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2014/10/06

  • 阪元裕吾監督『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

    2023/3/27・殺し屋協会に所属する若手の女子殺し屋コンビ、ちさととまひろが、その立場を狙う殺し屋兄弟に襲われる話。・前作ですっかりキャラ立ちしている女子二人に対して、新顔のむさくるしい殺し屋兄弟。・話はこの殺し屋底辺兄弟にずいぶん寄り添って作られている。・のちのち殺される敵役だろうに、こんなにひたむきな連中でいいんだろうかと心配になってくる。・オープニングの乱闘。アパート内の狭すぎる空間で殺陣とも言えないような泥臭い乱闘が展開する。・そのあと、銀行強盗と戦う、ちさととまひろも楽しい。・今どき銀行強盗もないだろうとも思うけど、殺し屋にボッコボコにされる役割としてはちょうどいい。・変に人間性を出されると生々しくて見てられない。・なぜか「花束みたいな恋をした」の話題が出てくる。・実在作品を作中に出すのは、...阪元裕吾監督『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』

  • 阪元裕吾監督『ある用務員』(2021年)

    2023/3/20用務員として働いている男が、ヤクザの娘を守るために学校で殺し屋たちと戦う話。彼はカタギではなく、そのヤクザから色々な戦闘技術を仕込まれている。用務員要素はあんまりない。あのモップで何を拭いていたんだろう。高校生組があんまり高校生に見えない。序盤の人間関係にそこまで興味が持てず、実際よくわからなかったものの、学校での殺し合いになってからが面白かった。特に『ベイビーわるきゅーれ』組が存在感で頭ひとつ抜けていた。明らかにアクションの強い髙石あかりさん、伊澤彩織さんのヤカラ演技。類型的と言えば類型的だし、初期の構想段階ではここまで魅力的な存在になることは想定してなかったんじゃないかと予想。同じ世界の中の話なのかパラレル的な感じなのか気になったけど、役名が違った。『ベイビーわるきゅーれ』の続編を早...阪元裕吾監督『ある用務員』(2021年)

  • ロドリゴ・グランデ監督『エンド・オブ・トンネル』(2016年)

    2023/3/11車椅子の男が、銀行強盗の狙う金をかすめ取ろうとする話。銀行強盗はできないが、銀行強盗を狙うことならできるという発想がおもしろい。敵のアジトと彼の家、それらと銀行をつなぐトンネル、ものすごく狭い空間で行われるサスペンス。小道具の使い方も、窮地の切り抜け方もうまい。伏線がしっかり機能している。ビスケットのところだけ、伏線というより、前フリ感があった。あれはどうして出てきたんだっけ。登場人物それぞれにもきちんと見せ場が与えられている。あれだけゴチャゴチャしてても、きれいにあるべきラストにたどり着く。脚本としての機能美が楽しめる。たぶん、こういう話で逆バコを試みるといいんだと思う。ちょこっと見るつもりが気になって最後まで見てしまった。最低限で無駄のないサスペンスだった。(U-NEXT)ロドリゴ・グランデ監督『エンド・オブ・トンネル』(2016年)

  • 立川譲監督『BLUE GIANT』

    2023/3/6・世界一のジャズプレイヤーになるために上京してきた青年が、凄腕ピアニストと即席ドラマーと組んで、日本最高のクラブ「SOBLUE」でのライブを目指す話。・原作は未読だけど、前評判がとてもよかった。音楽、上原ひとみも後押し。・最初のうちは何の話をしてても語尾にだべだべ付いてて、ここまで露骨な話し方するもんかと心配になる。・仲間集めから始まって、トラブルとステップアップ、最後に感動的なライブと、エンタメとして強い構成。・原作マンガの再現ではなく、原作マンガが表現しようとしていたジャズなるものを、アニメ表現で目指す感じ。・このへんは『THEFIRSTSLAMDUNK』のアプローチと似ている。・「抜群にうまいわけではないが、大きな可能性を感じさせる演奏」を再現するのは大変そう。・実際できているのかど...立川譲監督『BLUEGIANT』

  • 鈴木大介『ネット右翼になった父』

    ネット右翼になった父(講談社現代新書)鈴木大介講談社2023/2/16自身の亡くなった父親が、本当に「ネット右翼」になっていたのか、家族への聞き込みなどを通して検証した本。たとえ誤っていたとしても、仮説を信じて疎遠のままでいた方がラクだろうに、見たくないものに向き合い、わずかな違和感を放置せず、検証を重ねていく。取材対象が家族であることが、かえって悩ましい。家族だからこそできることではあるが、他人ならここまで律儀に検証する必要はない。家族であってもなくても、ある人にとっては大切な人、ある人にとってはただのネット右翼ということは普通にある話。なので、自分が読んだ印象と作者の結論はちょっとズレていたりする。実際、誰から見ても「典型的なネット右翼」の人ってほとんど実在しないんじゃないだろうか。行動と発言がズレて...鈴木大介『ネット右翼になった父』

  • S.S.ラージャマウリ監督『RRR』(無発声応援上映)

    2023/1/28衝動的にチケットを購入して上演直前に到着。本編には間に合ったものの、とても凝っていたらしい会場ディスプレイを見ることができず。あとでSNSを見ると、うちわを作ったり、ナートゥのあのポーズ決めたり、みんな楽しそうだった。うらやましい。応援上映は、いい掛け声が入ると盛り上がるものなんだけど、今回は無発声応援上映。熱いシーンで思い思いに、ペンライトを点灯させたり、タンバリンや鈴を鳴らす。鳴り物もいいけど、釘をばらまくシーンで、鈴を持っている人が「しゃらららーん」と優しい音を出していた。自転車に乗る人間としては、あのシーンがRRRのなかで一番嫌いだけど、この応援の寄り添い方は見事だった。ナートゥは一緒に踊りたくなるし、実際に踊ってる人を見たくもなる。発声はダメでも、踊るのはアリなのではないかと客...S.S.ラージャマウリ監督『RRR』(無発声応援上映)

  • ピアース・ベロルツハイマー監督『キラーカブトガニ』

    2023/1/21・放射能で狂暴化したカブトガニが田舎町を襲う話。・生きた化石、二億年目の超進化。・こういうタイプの映画、放射能の扱いが雑。・原発を爆破処理するな。・最初のふんわりしたCGで、この映画をどういう心づもりで見ればいいかわかる。・これはいいかなと思って、はじめてクラフトビール買って飲みながら見た。・カブトガニの動きがほぼルンバ。・主人公は車椅子の青年。演者はディラン・ライリー・スナイダーさん。・表情や足の感じから実際に車椅子が必要な人なのかなと思ったけど、検索してもそういう情報が出てこない。・最初のゲームから、日本文化へのリスペクト強め。思い返してみれば、ポケモン感もある。・登場人物の関係性がしっかりしている。みんないいやつなので安易に死んでほしくない。・ラドゥも結構ひどいこと言っているんだけ...ピアース・ベロルツハイマー監督『キラーカブトガニ』

  • 新海誠監督『すずめの戸締まり』

    2023/1/20・高校生の鈴芽が、閉じ師を名乗る男との出会いと、彼の呪いをとく旅を通じて、自身の失われた過去を取り戻そうとする話。・新海誠監督作品はだいぶ見ているけど、前の『天気の子』がなんか暗かったので出遅れてしまう。・今回は鈴芽がよく動く。義務感に使命感、恋愛感情、動機はいろいろだけど、危険を顧みず、とにかく動く。・現代日本が舞台、普通の身体能力の女子高生を中心に据えて、ここまでアクションができるものなのか。・鈴芽は、いかにも主人公という行動をとるけど、恐怖の感情がマヒしているような危うさもある。・多くの死者が出た大災害を経験しているのに、何度か死ぬのが怖くないと言い切っている。最後のほうの選択もそんな彼女でなきゃ無理だったはず。・序盤はロードムービー調。戸締り活動をしながら、ベタな出会いと別れ。善...新海誠監督『すずめの戸締まり』

  • TAJIRI『プロレス深夜特急: プロレスラーは世界をめぐる旅芸人』

    2023/1/14プロレスラーTAJIRIが、アジア諸国やアメリカでプロレスの指導や試合、滞在時の様子を記録した本。元WWEのスーパースターという経験を活かして、各国でプロレスの指導や試合を行う。実際に深夜特急には乗らないけど、試合よりも移動、宿泊、飲食、練習、プロレスの華やかではない部分に光をあてて、おもしろおかしく書かれている。現地のプロレスラーやスタッフたちの話が、TAJIRI風に翻訳されているところが、ほんとにふざけていて楽しい。意味だけでなく、ノリも伝わってくる。プロレスを指導するときに、さりげなく出てくる目線の話や、リングに上がったら素の自分を見せないという話は、もしかしたら演劇にも通じるところあるかもしれない。彼が周囲から求められるのは、単に「元WWEだから」というわけではないとよくわかる本...TAJIRI『プロレス深夜特急:プロレスラーは世界をめぐる旅芸人』

  • 札幌北斗高校演劇部『イチゴスプーン』

    2023/1/11超能力を持つ茶道部の部員たちが、学校の裏サイトの管理人を追い詰める話…なのかな。茶道部は男子三人。のちに女子が加わる。茶道はしない。各々の地味な超能力を見せ合いながら、下ネタを交えつつ、くだらない会話をする。彼ら3人の掛け合いと舞台美術の良さで、冒頭5分のインパクトが強い。透視能力のある男子のヌルヌルとした動き。話している間、ずっと動いている。荒木飛呂彦作品に出てくるキャラクターっぽい。動きと姿勢だけで結構笑ってしまった。わりと強めの下ネタをねじ込んでいたり、組体操みたいなリアクションしたり、絶対に人を飽きさせまいという強い意志を感じた。舞台美術は、輪郭線が印象的なモノトーン。ちょっとチープさを残す書き割りも話の雰囲気にあっているのでちゃんと成立している。こういう工夫の仕方はおもしろい。...札幌北斗高校演劇部『イチゴスプーン』

  • 井上雄彦監督『THE FIRST SLAM DUNK』(3回目)

    2023/1/2IMAXでも見たくなって三回目。リョータ目線の河田兄がデカい。リョータ周りのサブストーリーが暗いとか、テンポが悪くなるとかネットの評判よくないので、そのへんも注意しながら見る。母はかなりひどいことも言うけど、小学生リョータが転んだときに反射的に体が動いているし、事故の時も裏で手を合わせている。深く傷ついているだけで、ちゃんとリョータにも愛がある。それは彼にも伝わっている。だからこそ、自己憐憫そのものの「謝罪」が書かれた手紙を捨てて、「感謝」の言葉を選べたんだと思う。湘北の切り込み隊長としての彼との役割と、母親のために一歩踏み出そうとするところがシンクロしている。最後の「背伸びた?」は、過去に囚われていた母の心の時間を動かすことに成功したセリフと解釈した。たしかに暗いし身内が事故死する話なん...井上雄彦監督『THEFIRSTSLAMDUNK』(3回目)

  • 玉田真也『そばかす』

    2023/1/3・他者に恋愛感情を持たない女性が、周囲の理解が得られないことに悩みながらも、少しずつ幸せになろうとする話。・世の中、恋愛が前提になっているイベントは多いけど、実際に生活の中で恋愛の優先順位が高い人はそこまで多くない。自分もわりとそんな感じ。・自分の場合は、ただの加齢と人間嫌いだけど、そもそも恋愛感情を抱かないというタイプの人もいる。・アセクシャルやアロマンティックのような言葉もあるそうだけど、作中でははっきりと明言されていない。・観客はそんな人の話だとわかった状態で見るけど、現実だと本人が自覚できるまでかなり時間がかかりそう。・本作は「(not)HIROINmovies」のシリーズの一環として作られていることから、どちらかというと、性的マイノリティが題材というより、恋愛ベースの社会システム...玉田真也『そばかす』

  • 川和⽥恵真監督『マイスモールランド』(2022年)

    2023/1/2・日本で暮らすクルド人家族が、在留資格を失って進退窮まる話。・中心人物はサーリャ。17歳。小学生から日本に滞在していて、日本の学校で学び、日本人の友達もいて、日本の大学に行くだけの学力もあるのに、在留資格を失ったため、進学することができない。・加えて働くと不法労働になってしまう。・家族四人生きていかなければならないが、働くことは許されない。保障もない。なんなんだ、この制度のバグ。・結果、家族を養わなければならない父親は、「不法労働」で、あの悪名高き入管に収容されてしまう。・こういう問題って、日本人の無関心さが招いているものなので、ほぼ全ての日本人に関係のある話。・例えば、誰でもいいけど、身近にいる普通の高校生やその家族が、何も悪いことをしていないのに突然拘束されてしまう状況を想像してみてほ...川和⽥恵真監督『マイスモールランド』(2022年)

  • 井上雄彦監督『THE FIRST SLAM DUNK』(2回目)

    2022/12/31冬休みが始まったからなのか、ほとんど客席が埋まっている。前方の上手端側の席で見る。今回は本来の主人公櫻木花道に注目して見る。脇役にまわってみると、素人なので一人だけ動きがおかしいし、実写映画の中にアニメのキャラが一人いるような異物感。実際、アニメなんだけど、周りがリアルに描けているだけに、不気味さが際立つ。相手チームの目線では怖いと思う。そして、切ない。原作を読んだときも、一回目を見たときも、今回もやっぱり櫻木がかわいそう。話を盛り上げる重要な要素ではあるんだけど、悪化リスクの高いケガを押し殺してプレイを続行させる、そして見ている側が感動してしまうのは、やっぱり悪趣味ではある。映画を終わったあと、若者男子四人組に写真を撮ってもらうように頼まれる。スラムダンク見るために全国の映画館を回っ...井上雄彦監督『THEFIRSTSLAMDUNK』(2回目)

  • 紅白劇合戦2022「年の瀬!即興大合戦」(2022年12月31日19時)

    2022/12/31名古屋を拠点に活動されている役者さん4人が、お題にあわせて45分間の即興演劇をつくる企画。大晦日のイベントにしては演者の負担が大きいし、そもそも即興で45分は長いと思ったけど、そこはさすがの手練れたち。お題は「トイレを我慢する4人」。トイレの順番争いのようなベタな展開になるのはイヤだなと思っていたら、ちゃんと全然違う方向に進んでいた。中内さんのレシーブ力を信じて強引めのパスを出す天野さん、いたたまれないおぐりさんの嘆きぶり。そして、ピラミッド内ピラミッドで着地する構成。ほとんど中だるみなく、きれいに決めてみせた。お見事。せっかくなので、年越しイベントも引き続き視聴。新型コロナに罹患したりしてなかなか残念な年末ではあったけど、こういうイレギュラーな年越しは楽しく、だいぶん中和することがで...紅白劇合戦2022「年の瀬!即興大合戦」(2022年12月31日19時)

  • 松居⼤悟監督『ちょっと思い出しただけ』(2022年)

    2022/12/31タクシー運転手の女性とダンサーの男性が、それぞれの人生を歩み始めてから付き合い始めの頃までを振り返っていく話。タクシー運転手を演じた伊藤紗莉さんが魅力的。最初のマスク込みの制服姿から淡々とした仕事ぶり、ハスキーな声質。そんな彼女も年をさかのぼっていくにつれて、どんどんお茶目な側面が見えてくる。ダンサーのほうは、池松壮亮さん。足の負傷を機に照明スタッフへ転身する。映画の主要登場人物で、舞台の照明スタッフを生業とする人は、かなり珍しいのではないか。結果、仕事の幅や広がったり規模も大きくなっていくところはわりと生々しい話だと思う。過去をさかのぼっていくにつれて、舞台表現が少しずつチープになっていくのも細かい。誕生日表現や「どこかで会った人」など、繰り返し表現が大小何重にも組み込まれていて、単...松居⼤悟監督『ちょっと思い出しただけ』(2022年)

  • シス・カンパニー『ショウ・マスト・ゴー・オン』

    2022/12/28マクベス上演中の舞台袖、様々なトラブルに見舞われながらも舞台監督を中心にスタッフたちが最後までしのぎ切ろうとする話。配信で視聴。初演が30年前。個人的にも生涯ベストの演劇作品(テレビの舞台映像だけど)のひとつなので、思い入れは強い。同じような人は多かったと思う。最初に初演にはいなかった警備員が三人も出てくる。色んな意味があると思うけど、「初演とは違うもの」というところ強調する部分もあるのかな。初演ファンの期待に応えつつも、初演時の印象に引きずられないよう、注意深く作られていたと思う。ただ、登場人物の行動理由がよくわからないところも結構あって、良かれと思って結果的に裏目に出るのではなく、積極的に上演を妨害しようとしている人もいたのがよくわからなかった。主演の鈴木京香さんの代役で三谷幸喜さ...シス・カンパニー『ショウ・マスト・ゴー・オン』

  • 仲倉重郎監督『マンゴーと赤い車椅子』(2015年)

    秋元才加が半身不随の女性を熱演!映画『マンゴーと赤い車椅子』予告編2022/12/25事故で障碍者となった彩夏が、リハビリを通して様々な困難を乗り越えていく話。彩加役は秋元才加さん。アイドルのなかでも美形と言っていいと思うけど、それよりも目力顔力の強さのほうが目立つ。いかにも「困難に立ち向かう人」然としている。話の中心にいるべくしている感じ。アクションやSFのほうが馴染みそう。それでも、個性的な車椅子仲間たちとの日常描写は楽しく、あわせて自分の知らないリハビリと車椅子生活の世界を垣間見ることができる。特にかなり中二病の入っている(しかしそれなりの窮地で戦っている)ショウくんとの掛け合いが微笑ましい。そう思いながら見守っていたら、唐突なクライマックスシーンでびっくりしてしまう。子供の前フリはあったものの、色...仲倉重郎監督『マンゴーと赤い車椅子』(2015年)

  • 三島有紀子監督『ぶどうのなみだ』(2014年)

    2022/12/22理想のワイン作りのためにブドウを育てる男アオのところに、謎の女エリカがやってきて農園のそばで穴を掘り始める話。空知の話というより、道外の人が考える空知風の世界という感じ。唐突に現れる謎の女がホントに謎。マナーとして大穴を掘るなら近隣への挨拶は必要だし、トラブルに遭った人を見て笑っているし、全体的に失礼。それでも、なぜか警察や近所の人は全員彼女の味方になる。アオの弟まで彼女と仲良くなる。警官は仕事中&自動車なのに酒まで飲まされている。自分の身の回りの人が突然見ず知らぬ人に篭絡されている様は、どちらかというと怖い。ファンシーな楽隊もアオを煽っているようにしか見えない。そりゃ怒鳴りたくもなるわ。映像はきれいだし、中盤から終盤にかけて「実は~」みたいな感じにはなるものの、巻き返すには至らなかっ...三島有紀子監督『ぶどうのなみだ』(2014年)

  • 阪元裕吾監督『最強殺し屋伝説国岡』(2021年)

    2022/12/21映画監督サカモトが若手の殺し屋国岡に密着し、彼の仕事ぶりをドキュメンタリー風に追う話。あくまでドキュメンタリー風であって、ドキュメンタリーではない。一般人でもそんなに銃声を気にしないし、現実の日本に比べてだいぶん殺し屋という仕事が認知されている日本の話なのかなと思う。マンガ「SAKAMOTODAYS」の設定にも通じる。なにかしらの影響関係があるのかも。名前も同じだし。殺し屋の分類や出張の武器屋、業者による後片付けと、そういう世界ならそういう役割の人がいるんだろうなと思える。設定がしっかりしている。応用も効きそう。非現実なりの実在感がある。後半からケレン味が強くなっていくけど、基本的にはドキュメンタリー調の静かで落ち着いた見せ方をすることで、おかしみはあるけど、ふざけてはいないという温度...阪元裕吾監督『最強殺し屋伝説国岡』(2021年)

  • RED KING CRAB『遭難』

    2022/12/16芸人の男が雪山で遭難し山小屋にこもってから死ぬまでの話。最後に死ぬことは冒頭で明示されている。実際、素人、軽装、雪山、単独、登山届けなしと、何重にも問題があって登山としては見てられない。山を登るときには自暴自棄になっていたとしても、今際の際になると見苦しく生にしがみつこうとする様子は生々しくて好き。それもまた人間。一方で、動ける人に地図を渡して救助を呼んでもらうくらいしかない状況でも話がなかなか進まないので、長時間クレーマーの聞き役をしているような気持ちにもなる。RKCはいつも舞台美術が楽しい。床の散らかり方ひとつ見ても完成度が高い。ダイナミックな布遣いはもちろん、窓枠内のところだけ雪が降っている見せ方も細かい。こまごまとした駆け引きや小さな和解など、人間らしい諸々を帳消しにする自然の...REDKINGCRAB『遭難』

  • 劇団words of hearts『博士と過ごした無駄な毎日』

    2022/12/16国策の名のもと、江別の工員たちが木製戦闘機の開発・製造に従事する話。かつて江別で木製戦闘機を作っていた話は気になっていたので、興味深く見ることができた。ただ飛ぶだけならともかく、木材で金属製の戦闘機とやり合うほどの飛行機が作れるわけがない。タイトル通りの無駄な時間。登場人物が生き生きと作業をすればするほど、切ない気持ちになる。戦争である以上、そう簡単には「有意義な時間だった」では済まない。それでも、その場その時に存在していた証をほしがるのが人間らしさではある。あと、登場人物五人の関係性が最初から最後まで変わらなかったところが好き。一時的に距離感が変わったりすることはあっても、時間経過やトラブルの有耶無耶でもとに戻っている。恋愛も発生しそうでしない。実際、現実で劇的なことはそうそう起こら...劇団wordsofhearts『博士と過ごした無駄な毎日』

  • S・S・ラージャマウリ監督『RRR』

    2022/12/16イギリス植民地下、インド人でありながらイギリス軍に順応していくラーマと、さらわれた子供を救い出すために村から出てきたアクタルが、友情と勝利を成就させる話。3時間を超える長尺でもバーフバリの監督なので信頼感がある。実際、あっという間。全く面識のない超人二人が子供を救うシーン。さすがにアイコンタクトだけでは無理があるし、もっと確実な地味なやり方もあっただろうに、豪快な絵面で、他人から親友に変わる瞬間を見事に成立させていた。サンドバックを叩いて肉体回復していること、毒が裏返っていること、鞭打、ついでにニューマシンガンズの竜巻地獄返しもあるので、少年マンガ感が異常に強い。戦闘シーンの印象が強いけど、白眉はダンスシーンだった。ウェストサイドストーリーを思い出した。重要な役割を担っているジェニーの...S・S・ラージャマウリ監督『RRR』

  • 「連載30周年記念 地上最強刃牙展ッ!inサッポロファクトリー」

    2022/12/14格闘マンガ「刃牙」シリーズ30周年記念の展覧会。所要時間は1時間弱。原画を丁寧に見る人だともっとかかるのかも。原画の他にも色々仕掛けがあって楽しい。刃牙ハウスのジオラマの近くに、刃牙への悪口が書くための壁も一緒に設置されている。とりあえず、シコルスキーになったつもりで「Давай」と書いてきた。彼もこれで少しは気が晴れるのではないか。等身大フィギュアは、マンガよりもデフォルメが強め。ジャック・ハンマーは2m43㎝以上ありそうだし、徳川光成ですら人間離れしている見た目。30年やっているだけあってコアなファンも多いし、ファンアートの目の付け所が細かい。パックマンも笑ったけど、目の付け所という点では「下水溝のワニ」がかなり好き。物販での「SAGA」推しも他人事ながら心配になる。それでも、透視...「連載30周年記念地上最強刃牙展ッ!inサッポロファクトリー」

  • Stokes/Park『フゴッペ洞窟の翼をもつ人』

    2022/12/10北海道余市町に暮らす若者が、認知症の母親や、家を出て行ったきり帰ってこない姉との関係に悩みながら、続縄文時代に刻画を描いた男の幽霊と交流する話。配信期限間際にあわてて視聴。実際には言葉や概念が全然違うであろう何千年前の人と会話するのは、どうやったって不自然さは残るので、どこまでをOKとするかの調整が大変そう。母親のことを、お母さんでも母上でもなくママでもなく「かかさま」と呼ぶような選択を全局面で考えなければいけない。特に続縄文人どうしの回想シーンでは難易度がハネ上がる。自分だったらどうするのかなと考えながら見た。多少の強引さも含めて、ひるまずに本作を書き切ったのはすごい。15年音沙汰のなかった姉が実家に顔を出すところ。姉を演じている飛世紗耶香さんは、聞かせる力が強い。さすがの存在感。か...Stokes/Park『フゴッペ洞窟の翼をもつ人』

  • 井上雄彦監督『THE FIRST SLAM DUNK』

    映画『THEFIRSTSLAMDUNK』予告【2022.12.3公開】2022/12/6・全国大会に進出した湘北高校バスケ部が高校バスケ界最強の山王工業高校と戦う話。・ジャンプ本誌連載時、自分は中学~高校生あたり。ほぼ直撃世代だし、部活でもバスケやってた。・多分に漏れず思い入れの強い作品なので、今さら何をやるんだろうと、期待値を上げないようにして臨む。・当時のアニメへの思い入れは無し。・山王戦が始まって終わるまで。途中で回想を挟む。これ以上ないシンプルな構成。・出し惜しみなく、本作で一番面白い試合を軸にしている。スポーツマンガ全体で見ても一番かもしれない。・スラムダンクの強みは絵の躍動感。下手なアニメよりも動いているように見える。・実際の観客席やテレビ中継では見られないコート上からの視点で、現実にかなり近...井上雄彦監督『THEFIRSTSLAMDUNK』

  • 金子修介監督『百合の雨音』

    ロマンポルノ・ナウ共通予告30秒2022/12/3・分不相応な役職と夫との関係に悩むシオリと、彼女の部下で同性間の辛い恋愛経験を持つハヅキが、お互いを性的に慰め合う話。・日活ロマンポルノはまともに見たことがなかった。・本作も「ロマンポルノ50周年記念プロジェクト」の一環で作られた作品なので、一般的な同レーベルの作品とは言えなかったりはする。・本来はエロ要素を求めるお客さん向けの作品なんだけど、その機能さえ含めば自由に作品を作っていいらしい。→ROMANPORNONOW・エロ要素はわかりやすいけど、「泣ける」「笑える」も機能を売りにしているという点では同類になる。・本作も当然エロ要素は頻繁にあるんだけど、現代劇である以上、現代の価値観とは無縁ではいられない。・R18作品。ゾーニングはできているので、多少不道...金子修介監督『百合の雨音』

  • ペドロ・アルモドバル監督『ヒューマン・ボイス』

    11/3公開『ヒューマン・ボイス』予告編2022/12/2・恋人の帰りを続けた女が、ついにかかってきた彼からの電話に、思いのたけをぶつける話。・ほぼ、人間一人と犬一匹。30分の短編。・ジャン・コクトーの「人間の声」を翻案。・最初にただの翻案ではなく「自由に翻案」とわざわざテロップが出てくる。・「人間の声」は電話の受話器で会話するところ、ハンズフリーのイヤホンを使っている。・一人芝居の小道具として電話は定番中の定番だけど、受話器を使わないパターンは見たことなかった。たまたまなんだろうけど、新鮮。・舞台作品の一人芝居でも、端末を耳に当てて通話する演技は古くなっていくのかも。・彼女の部屋と撮影所のような場所が大した説明もなく何度も切り替わるなか、彼女は一定のリズムで語り続ける。・ハンズフリーで話し続ける人と演劇...ペドロ・アルモドバル監督『ヒューマン・ボイス』

  • 深川栄洋監督『深川栄洋』(2019年)

    2022/12/1海の見える牧場を営む設楽が、野菜農家や漁師などの仲間たちと共に野外レストランをオープンする話。設楽は酪農業の傍ら、チーズ作りの修行をしている。序盤は仕事や人間関係の説明、後半は設楽が師匠を失ったショックから立ち直ろうとする展開が軸になっている。話の意外性はそんなにないものの、濃いめにキャラ付けされたおじさんたちの仲良しぶりを好ましく見守る。あわせて自然と食べ物、おそらく道外の人のイメージ通りであろう北海道の良さを惜しげなく見せている。だだっぴろい草原で、主演の大泉洋さんとマキタスポーツさんが一対一で会話しているシーンは、ほんとに素材で勝負している感じ。大泉さんは、他に似たタイプの役者さんがいないくらい個性的なのに、どんなシチュエーションにも馴染んでしまう稀有な存在だということを再認識した...深川栄洋監督『深川栄洋』(2019年)

  • THE36号線『大きな子どもと小さな大人』

    2022/11/22・新型コロナウイルスで発熱している父親が、障害を持った息子と一緒に隔離生活を過ごしながら、過去を振り返る話。・子供は物理的に大きい。人形で表している。主に二人で操作している。・一般的に子供が幼いうちは、大人である親の体のほうが大きい。・本作では視覚的にも逆転しているけど、親子の関係性に置き換えると、全然特殊とは言えなかったりする。・良い方向にも悪い方向にも自由すぎる子供と、調整役にならざるを得ない親。程度の差こそあれ、子供のいる人なら共感できる関係性だと思う。・父親の様子を一言で言うなら健気。つとめて笑顔。笑顔でいようと決めた人の笑顔。・本作では、総じてくだびれた様子だったけど、後半わずかに、父親が生き生きと語りだすシーンがあって、演者である柴田智之さんのとても強いエネルギーを感じた。...THE36号線『大きな子どもと小さな大人』

  • 演劇家族スイートホーム『はんめんせんせい!』

    2022/10/11・残念な大人になってしまった一人の教師が、過去の自分の幻影に付きまとわれる話。気の毒。・両サイドの席に制限はあったものの、結構埋まっている。膝送りを久しぶりに体験した。・最初は横領的な不正を面白おかしくゴマかしていく話なのかなと見ていたら、だんだん喜劇要素が減っていって、シンプルに個人の成長を描いた話に収束している。・本人はあんまり状況理解してなくて罪悪感なさそうだったけど、あれもダメな大人描写だったのかな。・結局、どうやってあの金額を自然に埋めたんだろう。内訳が知りたい。・たぶんコメディリリーフ的な立ち位置なんだけど、脅迫しながら告白してくる事務員がこわい。・木山正大くんの演じる、ぎりぎり実在しそうな範囲でクセの強い教師。間が最悪な持ちネタ、ぎこちない話題転換、絶望的に世間話が下手な...演劇家族スイートホーム『はんめんせんせい!』

  • 久留米大学附設高等学校 『豆球~マメキュー!!~』(全国高等学校演劇協議会)

    2022/8/28豆球部に入部した新入生が、他校との試合や他の部員たちとの関係を通して自分自身と向き合い、成長する話。そもそも豆球とはなんだという誰もが思うことは、部分的に説明して、あとは見ている人の想像に任せる方針。ふざけているようで、豆球部の話は既存の大体の運動部の比喩として置き換えができるし、下手に既存の競技に決めないほうが観客間の知識の格差を気にしないで済む。万人が盛り上がりやすい青春スポコン(死語かも)の構造のみ取り出してうまく活用している。ちょっとマッチポンプ的だけど、豆を使った伏線とその回収も賢い。豆をボーリングの玉を一回り小さくしたような豆っぽくない造形にしたのも絶妙。ワンクールのドラマまたはアニメのフォーマットを使って、テンポの良さを出したり、伏線の回収をコンパクトにできる。この方法なら...久留米大学附設高等学校『豆球~マメキュー!!~』(全国高等学校演劇協議会)

  • 山口県立光丘・光高等学校 『陰影』(全国高等学校演劇協議会)

    2022/8/28高校生ヒグチが憧れの同級生との思い出を深い後悔とともに回想する話。ヒグチは、クラスのまとめ役として、面倒臭い他の同級生たちに振り回される。特に溜息が個性的な女子がイラ楽しい。ハットリ(ハッタリ?)は、そんな面倒なクラスメイトたちをうまくコントロールしながら彼女を助ける。こういう優秀な参謀役はスマートだけど、文句言われながらなんだかんだで泥臭く先頭に立ち続けるのも別の才能。ヒグチはそんな自分の優秀さには気づかず、自分のことで精いっぱいになっている。最初から何か悪いことが起きる匂わせが強いので、ロクな最後にならないことは見ている人みんなが分かっていたと思うけど、それでも実際に顛末を見るといたたまれない。あんまり見たことないタイプの作品だったけど、強い後悔は間違いなく青春の一面だし、たしかに高...山口県立光丘・光高等学校『陰影』(全国高等学校演劇協議会)

  • 札幌啓北商業高校 『七夕』(全国高等学校演劇協議会)

    2022/8/21一人暮らしをする祖母に久しぶりに会いに来た孫たちが、ことあるごとに高額商品を売りつける怪しい男を追い払う話。善意の人をとことん利用する人たちを見て、結構イヤな気持ちになる。こういう切り口もあるのか。一歩間違えると、犯罪防止をPRする作品みたいになりそうなところ、最終的には孫と祖母の絆のようなものに落とし込んでいる。それだけだと、だいぶん教訓的な話になってしまうので、祖母の「孤独」がどこまで表現できていたかがキモになる作品だと思う。装置がものすごい。お金とモノだけはたくさんあるという、高齢者独特の内装。家庭用大型冷蔵庫まで持ち込むこだわりぶり。今後は本作に出ているような祖母すら減って、孤独でお金もない老人が増えていくんだろうなと思うと、いたたまれなくなる。あと、SNSで知り合った人には、ホ...札幌啓北商業高校『七夕』(全国高等学校演劇協議会)

  • 座・れら『アンネの日記』

    2022/8/6・第二次世界大戦中、ユダヤ人の少女アンネが、他のユダヤ人とともに、屋根裏に隠れ住み始めてから、ナチスに連行されるまでを綴った日記。・最終的にどうなったのかを知ってぶん、見る前からなかなか気が重い。・それでも、定期的に見ておいたほうがいいタイプの作品はある。・そういう制度があったのはわかっていても、実際に人間の胸に大きな星のマークを付けているのを目の当たりにすると、とても嫌な気持ちになる。・四六時中あんなもの付けて生活しなきゃいけないのは辛すぎる。・わかりやすく誇張されている部分もあるんだろうけど、作中人物が全員個性的で見やすい。・特に最初のほうのアンネ。状況にあっていない明るさというか、異物感というか、誰彼かまわず距離を詰めていく感じがハラハラする。・ハヌカでのふるまいを見ていると、自らム...座・れら『アンネの日記』

  • ジョン・バダム監督『ブルー・サンダー』(1983年)

    2022/7/22航空課に所属する警察官が、新型の軍用ヘリに乗って、軍隊時代からの宿敵と対決する話。案外人間関係がわかりにくく、各登場人物の行動原理がよくわからなかった。あとで三宅隆太さんの解説を読みながら、そういう話だったのかと補完する。元カノ(奥さんだと思っていた)が普通に困った人なのかなと思ったら、そうでもなかった。と思ったら、やっぱりおかしい人だった。当たり前のように道路を逆走するのこわい。結果、不正の証拠をつかむことをができたものの、ヘリを使った覗きはおおらかな時代すぎる。基本的にはヘリを使ったアクション映画というのが売りではあるものの、こういうエンタメに振った作品ですら、ベトナム戦争とPTSDに苦しむ兵士たちという政治的な問題を下敷きにしている。こういう社会問題を当たり前のように取り入れてエン...ジョン・バダム監督『ブルー・サンダー』(1983年)

  • 「北海道短編エンゲキ祭’22 ~明日、あの子が会いに来る~」

    2022/7/9・劇団fireworks主催の短編演劇フェス。・なんだかんだで全然スケジュールが合わず、1ブロックのみ観劇。・蘭越演劇実験室『note』は、ある女性を看取った日誌をもとに、現実と創作の関係性を考察する話…でいいのかな。・最後のほうに作・演出の渡辺たけしさんが本人役で出るくるなど、団体名どおり実験的だった。・カーテンのなびく様が作品の空気とシンクロしていた。・メタ的な表現を取り入れているぶん、本人に聞いてみようのくだりが、やや無理筋な感じはする。・劇団fireworks『風が強く吹いている』は、男の子が「家」に帰るため、彼とその友達ふたりが必要なものを揃えようとする話。駅伝は関係ない。・どちらかというと児童劇の世界観なんだけど、小劇場っぽい勢いと不条理さで演じきっている。・ちょっと「柿喰う客...「北海道短編エンゲキ祭’22~明日、あの子が会いに来る~」

  • ラボチプロデュース のと☆えれき『葉桜とセレナーデ』

    2022/7/19・これまでの御縁もあってご招待いただく。・実の父と育ての父が、娘の出産にあたって、病院の前でひたすらやきもきする話。・放蕩してきた父親が「これから怒られるぞ」という覚悟を決める話でもある。・実の父。勝手なのは間違いないけど、それでも戻ってきたのはえらい。きちんと怒られてほしい。・『父帰る』ように落ちぶれて帰ってきているわけではないようだから、まだまだチャンスはある。はず。・都会で苦労したと言いつつ、結局都会暮らしが楽しかっただけだろとツッコまれるの、個人的に心が痛む。・この父に共感できない真っ当に生きてるタイプの人は、遅刻しちゃいけない仕事で遅刻したとき、それでも職場に行かなきゃいけない時の気持ちを想像するといいと思う。・二人の掛け合いは相変わらずの心地よさで、特に大きな事件は起きてなく...ラボチプロデュースのと☆えれき『葉桜とセレナーデ』

  • 京極義昭監督『映画 ゆるキャン△』

    2022/7/10・社会人になった元野外活動サークルの面々が協力しながらキャンプ場を作ろうとする話。・何気に『ゆるキャン△』は、アニメとマンガ、実写ドラマまで見ている。気が付いたら全部見てた。・とはいえ、映画に関する前情報は一切入れてなかったので「この妄想シーンはいつ終わるんだろう」とエンドロールが終わるまで疑っていた。・「なでしこが重機を使い始めたあたりが怪しい」とか。・本シリーズは、タイトルどおり、高校生女子たちがゆるふわキャンプをしている様子を楽しむ作品。・なのに、今回の映画版では、原作にはない社会人になった彼女たちを描いている。・もともと、本シリーズは犯罪もセクハラも存在しないある種の理想郷での話。・永遠に続くぬるま湯を楽しむ作品があってもいいんだけど、映画版はそういう方針で作られていない。・厳し...京極義昭監督『映画ゆるキャン△』

  • PROJECT Fe『群読 あめ』

    観劇三昧:群読あめ大樹のもとに集まり、祈りを捧げる人々。やがて雨が降り始める。演劇動画配信サービス「観劇三昧」2022/6/18詩の群読。5分位なのですぐ見終わる。ロケーションがいい。場所はハノーバー庭園というところ。パッと見は普通の公園で、遠くに一般の人と思われる通行人も映っている。真ん中に立派な樹があって、出演者が祈りを捧げるように幹に触れ、群読が始まる。パフォーマンスによって、普通の風景が普通ではなくなっていく感じが楽しい。ちょっと『ドライブ・マイ・カー』のワンシーンを思い出す。出演者は九人。それぞれに個性があるんだけど、リズミカルなぶん、変に感情を乗せるより、あまり感情を出さずにフラットに語ってい人のほうが見やすかったような。演者の配置や動き、ちょっとした仕草の調整がたくさん必要になるので、こうい...PROJECTFe『群読あめ』

  • アントニオ・トゥーブレン監督『ゾンビの中心で、愛をさけぶ』(2018年)

    2022/6/22ゾンビが大量発生した街のマンションの一室に離婚寸前の夫婦が立てこもる話。邦題がひどい。もっと何とかならなかったのかと思う一方、変に意識の高いタイトルだったら、そもそも見ようとしなかったかも。緊急事態に際して二人の本性みたいなものが表出する。二人にとっていい方向にも悪い方向にも作用する。そのズレが楽しい。夫婦が徐々に絆を取り戻していくのは予想通りだけど、その過程が丁寧。ゾンビ相手に何やってるんだと思うけど、ちゃんと後々の展開に生きてくる訓練、準備、そしてトラブル。ウィンドウズとマックの話で嫌がらせするのくだらなくて好き。話の大部分がマンションの一室なので、びっくりするくらいゾンビが出てこない。予算無かったんだろうなとは思うけど、倦怠夫婦モノとゾンビの掛け合わせ方が巧みで、正直、いい温度感で...アントニオ・トゥーブレン監督『ゾンビの中心で、愛をさけぶ』(2018年)

  • アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

    プロジェクト・ヘイル・メアリー上アンディウィアー早川書房プロジェクト・ヘイル・メアリー下2アンディウィアー早川書房2022/6/18研究者くずれの学校の先生が、半ば強制的に地球の危機を救うプロジェクトに参加させられる話。愛聴するラジオ番組で、帯文含め、予備知識なしで読んだほうがいいと勧められる。読み終わってから帯文を確認。やっぱり知らずに読んでよかった。主人公がポジティブでユーモアを忘れない。読んでいて気持ちいい。自分は科学に詳しくないけど、主人公は人間の知恵を信じているからこそ、そんな姿勢を崩さないでいられるということは伝わってくる。同じ作家が原作小説を書いた映画『オデッセイ』もそんな感じ。たしかにアメフトのヘイルメアリーパスをSFにしたら、こんな感じの設定になりそう。敗者に残された蜘蛛の糸とも言えるど...アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

  • ジョセフ・コシンスキー監督『トップガン マーヴェリック』

    2022/6/14・IMAXで見る。平日昼間なのに席が埋まっていた。・優秀な戦闘機乗りであるマーヴェリックが、死んだ親友の息子らとともに困難な任務に赴く話。・前作は見ていない。それでも高揚するオープニングのテーマ曲。かっこいい。・とはいえ、評判がものすごくよいぶん、前半の部分でちょっと不安になる。(おそらく)前作からの因縁や人間関係がうまく整理できない。・とりあえず、マーヴェリックとルースターだけ見ていればいいとわかって、他にも目が行くようになった。・戦闘機に関する基礎知識がないので、どこまでがリアルでどこからが荒唐無稽なのかがよくわからないけど、とにかく迫力がものすごい。・自分は安全快適な旅客機にしか乗ったことがないけど、冒頭の高速飛行テストだけで、いかに別世界なのかがわかる。・ドッグファイトはレールの...ジョセフ・コシンスキー監督『トップガンマーヴェリック』

  • ケイ・キャノン監督『シンデレラ』(2021年)

    2022/5/19・服飾職人を目指すシンデレラが王子様の舞踏会でチャンスをつかもうとする話。・有名すぎてジェンダー差別の代表格みたいに扱われることの多いおとぎ話。・そんなシンデレラの2021年バージョン。・当然、受身で不幸な女性が身分のある男性に見出され、庇護を受けながら幸せになるという古臭い話ではない。・ただ、虐げられた弱者が一発逆転を狙うという、普遍的に面白い部分はきっちり残している。・その手段は服飾職人になって商売をおこすこと。・他に突飛なことはせず、構成もほとんどいじらず、もとの物語が持っている根本的な面白さを変えずに、調整を重ねながら作られている感じ。・それでも問題がゼロというわけではないと思うけど、おそらく現時点の最新の価値観で作られている。・リズムの国って楽しそうに見えるけど、たぶん自分のようなリ...ケイ・キャノン監督『シンデレラ』(2021年)

  • ジョン・マクティアナン監督『ダイ・ハード』(1988年)

    2022/5/19・クリスマスの夜、ジョン・マクレーン刑事が、妻の働いているビルを占拠したテロリストたちと戦う話。・原題も「DieHard」。正確な意味はわからなくても凄みは伝わる、優秀なタイトル。・超有名な俳優が出演している超有名な作品。苦手意識があって今回が初見。・吹替。「~だぜ?」など、古くてバタくさい言い回しが味わい深い。・時代を感じる日本人経営者の大企業。・武装したテロリストたちに、ほぼ単身でマクレーン刑事が挑む単純な対立構造。・加えて、クリスマス、擦れ違いの妻との関係、見知らぬ地元警官との友情、色々なサブストーリーがある。・敵から奪った無線を使って外部と連絡を取るという優秀な仕掛け。・敵にも話している内容が筒抜けなので、ほんとは自分の身分を明かして救援を呼んだ方がいいのに、それができない。・おかげで...ジョン・マクティアナン監督『ダイ・ハード』(1988年)

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