「沢風大過」は、陽なるものが過ぎているという卦である。「大過は、棟(むなぎ)撓(たわ)む。往く攸有るに利し。亨る。」「棟(むなぎ)撓(たわ)む」とは、二階や屋根を支えるための材木であり、それが重みのため、下に曲がってしまいそうな状態である。「往く攸有るに利し」行動するのは良い。「亨る」うまく行く。というところだが、普通は「亨る」が先に来て、「往く攸有るに利し」が最後に来るものである。これには意味がある。本来この卦は陽に過ぎて、危険な状態なのである。それが何故、「亨る」かというと、その解決のために、行動すべきである。うまく行動してくれれば、「亨る」であるというのである。行動が失敗すれば、「凶」であることになりかねない。私もこの危険な卦が、「亨る」というのは何故だろうと、散々悩んだが、条件付きであることで納得...「沢風大過」(卦辞)