栄西禅師『円頓三聚一心戒和解』参究
本書については、曹洞宗と様々な関係がある。まず、江戸時代の宝暦11年(1761)に、臨済宗建仁寺派の高峰東晙が刊行したのであるが、その時に序を付したのが、曹洞宗の学僧・面山瑞方禅師であった。更に、その「序」にも書かれているし、藤田琢司氏編『栄西禅師集』(禅文化研究所)収録本の底本にも使われた建仁寺両足院所蔵の高峰書写本には、瑩山禅師の門人だった孤峰覚明が本書を所持していたことなどを示しているとされる(奥書には永光寺での伝授を指すが、具に読んだところ本書ではない別の受経作法などを示していると思ったので割愛。詳しいことは、藤田氏前掲同著・685頁などを要参照)。さて、まず本書では戒のあり方を4つにしている。一には、人天戒。二には、小乗戒。三には、菩薩戒。四には、仏戒なり。カナをかなにし、見やすくして引用してい...栄西禅師『円頓三聚一心戒和解』参究
2025/06/26 07:59