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辺境カフェ https://marginalcafe.com

読書好きが読んだ本のレビューを書いています。いろんな分野の周辺部には新たな出会いがあると思っています。辺境のカフェで話すみたいに日々のできごとや大好きな本のことなど思いつくままに書いています。

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2023/09/13

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  • 『元彼の遺言状』新川帆立

    『先祖探偵』がおもしろかったので、同じ新川帆立さんのデビュー作『元彼の遺言状』を読みました。 差し出された指輪を見て、私は思わず天をあおいだ。 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」 そんな元彼・森川栄治の奇妙な遺言状に関わることになった弁

  • 『先祖探偵』新川帆立

    書店で文庫本が並んでいるのを見かけていて読んでみたくなり購入。 先祖を探す探偵・邑楽風子(おうらふうこ)が受けるさまざまな依頼の裏にある人間ドラマ。 邑楽風子はジーンズしか穿かない。 「ひいじいさんを探してほしい」「中学校の課題で先祖にすご

  • 『絶叫』葉真中顕

    『ロスト・ケア』がおもしろかった葉真中顕さんの『絶叫』を読みました。 その部屋には、死の海が広がっていた。 分厚い文庫なので、しばらく寝かせていたのですが、読み始めると途中でやめられなくて一気読みでした。 『ロスト・ケア』は介護問題を取り上

  • 【2024年1月】Audibleで読んだおすすめの本

    プロのナレーターが本を朗読してくれるAudibleというサービスを利用しています。 といっても私は紙(やKindle)の本を目で読むほうが早いし、あれ?と思ったときに前のページをすぐ確認できるので紙の本のほうがいいと思っていて、Audibl

  • 『塞王の楯』今村翔吾

    『イクサガミ』の続きが早く読みたい!ということで、待っている間今村翔吾先生の他の本を読んで気を紛らわせようと思って、続けて読んでいます。 直木賞受賞作品です。 男の嘆き、女の悲鳴が町中を覆っている。 主人公の匡介は、石垣づくりの集団穴太衆飛

  • 『ひゃっか!』今村翔吾

    『イクサガミ』の第3巻が待ち遠しいので発売されるまで他の今村さんの本を読んで過ごそうと思い、『童の神』に引き続きこちらの『ひゃっか!』を読んでみました。 手に取った花をじっと見つめた。 今村さんといえば時代小説のイメージですが、この作品は「

  • 『童の神』今村翔吾

    『イクサガミ』がすごくおもしろかったので今村翔吾さんの他の作品も読んでみたいと思い購入。時代小説はこれまでほとんど読んだことなかったので、新たなジャンル開拓です。 陽が欠けていく。 舞台は平安時代。朝廷に戦いを挑んだ酒呑童子の生涯。源頼光と

  • 『宙わたる教室』伊与原新

    初読み作家さんです。Xで読了ツイートをみかけておもしろそうと思い読んでみました。 牛丼屋を出ると、ホストクラブの宣伝トラックが目の前を通り過ぎた。 新宿にある定時制高校に通う生徒たちが主人公。みんないろいろな事情があって定時制に通っている。

  • 2024年1月に読んだ本ベスト5

    2024年1月は36冊の本と、4冊のAudibleを読みました。 お正月や祝日はほとんど仕事だったので、休日自体は少なかったのですが、当直が多かった分、どうせ眠れないから空いた時間は本読もうと思って読めたのが大きかったです。 本当にどの本も

  • 『イクサガミ天・地』今村翔吾

    今村翔吾さんの小説は初めて読みました。時代小説自体これまであまり読んでこなかったので、新しいジャンル開拓です。 舞台は明治11年。明治維新後、西南戦争が終わったばかりでまだ混乱を引きずっている時代。ある日新聞に、「本年五月五日午前零時に京都

  • 『みんな蛍を殺したかった』木爾チレン

    初めて読む作家さんでした。Xで読了ツイートを見かけることが多かったので、読んでみました。 あれは三年前、丁度、蛍が飛びはじめる頃でした。 スクールカースト底辺オタク女子グループの中に突如現れた美少女・蛍。 小説家になりたい栞。ネットゲームに

  • 『月夜行路』秋吉理香子

    初読み作家さんでした。Xで読了ツイートを見かけておもしろそうと思い、読んでみました。 カズトの手が好きだった。 主人公は44歳の専業主婦、涼子。バレーボール一筋で実業団でもプレーしていたけど出産後引退して、今は高校生と中学生の子供にも馬鹿に

  • 『サクラサク、サクラチル』辻堂ゆめ

    辻堂ゆめさんの作品を読むのは『卒業タイムリミット』に続いて2作目です。Xで読了ツイートをよく見かけていたので読みました。 髪を振り乱して部屋に飛び込んでくる人影が、目に映った。 テーマは教育虐待とネグレクト。親に理不尽な要求をされ、コントロ

  • 『迷彩色の男』安堂ホセ

    初めて読んだ作家さんです。芥川賞候補になっていたので読んでみました。 夕暮れを鳥が飛び去っていく。 タイトル通り、色がすごく印象的でした。 性的指向や人種のミックス。肌の色のミックス。 全体的な印象が写真のように切り取られて表現されていたり

  • 『少女七竈と七人の可愛そうな大人』桜庭一樹

    『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が大好きなので、同じ桜庭一樹さんのこちらの小説を読みました。 角川文庫のこの装丁、大好き。 辻斬りのように男遊びをしたいな、と思った。 「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竈。鉄道模型が大好き

  • 『すべてがFになる』森博嗣

    第1回メフィスト賞受賞作品。 超有名でいろんなところでおすすめされている作品で、前から読もうと思って買っていたのですが、ようやく読みました。 今は夏。彼女はそれを思い出す。 シリーズ途中になっているものがいっぱいあるのに、ここから新たなシリ

  • 『本の背骨が最後に残る』斜線堂有紀

    『君の地球が平らになりますように』『恋に至る病』を読んですごく好きになった斜線堂有紀さんの新刊短編集を読みました。 まず装丁が素敵。フォントがいいですね。目次や短編ごとの扉絵も素敵です。物語の雰囲気がよく出ていると思いました。 表題作をはじ

  • 『本心』平野啓一郎

    平野啓一郎さんの文庫新刊で出ていた『本心』を読みました。 一度しか見られないものは、貴重だ。 舞台は2040年の日本。 一冊の本の中に、少しだけ先の未来に起こりそうな論点がたくさん織り込まれていて、そのたびに考えさせられました。 「自由死」

  • 『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信

    大好きな米澤穂信さんの本の中でも、独特の雰囲気を醸し出している表紙がずっと気になっていた『儚い羊たちの祝宴』を読みました。 大きなお屋敷に住むお嬢様や、そこで働く同年代の使用人の少女たちが語るお屋敷での物語。 甘美な語り口に身を任せて読んで

  • 『同姓同名』下村敦史

    下村敦史さんの小説は初めて読みましたが、おもしろかったです。 九月のIOC総会で東京での開催が決まったオリンピックの話題に世間が沸く中、大山正紀は他人に知られるわけにはいかないどす黒い感情を押し隠し、血の色の夕日に照らされた公園の草むらに潜

  • 『白夜行』東野圭吾

    最近Xで読了ツイートを何度か見かけたので、久しぶりに読んでみようと思いました。20年ぶりくらいの再読? 近鉄布施駅を出て、線路脇を西に向かって歩きだした。 1973年大阪で起きた質屋殺害事件。容疑者は浮かんだが決定的な証拠がないまま容疑者も

  • 『録音された誘拐』阿津川辰海

    大好きな阿津川辰海さんの作品を読み進めています。今回はこちらの『録音された誘拐』。 表紙が素敵。 短編集『透明人間は密室に潜む』の中の「盗聴された殺人」で登場した、大野探偵と、すごく耳がいい助手の山口美々香が登場する長編です。 世界が止まる

  • 『コンビニ人間』村田沙耶香

    村田沙耶香さんの『信仰』がおもしろかったので、発売されてすぐの時に一度読んだ『コンビニ人間』を再読しました。芥川賞受賞作品です。 コンビニエンスストアは、音で満ちている。 小さい時から、周りの人とは違うことだらけで、不気味に思われたり、怒ら

  • 『密室黄金時代の殺人』鴨崎暖炉

    SNSで読了ツイートをときどき見かけていておもしろそうと思い購入。 男が殺されたのは三年前の冬のことで、それが日本で初めて起きた密室殺人事件だとされている。 まず、「密室の不解照明は、現場の不在照明と同等の価値がある」。 つまり、密室の謎が

  • 『信仰』村田沙也香

    SNSでおすすめされていたのを見て、図書館で借りて読みました。 村田沙耶香さんは、むかし『コンビニ人間』を読んだことがありますが、それ以来です。 表題作『信仰』のほか、SFチックな短編が収録されています。 表題作は、書き出しでまず引き込まれ

  • 『恋に至る病』斜線堂有紀

    阿津川辰海さんと同世代の作家さんである斜線堂有紀さんも好きです。 『君の地球が平らになりますように』がすごくおもしろかったので、他の作品も読んでみようと思い、こちらの『恋に至る病』を読みました。 「宮嶺は私のヒーローになってくれる?」 表紙

  • 『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子

    川上未映子さんの『ヘヴン』が大好きです。川上さんの恋愛小説である『すべて真夜中の恋人たち』を読みました。 真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。 書き出しが素敵すぎる。。 自宅でフリーの校閲者として仕事をしている入江冬子。 人付き

  • 『名探偵は嘘をつかない』阿津川辰海

    大好きな阿津川辰海さんのデビュー作です。 光文社文庫から出ているのですが、いつもパトロールしている近くの書店何軒かには置いてなくて、12月31日に書店納めとして行った丸善で発見して購入しました。 探偵が現場に着く頃には、全ては手遅れなのであ

  • 『帆船軍艦の殺人』岡本好貴

    2年ぶりの鮎川哲也賞受賞作品ということで読んでみました。 その日のサウサンプトンの海は赤子の寝息のように穏やかで、薄雲のベールを突き抜けた陽光が海面を宝石のように輝かせていた。 舞台は1795年、フランスとの戦争中のイギリス海軍。 この設定

  • 『眼球堂の殺人』周木律

    ほんタメでたくみさんが理系向けのおすすめミステリーで紹介していたのを見て購入。メフィスト賞受賞作品です。 表紙がかっこいい。サラサラの手触りも好き。 「君、バスで本なんか読んで、よく平気だな」 天才建築家驫木が建てた自宅である眼球堂という変

  • 『王とサーカス』米澤穂信

    2024年読了第1作品目です。2024年の読書初めは、大好きな米澤穂信さんを選びました。 誰かの祈りで目が覚める。 フリーライターの太刀洗万智は、海外旅行特集の仕事でネパールに滞在中。そんな折、王宮で国王が息子に殺害されるという事件が起こる

  • 『ちぎれた鎖と光の切れ端』荒木あかね

    デビュー作『此の世の果ての殺人』がおもしろかったので荒木あかねさんの新刊を読みました。 乾いた電子音が、心臓の鼓動のように規則的に繰り返されている。 デビュー作で江戸川乱歩賞を取ってしまったら、次の作品は相当プレッシャーじゃないのかなあと思

  • 『月と蟹』道尾秀介

    道尾秀介さんの作品では『カラスの親指』が好きです。そんな道尾さんの直木賞受賞作品『月と蟹』を読みました。 「カニは食ってもガニ食うなってな、昔っから言うんだ」 小学生の慎一は春也と二人の秘密の場所へ毎日遊びに行く。そこでは水の溜まりにヤドカ

  • ガリレオシリーズ⑩『透明な螺旋』東野圭吾

    東野圭吾さんのガリレオシリーズ、2023年12月時点での最新刊、第10作目を読みました。 文庫化がまだされていない、唯一の作品です。 戦争が終わって丸三年が過ぎた頃、秋田県にある小さな村で、一人の女児が生まれた。 千葉県の房総沖で男性の死体

  • 『アミュレットホテル』方丈貴恵

    大好きな「Vtuber栞のミステリー小説カフェ」で、方丈貴恵さんと市川憂人さんが出演されている回を見て、方丈さんのお話がとてもおもしろく、小説を初めて読んでみました。 「とんだ言いがかりだ、話にならない」 舞台はアミュレットホテルという訳あ

  • 『スモールワールズ』一穂ミチ

    『光のとこにいてね』がおもしろかった一穂ミチさんの本を読みたくて購入。 表紙もかわいい。初回限定の特製しおりもめっちゃかわいいです。 7つの短編が収録されています。 夫婦、親子、姉弟、先輩後輩・・・ いろんな関係性の人たちの間に起こるちょっ

  • 『仮面山荘殺人事件』東野圭吾

    SNSで紹介されていたのを見て購入。舞台化もされているそうです。 1990年に出版された作品ですが、私が購入したのは講談社文庫2023年12月の第107刷。凄すぎる・・・ 交通事故で亡くなった朋美の親戚と婚約者、友人計8名が山荘に集まった。

  • 『地雷グリコ』青崎有吾

    『11文字の檻』やアニメ『アンデッドガール・マーダーファルス』がおもしろくて好きになった青崎有吾さんの新作『地雷グリコ』を読みました。 高校生が、誰もが知っている遊びをベースにしたゲームで勝負する話が収録された連作短編集です。 「地雷グリコ

  • 2023年に読んだ本ベスト10

    あけましておめでとうございます! 2023年は久しぶりに毎日本を読み始めた年でした。 ここのところしばらく仕事も忙しくて、資格試験勉強とかにも時間をかけたりしていて、読書する時間が減っていましたが、9月に読んだ『テスカトリポカ』がすごくおも

  • 2023年12月に読んだ本ベスト5

    2023年12月は28冊の本を読むことができました。 どれも本当におもしろい本ばかりだったのですが、頑張ってベスト5を選んでみようと思います。 第1位 『地雷グリコ』青崎有吾 グリコ、ダルマさんが転んだ、じゃんけんなど、みんなが知っている遊

  • 『13階段』高野和明

    すごく有名な作品ですが、未読だったので今回読んでみました。 高野和明さんのデビュー作にして江戸川乱歩賞受賞作。 死刑囚の樹原は、犯行時の記憶がなく、階段を登った記憶だけがかろうじて残っている。 冤罪の可能性があるため、その真相を明らかにする

  • 『64(ロクヨン)』横山秀夫

    だいぶ前に読んだことあったのですが、久しぶりに再読。 『作家の読書道』で呉勝浩さんが「自分の人生を変えたミステリー」として紹介されていたのを読んで、久しぶりに読んでみようと思いました。 それと、僕がデビューする前に最後に衝撃を受けたのは横山

  • 『星降り山荘の殺人』倉知淳

    SNSでレビューを見かけておもしろそうと思い、購入。 倉知淳さんの作品は初読みでした。 おもしろかったー。 雪に閉ざされた山荘で起こる連続殺人事件。設定は典型的なクローズドサークル。 そこで起こる殺人も、推理も、よくあるパターンかなあ、と思

  • アニメ『アンデッドガール・マーダーファルス』

    『11文字の檻』で青崎有吾さんの小説を初めて読んですごくおもしろかったので、他の作品も調べていたところ、『アンデッドガール・マーダーファルス』という作品がアニメ化されていて、Netflixで見れたのでさっそく見ました。 アニメは普段ほとんど

  • 『午前零時のサンドリヨン』相沢沙呼

    『medium』『invert』がおもしろくて好きになった相沢沙呼さんのデビュー作です。 相沢さんはマジシャンでもあるのですが、その魅力が存分に発揮された連作短編集でした。 ミステリというよりは、青春小説の要素が強め。 高校生の須川くんが一

  • アンソロジー『禁断の罠』

    有名ミステリ作家の短編が一冊で楽しめる贅沢なアンソロジーです。 超豪華な作家さんの名前が並んでいるのを見て即買いでした。 新川帆立さん『ヤツデの一家』不器量な姉である私と、美しい妹、美しい異母弟の妖しい三角関係。 結城真一郎さん『大代行時代

  • 『魔女の原罪』五十嵐律人

    『法廷遊戯』『不可逆少年』がおもしろかったので、五十嵐律人さんの他の作品も読んでみようと思ってこちらの魔女の原罪』を読みました。 主人公の和泉宏哉が通う高校には校則がない。その代わり、法律を破った生徒は全校生徒にその罪が公開される。 そのせ

  • 『スター』朝井リョウ

    『何者』『正欲』を読んですごくおもしろかった朝井リョウさん。 表紙がかっこよかったこちらの『スター』を読んでみました。 ダブル監督として新人賞を獲った大学生の尚吾と絋。 大学卒業後、尚吾は尊敬する大監督の映画チームに入り、絋はYouTube

  • 『ルピナス探偵団の当惑』津原泰水

    「このミス2024」のコナンくんベストエピソードのコーナーで、阿津川辰海さんと斜線堂有紀さんがおすすめしていたエピソードがあって、「これが好きな人にはこちらの小説もおすすめ!」という感じで紹介されていたので興味を持って買ってみました。 津原

  • 『ロスト・ケア』葉真中顕

    葉真中さんの小説は初めて読みました。『絶叫』も買っているのですが、まずはデビュー作から読んでみようと思い、こちらを読みました。 介護業界をテーマにした社会派ミステリ。42人もの老人を殺害したとして起訴され、死刑判決が出るシーンから物語は始ま

  • 『Iの悲劇』米澤穂信

    最近一番気になって追いかけている作家さん、米澤穂信さんの作品です。 タイトルからは、『Xの悲劇』的な本格ミステリ?(読んだことないけど)と勝手にイメージしてましたが、全然違った(笑) Iというのは、Iターンを指しています。一人、また一人と住

  • 『11文字の檻』青崎有吾

    青崎有吾さん、初読み作家さんでした。 「このミステリーがすごい!2024」で12位にランクインしていました。表紙もかわいかったのと、帯で芦沢央さん、阿津川辰海さん、大山誠一郎さん、似鳥鶏さんという錚々たるメンバーが絶賛していたので購入。 ち

  • 『幽玄F』佐藤究

    『テスカポリトカ』がすごくおもしろかったので、佐藤究さんの新刊『幽玄F』も読んでみました。 子供の頃から飛行機に心惹かれていた透。 高校生の時に同じく飛行機好きの友達・溝口に誘われて行った三沢基地の航空祭で初めて戦闘機を見て、自分は戦闘機に

  • 『護られなかった者たちへ』中山七里

    中山七里さんの小説は、昔『さよならドビュッシー』を読んだ記憶がありますが、その後はしばらく読んでいませんでした。 最近Xで新刊のサイン会のためにいろんな書店を訪れている中山さんのお写真を見て、すごく優しそうな方だなと思い、映画化もされている

  • 『スワン』呉勝浩

    呉勝浩さんの『爆弾』がおもしろかったので、他の作品も読んでみようと思い購入。吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞受賞作です。 何の前提もなくいきなり、スワンという郊外大型ショッピングモールで無座別銃撃事件が起きるシーンから始まります。死者

  • 『卒業タイムリミット』辻堂ゆめ

    辻堂さんの小説、初めて読みました。 ある私立高校で人気のある女性英語教師が誘拐され、72時間後に始末する、という犯人からの予告動画がネット配信された。 同じ高校の3年生4人に、「誘拐の謎を解け」という挑戦状が届く。 4人は特に共通点もなく、

  • 『光のとこにいてね』一穂ミチ

    一穂ミチさん、初読み作家さんでした。 第168回直木賞候補作&2023年本屋大賞第3位受賞作品です。 映像が思い浮かぶような、キラキラときれいな文体だなあと思いました。好きだなあ。 結珠(ゆず)と果遠(かのん)の二人の女の子が主人公。 結珠

  • 『入れ子細工の夜』阿津川辰海

    大好きな阿津川辰海さんの短編集です。 『透明人間は夜に潜む』と同じ青依青さんの装画が素敵。 まだ読んでいないけど『録音された誘拐』と一緒に3冊並べたくなります。 本書には四つの短編が収録されています。全部コロナ禍という時代を背景にした作品で

  • 『エレファントヘッド』白井智之

    『名探偵のはらわた』『名探偵のいけにえ』と読んできたので、次にこちらの『エレファントヘッド』を読みました。 Xでも読了ポストをよく見かけていたし、ミステリランキングでもよく上位に上がっていたので。 内容がグロそうだったので恐る恐るでしたが、

  • 『蒼海館の殺人』阿津川辰海

    阿津川辰海さんの『紅蓮館の殺人』の続編です。 Xで『紅蓮館〜』を読んだ後あまり間を空けずに読んだ方がいい、という意見がけっこうあったので、そうしました。 読んでみて、確かに!と思いました。 紅蓮館と蒼海館はひと続きの物語ですね。 紅蓮館のラ

  • 『名探偵のいけにえ』白井智之

    『名探偵のはらわた』がおもしろかったので、続編の『名探偵のいけにえ』を読みました。 舞台は1970年代。ある宗教団体が築いたユートピア的な村・ジョーデンタウンに調査団として赴いた助手のりり子を心配して現地に乗りこんだ探偵・大塒が主人公です。

  • 『でぃすぺる』今村昌弘

    『屍人荘の殺人』など剣崎比留子シリーズがおもしろくて大好きな今村昌弘さんの新作を読みました。 剣崎比留子シリーズの第4弾かと思いきや、なんと主人公は小学6年生のクラスメート3人。 小学6年生のユースケ、サツキ、ミナの3人は、クラスの掲示係に

  • 『未明の砦』太田愛

    大好きな太田愛さんの新しい作品を読みました。 『犯罪者』『幻夏』『天上の葦』の鑓水、修司、相馬の3人組シリーズで大好きになった作家さん。 本作品はこのシリーズではないですが、弱い立場の人たちが、強大な権力を持つ側からつぶされそうになってもあ

  • 『紅蓮館の殺人』阿津川辰海

    大好きな阿津川辰海さんの長編推理小説『紅蓮館の殺人』を読みました。 山火事で炎がじわじわ迫ってくる中での、時間制限ありのクローズドサークルで起きる殺人事件。高校生2人組が推理を繰り広げます。 高校生探偵であり、人が嘘をつくと分かってしまう、

  • 『invertⅡ 覗き窓の死角』相沢沙呼

    霊媒探偵城塚翡翠シリーズ第3弾です。 そして「invert」Ⅱとあるように、前作に引き続き倒叙集の第2弾となっております。 倒叙ミステリというのは、最初に犯人がわかっていて、その犯罪がどうやって暴かれるか、犯人の立場で一緒にドキドキしながら

  • 『兇人邸の殺人』今村昌弘

    『屍人荘の殺人』『魔眼の匣の殺人』に続く剣崎比留子シリーズ第3弾です。 いやー、今回も想像を超える特殊設定でのクローズドサークルでした。 斑目機関の秘密を探るグループに声をかけられ、一緒に廃墟テーマパークに忍び込むことになった葉村くんと剣崎

  • 『神の悪手』芦沢央

    初読み作家さん。ほんタメでゲストに登場されている動画を見て、こちらの『神の悪手』を読みました。 将棋をテーマにした短編集です。 芦沢さんの本はゾワっとするような怖い話なのかなというイメージで、まだ読んだことがなかったのですが、この本に収録さ

  • 『俺ではない炎上』浅倉秋成

    『六人の嘘つきな大学生』がおもしろかったのと、ほんタメにゲストで出演されていた時のお話がすごくおもしろくて、他の本も読んでみたいと思いました。 50代のハウスメーカー営業部長の山縣泰介が、なぜかこれまで触ったこともないTwitterでの投稿

  • 『invert城塚翡翠倒叙集』相沢沙呼

    『medium』がおもしろかったので、続編であるこちらの本を読みました。ちょうど文庫版が出たタイミングだったので。 いやー、今回も遠田志帆さんの表紙が素敵です。毎回言ってますが、毎回本気で思っています。 『medium』以上に分厚いなあと思

  • 2023年11月に読んだ本ベスト5

    2023年11月は30冊の本を読みました。 今月は久しぶりに図書館に通って本を借りたりもしました。 私は基本的には本は買って読みたい派ですが、単行本も全部買うのはお金的にもスペース的にもなかなか厳しいので、文庫化されていないものは図書館で借

  • 映画『キサラギ』

    阿津川辰海さんの短編集『透明人間は密室に潜む』の中の一編「六人の熱狂する日本人」についてのあとがきで、同じような設定の映画『キサラギ』が大好きだと書かれていたのを読んで、見てみたいと思い、DVDを買いました。 めっちゃおもしろかった。 売れ

  • 『透明人間は密室に潜む』阿津川辰海

    読書日記での膨大な読書量とわかりやすい解説に絶大な信頼を置いている阿津川さんの短編集です。 表題作は、透明人間病というものが存在し、透明人間が普通に存在する世界での物語。 透明人間が生活するには、そして殺人をするときにはどんなことに気をつけ

  • 『ジェリーフィッシュは凍らない』市川憂人

    第26回鮎川哲也賞受賞作。タイトルは知っていてずっと読みたいなあと思っていたのを今回やっと読みました。 あらすじを読むと、内容が理系・科学っぽいし、設定が外国で登場人物の名前もカタカナなので読みにくいかな、と勝手に想像していたのですが、実際

  • 『この本を盗む者は』深緑野分

    SNSで見ておもしろそうと思い購入。表紙がかわいくて好きです。深緑野分さんは初読み作家さんでした。 「本の町」読長町の中心的存在である「御倉館」を運営する御倉家の高校生・深冬は、本が大嫌い。 ある日、御倉館から本が盗まれたことで本の呪い「ブ

  • 『推理大戦』似鳥鶏

    ほんタメで「ほんタメ文学賞」2021たくみ部門受賞していた動画を見て、おもしろそうと思い購入。 ちょうど気になっていたところに文庫化されたのを書店で見かけて買いました。 日本の大富豪が発見した「聖遺物」を賭けて世界から集まった名探偵が推理ゲ

  • 『名探偵のはらわた』白井智之

    SNSでの評価も高くて、なんと言っても表紙が大好きな遠田志帆さんなので、気になっていたのですが、白井さんの本ってグロいって聞くしなあ、、と気が引けて何度か書店で手に取っては棚に戻す、というのを繰り返していました。 今回、思い切って買って読ん

  • 『優等生は探偵に向かない』ホリー・ジャクソン

    『自由研究には向かない殺人』が面白かったので、シリーズ第2作目の『優等生は探偵に向かない』を読みました。 じつはけっこう前に買ってはいたのですが、その分厚さにちょっと気が引けて、しばらく積んでいました。 今回、えいやっと気合を入れて読み始め

  • 『氷菓』米澤穂信

    米澤穂信さんの小説は初めて読みました。 『黒牢城』は前から気になっているのですが・・・ そんな米澤穂信さんの古典部シリーズというのがあると知り、読んでみました。 高校に入学した主人公の奉太郎は、同じ高校を卒業した姉からの手紙で、廃部目前の「

  • 『カラスの親指』道尾秀介

    タイトルは前から知ってたけど、読んだことなくて、ほんタメのたくみさんの大好きな道尾秀介さん読んでみようと思い購入。 道尾秀介さんの作品は『シャドウ』に続き2冊目です。 『シャドウ』のレビューはこちら。 詐欺師のタケさんとテツさんはある出来事

  • 『ハサミ男』殊能将之

    第13回メフィスト賞受賞作。SNSやミステリー小説のおすすめでもよく見かけていたので読んでみました。 美少女を絞殺、首にハサミを突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。物語はこの鋏男が3人目の被害者を決め、家の周りを下調べする場面から始まります。

  • 『天上の葦』太田愛

    大好きな太田愛さんの鑓水・修司・相馬の3人組シリーズ。『犯罪者』『幻夏』に続く第3弾です。 鑓水と修司のもとに、前作での天敵、磯部議員の秘書・服部がやってきて、渋谷のスクランブル交差点の真ん中で死亡した老人が、最期に何を指さしたかを調査する

  • 『魔眼の匣の殺人』今村昌弘

    今村昌弘さんの『屍人荘の殺人』を再読してすごくおもしろかったので、同じ剣崎比留子シリーズの『魔眼の匣の殺人』を読みました。 表紙はもちろん前作に続き遠田志帆さんです! 葉村くんと比留子さんは、前作の事件の元凶となった斑目機関について調査する

  • 『十戒』夕木春央

    『方舟』がすごくおもしろかったので、こちらも購入して読みました。 結果、めっちゃおもしろかったです。 わたしずっと「じゅっかい」と読んでいましたが、夫が通りすがりに「お、じっかい、これ話題だよね」と言って、それで「じっかい」と読むことを知り

  • 『汝、星のごとく』凪良ゆう(ちょっとネタバレあり)

    『流浪の月』がすごくよかったので、こちらの作品も読みました。 『流浪の月』で2020年本屋大賞を獲った凪良さん、この作品でも2023年本屋大賞を受賞しています。すごい。 瀬戸内の島に住む暁海と櫂。それぞれ親が頼りにならず、子供の2人が世話を

  • 『屍人荘の殺人』今村昌弘

    数年ぶりの再読。 大学のサークル合宿で泊まったペンションで起きる連続殺人事件。 ペンション全体がある特殊な状況で密室状態になり、さらにペンション内の部屋で密室殺人が起きる。 前に読んだ時は、ペンション全体が密室状態になったある状況が衝撃的す

  • 『正欲』浅井リョウ

    SNSで感想をよく見かけていて興味があり購入。 小学生の息子が不登校になり友達とYouTubeを投稿し始めた検事。 大学の文化祭の実行委員をやることになった女子大学生。 地元のイオンの中の寝具店に勤める女性。 まったく接点のない3人の日々が

  • 『乳と卵』川上未映子

    村上春樹さんと川上未映子さんの対談本『みみずくは黄昏に飛びたつ』を読んで、芥川賞受賞作の『乳と卵』を読もうと思いました。 川上さんの本は、先日『ヘヴン』を読んだのと、もっと前に『夏物語』を読みました。 この『乳と卵』は『夏物語』の登場人物が

  • 『みみずくは黄昏に飛びたつ』川上未映子 村上春樹

    川上未映子さんの『ヘヴン』を読んで、そういえば村上春樹さんとの対談本も持っていたんだったと思って再読。 単行本が出てすぐ買って読んだのですが、今回文庫版を買って読みました。 文庫版には、単行本でのインタビューの2年後に行われた「文庫版のため

  • ガリレオシリーズ⑨『沈黙のパレード』東野圭吾

    ガリレオシリーズをまとめて読んでみよう企画第9弾です。 いよいよ9作目まで来ました。2023年11月時点で文庫化されているのはこの作品までです。単行本で10作目『透明な螺旋』が出ています。 3年前東京で突然行方不明になった女性の遺体が静岡の

  • 『流浪の月』凪良ゆう

    2020年本屋大賞受賞作品。前から読みたいと思いつつ、なぜか今まで読んでなかった。もっと早く読めばよかったー。めっちゃよかったです。 文庫版出た時から何度も手に取りつつ、なんとなく後回しにしていました。 それから、裏表紙のあらすじ。申し訳な

  • 『シャドウ』道尾秀介

    道尾秀介さんの本はもしかしたら初めて読んだかもしれません。 本格ミステリ大賞受賞作ということでこちらの作品を選びました。 小学五年生の凰介の母が病死した数日後、幼馴染の母親が飛び降り自殺した。それ以来幼馴染の少女の様子がおかしい。父親同士、

  • 『方舟』夕木春央

    本格ミステリランキング第2位受賞作。 前から読みたいと思っていてKindleのセール期間中に購入していたものを、今回ようやく読みました。 大学時代のサークル仲間で別荘に向かう途中、メンバーの一人が寄り道に誘った地下建築・方舟。 迷いながら辿

  • ガリレオシリーズ⑧『禁断の魔術』東野圭吾

    ガリレオシリーズをまとめて読んでみよう企画、第8弾まで来ました。 『禁断の魔術』、長編です。 高級ホテルで女性の死体が発見される。 湯川の元に高校のずいぶん後輩の若者が訪れる。 フリーラーターの男性が自宅で殺害される。 これらが少しずつ繋が

  • 『十角館の殺人』綾辻行人

    大学生の時に読んだことはあったけど、最近またミステリーをたくさん読んでいるので、名作であるこの『十角館の殺人』をもう一度読もうと思って購入。 大学のミステリー研究会メンバーが、島にある十角館で合宿をする。同じ島にある本館は以前火事で焼けてお

  • ガリレオシリーズ⑦『虚像の道化師』東野圭吾

    ガリレオシリーズをまとめて読んでみよう企画、第7弾は『虚像の道化師』。短編集です。 本書に収録されている短編は以下の7編です。7つも!お得! 第一章 幻惑す(まどわす) 第二章 透視す(みとおす) 第三章 心聴る(きこえる) 第四章 曲球る

  • 『正体』染井為人

    SNSで感想を見かけておもしろそうと思い購入。 染井さんの本は初読みです。 文庫本が思ったより分厚くて最初ちょっとビビったけど、面白くて1日で一気読みでした。 夫婦と2歳の子供が自宅で惨殺された事件で死刑判決を受けた少年死刑囚が脱獄した、と

  • 『ヘヴン』川上未映子

    近くの図書館で開催された読書会の課題本だったので購入して読みました。 前にも読んだことはあったのですが、今回久しぶりに読み直してみて、前に読んだ時よりもすごくおもしろいと思いました。前はいじめがひどすぎて読むのがつらい・・・という印象が強か

  • 『此の世の果ての殺人』荒木あかね

    中学生の息子が「車に関する本を一冊選んで読む」という学校の課題のために選んで買った本です。息子が読み終わったので、私も読んでみました。 これが「車に関する本」として適当なのかどうかは微妙ですが、とてもおもしろかったです。 息子、なかなかいい

  • ドラマ『Nのために』

    湊かなえさん原作の小説がドラマ化されていたので、見てみました。 一話目見て、これ先に原作読みたい!と思って本屋さんに買いに行き、原作を読んだらすごく良かったです。その後にもう一度ドラマに戻りました。 高層マンションの一室でクリスマスに野口夫

  • 2023年10月に読んだ本ベスト5

    2023年10月に読んだ本は30冊でした。 その中でとくによかったものベスト5を発表したいと思います。 第1位 『幻夏』太田愛 太田愛さんの作品をこの本で初めて読みました。3人のキャラクターもいいし、事件の背景も読んでいて涙が出そうだったし

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