抗えぬ悲運に従う
平知盛は、平氏の総帥・平清盛の四男です。 清盛が病没してのち、平氏の大将として必死になって源氏と戦ったのですが、時の勢いはどうすることもできず、遂に源氏に敗れて都落ちすることになりました。 その都落ちする時のお話です。 平知盛は、多くの部下とともに都をあとにして西に向かったのですが、その途中で偶々大番役(宮廷の警固を務める地方武士)と出会いました。 都落ちの途中とは言っても、平氏の兵にしてみれば、大番役は一応敵です。 そしてこちらは集団です。 兵たちは「斬り捨てましょう」と、息を荒らげて大将の平知盛に進言しました。 この時、知盛は何と言ったでしょうか。 「御運だにつきさせ給ひなば
2024/05/25 22:00