねる話。・タイトルロゴ、羽の生えた猿みたいな動物、気球、オズの魔法使いがハッタリをかますところ、ウィキッドに転用されている要素が多い。・悪い魔女の妹の扱いが酷い。・黒幕であるはずの悪い魔女が思いのほか前線に出てくる。遠見の水晶あるのに。・テンプレ的な悪党の笑い方。カメラ目線で笑ったり、消えるときに説明しながら消えていったり、ウィキッド見たせいもあるけど、もしかしたらこの人、真面目なんじゃないかという気持ちになる。・悪い魔女と水の関係がよくわからない。最後のほう、何か説明を見落としたのかなと思うくらい唐突。吸血鬼は流水がダメみたいなルールでもあるのかな。あんなので退けられるの...ヴィクター・フレミング監督『オズの魔法使』(1939年)

  • 「ウポポイ(民族共生象徴空間)」

    2025/3/19・2回目。1回目は寝不足で頭が回らなかったのと、近くのホテルが開業記念で引くほど安かったので、前乗りした。・10:00文化解説プログラム「ウパㇱクマ」→衣裳体験プログラム「アミㇷ゚」→10:30芸能体験「ウポポアキロ」→11:00口承文芸実演「ネウサㇻアンロ」、伝統的コタン内でここまで一気に体験する。・最初の「ウパㇱクマ」は座り歌、鶴の親が子に飛び方を教える舞踏、口琴の実演。・かなりフリーダムなお子さんが実演中ずっと座布団と戯れていたし、後ろの一般男性がずっと唸り声をあげていた。お子さんはともかく、後ろの人はなんだったんだろう。・口琴は伝統的なアナログ楽器なのに、マイクを通すと電子音楽みたいになる。ヒューマンビートボックス感。・衣裳体験もやる。前回は似合わないだけではなく、額あても曲がっ...「ウポポイ(民族共生象徴空間)」

  • ドストエフスキー『罪と罰』(40~80p)

    罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/18風向きが怪しい。ラスコの一家三人と娘の婚約者ルージンが対立。その時の社会の風潮はわからないので、侮辱した、されたという感覚が良くわからない。わからないが、たぶんラスコがややこしくしている。ルージンの言い分は身勝手だけど、ラスコに誘導されたところもあるし、自分に酔いがちな気の良い中年男性で在り続けることもできたはず。内心の描写ではなく、地の文章でルージンをなじっているのはあんまりフェアではないような気がする。実際、作者まで敵に回ってしまったら、彼にはどうすることもできない。それはともかく、「彼」という指示語、男が二人以上いると文脈で読み取りにくい。パワハラセクハラじいさんと、モラハラおじさんに言い寄られ、ふんわりした理由で人を殺してしまう兄を持...ドストエフスキー『罪と罰』(40~80p)

  • ドストエフスキー『罪と罰(下)』(5~40p)

    三浦春馬帯付き罪と罰下巻(新潮文庫ト-1-19)ドストエフスキー/〔著〕工藤精一郎/訳三浦...三浦春馬帯付き罪と罰下巻(新潮文庫ト-1-19)ドストエフスキー/〔著〕工藤精一郎/訳三...ノーブランド品2025/3/17下巻、そして第四部はじまり。古本屋でセット販売していたのをそのまま買ったら上巻と下巻でデザインが違う。内容は繋がっていたようでほっとする。スヴィドリガイロフはやっぱり妹に言い寄ってきたあいつだった。というか、ラスコを人殺しだと喝破した&夢の人間と、目の前に現れた人間は別人だった。明らかに誤読だった。加害者がしらじらしく被害者の席に座ろうとする理屈は、古今東西どこも一緒。妻は死んでいるし、彼の言っていることに一切の裏付けはない。「敵の敵は味方作戦」はラスコに通用するのか。今のところは突っぱ...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(5~40p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(462~488p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/17上巻の最後のパート。上下巻の境目を意識しているわけではないだろうけど、ちゃんと中間地点でガツンとインパクトあるエピソードを入れてくる。つい見たばかりのウィキッドを思い出してしまう。結果、人を殺したという現実が、初めて現実としてラスコの意識上に浮かびあがってくる。今までは心身の不調として間接的に表出していただけだったが、はっきり罪悪感と自己嫌悪と保身で錯乱している。最後に出てきた名前がスヴィドリガイロフ。ドーニャに言い寄ったおじさんと同じ名前。そういえば、たしかに奥さんは亡くなったという話はあったが夫がどうなったのかは語られていない。同一人物にしても唐突な気がするが、たまたまよくある名前というのもありうるのか。最悪の運命を...ドストエフスキー『罪と罰』(462~488p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(432~462p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/15ラスコは、ラズの仲介で法律家のポリフィーリイを訪ねる。陽気なキャラで行ったら、以前かなり強めの気鬱キャラで接したザミョートフが同席していて、気まずいラスコ。極端なキャラを演じてしまうと後々つじつま合わせに苦労する。立場的にラスコを疑ってもおかしくない二人の懐に飛び込む。内心ドキドキしていると、インテリ四人で社会論的な議論が始まる。緊張と緩和。内容は正直よくわからない。ラスコが書いた論文が話題になる。彼の平凡な人間と非凡な人間の二元論は、素人目にもかなり危なっかしい。反面、雑誌に載るくらいの論文を書いていたり、ちゃんとインテリっぽいところあったんだとなぜか安心する。調子よく語っているけど、次のパートで上巻も読み終わりだし、...ドストエフスキー『罪と罰』(432~462p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(400~432p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/13上巻の終わりが見えてきた。娘の婚約者の件でラスコと母娘が対立。どうしてここまでラスコが強気なのかは理解しにくいところ。なんでもかんでも気に食わないラスコと、経済的現実的なところばかり見ている母親の間で、妹はまだバランスを取ろうとしているように見える。ラスコの反対は理屈というより言いがかりに近い。「長男」の強みなんだろうか。彼の援軍にソーニャがやってくる。彼女は、父の葬式代を出してくれたラスコにお礼を言う。苦労して手に入れたお金を、すくなくとも自分のために使ったわけではないということがはっきりする。落語の文七元結みたい。この二人がくっつくことはなさそうだが。とは言え、かなり衝動的なものだし、ラスコを信頼できるほどでもないが...ドストエフスキー『罪と罰』(400~432p)

  • ジョン・M・チュウ監督『ウィキッド ふたりの魔女』

    2025/3/14・生まれつき皮膚が緑色の女性エルファバが、学校の新生活やオズの魔法使いへの反発から、魔法の才能を開花させる話。・演劇で有名な作品とのことだけど、未見。・それどころか「オズの魔法使い」すらウロ覚えだったことに、見始めてから気づいた。・体の特性起因で消極的だった若者が、外ならぬ自身の能力で解放されていくというシンプルな話として見た。・ラジオ番組のアトロクで「元トモ」映画だと強調されていたのがノイズになってしまった。二人のシーンを観ていると頭の中に流れてもいないあの曲が流れる。・父親や黒幕組はひどいけど、雰囲気に流されるままのクラスメートもだいぶんひどい。思ったよりエルファバいじめの時間が長い。・ささいなことで距離がぐっと縮まるのは若者らしくて好き。・エルファバに対するグレンダの言動は、最初失...ジョン・M・チュウ監督『ウィキッドふたりの魔女』

  • ドストエフスキー『罪と罰』(370~400p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/12ラスコーリニコフが豹変している。薄汚い貧乏学生くずれだったのが、なんだか小奇麗になっている。ただし見た目も態度も言葉使いも表層だけ。馬脚を現すまでが早い。彼が不機嫌で周囲をコントロールしようとする人間になりかけている。みんなに嫌われるけど、本人はわりと自分の思い通りに行動できるから、改善しないどころか、どんどん悪化していく。引きこもりの息子と接するかのようにビクビクしている母親が不憫。妹は相変わらずペースを崩していない。妹が周囲の男連中を振り回している。というより、男どもが勝手に振り回されている。もう少しでラスコーリニコフと妹の婚約者の第2ラウンドが始まるのかも。それはともかく、ラスコの殺人がいつ判明するのか(しないのか...ドストエフスキー『罪と罰』(370~400p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(340~370p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/11ラズミーヒン、暴走からの反省。反省も過剰で重い。許しを請わず、行動で示そうと考えているのはちょっと見直す。無理っぽいけど。親友認定されたら面倒でも、あまり親しくない母娘から見るとかなりの善人に見えるらしく、どんどん二人からの信頼を得ていく。不安になるくらいぐいぐい食い込んでくる。息子の気持ちがわからず戸惑う母親の様子は万国共通の悩みらしい。一方で、妹のドーチャはつかみどころのない兄の言動にも振り回されている様子がない。良くも悪くも対等。妹の見た目が美しいという話が出てきたけど、ポジティブな意味には捉えにくい。美しい見た目は、良くも悪くも周囲に振り回されやすい。次のトラブルへの助走に思える。ラズミーヒンが自分のことを「ドミ...ドストエフスキー『罪と罰』(340~370p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(310~340p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/10マルメラードフ死す。ロクでもない男だったが、死んでしまうと寂しいものだ。今までより30p読み終わるのが早かった。前のパートでは、奥さんが気の毒だし、こんな状態の夫を連れてこられても迷惑だろうと思ったが、彼女は気丈だった。ラスコーリニコフのやっていることも立派だし、ちょっと捻くれすぎたようだ。ラズミーヒンが悪い。あれだけ悪事に対しては、うじうじ悩んで実行したのに、このときのラスコーリニコフは実に俊敏だった。自分に酔っている感じはあるものの、彼の本質は善なのではないかと思ってしまう。たぶん違う。ラスコとラズとの関係性はよくわからない。あそこで(人の)お金を渡してしまうところが、見栄っ張りで生活力の無さを感じさせる。第三部のは...ドストエフスキー『罪と罰』(310~340p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(280p~310p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/8ラスコーリニコフは常に自首が念頭にあるので、バレてもいいやと行動がどんどん大胆になっていく。ただ、実際に逮捕されることを自分のこととして認識できていないように見える。人殺しの妄想をしているうちに実行してしまうし、実行したらしたで心身のバランスを崩してしまう。行動の結果、自分がどうなってしまうのか、本当の意味で想像できていない。最初はラスコーリニコフの言動が不規則すぎると思っていたけど、極端な犯罪を起こすような人の行動としては生々しさを感じるようになってきた。ラスコの目の前で身投げがあったり、馬車に轢かれた人がいたり、とかく物騒なパートになっている。と思ったら、まさかのマルメ再登場。ラズのおせっかいを責め立てていたのに、まっ...ドストエフスキー『罪と罰』(280p~310p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(250p~280p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/7ラスコとルージンの対峙。何やら小難しいことを言い合っているが、結局ラスコはルージンが嫌いなので、決裂することが前提になっている。ラスコはもともと精神不安定なところに殺人やら妹の結婚やらでどんどん心を病んでいるが、気の毒とも思えない。いくらなんでも他人を巻き込み過ぎている。ラスコの地に足のついていない非合理的な手口がかえって捜査を惑わせている感じ。そこに気づくのは相変わらずの名探偵のラズ。本人もそれほど強く隠そうとしていないから、この方向でもう少し進むんだろうか。それまでの反動なのか、急にラスコは外に出てあちこち歩き始める。特に目的もない様子。目に付いた人に話しかけるし、話しかけられたら、普通に対応する。このあたりの一貫性の...ドストエフスキー『罪と罰』(250p~280p)

  • ストスパ『キロキロ』

    2025/3/7・ピン芸人、都市伝説ネタ、カラオケボックスの従業員の顔を持つ青年が、本命のピン芸ではなく、都市伝説ネタでスター発掘番組の審査を勝ち進んで葛藤する話。・カラオケボックスの一室が舞台で、彼が高校生時代に好きだった人の結婚式の二次会で使われることになる。・ほとんどの登場人物は仕事と出産育児と夢のバランスが不安定な人たちで、35歳はそういう生々しい年齢なんだと思う。ぎりぎりシンプルな恋愛が入る余地もある。・客の吐しゃ物を掃除するところから始まる。・営業の人も大変そう。ハーブの人は別途バイトもやっているらしいし、だいぶんグレー。買ってあげることがホントに応援になるのか心配。30%オフに説得力がない。・関係性が微妙になりかけている嫁に聞く質問でないのはホントそう。・大変な環境で生活を続ける人たちがいる...ストスパ『キロキロ』

  • ドストエフスキー『罪と罰』(220p~250p)

    2025/3/5だんだんラズミーヒンがうっとうしくなってくる。ラスコが避けるのも何となくわかる。特に体調悪い時に付きまとわれるのはちょっとイヤ。帽子や靴を仕立ててあげるのも本当に面倒見がいいだけなのかなんなのか。親しいらしい医者のゾシーモフにも何となく距離を置かれているように見える。ラズミーヒンは質屋の姉妹が殺された事件について自説を熱弁する。うっとうしいけど、間違ってはいない。名探偵ラズ。悪いのはラスコーリニコフだし、こんな悪党は早く捕まったほうがいいし、罪のないペンキ職人が疑いをかけられているというのに、主人公効果なのか、よわよわしい病人効果なのか、ラズが真相に近づいていくとハラハラする。いいタイミングで、妹の婚約者が訪ねてくる。ラスコがどうなってもかまわないけど、彼の母と妹がかわいそうなことになりそ...ドストエフスキー『罪と罰』(220p~250p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(190p~220p)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/4情緒が不安定ならラスコーリニコフは旧友のラズミーヒンを訪ねる。訪ねたと思ったらすぐに出ていく。施しの金を川に投げたり、情緒不安定すぎる。鞭でぶたれるのはかわいそう。彼の家に副署長がやってきて、下宿のおかみに狼藉をしているという夢。あるいは幻聴。犯罪者の器でないのがよくわかった。ほんとにどうしてやってしまったんだ。今度はラズミーヒンがラスコーリニコフを訪ねる。いいやつなんだろうけど、彼の話のなかに知らない固有名詞がいっぱい出てくる。知らない事務官と一緒に話す内容が本当によくわからない。「三十五ルーブリをあなたにお渡しすることになっています、と申しますのは、セミョーン・セミョーノヴィチがアファナーシイ・イワーノヴィチから、あな...ドストエフスキー『罪と罰』(190p~220p)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(160~190P)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/2本パートの話題は3つ。・警察署からの呼び出し。・盗品を処分する。・級友を訪ねる。ラスコーリニコフが警察署に呼び出される。精神を病むくらいビクビクしていて、いっそのこと自白しようとするが、別件だと知ってやめる。なんというか、周囲に対するの反射だけで行動しているように見える。自分の意思が感じられない。警察署に居合わせた人たちがたくさんいる。前回、登場人物をまとめたのに、まだまだ出てくる。ラスコは盗品を手元から遠ざけようとする。捨てるにしても隠すにしてもそれなりの痕跡は残る。ぐだぐだ。無事、盗品を隠してプラプラしているうちに旧友の家を訪れる。家庭教師のあっせんを頼んだり頼まなかったりする。もともと彼が大学を辞めたのは学資が続かな...ドストエフスキー『罪と罰』(160~190P)

  • 吉村愛監督『ベルサイユのばら』(歌唱付き上映会)

    2025/3/2・18世紀のフランス、男装の騎士オスカルが、自身の特異な生い立ちや、奔放なマリーアントワネット、荒廃していく民衆に翻弄されながらも、自身の正義を全うしようとする話。・フランス革命という人類史屈指の大イベントを描いた少女漫画の古典中の古典。・原作、アニメ、舞台など、色々なジャンルに翻案されているのにほとんど接したことがなかった。・それでも登場人物の役割や個性がはっきりしているし、ナレーションも手厚いので初見でも迷子になることはない。・ショックなときに目のあたりに縦線の影ができたり、眼球が小宇宙みたいになっていたりと、半世紀前の少女マンガの絵柄を前面に出す一方で、衣服などの装飾がびっくりするくらい細かい。認知できないところでも色んな工夫が入ってそう。・見せ場であるはずの歌唱はやや線が細め。・民...吉村愛監督『ベルサイユのばら』(歌唱付き上映会)

  • ドストエフスキー『罪と罰』(130P~160P )

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/3/1まだまだ序盤だけど、ついにラスコーリニコフが事件を起こす。何が起きるかは知っていたのに、おまけがついていて、結局驚いてしまった。罪の上塗り。でも、ここまで読む限り動機がよくわからない。金を盗もうとしていたのはわかるけど、そこまでの執着が感じられない。金目のものなんて盗んでも換金時にバレそうだし。19世紀末のロシアの話だから、今の日本人の感覚と比べれば、死や人を殺すことが身近にある世の中ではあると思うけど、それにしても。単に自覚無く精神が病んでいるのかもしれない。妹の婚約者がかなりストレスになっていたようだし。あとは「意図せず準備ができてしまった」というのが、無視できない要素だったような感じ。千載一遇のチャンスという幻想。リ...ドストエフスキー『罪と罰』(130P~160P)

  • ドストエフス キー『罪と罰』(100~130P)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/2/28登場人物ラッシュは落ち着いたものの、新たに発覚することや思い込みによる間違いが多い。○リザヴェータ・イワーノヴナ:金貸しの義理の妹、35歳。ようやくフルネームが出てきた。○ポコレフ:ラスコーリニコフにアリョーナの質屋を教えて、ハリコフに帰った。なんだこの名前。多分、もう出てこないような気がする。リザヴェータの姉のアリョーナは時々「老婆」と書かれている。義理の姉妹とは言え年が離れすぎている気がする。昔の人は50でも老人扱いされていたというし、老婆と言っても意外と若いのかもしれない。このパートのポイントは4点。・ラスコ、馬が虐待される夢を見る。・リザヴェータという女。・ラスコ、知らない大学生と討論する。・殺人小道具できるかな...ドストエフスキー『罪と罰』(100~130P)

  • ドストエフス キー『罪と罰』(70~100P)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/2/27このパートのポイントは主に3点。・妹の婚約者に怒り心頭。・酔っ払いの不良少女と出会う。・ウォッカ飲んで寝たら変な夢を見た。主語はすべてラスコーリニコフ。彼は学生だと思っていたけど、元学生だった。こういう思い込みからくる勘違いはたくさんありそうなので、都度修正していきたい。学生時代はまあまあ優秀だったものの、友人らしい人はほとんどいなかったという。面倒臭そうな人柄は学生からのようだ。今はどうやって暮らしているんだろう。まさかほんとに仕送りオンリーなんだろうか。ラスコーリニコフが言葉を尽くして妹の婚約者に対して怒っている。執拗に否定的な言葉が続く。その理屈の妥当性は正直よくわからないけど、その熱量が逆に怪しい。自分自身の後ろ...ドストエフスキー『罪と罰』(70~100P)

  • ドストエフス キー『罪と罰』(35~70P)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/2/26最初の30Pで落ち着くかと思ったら、まだまだ人物名が出てくる。何となく読んでいたらすぐに迷子になる。○セミョーン・ザハールイチ:たぶんマルメのこと。○コーゼル:錠前屋。金持ち。○ナスターシャ:ラスコーリニコフの住む下宿の女中。○プラスコーヴィヤ・パーヴロヴナ:ナスターシャ曰く、ラスコーリニコフを警察に訴えようとしているらしい。○アファナーシイ・イワーノヴィチ・ワフルーシン:商人。ラスコーリニコフの母に金を貸した。○ドゥーニャ:ドゥーネチカ。ラスコーリニコフの妹。家庭教師もしていて浮気の冤罪をかけられた。○スヴィドリガイロフ:ドゥーニャを乱暴に扱った挙句、言い寄ってきた。のちに反省。○マルファ・ペトローヴナ:スヴィドリガイ...ドストエフスキー『罪と罰』(35~70P)

  • ドストエフス キー『罪と罰』(~35P)

    罪と罰上巻(新潮文庫)フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス新潮社2025/2/25何度目か忘れたがまた『罪と罰』を読み始めた。忘れた序盤に戻って読み返すのがもう嫌になってきたので、30ページずつ感想を書いていくことにする。テキストは工藤精一郎訳の新潮文庫。本編は5ページから始まるので、5~35Pまで。登場人物が結構出てくる。覚えたつもりでも読み進めていくうちに忘れてしまい、無理やり進もうとすると話についていけなくなる。まずはその点を何とかするべく、ここまでの登場人物をメモしておく。○ラスコーリニコフ:本編の主人公。学生。○アリョーナ・イワーノヴナ:質屋の老婆○リザヴェーダ:(おそらく)アリョーナの妹○マルメラードフ:九等官。官吏崩れ。酒場の酔っ払い。「貧は罪ならず」というこの人が言ってさえいなければ名...ドストエフスキー『罪と罰』(~35P)

  • デビッド・リンチ監督『マルホランド・ドライブ』

    2025/2/23・女優になるべくハリウッドにやってきたベティが、マルホランド通りの追突事故で記憶を失ったカミーラと出会い、行動を共にする話。・デビット・リンチ作品は初めて。古典感はあるけど2002年の作品。わりと最近。・好きな人の感想ですら、難解とかよくわからないとか言われがちで、自分には合わないなと避けていた。・見てみると、話の筋のようなものもあるし、身構えていたほどは混沌としていない。・考えてみると、成功しているのか失敗しているのかもよくわからない小劇場系の観念的な作品と比べれば、巨匠の代表作という一定の評価があるぶん安心感はある。・オープニングの事件に事故を重ねて混沌を上塗りしていく感じも、うまく機能している。・とはいえ、ベティとダイアン(+ファミレスの店員)の関係性とか、わからないことも多かった...デビッド・リンチ監督『マルホランド・ドライブ』

  • THEATRE MOMENTS『フランケンシュタイン/怪物』

    2025/2/23・ビクター・フランケン博士が、自身の生み出した怪物によって大切な人々を次々と失っていく話。・前説でお客さんを交えてシアターゲームが始まる。・本作は本編への導入も担っていたけど、作品によっては、客席の空気作りのために取り入れてもよさそう。・ただ、インプロ以外ではあんまり見たことないから実際にやろうとすると難しいのかな。・舞台装置としての人体の使い方がおしゃれ。・実際に物を用意するよりフットワーク軽く色んな場所を表現することができる。深い森の表現も他の方法では難しい再現力とスピード感がある。・ただ人体の椅子は、拷問感と言うかなんというか、別の意味が生まれてしまってソワソワしてしまう。・椅子→怪物になるところもズルいと思ってしまう。・他には透明なボックスとロール状のフィルムを使用。・実際、よく...THEATREMOMENTS『フランケンシュタイン/怪物』

  • 岡本喜八監督『EAST MEETS WEST』(1995年)

    2025/2/21・1860年、使節団の一員としてサンフランシスコにわたってきた武士の上條健吉が、強盗に父親を殺されたサム少年の敵討ちを手伝う話。・チャンバラと西部劇、東洋文化と西洋文化の融合と言うとわかりやすいけど、そんな単純な構図ではない。・色々あって上條自身も追われる立場になるので、追っているのが少年の仇なのか、強盗に盗まれた三千両なのか、追っているのか、逃げているのか、案外複雑。・忍者の為次郎や、原住民の女、元士官の教師、街のゴロツキたちもそれぞれの思惑で行動を共にする。仲間とも言い難い属性の違う人たちが、真の悪党と戦うというのがおもしろい。・上條役が真田広之。立っているだけでもかっこいいし、喋っても動いてもかっこいい。白人の老婦人が「いい男だ」と言っても、違和感がない。・江戸時代末期の話なので、...岡本喜八監督『EASTMEETSWEST』(1995年)

  • 劇団なのぐらむ『SPARE ME』

    劇団なのぐらむ『SPAREME』2025/2/16店主が亡くなった小さなバーに、閉店を惜しむ人々が集まる話。こじんまりとした題材のわりに登場人物が多い。店員、元店員、建物のオーナー、遺族など、90分強で15人。話の進展よりも新しい登場人物が出てくるほうがはやい。役者さんの起用方法がとても贅沢。あらすじを見る限り、しみじみ方向の話なのかなと思ったら、それぞれが話したいことを話すし、人の話を遮りがちだし、デリカシーもないし、わりとギスギスしている。奥様連中が、関係性の近い人が集まっている場所で、亡くなったばかりの人のゴシップを想像してニヤニヤしている。残された彼女が、店を続けるのを固辞するのも当然だなと思ってしまう。たかが三十路で年齢マウントを取られるのも面倒すぎる。タイトルは「勘弁して」だけど、「予備として...劇団なのぐらむ『SPAREME』

  • 札幌座『民衆の敵』

    札幌座第62回公演「民衆の敵」2025/2/12・街の温泉施設の危険性を訴えた学者が、実の兄である町長らの反感を買い、集会で民衆の敵と認定される話。・作者は『人形の家』で有名なイプセン。・1882年に書かれた。140年以上前の作品なのに、扱う題材が完全に現役。イプセンがすごいのか、世間が進歩していないのかはよくわからない。・本作は主に学者だけど、大手マスコミの記者とか、違法建築を目の当たりにした技術者とか、パンデミックを予見する医者とか、いくらでも今の構図に置き換えられる。・一般的な民衆には、学者とインチキ学者の対立があった場合に、なかなか判別できない。・そういうときって、学者は油断しているし、インチキ学者は必死だから、逆転現象も起きやすい。・町長の主張も正直妥当性がわからない。・この傾向はSNSのある今...札幌座『民衆の敵』

  • 田中慎弥『共喰い』

    共喰い(集英社文庫)田中慎弥集英社2025/2/10表題作と『第三紀層の魚』の二作品。『共喰い』は、川辺の町で暮らす青年が、暴力と性欲で生きているような父親の影響下にいることに悩む話。田中慎弥作品は初めてだし、現代作家の純文学もほとんど読んでいない。年代的に作者の青年時代の実体験もそれなりに入っているんだろうなと思いつつ、描写の細かさと事象の非現実感とのギャップに戸惑う。陰鬱とした話だなと読んでいるうちに、後ろから表題が追いかけてくるような構成。文字だけでここまで描けるのはすごい。説明と描写はだいぶん違う。『第三紀層の魚』は、同じように少年と曾祖父との交流と別れの様子を描いた話。交流と言っても心温まるようなものではなく、他の家族との距離感の違い、人を亡くしたときの心の動きが細かく書かれている。作者=主人公...田中慎弥『共喰い』

  • アリ・アッバシ監督『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』

    2025/2/10・青年ドナルド・トランプが辣腕弁護士のロイ・コーンとの出会いをきっかけに不動産業界で成功していく話。・たくさんの人が行き交うなかで微動だにせず、トランプへ視線を向けてくるロイ・コーン。いかにも運命の出会いという感じ。・こういう強調の仕方、ヒッチコックの『見知らぬ乗客』にもあるらしい。観てないけど。・最初はオドオドしていたトランプ青年が、彼の三か条の教えにどんどん感化されていく。「攻撃攻撃攻撃」「絶対に非を認めない」「勝利したと主張し続ける」(大意)・トランプが賢そうに描かれているし、特に批判的な表現も多くないので、一昔前の伝記マンガのような印象。・「自分に都合の悪い科学は信じない」と言い切ったり、女性の扱いはほんと酷いけど、今さらそれでトランプのイメージダウンになるとは思えないし。・表舞...アリ・アッバシ監督『アプレンティスドナルド・トランプの創り方』

  • ジェシー・アイゼンバーグ監督『リアル・ペイン~心の旅~』

    2025/2/7・アメリカ在住でいとこ同士のデヴィットとベンジーが、かつて祖母が住んでいたポーランドの家を訪ねる話。・ざっくり言うと、堅物の人間が奔放な人間と一緒の時間を過ごすことで影響を受ける、よくある話ではある。・祖母がホロコーストのサバイバーで、二人はアウシュビッツの収容所をめぐるツアーにも参加する。・ベンジーが奔放担当。とにかく自分に正直。その奔放さで、他のツアー参加者との距離を軽々と縮めていく。・一見、細かいところは全然ダメだが、本質をとらえるタイプのように見える。・ただ、それにしても雑なところが多すぎるし、たくさん失敗して傷ついて、このバランスに落ち着いたんだろうなという感じがする。・実際、隣にいたら楽しいけど、面倒を見ろと言われたらとてもイヤ。・その面倒を見る役が同行するデヴィット。そして、...ジェシー・アイゼンバーグ監督『リアル・ペイン~心の旅~』

  • イチニノ『千年後の冒険』

    イチニノ『千年後の冒険』(無料)2025/2/5病気を他人に引き渡す技術と法律のある世界で、病気を渡した側の女性が、渡された側の人にあいさつする話。映像内に医者が一人、舞台上に病気を引き渡した女性一人がいて会話する。加えて、作中には登場しない、話すこともできない引き渡された一人もいる。VRとして近くに存在しているらしい。無観客配信という上演形式に合わせた設定。病気を引き渡す、引き渡されるという制度がどういう事情でどういう理屈をもって成立しているのかよくわからず。それによって、だいぶん渡し手と受け手にどう感じていいのかが変わってくると思う。渡した側の女性の話し方。切実さが声に乗る感じで引き込まれる。演者は梅木沙羽さん。ただの石でも長く継承していくことで意味が生じるという考え方はおもしろい。病気を引き渡すこと...イチニノ『千年後の冒険』

  • ソイ・チェン監督『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』

    2025/2/5・香港に亡命してきたチャンが、マフィアから逃れて九龍城砦で暮らすようになるが、すぐに新しいトラブルに巻き込まれる話。・1980年代の設定。九龍城砦が立体迷宮化している。・チャンは、九龍城砦のリーダー格であるロンの庇護を受け、そこの生活に馴染んでいく。・九龍城砦には様々な事情を抱えた人々が暮らしている。無法地帯のようで、その中には秩序がある。・アクションを楽しむ映画なのかと思っていたけど、九龍城砦内部の生活描写にかなり重きを置いている。・龍も理髪店を営んでいる。叉焼丼おいしそう。・九龍城砦は行き場を失った人を受け入れてくれる場所と言われている。現実もそういう場所だったのかな。・わりと最近の話なので、九龍城砦とそれを取り囲むような近代的な建物のギャップ。この場所がやがて淘汰されていくことが予感...ソイ・チェン監督『トワイライト・ウォリアーズ決戦!九龍城砦』

  • 畑博之監督『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』

    2025/2/5・ある初音ミクが自らの表現に限界を感じて若い人間の歌い手たちに教えを乞う話。・初音ミクのことはほとんど知らない。どちらかと言うとゆっくりボイス派(たぶんそんな派閥対立はない)。・SNSで結婚したと言い張る人を見て、みんなの共有財産に対してひどいことをするなあと思ったくらい。・本作では、さまざまな初音ミクとボーカロイドたちが人間たちと交流しながら、人に届く音楽を模索する。・初音ミクの協力者たちが各所で活動する群像劇のような見せ方。・人数が多いわりにアニメにしか登場しないようなステレオタイプが多く、発声や会話のテンポがなかなか肌に合わない。・ただ、そこに初音ミクのより人工的な会話が加わることでかなり緩和される。むしろ、おもしろくなる。・ただ、初音ミク以外のボーカロイドは聞いてられないくらい人工...畑博之監督『劇場版プロジェクトセカイ壊れたセカイと歌えないミク』

  • 「鳥羽水族館」

    2025/1/30・始発移動が続いたので、3日目はダラダラするぞと決めた結果、朝のラッコのお食事タイムを見逃す。・到着は10時半。ハイイロアザラシのお食事タイム。平日かつチューブトンネル調整中なのに人が多い。・続いてセイウチの解説とパフォーマンス。・伊勢シーパラとあわせてセイウチのイメージが変わる。・牙がごつくてヒゲだらけで1トン前後もある生物がとてもかわいい。鰭の拍手が極端に遅いのもいとおしい。・進行担当のお姉さんと実演解説担当のお兄さん。軽口をかわしながら進めていくスタイルが目新しい。・お兄さんはポイポイと餌を与えつつ、「20キロあげないと僕の仕事がおわりませんからね。わんこそばですね」などとベテラン芸人のような安定感。水族館とは別に何か人前で話す経験があるのかも。・女性スタッフさんも、進行の隙間に合...「鳥羽水族館」

  • 「ゼロ距離水族館 伊勢シーパラダイス」

    2025/1/30・屋内なのに土と植物が豊富で水族館の館っぽさがない。・早々にゴマちゃんタッチが始まる。どんな感じかなと思っていたら単に指定の場所に来て並べばいいらしい。・最初はそんなに人がいないのかなと思ったら、自分の後ろにどんどん列が伸びていく。単に早かっただけ。・順番がきてゴマフアザラシの背中のあたりをそっと触ってみる。濡れた毛のぐっしょりした感触。・スタッフさんに写真を撮ってもらう。一生懸命、表情を作ったが我ながら被写体として魅力がない。・アザラシのほうは子犬っぽい表情でかわいい。・アシカショーのミニプールに移動。ショーの時間ではないのに、なぜかフンボルトペンギンが一羽だけひょこひょこ出てきて飼育員さんと戯れている。・こういうイレギュラーが結構あるみたい。・ケープペンギンは土と植物の中でくつろいで...「ゼロ距離水族館伊勢シーパラダイス」

  • 「伊勢神宮(伊勢むすび工房ガイド)」

    ※正宮は写真NGなので猿田彦神社。2025/1/28・旅行の主目的ではないにしろ、伊勢にまで行って伊勢神宮スルーはダメな気がした。・そんな消極的な気持ちなのでわざわざ行って楽しめなかったらイヤだなと、プロの力を借りることにする。・伊勢むすび工房さんというプライベートガイドを予約。一人旅向けのプランと明記されているのがありがたい。一人だと頼むほうも気を遣うので。・コースは3時間。いくら伊勢神宮が広いとは言え、神社でそんな長時間何をするんだと半信半疑ではあった。・予約直後から門外漢には面倒な前後の移動手段を提案していただいて助かった。バスを調べるのは苦手。・ガイドさんは自分と同じかちょっと年上くらいの女性。関西のイントネーション。全く不思議なことはないのに全然想定していなかったので少しびっくりする。・猿田彦神...「伊勢神宮(伊勢むすび工房ガイド)」

  • 「名古屋港水族館」

    2025/1/27・中部国際空港に着いて一直線に常滑空港線に乗り込み、名古屋港水族館に向かう。・到着時点でシャチの公開トレーニングが始まっていたので、心の準備ができないまま北館スタジアムへ。・スタジアムはメインプールの他にいくつかプールがあって、このときのトレーニングは客席から離れているところで行われていた。見にくい。・代わりに巨大なスクリーンがあるので、何をやっているかはわかる。・トレーニングだから遠いのかと思って、シロイルカ系の2種類のイベントは「トレーニング」ではなく、「不思議な食べ方」のほうを選ぶ。・プールを側面からみられるようになっていて、スタッフさんがガラス越しに指示を出している。・クジラの仲間では珍しく首がカクカク動くのがかわいいし、脂肪で顔や体がぐにょぐにょしているのも愛嬌があるように見え...「名古屋港水族館」

  • グレン・R・ミラー監督『シーワールドZ』(2021年)

    2025/1/26・システムダウンで水族館内に閉じ込められた人々が、ゾンビ化した生物に襲われながら脱出を試みる話。・これから実際に水族館めぐりをするから、何かしらの関連がありそうで時間短めの作品を選んだ。・最初に巨大タコがゾンビ化して人を襲う。・このときもそうだけど、襲われている瞬間がほとんど映らない。・音楽で煽る→ゾンビ生物が映る→恐怖に顔をゆがめた人間が映る→次のシーンみたいな感じが多い。・ゾンビ生物自体もなかなか出てこない。・なけなしのCGのリソースで作ったと思われる、ゾンビワニが全く同じ動きで作中何度も迫ってくる。・タコもワニも一緒の鳴き声。・カニとヒトデに関しては、作中の活躍ぶりでも、CG的にも頑張っていたんだと思う。地味だけど。・結果、グロ描写がほとんどなく、苦手な人でもかなり大丈夫なほうのホ...グレン・R・ミラー監督『シーワールドZ』(2021年)

  • 日穏-bion-『月の海』

    日穏-bion-『月の海』(観劇三昧)2025/1/23・認知症かつ寝たきりの母と暮らす静の家に、5年前に行方不明になった兄そっくりの泥棒が現れる話。・累計は結構ありそう。・本作では、母は兄のことを気にかけていたため、偽物なのに介護の上では重要な役割を担うことになる。加えて、介護疲れ気味な静の精神的な支えになっていく。・なので、バレるバレないという話については、話の焦点にはあんまりなっていない。・バレてない前提で話は進みつつ、演技でバレているんだろうなとわかるくらいの塩梅。むずかしい。・行方不明の兄と、彼にそっくりな泥棒を同じ俳優が演じる。別人だから演じ分けはするけど、やりすぎると騙される周囲がバカっぽく見える。特にバレていないという前提なので加減が難しい。・「匿ってやるから母の介護をしろ」という展開もあ...日穏-bion-『月の海』

  • ロバート・モーガン監督『ストップモーション』

    2025/1/18・ストップモーションアニメ作家の母親を手伝う娘が、自身の表現を追求するあまり、取り返しのつかないことになってしまう話。・オープニング。娘の顔に光が当たるたびに、本人なのか母なのか人なのか人形なのかよくわからなくなっていく映像が怖い。あと、最初から目が疲れる。・彼女は、病気で精密な作業ができなくなった母親を手伝って、パペットを動かす。・母の操り人形が、人形の実物を扱う構造。そして、家族としても作家としても母親の強い影響下にあって、常に精神的な檻に閉じ込められている状態。・ご丁寧に劇中劇のストップモーションアニメも、少女が小屋に閉じ込められる話。・ワックスで作られた少女。汚いし、素直に見た目が怖い。ボコボコに殴られたような顔。・ピングーはコウテイペンギンらしいけど、ワックス人形ならフンボルト...ロバート・モーガン監督『ストップモーション』

  • 『ダイアナ:ザ・ミュージカル』(2021年)

    2025/1/16・王室に嫁いだダイアナの泥沼の結婚生活とその顛末を描いたミュージカル。・積極的に気にしたことないけど、当時は「ダイアナ妃」としてテレビから勝手に情報が入ってきたので、作品を見ると素直に「似てる!」と思える。・有名な話なんだろうけど、開始早々、プロポーズはするが、好きな人は別にいるという言動不一致な皇太子のねじれ方に戸惑う。・当然、うまくいくはずもなく後に破局する。・立場もあるのに、なんでそんなに軽率なのか理解しがたいけど、要するに彼はダイアナを大人しくコントロール可能な女だと勘違いしていたという話。・本作には彼を取り巻く三人の女が出てくる。それぞれ立場は違っていても、自分の意思や主張ははっきりしていて見ごたえがある。・「世が世なら断頭台送りだ」みたいなことを言うエリザベス女王が物騒。・反...『ダイアナ:ザ・ミュージカル』(2021年)

  • 「江別市郷土資料館」

    2025/1/15前に見た演劇作品『博士と過ごした無駄な毎日』について、もう少し知りたくなる。江別駅で降りたのは初めて。千歳川と石狩川の合流地点を見たかったが、意外と遠い。見れず。河岸の工場から白い煙がモクモク出ている。モダンな建物の郷土資料館。受付でどちらから来たのか聞かれる。親しみやすい雰囲気。受付前のホールで「むかしの衣類展」開催中。軍服でもサイズが小さめな印象。先史時代からの江別の歴史。二階の壁一面に展示されている土器。北海道は単純に縄文→弥生ともちょっと違う。というより、細分化されているのかな。ヤツメウナギが食べられるのは聞いたことあるけど、漁としても獲られていたことを知る。お目当ての木製戦闘機の資料もあった。例の腐食した金属の箱や、回収された資料と、それを転記したファイルもある。専門知識はない...「江別市郷土資料館」

  • 筒井康隆『残像に口紅を』

    残像に口紅を(中公文庫)筒井康隆中央公論新社2025/1/13・小説家の佐治が、ランダムに選ばれる一文字とその文字を含むものが徐々に消去されていく小説を書いて、作者自身がその登場人物となり、仕事や日常生活を続けようとする話。・例えば「あ」という文字が消えれば「朝」がなくなるので、「昼、夕方、夜に続く一定の時間を表現することばでさ、四季を通じて爽やかさ、新鮮さを伴うたいへん好ましい時間のこと」と言い換える。・文字に余裕のある序盤のうちは、念入りにそのルール作りに充てられている。読者の先手先手を打っている。・それでも無理はあるはずなんだけど、小説の場合、受け手は書かれていないことに意識が向きにくいという特性があるので、なんとなく押し通されている。・文字とその文字を含むものが消えていく世界に自分がいたらどう行動...筒井康隆『残像に口紅を』

  • 青年団『ちっちゃい姫とシャベルン博士』

    青年団『ちっちゃい姫とシャベルン博士』(観劇三昧)2025/1/11ちっちゃい王国のちっちゃい姫が、イチゴの呼び名をサンゴやイチヨンに変えるという話から、言葉の意味について学んでいく話。隣国の王子たちはホントにしょうもないけど、すぐに軌道修正できるのは見どころあるのかもしれない。メロンの種類や、湖、池、沼、水たまりの違い、シャベルとスコップの違いなど、意味のグループわけを紹介する。並行して、お化けがやってきて、伝統の「志村後ろ」をやったりする。子供の反応が活発で、この古典的な演出がいまだに現役で通用するというのが発見だった。そこから、お化けと幽霊と妖怪がどう違うのかという話。関係ないようで繋がっている。特別な物には別の名前が付くという話できれいにまとめられたと思うけど、子供たちにはちゃんと伝わったんだろう...青年団『ちっちゃい姫とシャベルン博士』

  • 北野武監督『その男、凶暴につき』(1989年)

    2025/1/10・暴力刑事の吾妻が、薬物取引の事件で死んでしまった同僚の仇を討とうとする話。・北野映画は好んで観ていたのに、ある意味、一番大事な作品が未見だった。・その暴力刑事を演じるのは北野武。35年前の作品なのでかなり若々しい。暴力にも説得力がある。・一方でクセのある歩き方や、くだらないジョークでニコリとしたり、ギャップ起因の愛嬌もある。・もう長いことテレビを見てなくてテレビタレントとしての印象が薄くなっているぶん、俳優としての魅力を直接感じることができる。・映っているいるだけで画面の見栄えがよくなる。・警察の同僚たちは暴力に慣れているし、何なら仕事ができる男という印象さえ持っているように見える。・酷いけど、暴力に対する認識が今と比べてはるかに甘い時代の話なので、フィクションならありそうな範囲ではあ...北野武監督『その男、凶暴につき』(1989年)

  • 青年団『ちっちゃい姫とハカルン博士』

    青年団『ちっちゃい姫とハカルン博士』(観劇三昧)2025/1/6ちっちゃい王国の小ささが不満な姫を、従者と博士がなだめようとする児童劇。姫がなぜ不満なのかを客席の子供たちに予想してもらったり、クイズを出したり、積極的にコミュニケーションをとっている。実際、子供たちの反応もいい。おおきいちっちゃい、ひろーいせまい、たかーいひくいという印象的な曲がリフレインされる。やはり児童劇に音楽は欠かせない。「サンドイッチは自由です。いくら王様と言えどもサンドウィッチの自由を奪うことはできません」という、よくわからないけど、かっこいいセリフ。姫と博士は色々なところを回って、色んなものを測る。測れないものもある。途中でまばたきガマン競争に参加したが、真剣にやったのに3秒も持たなかった。大きさはあくまで相対的なものだという方...青年団『ちっちゃい姫とハカルン博士』

  • 「札幌市円山動物園」

    2025/1/4・何回かは行っているものの、じっくり見たことなかったなとドニチカきっぷを利用して入ってみる。・北海道神宮への参拝目的で地下鉄がとても混雑している。「そんなにみんな動物園に行きたいのかな?」と勘違いしていた。・園内もそれなりに混んでいる。特に外国人と思われる人が多い。レストスペースも高確率で混雑している。・特にお目当てがあるわけではないので、正門に近い方から順番に見ていく。・旭山ほどの知名度はないが、後半ぐったりする程度には広い。ちょっと見に行く感覚だと面食らいそう。・どの館の展示も工夫されていて文字情報も多い。・おそらく前に見たのが2015年。冷凍ダイオウイカが展示されたとき。10年ぶり。・その時と比較して、やたらエンリッチメントという言葉が目に入る。最近読んだ『シャチ学』でも見た。・文字...「札幌市円山動物園」

  • 竹林亮監督『大きな家』

    2025/1/1・東京のとある児童養護施設で暮らす子供たちを年少から順番に撮影して構成したドキュメンタリー。・見たばかりのMONDAYSの監督が地味なタイトルの映画を撮ったと知って興味を引かれる。・施設がきれい。子供たちは結構しっかり食事できるし相応の学校にも行っている。自分の中の養護施設のイメージがずいぶん古臭いものだったことに気づく。・最初に、ピクサーの映画に出てきそうな見た目と喋り方の女の子が出てきて、建物の中を案内してくれる。・屈託なくてかわいい。だからこそ、不特定多数の目に晒される映像作品で見ることに後ろめたさも感じる。・親がそばにいる子役タレントならともかく、複雑な事情を抱える子供のプライバシーは別物だろうし。・作り手側はそのあたり百も承知だろうし、配慮も感じる。・この見せ方でなければ伝えられ...竹林亮監督『大きな家』

  • 『リズと青い鳥』(2018年)

    2024/12/26・吹奏楽部ののぞみとみぞれとの関係が、ソロパートの掛け合いをきっかけに崩れそうになる話。・「響け!ユーフォニアム」のほうは全く見ていない。本作を観たあとにスピンオフだと知った。・みぞれ登場からタイトルまで。大した事件がなくても、音楽と人のちょっとした仕草だけでシーンが持つ。アニメ映画らしい堂々とした冒頭。・オーボエのリードを削るところ、分解してケースにしまうところ、フルートの口元、大会が近くなると増える顧問、吹奏楽の知識はないけど、細かい情報がそれっぽくて楽しい。・床に毛布のようなものを敷くところや、糸で作業しているところも、何なのかはよくわからなかったけど、そういうもんなんだろうなという感じがする。・登場人物が可愛らしくて小奇麗な女子高生しか出てこないところは、作り手の好みが表に出過...『リズと青い鳥』(2018年)

  • 竹林亮監督『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(2022年)

    2024/12/26・広告の下請会社のスタッフたちが、修羅場の一週間のタイムループから抜け出そうとする話。・評判がいいのは聞いていたけど、タイムループものはかったるいなって思って敬遠していた。・見てみると確かにテンポがいい。映画好きの社員が即座に解決に向けて仮説を出してくるし、見せ方も二回目以降のループはだいぶん端折ってくれる。・社畜らしくみんな目は死んでいるし得手不得手はあるけど、それぞれ頭がよく、計画を邪魔してくる身内がいない。気持ちよく見られる。・全体の尺が82分。軽い。・「考えようによっては、うまくいくまで仕事を何回でもできるってことですからね」と、タイムループ脱出を目指しながら、仕事の精度をどんどん上げていく人。・スライドのシーンで笑ってしまう。・ちょうど全体の半分くらいで新展開が始まる。・キー...竹林亮監督『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(2022年)

  • 村山司『シャチ学』

    シャチ学村山司東海教育研究所2024/12/23シャチを見る機会がありそうなので読んでみる。海獣類全般の紹介、シャチとはどのような生物か、人間とのかかわりなど。素人向けに細かく項目を区切りながら解説してくれるので、とても読みやすい。海牛類のジュゴンとマナティがごっちゃになっていたので違いを説明してくれてよかった。水族館の話で環境エンリッチメントという言葉が出てきた。いくら動物でも、場所と食べ物だけ与えていればいいというものではない。シャチならシャチなりに野生の環境に近づけないと、異常行動の原因になる。AOAOのペンギンを思い出す。ずっと屋内の閉鎖空間にいるから心配されがちだけど、足場や照明で変化をつけようと工夫している。それで十分かはわからないけど。シャチが遊んでいるように見える行動が人間の感覚で遊んでい...村山司『シャチ学』

  • 野村大×上田龍成×長谷川恒希合同公演「ショートプレイバック ’24」

    2024/12/2030分程度の短編演劇と幕間の映像によるショート企画。長谷川恒希『市長選』・市長選にジャンボタニシ撲滅を公約として立候補した根本氏の妻が、田んぼで実際にジャンボタニシを駆除しつつ、自ら演説したり夫のフォローをしたりする話。・ジャンボタニシの語感はファニーだけど、外来種の問題はわりと深刻なので茶化しにくい話題だったりする。・撲滅への抵抗感に対しては外来種を駆除しないと在来種に悪影響が出る話をしてほしいなとか、現職がその公約をもらっちゃえば根本氏の票も取り込めるなとか、ワンイシューで戦うなら市長よりも市議会議員がいいのではとか、わりとまじめに考えてしまう。星くずロンリネス『ポーキーポーキーズ』・彼女と同棲中の男が、彼女の出張をきっかけにパチスロ形式で自身の残念な秘密が明かされていく話…でいい...野村大×上田龍成×長谷川恒希合同公演「ショートプレイバック’24」

  • ウディ・アレン監督『レイニーデイ・ イン・ニューヨーク』(2019年)

    2024/12/20・地方の大学に在籍しているギャツビーが、そこで知り合った恋人アシュリーと一緒に、地元のニューヨークに戻ってきて自らの人間関係を整理する話。・彼は、頭がよく金持ちの家に生まれ育ちがいい。賭け事に強く、ピアノも弾ける。彼女も家柄よく美人。演者はティモシー・シャラメだから見た目も完璧。・必ずしも誠実な人間とも言えず、とても共感できる要素のないはずの人間なのに、見ていて不思議と嫌な感じはしない。恋人のアシュレーも同じ。・恵まれている人にも恵まれている人なりの苦労があるという単純な話ではなく、全体に漂う「人間とはこんなもの」という諦念、人間を俯瞰で見ている感じが強い。・アシュレーの行動も不用心すぎるけど、スター俳優に抱かれる千載一遇の機会があったら、恋人がいたとしても、いっぺん抱かれてみるかと思...ウディ・アレン監督『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(2019年)

  • 小泉徳宏監督『線は、僕を描く』(2022年)

    2024/12/16・巨匠のもとで水墨画を学ぶことになった大学生の霜介が、作品との向き合い方や一門の人々との交流を通して、自身の忘れがたい過去を乗り越えていこうとする話。・10分に1回以上は何かしらの事件が起きる。多少の唐突さは引きに利用している。会話の中の話題をあえて完結させず中だるみを避ける。・見やすさに特化したテクニックが満載で、エンタメとしての完成度が高い。・三浦友和、横浜流星、清原果耶、江口洋介、主軸の配役の的確さに凄みを感じる。・特に江口洋介の江口洋介力みたいなものがさすがだった。気のいいおっちゃんから気鋭の存在まで、いつもの江口洋介のままで役割の変化に完全に対応している。・筆で線を引くというフィジカル要素の強い描写を、少なくとも素人目には嘘臭く感じさせないように見せてくれる。どういうバランス...小泉徳宏監督『線は、僕を描く』(2022年)

  • リチャード・カーティス監督『ラブ・アクチュアリー』(2003年)

    2024/12/16・クリスマス時期に複数の男女が概ねカップルになる話。・各人の出会いとその関係性を描きつつ、それぞれのエピソードがふんわり関係しあうおしゃれな構成。・出会いは素晴らしいと臆面もなく言う話でもある。・世の中はそんなに単純なものではないけど、クリスマスだし、フィクションなんだし、たまには無邪気に世の中を肯定していこうという意気込みを感じる。・構造そのまま真似して別の何か作れたらよいけど、日本人でやると生活感が強くなりすぎそう。・庶民的な首相。アメリカに毅然とした態度をとることで人気が出る。ということは、現実の首相はそういうことができてないということなのか。・セックスシーンの段取りを確認しながら世間話をする二人の独特の距離感が好き。全体的にほどほどに下品なのもいいバランス。・セックスしたいだけ...リチャード・カーティス監督『ラブ・アクチュアリー』(2003年)

  • 森田芳光監督『家族ゲーム』(1983年)

    2024/12/14・家庭教師が担当の中学三年生を指導して地域トップの学校に合格させる話。・原作は柳美里だとずっと勘違いしていたが全然違う。・主演は松田優作。薄気味悪い家庭教師役。・父親役が伊丹十三。斬新なキャスティングだと思ったら、当時はマルチタレントだったようで、映画を撮り始めたのは本作出演のあと。・空宙空地の短編『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』で関戸さんがちゅうちゅうしていた目玉焼きのオマージュ元をようやく見れた。・本家では言い返せてなかった。気の毒。・森田芳光監督の代表作と言われているけど、公開当時の時代感覚が絶妙に肌に合わない。・家政婦扱いの専業主婦、暴力をふるう家庭教師、セクハラ味の強い身体接触、不機嫌を垂れ流す体育教師。・意図的に気持ち悪さや斬新な表現を狙っているのはわかるけど、そ...森田芳光監督『家族ゲーム』(1983年)

  • 中村 眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』

    なんでそうなの札幌のカラス中村眞樹子(NPO法人札幌カラス研究会)北海道新聞社2024/12/13カラスに昼ご飯を奪われたり、何かと嫌がらせを受けがちなので読んでみる。著者はNPO法人札幌カラス研究会の主宰で、札幌で生まれ、18年間札幌のカラスの観察と記録を続けていたそうだ。初心者向けに限ってもカラスの本はたくさんあるが、札幌に特化しているのは著者の本だけだと思う。当たり前のようにすすきのや中島公園、豊平川河川敷、北大植物園など、馴染み深い地名が出てきてイメージしやすい。植物園や道庁前がねぐらになっているのはわかりやすい。たしかにあのへん、夜間は締めているし寝やすそうだ。カラスの寿命が10~30年くらいはあるというのは初めて知った。ゴミをあさっているところから、なんとなくカラスは不健康=短命という偏見を持...中村眞樹子『なんでそうなの札幌のカラス』

  • 「ブルーピリオド展 アートって才能か?」

    2024/12/6・マンガ『ブルーピリオド』の東京藝大受験編がテーマ。・白い恋人パークの隣にある別館。初めて行った。・マンガは今ある分は全部購入して読んでいる。・入場特典はネームのポストカード。あとは受験票を模したもの。「最後に合格発表がある」と言われたけど、番号は覚えているのでどうなるかはわかる。・作中、実際の作家や芸大生の作品が利用されているので、展覧会なら、その実物や複製品を見ることができる。他のマンガにはない特徴。・重要な位置づけにある天使の絵と溶鉱炉の絵はインクジェット出力による複製。・複製も質は高いようだけど、実物は違うと思えるのか、そうでもないと思うのかは気になるところ。・溶鉱炉の絵の隣にある、作中ではダメな例として登場していた丸い口の油絵は実物だった。・丸い口に合わせられた横線と縦線がナイ...「ブルーピリオド展アートって才能か?」

  • 「札幌市豊平川さけ科学館」

    2024/12/5今は北海道内の水族館をスタンプラリー感覚でめぐっているが、そういえば札幌市内にまだ行っていない施設があった。芸術の森帰りに立ち寄ってみる。展示物は結構しっかりしているのに、なんと無料で入れる。それほど大きな施設ではなくて、12月で雪も積もりかけているような時期なのに、ちゃんと泳ぐ鮭と鱒が見られる。思っていたより展示されている鮭と鱒の種類が多くてびっくりする。ただ、同じ種類でも呼び名が違っていたり、成長度合いで名前が変わったりで覚えられそうにない。ここ半世紀ほどの豊平川に鮭を遡上させようとする運動が10分ちょっとの映像で見られるんだけど、普通に勉強になる。稚魚がなかなか取れず、千歳川に依存している現状も、教えてもらわないとわからないところ。今すぐ何かがよくなるようなことでなくても、地道に活...「札幌市豊平川さけ科学館」

  • 「ロートレック展 時をつかむ線」

    2024/12/1・ロートレックは1864年生まれで1901年に死去。・拠点はフランス、パリのモンマルトル。歓楽街の歌手や芸術家を題材にした作品が多い。・同じ時代や地域で活躍した画家はたくさんいるが、その中でも独特の立ち位置にいる。と思う。・今回も山田五郎さんの動画を見て臨む。・若くして大腿骨の骨折という大怪我により、父親のような軍人になることができず、絵に熱中する。・両大腿骨の骨折と言うから、大きな一回の事故でそうなったのかと思っていたら、異なる時期に左右それぞれの大腿骨を折ったらしい。そんなことあるのか。・若い頃からの素描が多く展示されている。・動物画家のルネ・プランストーに師事しているせいか馬の絵が多い。当たり前にうまい。単純な線で躍動感のある動き。・約150年前の異国の鉛筆画なのに、どことなく既視...「ロートレック展時をつかむ線」

  • yhs『四谷美談』

    2024/12/1・歌舞伎俳優の伊右衛門が、元恋人への愛に執着する妻に苦しめられる話。・同じ演目で3回目の観劇。2013年と2016年。・断片的な記憶はあるもののほとんど覚えていなかった。新鮮な気持ちで人間関係の把握に難儀する。・前回までは客席が舞台を挟む変則的な形式になっていたけど、今回は一方向で目に付くのは映像用のスクリーンのみ。余計な飾りつけはない。内容勝負。・伊右衛門役が能登英輔くん。今まであまり感じたことのないタイプの貫禄を感じる。影のある渋さ。・岩→祝への役名の変換が好き。・ギャグでお客さんを映像に慣らしてから、本命のシーンをぶち込んでくる。細かいことだけど手際がいい。・敵役の与茂七役を演じた佐藤亮くんをはじめとして、新しく加わったメンバーはみんな好演だったと思う。・与茂七が死んでから次のシー...yhs『四谷美談』

  • 劇団・木製ボイジャー14号『ドララ・キュララ』

    2024/11/30・札幌から離れた小さな町で、吸血鬼による多数の失踪や殺人事件が起き、住人たちが混乱する話。・中心人物は大学で知り合って長く親友関係にある女性二人。演じるのは寺地ユイさんと山崎亜里沙さん。・以前、二人芝居を書いたことのある二人。久々にコンビで見られて懐かしい気持ちになる。・複数のカラフルなボックスが並ぶ舞台美術がきれいで、特に十字架型の装置はモチーフに密接に結びつくだけでなく、自動車やベッドにもなる。汎用性が高い。・ドラキュラという、たぶん世の中で最も有名な架空の存在が題材。・本作のドラキュラ観は、どちらかというと悲劇的な存在として描かれているようにも見えるけど、そうでもない者、全然そうでもない者もいて、どう受け止めていいのか迷う。・少なくとも三人の吸血鬼が出てくるけど、それぞれ全然ジャ...劇団・木製ボイジャー14号『ドララ・キュララ』

  • ゲイリー・マーシャル監督『プリティ・ウーマン』(1990年)

    2024/11/27・実業家の仕事人間エドワードが、娼婦のヴィヴィアンと一緒にいるうちに人間らしさを取り戻していく話。・今まで見てきたどのリチャードギアよりも若い。・ヴィヴィアン役はジュリア・ロバーツ。もともと娼婦にはあんまり見えないんだけど、素っ頓狂な衣装や動物みたいな行動で育ちの悪さを表現していた。・たしかにあの衣裳はどんな人でも娼婦っぽくしてしまう。かっちりしたホテルの人々とのギャップが激しい。・格差そのものという序盤の絵面が痛々しい。・シンデレラのハリウッド版と言われがちな作品だし、実際、底辺女が資産家男に見出されて幸せになる。・価値観の違う二人が交流してお互いに影響を受け合う話という言い方はできる。・彼女は服装や仕草のような表面的な変化で、彼のほうは精神面の変化。・とは言え、エドワードの財力が前...ゲイリー・マーシャル監督『プリティ・ウーマン』(1990年)

  • ロジャー・ミッシェル監督『恋とニュースのつくり方』(2010年)

    2024/11/19・人気低迷中のモーニングショーのプロデューサーになったベッキーが、偏屈な老ジャーナリストをメインキャスターに据えて、立て直しを図る話。・脚本家が「プラダ~」と同じというのは知っていたので、ちょっと身構えながら見始める。・どちらもホーカーホリックな若い女性がクセの強い年寄りに振り回されながら自らの地位を確立していく話なんだけど、プラダの時のような嫌な感じがしない。・たぶんファッションと報道の違い。同じ生き馬の目を抜くような業界でも、ニュースと言うくらいだし、報道は事件を追うリアルタイム性が本質にある。・半面、ファッションの多忙さは業界内部の自家中毒感がある。・もう荒み切った番組制作現場の雰囲気。・「次は歌うのか」というセリフ好き。・『王様のレストラン』と似た雰囲気を感じる。・ヒロインが有...ロジャー・ミッシェル監督『恋とニュースのつくり方』(2010年)

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