【短編BL小説】 卒業、初恋 -第1章-
第1章 再会 「おはようございまーす……って、あれ?何か人増えとる?」 市川陽翔(いちかわ はると)はオフィスに入るなり、見慣れない後ろ姿に足を止めた。スーツなのに、どこか体育会系の匂いがする。背が高くてがっしりした肩、ラフなリュック。 「あれ、まさか……うっそ……」 ぽつりと漏らした瞬間、その男が振り返った。 「おっ!やっぱ陽翔やん!お前、こんなとこで働きよったんか!」 「陸!? 長谷川陸!? なんしよん、いつ東京に来たんか!?」 「転職よ。ほんでこっち配属っち言われて来たら、まさか陽翔がおるとか。運命やろ?」 驚きと戸惑いでしばらく口が開いたままの陽翔。 声
2025/05/13 02:54