「水火既済」は事が成就した。ものごとが完成した。「既済は、亨ること小なり。貞しきに利し。初めは吉、終りは乱る。」良いことではあるが、大きな発展はない。正しい考え方を守ることが大事である。初めのうちは良いのだが、次第に問題が生じてくるだろう。この卦の特徴は、初爻から上爻まで、全ての爻の陰陽正しい位置にある。適材適所にある。序卦伝に、「物に過ぐるあるものは必ず済(な)る。故に之を受くるに既済を以てす。」とある。人に過ぎたる能力才能があり、人に過ぎたる努力をするものは必ず成就するのである。卦の形は、上に水、下に火であるので、料理をするには、下から火が燃えて、上の具材が煮られていく。そうして、美味しい料理が完成する。天下泰平の極致とも言えるが、物事は盛んなれば必ず衰える。月も満月になれば、今度は少しずつ欠けていく...「水火既済」(卦辞)