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#ミレーヌ
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形の無い月 (19) 街角 2
ミレーヌは、ピエトロがバッグから出した映画雑誌を手に取り、まずは表紙をじっくりと眺めた。最近封切られた映画の主演俳優とおぼしき若い男が、左斜め前方に鋭い視線を
2022/02/23 00:24
ミレーヌ
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形の無い月(18) 街角 1
翌日ミレーヌは、予約を入れた行きつけの美容院へ向かった。オルガは送っていくと言ったが、休みの日曜だから気にしないで、地下鉄で行くからと断った。ミレーヌは地下鉄が
形の無い月(17) 始業 2
「ハイ、ミレーヌ。今日からボクが日本語を教えるよ。ヴィクトル・クーロンだ。よろしく」黒の皮のライダースジャケットを着て、足はブーツで、ウエーブのあるダークブロ
2022/02/23 00:23
形の無い月(16) 始業 1
「で、ロザリーの提案にはどう返したんです?」ミレーヌとオルガは家に着くと、オルガがマリエッタの用意したコーヒーポットを傾けてカップに注ぎ、ダイニングテーブル
形の無い月(15) 仕掛け 2
ミレーヌの指は白と黒の鍵盤の上で踊っていた。リストのコンソレーション第3番は、ささくれ立った心を癒してくれる。もう毎月のように父に手紙を書く事は無かった。家庭教
2022/02/22 00:50
形の無い月 (14) 仕掛け 1
12歳の誕生日の後に会食をセッティングしているという事は、私の反応を知りたいからだろう、ミレーヌは父の思惑を考えた。会いたくない、と言えば通る気はした。しかし、
形の無い月 (13) 女達の城 4
翌日の朝は、沈黙の朝食となった。いつもより遅く、ミレーヌもオルガもダイニングで顔を合わせたのは8時過ぎで、その時間にはメイドのマリエットもダイニングの横のキッチ
形の無い月 (9) ダイニング
ミレーヌはパリに来て、その生活は大きく変わった。オルガ・ワトーを養育者として、メイドはロシア語も話せるマリエット、モスクワにいた頃のマルタと違い、「お姉さん」
2022/02/22 00:49
形の無い月 (10) 女達の城1
いくつもの季節が過ぎて、また秋がきた。ミレーヌは、12歳になった。今年はまだ、父との会食は無い。そろそろだろうと思っていたのに、予定を聞かされる事が無かった。小
2022/02/22 00:46
形の無い月 (11) 女達の城 2
「夜の10時ごろ、モスクワ郊外の国道で、カーブを曲がりきれずに中央分離帯に衝突した事故です。原因はスピード超過と、運転手のアルコール摂取だと思われます。お母様
2022/02/22 00:45
形の無い月 (12) 女達の城 3
「オルガは……人を撃った事はあるの?」ミレーヌは、彼女の顔を見る事ができずに、机の上に戻した銃を見ていた。自分をハグする彼女の腕、自分と繋ぐ彼女の手、それが誰
形の無い月 (8) 対面 2
「私は色々と仕事をしているので忙しい。会える機会は少ないが、ワトーに任せてある。言うことを良く聞いて、毎日を過ごしなさい」男がオルガの方に目をやると、彼女は手
形の無い月 (7) 対面 1
その時、ふいに玄関ホールの壁のインターフォンが音を鳴らした。まだ引っ越したばかりのこの家の玄関ベルが鳴る事に、オルガは不審に思いながら部屋のドアを開けてイン
2022/02/22 00:44
形の無い月 (6) パリ16区 2
すまなそうにオルガが謝った。あまりに率直に「ごめんなさい」と言われたので、ミレーヌは戸惑う。子供に対して大人が謝るのは、たまたまぶつかった時 ——マルタがミレ
形の無い月 (5) パリ16区 1
目が覚めた時、見つめる天井が知らない景色だった。ここはどこなのか。天井を眺めながら、ミレーヌは働かない頭で思い出そうと試みる。しかし答えが出る前に、頭の上から
形の無い月 (3) モスクワ1
玄関の呼び鈴が鳴った。メイドのマルタが掃除機を止めて、玄関に向かう。母が帰ってきた、居間のソファーで両肘を突き、うつ伏せで絵本を眺めてい少女は、本を閉じて起き上
2022/02/22 00:43
形の無い月 (4) モスクワ2
少し前から、お父様はどこにいるの?と母に聞いてみたい気持ちがあった。物語でも絵本でも、父と母がいるのだと子供でもわかる。しかし何となく、口に出してはいけないよう
形の無い月 (2) 序章 エカテリンブルク2
「ねえ、私をあなたの情婦にしてくれない?」再び静かに話す女は、もう無表情では無かった。年の頃は20代半ばほどか、若々しいつややかな白い肌に、少々鼻筋が高かった
2022/02/22 00:41
形の無い月 (1) 序章 エカテリンブルク1
けたたましいサブマシンガンの音が広い大理石の床に響いた。辺りに飛び散る薬莢が金属音を鳴らし、最後の1つのキン、という乾いた音が鳴った時、その部屋の主人は広い皮張