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2023/08/10

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  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・56

    ■認知と行為【要約】 代表機能の最も単純で直接な水準は知覚である。知覚が行為的な経験とどのように因果的に関係しているかについて、二つの対立する見解がある。その一つは、人間の知覚は代表機能によって支えられるが、この機能は、人間においては視覚や

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・55

    ■非言語的な経験《“内言語”の非言語性》【要約】 言語的代表過程が形成されるための要件の一つとして、マイクルバスト(Myklebust,1960)は、“内言語”なるものを考えている。“内言語”はビゴツキーの“内言”とは異なる概念である。“内

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・54

    8 認知世界の形成【要約】 子どもは、まず言語を学び、つぎにそれを基礎として意味的経験をするようになっていくのではなく、はじめに意味的経験をし、その経験を深めていく途中から、それを基礎として言語の影響を徐々に受けるようになっていくのである。

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・53

    ■聴力【要約】 談話を聞く場合、談話の全体が必ずしも遺漏なく聞きとれるということはなく、また、つねにそうである必要もない。その理由の一つは、談話の行われる状況、談話そのものの置かれている文脈、あるいは広い知識・経験などが、聴取欠損部を補うの

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・52

    ■音声識別と発声【要約】 音声識別力が、子どもの漸次発達変化していく音韻とその体系化にそって発達することは明らかである。低い発達段階では、一部の音声だけを識別し他の音を無視するとか、特定の音声を彼自身の音韻範疇に従ってまとめたり相互交換した

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・51

    ■音声識別と場面【要約】 “言語理解”が言語以外の条件(場面)によっている場合が多い。 カリツォーバは、成人が談話を与えるとき、その音調が一定であり、また身振りや場面も一定であるときだけ、要求している条件(“理解”)反応を示すことを実験的に

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・50

    ■音声識別【要約】 音声に基づく談話の識別は、子どもが音声そのものに積極的で分析的な関心をもつまでは生じてこない。ルイス(Lewis,1951)によると、音声に対する子どもの関心は、原初的な音声模倣(音調をおもな手がかりにする談話“理解”期

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・49

    7 談話の識別【要約】 ここで“談話の識別”とは、子どもが聞いた談話が、その特徴に応じて、安定した特殊反応をおこさせるようになることである。子ども自身の生産する談話が発達するための基本的な条件の一つは、他者の談話の識別にあることはいうまでも

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・48

    4 言語理解の発達【要約】 発声行動の言語化が子どもの聞く談話の言語的理解を基礎として生じてくることは明白であり、使用に対する理解の時期的先行が1歳6ヶ月から3歳0ヶ月ごろまでではほぼ2〜3ヶ月の間隔で、もっとも顕著に現れるといわれている。

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・47

    《象徴遊びにおける発声行為》【要約】 象徴遊び(“ふりをすること”“見せかけること”)に発声行為が伴うとき、その象徴的な特性はいっそう明瞭になる。 ピアジェ(Piaget,1945)による観察事例をみる。⑴Jという子どもは、1歳

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・46

    ■その他の音声的象徴行動【要約】 身振りと音声模倣のほかに、重要な二、三の初期の音声的象徴行動がある。これらは、音声模倣と発達的に接続する関係にあり、本格的な言語習得過程の先行条件となるものである。《半個人的な言語的表示》 それは形式的にだ

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・45

    ■言語音声の習得(省略)■オノパトペ【要約】 “オノパトペ”は、人間の音声以外の音や声(物音や動物の声など)に対する模写的な音声を意味する。オノパトペはその機能において、音声模倣とはかなり違っており、言語獲得以前の子どもの場合には、とくにそ

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・44

    《音声模倣と自発的使用》【要約】 上述の問題は、模倣された音声が子ども自身の自発的で、ある程度その場に適合した(意味的な)談話の形成にどのように寄与していくのかという、言語発達問題の核心につながっている。ここには顕現的な音声模倣とその音声の

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・43

    《音声模倣と意味》【要約】 ギョーム(Guillaume,1925)は、音声模倣はその音声が子どもにとって意味ないし意味の縁辺を伴っているときだけ生じるのであり、意味からまったく離れた音声の模倣ということはありえないという。レオポルド(Le

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・42

    《同一視説》【要約】 “同一視”とは、他者と自己を混同することをいう。精神分析の創始者フロイト(Freud)は、親に対する子どもの同一視が人格の基本要因であることを主張し、その後の人格理論、社会心理学、さらには学習理論をふくむ行動理論に大き

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・41

    ■音声模倣の機制【要約】 語の形成は、喃語活動にふくまれる音声の自然の固定化によって達成されるとは考えられない。幼児は、必要な語を形成するさいに、新しい音声を習得する必要がおこってくる。さらに、多くの異なる音声を組み合わせて作られてくる反応

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・40

    《連続発達説》【要約】 音声模倣の発達が連続的だとする見解は二つに大別することができる。一つは、音声模倣が出生後きわめて早期から認められるとする見解であり、もう一つはほぼルイスの第3段階から生じるとするものである。 前者に属する連続発達説は

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・39

    ■音声模倣の発達過程【要約】《音声模倣の開始期》 音声模倣は0歳2ヶ月から早くも始まると(Hoyer and Hoyer,1924;Lewis,1951;Stern u.Stern,1907)があるかと思うと、0歳9ヶ月〜0歳10ヶ月にな

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・38

    3 音声模倣【要約】 言語習得がとりわけ音声模倣に依存していることはいうまでもない。言語発達が学習現象であるといわれるおもな理由の一つは、それが音声模倣を経てはじめて達成されるというところにある。 擬音あるいは擬声(オノマトペ)もまた、一種

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・37

    《発達的連関についての諸説》 大きく分けると三つの考え方があるようである。 第一は、音声と身振りとの間に連関は認めるが、相互の経験的な因果関係を問題にしない立場である。音声がもともと、人間においては行為を伴い、両者が生得的に密接に結合してい

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・36

    ■身振りと談話《音声的伝達の利点》【要約】 音声による伝達の基本的特徴はつぎのようである。⑴聴覚刺激以外の感性刺激は、空間性ないし対象性が比較的大であるが、聴覚刺激はその時系列性ないし線状性のゆえに、事象の記号として、事象とその

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・35

    ■身振りによる伝達の限界 身振りで非現実事象を表示することは可能であるが、音声行動と比較すれば大きな制約がある。そのおもな理由としてつぎの三つをあげることができる。⑴大部分の身振りは、それが行われる事態に依存して表示の一義性を達

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・34

    ■自発的身振りの発達《身振りと“内的言語感覚”》【要約】 レベス(Revesz,1956)によれば、音声が“内的言語感覚”の影響を受けるようになるとき、音声言語行動が形成される。これと同様に、身振りもこの要因の関与によって、象徴化を開始する

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・33

    ■絵画的身振り《絵画的身振りの意味》【要約】 他者の身体運動を自己の身体運動で模倣しようとする傾向は0歳10ヶ月〜1歳0ヶ月ごろからみられる。子どもの絵画的身振りはこのような人間行為の模写にはじまるようである。この場合、模写の媒体となる身体

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・32

    ■表情【要約】 表情は本来、内的・情動的状態の自然的な表出であり徴候であるが、音声言語行動の未発達な時期には、外的事象の表示手段としてもある程度利用される。聾幼児では、音声的手段をほとんどもつことができないために、表情を表示の手段として用い

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・31

    ■提示【要約】 身振りは、その表示方法の上で2種類に分けることができる。一つは、現前場面に依存せずに、対象ないし事象そのものを模写的にあるいは象徴的に絵画化する仕方であり、もう一つは、現前場面に依存する対象ないし事象を指摘する仕方である。後

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・30

    ■指示【要約】 対象そのものの絵画化を伴わない象徴的身振りの典型的なものとして、指示行為をあげることができる。単に対象に手を伸ばす動作、あるいは注視と到達行為との協応が開始されるのは0:3〜0:5であり、比較的個人差はない。はっきり指示の徴

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・29

    5 身振り【要約】 身振りの発生はおそらく自然的であって、身振りとして学習されたものではないが、のちに慣用される身振りの観察と模倣行動とを通じて学習され、伝達の手段として意図的に用いられる。この発達的変化のなかで最もいちじるしい面は、その象

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・28

    《遊び》【要約】 遊びは新しい外的環境に対して、すでに獲得している活動を適用することであり、積極的で自主的な活動である。さらに遊びは、発達の過程のなかで漸次その象徴的特性を現し、それを最も高度に示す行為でもある。人間の精神発達を適応の過程と

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