『洞上規縄』に見る受戒護戒の問題について
『洞上規縄』とは、江戸深川増林寺に住持していた寂堂呑空禅師(生没年不詳)が、『永平清規』の『弁道法』及び『赴粥飯法』に拠って、叢林に於ける日分行持の弁道の規矩・規縄を記した文献である。享保18年(1733)に刊行された。今日はその一節を学んでみたい。いわゆる仏法僧を求めず、福智知解等を求めず、垢浄情尽も亦、此の無求を守りて是と為さず。亦、尽処に住せず、乃至、河沙戒定慧門無漏解脱、都て未だ一毫にも渉らず在る等は、此れは是れ大小僧衆の受戒護戒、日夜進取的の規式なり。『洞上規縄』「附録」問題は、最後の「受戒護戒」の話である。ここでは、いわゆるあらゆる事象への「不求・無求」を前提にしつつ、そこにも安住をしないで、戒定慧などにも拘らない様子こそが、「大小僧衆の受戒護戒」であるとしているのである。一見すると、何を示そ...『洞上規縄』に見る受戒護戒の問題について
2023/10/22 18:18