道元禅師の「祈晴上堂」について

道元禅師の「祈晴上堂」について

今日は広い地域で入梅だったらしい。梅雨は梅雨で各地に水をもたらすものであるから大事だが、一方で降りすぎても困る。そこで、今回は「道元禅師はご祈祷などを始め、現世利益を否定した」という妙な主張への反駁として引用されることが多い、道元禅師の「祈晴上堂」というのがある。なお、道元禅師がご祈祷などを否定したということはない。また、現世利益も否定していない。ただ、その方向がどこに向いているか?という点で、一般世間に生きている人たちが願う状況とは異なっているというだけだ。道元禅師の場合、どこまでも「仏道の成就」という点に於いて、祈祷は求められている。よって、身体の健全を祈るが、それは修行をするためであるし、或いは荘園を耕す際に龍天に祈るのは作物の収穫量を増やすためだが、結果的に修行を効率良く行うためである。これらは『...道元禅師の「祈晴上堂」について

2025/06/10 09:45