chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
夢のいたずら https://kukinami.muragon.com/

新谷雅先(しんたにまさき)といいます。 昭和32年に福岡県で生まれた男子です。詩やエッセイを中心に書いています。時にオリジナル曲もアップしています。 好きな言葉:「ゼロから数字を生んでやらう」(高村光太郎)

新谷雅先
フォロー
住所
未設定
出身
八幡西区
ブログ村参加

2023/09/22

arrow_drop_down
  • ♪ためいき

    ためいき 新谷 雅先 · ためいき さりげないためいきやめて 今日から真面目にやっていくんだ 昨日吐いたあの言葉に 嘘や偽りはないんだから そしていつか見返してやるんだ あいつも、あいつも、みんなまとめて あの日のぼくは正しかったんだと それがぼくの人生だったと もう振り...

  • 寂しい駅前通り

    駅前商店街が駄目になった原因の一つに、車社会の到来が読めなかったということがある。 特急の停まるJRの駅があり、そこに隣接する大きなバスセンターがあり、その中には私鉄の始発駅がある。しかも人口は多い。 ということで、駅前で商売する人は、永遠に繁栄が続くものだと思ってい...

  • 人間関係

    今日会った彼女とは、行きつけの 飲み屋が同じというくらいの仲で 飲み屋が同じというだけで話が盛り上がった。 とはいえ店で会ったことはない。 昨日会った彼とは、共通の 知り合いがいるくらいの仲で いつも挨拶代わりに共通の知人の話題が出る。 とはいえ三人揃って会ったことはない。...

  • 二人はよろめいているの

    中学の頃に見た『おさな妻』というドラマの中に 「二人はよろめいてるの」というセリフがあった。 タイトルに反して健全な青春ドラマだったのだが 当時思春期の真っただ中にいたぼくはそのセリフ 「よろめく」という言葉に妙に艶かしさを感じて そのセリフを聞くたびによろめいていたのだった。

  • 卵割れちゃった

    スーパーなどで買い物して 帰ってきてからいつも困るのが 玄関での卵割れだ。 これがけっこう事件なのだ。 せっかくそこまで慎重に 慎重に運んできたのに 玄関を開けた途端に気が抜けて つい乱雑に置いてしまうのだ。 中身が溢れてしまうと 他の荷物や床についてしまい 乾くまではぬる...

  • トイレと芳香剤

    いくらトイレのにおいを隠しても においは隠せるものではない。 芳香剤を置いて隠したつもりでも どこかにトイレのにおいは残っている。 そして芳香剤の力が弱まれば 再びトイレのにおいで満ちてくる。 今度は元々あったトイレのにおいに 気の抜けた芳香剤の香りまで加わって 前にも増し...

  • テレビ塔

    山の上にテレビ塔が見える。地デジやFMの電波はあそこから流れてくるんだ。 ふと思う。今の文明がなくなって、まったく違った文明になった時、その時代の人たちはあのテレビ塔を見て、いったい何と思うのだろうか。さすがに自然の産物だなどとは思わないだろうが、結局訳がわからずに、古...

  • ショルダーバッグ

    1、 出かける時には、いつもショルダーバッグを肩に引っかけて行っている。中に入っているのは、手帳とボールペンと本が一冊で、他には何も入ってない。 手帳やボールペンは、別にブログの下書きをするためではない。以前は詩や短歌や俳句などを書いていたが、読み返してみると、字が汚す...

  • 六十代

    人間の平均寿命が百二十歳になったら きっと六十代なんか若造で 先輩諸氏からいつも 怒鳴られているだろう。 人間の平均寿命が百二十歳になったら きっと六十代の髪は黒々していて 白髪や薄毛の人は早熟な人と言って からかわれるだろう。 人間の平均寿命が百二十歳になったら きっと六...

  • 嘘つき

    男は 絶対に浮気はしません という嘘をつく 女は 絶対に嘘をつきません という嘘をつく 喫煙家は もうタバコは吸いません という嘘をつく 二日酔い野郎は 二度と酒は飲みません という嘘をつく 子供は 絶対に勉強します という嘘をつく 年寄りは わしが若かった頃は という嘘を...

  • 1957年製

    朝目覚めるとぼくはこの機械に キーを入れてエンジンをかける。 機械はしばらく停滞してから 「よっこらしょ、よっこらしょ」 ゆっくりゆっくり動き出す。 この機械は1957年製だから 66年間使用していることになる。 たまに故障はあったものの 性能がよかったのか、運がよかったの...

  • 昨年の日記より

    昨年、尾崎放哉にはまっていた頃に、自由律俳句や自由律短歌のまねごとで書いたものです。 ---------- 四月の半ば、明日は 真夏日になるという 時々、雨 菜種梅雨 街灯、 ビニール傘を映す 初夏 季節の変わり目 背中が痛い 春の夕暮れ 左から三番目の 文字をさがす そこ...

  • 半袖しましょうよ

    このごろ暖かくなってるし たまには暑くもなってるし 四月もなかばになってるし そろそろ半袖しましょうよ 吹く風はすでに初夏になり 長袖のボタンが暑苦しいし どうにも通気がとどこおる やっぱり半袖しましょうよ 皮膚で呼吸が出来るように 汗がちゃんと拭えるように そろそろ春を捨...

  • さて、

    さて、 社会に出てから四十年以上になる。 ずっと客商売をやってきたのだが 現在働いているところは 家から歩いて行けるくらいに 近い場所にある。 ここまで近いのは初めてだ。 一時間以上もバスや電車に揺られ 最後は走って職場まで 通っていたのがうそのようだ。 さて、そのせいでも...

  • タケノコ

    毎年春になると タケノコばかり食べている。 買っているわけではない。 いろいろな人がくれるのだ。 まあ、嫌いな食べ物ではないし 体にもいいものだから ビールや酒の肴や ご飯のおかずにしている。 だけど、五月末までの おおよそ二ヶ月間 タケノコ攻勢に遭うもんで 四月の中旬を過...

  • 人類が滅亡する

    2024/04/12 人類が滅亡する (2011/10/28) 1, 一説によると 数十年後に人類は滅亡するらしい。 それは大変な話ではある。 しかし個人という単位だと ただ死ぬだけの話で 人類の滅亡というのは ただのおまけにすぎない。 一人で死ぬのではなく みんなで死んで...

  • 新学期(後編)

    3, 高校生になると、再びクラス替えが関心事になってくる。 クラス替えに直接関係あるのが、2年と3年の時だ。 2年の新学期の頃は、1年の頃に同じクラスや同じ部活の人間以外はあまり知らない。そこで、クラス替えに新しい出会いを求めたのだ。このへんが、小中学校時代のクラス替...

  • 新学期(前編)

    2002年4月4日の日記です。 1, 小学生の頃、この時期の一番の関心事といえば、なんと言ってもクラス替えだった。ぼくたちの学校は、2年単位でクラス替えをやっていたので、その先2年間の運命が始業式に決まったのである。 「こいつと一緒のクラスにクラスになりたい」と思う奴と一...

  • ピーチクパーチク

    上空でピーチクパーチクと、 鳴いているのがヒバリだと 知ったのは肥後熊本の民謡の 『おてもやん』を聴いてから。 春になるとせわしなく ピーチクパーチクその声が、 憚ることなく聞こえてくる。 聞こえてくるのはくるのだが、 ぼくはその姿をこれまで今まで 一度っきりとて見たことが...

  • 自信を持って

    気づくと悩んでいる自分がいる。 なにを悩んでいるのかというと それがまたどうでもいいことで すでに終わっていることだとか 今つぶやいたひとりごとだとか 来てもいない将来のことだとか。 つまり無駄に悩んでいるわけだ。 常に悩み顔ばかりしているから 道端の猫から「退けよおっさん...

  • ♪レジャーモービルの女

    「レジャーモービルの女」 というタイトルの歌がある。 もう三十年以上も前の歌だ。 自分で作った歌なのだが 最近その歌にはまっている。 車に乗っている時は いつもその歌を聴いている。 ブログの更新時にも聴いている。 お風呂で鼻歌も歌っている。 別に古い思い出に浸っているわけで...

  • ひとりぼっち

    ぼくは20歳から22歳まで東京に住んでいた。 20歳の春にまったくの未知だった東京に飛び込んでから一年、ようやく東京生活に慣れた頃だった。それとなく仲間が出来、その仲間と飲みに行ったり、ドライブに行ったり、彼らの家を泊まり歩いたりして親交を深めていった。 ところが、彼...

  • どっちもどっち

    スマホで調べものをしている時に 同世代と思しき方が近づいてきて、 「見えるんですか」と言うのです。 『おかしな人だ』と思っていると、 同世代のぼくがメガネもかけずに スマホの細文字を見ていることが 羨ましく思えて声をかけたんだと。 六十を超えた今もスマホの文字は 見えるので...

  • 亀さん

    亀は自分を亀だとは思っていない 他と形が違うとは思っているけど ゆえに私は亀なんだとは思わない もちろん仙人だとも思っていない 自分を亀だと自覚することよりも 亀は日々の糧を探すことに一杯で 時に敵から身を守ることに一杯で もがくように歩くことにも一杯だ 亀は自分を亀だとは...

  • のどが渇く

    こんなにのどが渇くのは 空気の乾きか病気のせいか。 水を飲めば渇きも癒えるが すぐまた渇きがやってくる。 四月中旬の気候だというのに 何でこんなに渇くのか。 こんなにのどが渇くのは 四半世紀も前に熱中症で 病院に担ぎ込まれた時以来だ。 真夏の暑い一日だった。 熱風が体を包ん...

  • ♪春のようなしぐさ

    春のようなしぐさ 新谷 勝先 · 春のようなしぐさ 春に舞う鳥になれたら いつもぼくは君のそばにいて 二人で空を翔んでは ありったけの愛を歌う こんなひとときにも君は 苦労性に体を動かす 「それでもいいよ」という君を見ていると ぼくはとてもやりきれなくて 笑いながら日々を過...

  • 風濃く吹けば

    風濃く吹けば桜舞い 桜吹雪けば風が散る 散らばる風に雲集い 雲極まって雨が降る 雨清く降り地を洗い 地清まれば風が吹く 風濃く吹けば桜舞い 桜吹雪けば風が散る…

  • 1978年4月、上京

    1978年4月の上旬のことだった。 キャンディーズの解散コンサートを テレビでしっかり目に焼付けてから 桜前線を追うようにぼくは上京した。 東京で新幹線から中央線に乗り換え 降りた駅が当時国電の新宿駅だった。 この街がぼくの東京デビューとなる。 一度も来たことのない街だった...

  • お酒の言い分

    何か問題が起きるたびに毎回毎回 お酒が悪いんだと言いますけどね 私は何ひとつやってはいませんよ だって私暴れたりはしませんから それよりも私が問題だと思うのは 全て酒のせいということにすれば 悪い印象が少しは軽くなるだろう といった世間の甘えた考え方です 酒中別人と言って、...

  • 車道日記

    数日前の話。 嫁さんを迎えに行く途中に、数台のパトカーとすれ違う。きっとまた警らという名の取り締まりなのだろうが、そうやって車ばかりいじめずに、 少なからず事故の原因となっている自転車を取り締まれよ。 車の場合、いくら一時停止を怠ってもスピード違反しても、とりあえずは...

  • 青春のスクイズ

    きっとあいつは走ってくる。 砂煙を上げ滑り込んでくる。 ベンチはヒッティングから スクイズサインに切替えた。 ベース上で土を払っている あいつの目に覚悟が見えた。 1点ビハインドの九回の裏 あいつを生還させなければ この一戦が引退試合になる。 優勝なんて望んでないけど 出来...

  • 心の絵柄

    別にコツコツやるのが嫌いなのではない。 どちらかというとコツコツやる性格だし 今までコツコツやってきたと思っている。 おかげで人並みな人生だけは歩いている。 とはいうものの、心に描いている絵柄は コツコツとやる自分の姿ではありません。 それはコツコツとは真逆に位置している、...

  • ♪街の灯

    街の灯 新谷勝先 · 街の灯 ほんのひとときの黄昏が 今日のため息をつく 病み疲れたカラスたちが 今日も帰って行く 昔描いた空は消えはてて さて、帰る家はあったんだろうか 琥珀色の時の中で 街の灯は浮かぶ 明るい日差しの中でも 笑わないカラスが すすけた街の灯を 見つめ...

  • 日に日に新たに

    いつも今日からが楽しいのであって 決して今日までが楽しいのではない。 これからのことを考えるとワクワクもするが これまでのことを考えてもワクワクはしない。 だからいつまでも過去にこだわらずに 今からのことを考えていくんだ。と、 毎日毎日同じことを自分に言い聞かせている。 だ...

  • 根性という壁

    そこに行くためには根性という 高い壁を越えなければならない。 その壁越えはえらくやっかいで 根性という言葉を好む人種には 不可能なことだと言われている。 なぜならその人達はその言葉を 崇高なものと思っているからで そこに人生をかさねたいからで 『道』にまで昇華したいからで…...

  • 盤珪

    30代の頃、仏教の書物を読み漁ったことがある。20代の頃に中国思想に耽っていたが、30代の始めに中国思想ではどうにも解決できないものにぶち当たってしまい、仏教書に走ったのである。 かなり読みましたね。特に好きだったのが、禅宗関係の本だった。読後の爽快感は他の宗派の差では...

  • 回れ右

    夜、仕事を終えて家に帰ってくると、 他階に住む女の子が自動ドアを開け マンションの中に入ろうとしていた。 ところが女の子は突然回れ右をして そそくさと外に出ていったのだった。 おかしな子だなと思いながらぼくは 自動ドアを開けて中に入ろうとした。 「あっ!」なるほどそうだった...

  • 朝の出来事

    今日も黒いズボンをはき 黒いスニーカーをはいて 2キロ程の道のりを歩き 20分程で職場に着いた それから1時間程たって 用を足しにトイレに行く あっ、ようやく気づいた ファスナーが開いていた 誰にも気づかれなかった ─────んだろうか?

  • 売り出しの日のスーパーに行くと 駐車場所を探すのにひと苦労する。 原因を作っているのが軽自動車だ。 店側は軽自動車のため専用の枠を いくつも用意しているのに軽側は 普通車用の駐車枠に止めてしまう。 普通車は軽枠に止められないので ウロウロウロウロしてしまうのだ。 軽の方少し...

  • 独演会

    かれこれ一時間以上になるだろう 家の前にある公園で一羽の野鳥が 大きな声を張り上げて鳴いている。 この時期まだ鳴き慣れてないのか 抑揚はときおり単調になっていき 音程はそのつど微妙にずれていく。 何小節かを一呼吸で歌い上げては ブレスしてブレスしてブレスして また何小節かを...

  • 怠け者の休日

    徐々に風が暖かくなり 徐々に冬が遠ざかっていく。 外はまぶしいくらいに晴れ渡り 家の中にいる休みのぼくを しきりに手招きしている。だけど へそ曲がりのぼくは動かない。 じっとテレビの前に座って 録りだめしたドラマの最終回を 必死になって観ている。 ふと気がつくと寒いんだ。 ...

  • 春十五度

    春十五度。昨夜着ていた ぶ厚く重い上着を脱いで 軽めのパーカーを羽織る 心も体も浮かれる十五度 春十五度。お酒でいうと 日本酒くらいの度数かな ほろ酔い気分で街を歩く ふらつきながらの十五度 春十五度。これが坂道の 上り傾斜の度数であれば かなりきついし汗ばむし 疲労度数が...

  • 無精ヒゲ

    休みの日になると決まって思うことがある。 『ヒゲを剃らんといかんなぁ・・』 例えば二連休の時などは二日続けてそう思っている。 つまり二日間ヒゲを剃らないということだ。 ちょっとの手間を惜しまずにやっておけば、 いらんことに心悩ますこともないし 仕事の日の朝は剃るヒゲの量が少...

  • 自分を嗅いでいる

    お年寄りとすれ違った時、 ツンと鼻につくものがあった。 「ああ、これが加齢臭か」 そう思いながら、 ぼくは自分を嗅いでいた。 ある人と打ち合わせをしていた時、 思わず顔を背けたことがある。 「ああ、ひどい口臭だ」 そう思いながら、 ぼくは自分を嗅いでいた。 他人の臭いが気に...

  • 異変

    この頃、自分の年齢に引き込まれてしまうことがある。 これまで年齢にとらわれることは全くなかったのだが、 六十歳を超えてから、突然気になるようになってきた。 六十代のありかたとか、あと何日で年金が入るだとか、 何歳まで車に乗ろうかとか、女房ももう婆さんだとか、 肩腰が痛い、足...

  • 妖怪ねぶそく

    寝不足というと本人の不摂生に起因するものと思われがちだが、実はこれは妖怪の仕業なのである。パソコンやゲーム機には、必ずこの妖怪が潜んでいる。 この妖怪に取り憑かれると、時間が経つのを忘れさせられてしまう。午前1時を過ぎても、2時を過ぎても、「まだまだ」という気分にさせら...

  • 残寒

    もうじきいなくなる冬が 時おり北から降りてきて 今季のノルマを果そうと 最後の寒さを吐いている とはいえ何日も何週間も 居座った先月迄の勢いは すでに残っていないのか 寒さにチカラを感じない 寒さにフカミを感じない

  • 河川敷の道

    この道は昔どんな道だったんだろう。 舗装された河川敷の道を見てそう思う。 おそらくは丈の長い草がぼうぼう生えて 道はぬかるんでいたのではないだろうか。 時折におってくる水浸しの土のにおいや アスファルトの隙間から顔を出す雑草が ぼくにそれを教えてくれる。 雨が降るとぬかるみ...

  • 1980年3月

    九州に戻った1980年3月末、 中々職が決まらず苦労していた。 前年就職口を決めていたのだが どうも行く気が起きずに断った。 代わりの企業を探したんだけど これといった所が見つからない。 当時は就職情報誌の数も少なく、 さらに東京のそれとくらべると こちらのは遥かに薄っぺら...

  • ラバー・ソウル

    何でこの世に生まれてきたかって? 簡単なことだよ、そんなこと。 ビートルズのラバー・ソウルという レコードを買いたかったからさ。 ただそれだけなんだよ。 あとはそれを納得いくまで聞いて 次の人生に向かうんだ。 えっ、思想?哲学?宗教だって? この人生に限って言えばそんなこと...

  • ササクレ

    ゆびの先がささくれているのです。 気がつけばささくれているのです。 放っておくと何かに引っかかって ササクレがささくれていくのです。 ササクレがささくれると痛みます。 ヒリヒリヒリと訴えてくるのです。 ササクレは小さなキズなんだけど ヒリヒリヒリと訴えてくるのです。 ときに...

  • サザエさん

    サザエさんの第一回放映があった日、 ぼくはそれを昭和44年の7月だと ずっとずっとずっと思い込んでいた。 だけどそれはぼくの記憶違いだった。 実際は10月から放映が正しかった。 なんで記憶違いをしてしまったのか それをいろいろと考えてみたのだが 7月にサザエさんテレビ放映決...

  • 道路工事

    いつもこの道は一車線を封鎖して 掘っては埋めての工事をしている。 始まってから十年を過ぎているが いつまでたっても終りそうにない。 一応いついつまでとは書いていて 工事は期日どおりに終わっている。 ところが翌日になると別の車線で あらたな工事が始まっているのだ。 路面の矢印...

  • ♪追いかけて

    三十代半ばのこと。元同僚から、「結婚するので、披露宴で歌を歌ってくれんか」という依頼がきた。 仲のいい人だったので、心安く引き受けたが、なかなか歌う歌が決まらなかった。人の結婚式で歌ったことは何度もあったのだが、同じ歌を歌ったことはない。それが、その人に対する自分なりの...

  • 煤けた箱

    倉庫で荷受けをやっていた頃、 時々間抜けな簡字体漢字と 不格好な仮名文字が印刷してある、 妙に煤けた段ボール箱が、 何十個も届いていた。 ぼくはこの箱を触るのが嫌だった。 箱もそうだが、 中に入っている商品も、 なぜか薄汚れて見えるのだ。 しかもその箱、虫でもいるのか、 触...

  • 生きる証

    そこからそこまで線を引いて いくつもいくつも線を引いて そこばかりをやみくもに 覚えていた時期があった。 ただ試験のためという 目先のことだけを考えての 単純で退屈な作業だった。 線を引いた箇所はそれ以降 何の役にも立っていない。 ところがそうやって過ごした その時期が何と...

  • 悲しきマッサージチェア

    昨日は休みだったのだが、何もやることがなかった。あまりに暇だったので、運動をした後に、嫁さんの部屋に置いてあるマッサージチェア(あんま椅子のことを今はそう呼ぶらしい)にかかった。それを使うのは今年初めて、というか半年ぶりだ。 そのマッサージチェアだが、5年程前に嫁さんの...

  • 大大

    知り合いのお子さんがこの春から 大分大学に進学するということで それはおめでとうございます。と あいさつしたのだが、その最中に 僕は素朴な疑問を抱いたのだった。 東京大学は東大、京都大学は京大 九州大学は九大と呼ばれているが 大分大学は何と呼ばれているのか? もしかして大大...

  • 砂糖が切れて

    あっっ、そうだった。忘れていた 砂糖が切れかかっていたんだった。 砂糖がなくなりかけていることに 気づいたのは一昨日の夕方だった。 「明日スーパーに行くからその時 買うことにしよう」と思っていた。 予定どおり昨日スーパーに行った。 だが砂糖を買うのはついでであり 主な目的は...

  • コーヒータイム

    誕生は前世の終わり 死去は来世の始まり 子供は捻くれた大人 大人は武装した子供 青春は人生の汚染期 老いは人生の異臭期 白髪は頭髪の進化形 ハゲは人類の進化形 恋人の会話は緑茶色 愛人の吐息は紅茶色 親子の生活は薄茶色 夫婦の空気は焦茶色 一生は未来の記憶を 散りばめた一本...

  • お金の行方

    昨日は休みだった。昼間、嫁さんと近くのレストランに昼食を食べに行ったのだが、そこで高校の同級生S君にあった。彼は、高校以来の友人で、卒業後もずっと飲み友だちでいるのだが、コロナ禍があってからは会っておらず、久々の再会となった。彼は仕事でそのレストラン近くに来ていたというこ...

  • 立小便

    道ばたで立小便をすれば 今の世の中だと確実に通報されて 警察にしょっ引かれていくだろう。 昔は軽犯罪ですんでいた行為も 今はいろいろな尾ひれを付けられて 聞いたことのない罪名を付けられて 世間にその名前と顔とをさらされて 人生最大の辱めを受けることになる。 だからいくら我慢...

  • 立小便

    道ばたで立小便をすれば 今の世の中だと確実に通報されて 警察にしょっ引かれていくだろう。 昔は軽犯罪ですんでいた行為も 今はいろいろな尾ひれを付けられて 聞いたことのない罪名を付けられて 世間にその名前と顔とをさらされて 人生最大の辱めを受けることになる。 だからいくら我慢...

  • タイムマシンが出来たら

    もしタイムマシンが出来たら ぜひ利用したいと思うのだが それに関してずっと昔から 不安に思っていることがある。 それはタイムマシンを使ったら 過去にしろ未来にしろ、もちろん 今いる場所に移動するはずだが 移動した時代、もしその場所が 車道になっていたとしたら、そして そこを...

  • 心の中を

    心の中を いつもいつも考えることは 暮らしのことばかり 日々が通り抜けていく 風は吹く、心の中を いつもいつも同じことの 繰り返しばかり 日々が色褪せていく 時は行く、心の中を ただ夢だけが 駆け抜けていくのを 遠く眺めてるような毎日 風は吹く、心の中を ああ、想...

  • 銀行からのメール

  • 第1号

    白いボールは風に乗り、 どこまでもどこまでも 飛んでいった。 その行方を目で追いながら、 ダイヤモンドを必死にぼくは、 駆けた、駆けた、駆けた。 一塁を回り、二塁を回る。 このまま一気にホームを駆け抜けろ。 と思っていたら、 三塁にかかったところで、 外野がボールに追いつい...

  • 忍術千一夜

    1, 忍者というと姿を消してみたり、 新幹線よりも速く走ってみたり、 屋根に軽々と跳上がってみたり、 天井に長時間貼り付いてみたり、 石に化けたり、壁と同化したり、 いろんな不可能をやってくれる。 もしオリンピックに出場したら、 間違いなく金メダリストだろう。 2, 実際忍...

  • ちょっとした発見

    1、 昨年ちょっとした発見をして、 現在研究しているところです。 なにを発見したのかというと、 ぼくが歴代好きになった人の 名前です。同じ系列の画数が 全ての人に入っていたのです。 2、 その数というのが四柱推命で ぼくの最高吉星となる数字だ。 けっしてその数字があるから ...

  • 霊験

    霊験に霊験を重ねていくと 霊験は霊験でなくなっていき 当たり前のことになってしまう。 ここからが分岐点になる。 当たり前のことなんだと思い 霊験を捨ててしまう人がいる。 一方でその当たり前のことをも 霊験だと信じて感謝する人がいる。 そのどちらもそこからの人生を 歩んでいく...

  • その時間を通り過ぎる

    ダラダラと歩道を歩いていると 顔見知りのじいさんが向こう側にいた。 声をかけられると話が長くなる。 幸い相手は気づいてないみたいだから ぼくは手に持ったスマホに目やり さも急いでいるふりをしながら サッサとその時間を通り過ぎた。 再びダラダラ歩いていると 学校帰りの小学生に...

  • おじちゃん3

    ところで、高校1年時の夏休み以外にも、ぼくはショックを受けたことがある。それは、再び「おじちゃん」と呼ばれたことではない。もっと先を行っていたのだ。 5年ほど前だったろうか、ショッピングモールの中でそれは起こった。 嫁さんが買い物をしている最中、ぼくは暇をもてあまし、...

  • 朝の吟遊詩人たち

    始発バスも来ない時間から、 窓の外にある公園に、ぞろぞろ 吟遊詩人たちが集まってくる。 彼らは大声を張り上げながら、 その存在を主張する。 疲れ果てた人の耳には、 季節と自然に調和した 心地よい音楽に聞こえるも、 這い出たばかりの虫たちには、 死神の雄叫びに聞こえている。 ...

  • 「おじちゃん」2

    さて、その後は「おじちゃん」などという忌まわしい言葉で呼ばれることは、ほとんどなくなった。それは、頭が真っ白になった今でもそうだ。 まあ、たまにそう呼ぶ人がいないではないが、そういう人たちは、ぼくのことを何と呼んでいいかわからずに「おじちゃん」と呼んでいるのだと思う。愛...

  • 心がけ

    「これを落としそうな気がする」 そう思った時は決まってそれを どこかに落としている。だから 「これを落としそうな気がする」時は 「これを必ずポケットに入れる」と 自分に言い聞かせるよう心がけている。 ところが「これを落としそうな気がする」時 ぼくはいつもいつもいつもいつも ...

  • 「おじちゃん」1

    「おじちゃん」 ぼくに対してその言葉が初めて使われたのは、高校1年の夏休み、ちょうど横須賀の叔父の家に遊びに行っていた時のことだった。当時叔父の家には風呂がなかった。そのため、叔父の家に滞在中は毎日銭湯に通ったものだ。 そんなある日のこと、その日は叔母といっしょに銭湯に...

  • 思っているほど

    思っているほど男は強くない 思っているほど女は弱くない 思っているほど過去は近くない 思っているほど未来は遠くない 思っているほど一日は短くない 思っているほど一年は長くない 思っているほど動物は馬鹿じゃない 思っているほど人間はかしこくない 思っているほど休みは楽じゃない...

  • 言葉をつま弾く

    中学の頃フォークブームというものがあった。例えば吉田拓郎さんの『イメージの詩』のように、自分で言いたいことを曲をつけて語る、という新しいスタイルが登場したのだ。 そういうブームに触発されて、曲はともかく、言いたいことを書くだけなら何とかなるだろうと、ぼくは言葉の挑戦を始...

  • 昨日までの生きざま

    昨日までの生きざま 夜は明けて 日は昇り 雲は隠す 鳥は鳴き 風は吹き 今日でお別れ また街は揺れる いつものように 人は声もかけず 忘れたふり 空は泣き ぼくは泣き 涙は尽き くたびれた靴が この街の想い出 この道は いつもの道 歩き慣れた 傘もなく びしょぬれの 荷は重...

  • 浪人時代

    退屈さがしみてくると また悪魔たちがやってくる 昼夜かまわず生ぬるい風が 声を上げながら吹きすさぶ ―いやいや将来が楽しみなお子さんですぁ これから渡る社会という荒波を前にして お子さんは動かずして戦略を練ってらっしゃる なかなかの大物じゃないですか、おかあさん ―い...

  • なごり雪

    昭和五十五年三月某日、 国鉄新宿駅のホームには 冷たい雪が降っていた。 東京時代を共に駆け抜けた友人との、 その日が最後の一日だった。 いつものように 歌舞伎町でパチンコをして、 いつものように 駅のホームで別れたのだった。 「なごり雪か・・・」 「こういう時って、 本当に...

  • 問題は

    問題は新聞のチラシにあるのではなく 問題はエントランスの噂話にあるのではなく 問題は電車内の世間話にあるのではなく 問題はネット上にあるのではなく 問題は情報の薄っぺらさにあるのだ。 問題は企業にあるのではなく 問題はハローワークにあるのではなく 問題は日本国国家にあるので...

  • 遠くでカンコン

    遠くでカンコン、 踏切警報機が鳴っている。 いつの頃からだろうか、 夜中の警報機は、 犬の遠吠えのように むなしいものになった。 むかしはカンコンに旅情を誘われ、 いつも夜汽車の中にいる自分を 想像していたものだった。 ところが、 この時代は夜汽車がない。 味気のない新幹線...

  • 物書きになる夢

    物書きになる夢というのが昔からあったですね。それが小説家なのか、エッセイストなのか、はたまた詩人なのか、そのへんはあまりはっきりしてなかったけど、ライターという言葉にはかなり憧れました。 ある時期そういう会社にも所属していました。ライターばかり集めて本を作る会社でした。...

  • 卒業

    卒業 雪は残り花は遅れていた しかし彼らは知り尽くしていた ひとつの旅が終わったことを みんなどこでもいいから吹き飛びたいと言った というのも彼らの行くところはなかったから ひとつの旅が終わった時に 薄暗い空から、雨も降り始めていた でもちょっと見回すと...

  • 1976年3月1日

    さようなら、さようなら 今日でぼくたちは卒業だ。 ここまで付き合いのなかった人や 同じ進路を歩まない人とは とりあえずこれでお別れだ。 この先会うこともないだろう。 特にクラスの違う女子たちとは 二度と会わないに違いない。 もし人生のどこかで彼女たちと すれ違うことがあった...

  • 中一時代

    真っ白白な画用紙一面に 青い絵の具を塗りたくり 他には何にも描かないで 提出していた美術の時間 病弱な友だちに付合って 運動場の隅っこに座って 数ヶ月の間談笑しながら 見学していた体育の時間 授業中の小さな落書きが なんと往復ビンタ二十発 日曜大工すら嫌いになる 原因を作っ...

  • 喜多方回想

    1, 喜多方ラーメンを食べに行った時の話(2月25日付の記事)だが、あの時は東京から喜多方までJRを利用した。 上野から新幹線に乗り、郡山で下車。そこから磐越西線に乗り換え喜多方に向かった。 当初、東武日光線で会津まで行こうかと思っていた。ところが調べてみると4時間半...

  • 未来

    もしかしたらぼくたち人間は この一生を知りつくした上で 生れてきたのかもしれないね。 たまに先のことがわかったり 見えたりするのはそのせいで たまにそれを思い出すからだ。 未来全てを思い出せないのは 先のことはわからないという 先入観からくるものだろうね。 もし未来を知って...

  • 未来

    もしかしたらぼくたち人間は この一生を知りつくした上で 生れてきたのかもしれないね。 たまに先のことがわかったり 見えたりするのはそのせいで たまにそれを思い出すからだ。 未来全てを思い出せないのは 先のことはわからないという 先入観からくるものだろうね。 もし未来を知って...

  • 象が踏んでも壊れない

    かつて『象が踏んでも壊れない』という筆箱があった。テレビのコマーシャルでは、実際に象が踏んでいる映像が使われていた。しかしそれは象が踏んでいるというよりも、足を乗せているだけにしか見えなかった。 象のCMが始まって数年後、ぼくが高校一年の時だった。 『やはりあれはおかし...

  • 春一番

    ♪春一番/新谷勝先♪ 顔を洗って、風が肌を潤すとき 誰かがささやく、変わったねあなたも うん、もう春だもの 春一番、ほらもう冬を忘れてる 風の光に白い山が笑うとき 誰かがささやく、長くなったね髪も うん、もう春だもの 春一番、ほらもう冬を忘れてる 温かい風に川の水も温むとき...

  • お知らせ

    一身上の都合により、ブログタイトルとハンドルネームを変えました。 ブログタイトル 『くきなみ村から』→『夢のいたずら』 ハンドルネーム 『真崎新太』→『新谷勝先(しんたにまさき)』 このたび始めたnoteと連携させるためで、こちらの内容は変わりません。 以上、よろしくお願い...

  • そろそろ卒業の時期ですね

    雪は残り花は遅れていた しかし彼らは知り尽くしていた ひとつの旅が終わったことを みんなどこでもいいから吹き飛びたいと言った というのも彼らの行くところはなかったから ひとつの旅が終わった時に 薄暗い空から、雨も降り始めていた でもちょっと見回すと 晴れ...

  • 気にしている

    わたしは風の流れを気にしている 嫁さんは腰の痛みを気にしている 友人は外れた銀歯を気にしている 知人は鼻の違和感を気にしている 隣人は空いた部屋を気にしている イヌは女性の香水を気にしている ネコはタバコの煙を気にしている カラスは動かぬ車を気にしている ハトは首筋の凝りを...

  • 性格が悪い

    はい、学生時代によくやりましたです。「クラスの女子の中で誰が一番きれいか?」などというランク付けをね。いつも一番は決まっている。きれいな人の順位なんて整形でもしない限り、そうそう変わらんものですよ。 そのことに気づいたぼくたち男子は、それでは面白くないというので、「女子...

  • 加速スイッチ

    昔からあまり良くなかった歯を 一気に治療したのが二十年前で ほぼすべての歯に手が加えられ 一部は人工の歯に取替えられた。 つまりサイボーグになったのだ。 以来、その歯を点検するために 年一、二回歯医者に通っている。 歯科医はギルモア博士よろしく 設計図とぼくのパーツを見比べ...

  • 本場の喜多方ラーメンが食べたい。

    2002年2月16日の日記です。 この4月で今の会社に入って丸10年になる。この会社の面接を受けたのは、10年前の今時期だったと記憶している。 「あれからいろんなことがあったなあ」などと考えていると、ふと喜多方ラーメンが食べたくなった。 10年ほど前に喜多方ラーメンを食...

  • 夜の港

    夜の港は心落ち着く場所だ。 お年寄りの間ではそうなっている。 夜の港は金のかからない場所だ。 恋人たちの中ではそうなっている。 夜の港は涙を捨てる場所だ。 傷心中の人はそうなっている。 夜の港は人が殺される場所だ。 ドラマの中ではそうなっている。 夜の港は闇取引する場所だ。...

  • 柱時計

    15分早い柱時計が、コチコチと鳴っている。そして1時間おきに、15分早い時報を告げる。 わざとそういうふうに設定しているのではない。何年かに一度は、ちゃんと時間を合わせているのだが、自然と早くなっていって、いつも15分早くなると落ち着くのだ。 この柱時計の時報には、い...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、新谷雅先さんをフォローしませんか?

ハンドル名
新谷雅先さん
ブログタイトル
夢のいたずら
フォロー
夢のいたずら

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用