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「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・75
《初期の質問の形式と機能》 子どもに“疑似質問”といえるものが存在する。真の質問と疑似質問との間の判別は容易ではないが、その基準のおもなものはつぎのようである。⑴ 子ども自身がその名を知らないものについて質問する。⑵
2024/05/19 09:34
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・74
《“質問期”》【要約】 シュテルン(Stern u. Stern,1907)は、1歳6カ月の子どもに、あらゆる椅子を一つ一つ指示しながらその名をたずね、部屋中を駆け回る時期があったと報告し、初期質問は、名をたずねることであり、これは子どもが
2024/05/18 08:37
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・73
■質問《質問の機能》【要約】 質問は“特定の明白な目的と、独自の聴覚的音声形式と、思考交流における重要な役割とをもつ、特殊な言語的伝達”(Reves,1956)である。質問は、質問者が自分の知らない情報を最も有効・迅速に知るためのすぐれた手
2024/05/17 09:23
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・72
■談話的指示【要約】 対人的な場面での指示行為の機能は、主題の伝達ということである。場面にある特定の刺激事象を場面から分離し選択的にそれを表示することもふくむが、それが完全に行えないということも意味している。一つの指示行為は、主題がその人で
2024/05/16 09:05
幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・71
■拒否と否定 《拒否》 【要約】 拒否態度は0歳2カ月ごろから、一定の形で明確に示される。哺乳瓶の代わりにおしゃぶりを与えると、頭を振り、怒って泣く。拒否は、もともと情動的な排除、あるいは嫌悪の直接の結果生じる行動であり、生得的な傾向であ
2024/05/15 08:48
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・70
■応答《返事》【要約】 応答の最も単純な型は、相手の呼びかけに対する、ウンとかハイのような返事である。この種の応答は1歳前後で生じるが、特定の相手の特定の談話に対する特定の応答(適応的な反応)が生じているのではなく、紋切り型に反響的に反応が
2024/05/14 09:17
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・69
■呼びかけと要求《呼びかけ》【要約】 呼びかけは、現前する人、あるいは現れることが期待される人に対して伝達する欲求に動機づけられる発声である。注意をひきつける効果の大小に重点が置かれており、音量あるいは音調が重要な役割をはたしている。レベス
2024/05/13 09:22
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・68
■感嘆発声【要約】 初期の感嘆発声は、主として短母音または長母音の強い発出であり、情動の直接的な表出である。子どもの属する社会の言語音からの影響を受けておらず、生得的なものである。これは“一次感嘆発声”あるいは“自然感嘆発声”とよばれている
2024/05/12 10:13
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・67
12 言語的伝達の諸型■サルの発声の型と機能【要約】 京都大学の霊長類研究グループによる十数年間の研究成果が、最近、伊谷(1965)によってまとめられている。伊谷によると、ニホンザルの音声的伝達は機能的につぎの4種類に分類することができる。
2024/05/11 09:24
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・66
■母親の初語識別《初語識別》【要約】 通常、初語は子どもとたえず接している母親によって発見される。母親は、純粋に情動的あるいは喃語的な発声に対しても、これを自分への呼びかけ、あるいは、何かを自分に要求する有意味的発声と解釈しがちである。客観
2024/05/10 09:28
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・65
11 初語【要約】 “語”は、文のなかの構成分でなければならないから、初語は“語”ではないが、初期の談話は、語に似たまとまり方で1音節ないし2〜3音節から成り、機能的にみても、将来の本格的な談話の中に移行していくものが多いから、“語”とよん
2024/05/09 09:45
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・64
6 言語的伝達の機能の初期分化【要約】 ここへきてようやく言語的な行動の第1歩がはじまる。それは、言語形式に従う適応的な伝達の開始ということである。この期から、子どもは言語を利用して外界に適応する方法を徐々に、しかし積極的に習得していく。
2024/05/08 09:42
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・63
■言語理解の透明性【要約】 音声は談話の聴取においては“透明”だといわれる。このことは、“話”という語がつぎのような広い意味範囲にわたって用いられる事実からも立証される。まず、“話”という語は、言語行動の一形態としての意味に用いられる。&#
2024/05/07 08:59
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・62
《自己行動調整機能の発達》 はじめ他者への伝達手段であった談話が、子ども自身が自己の行動を統制し組織化するための手段を分化すること、および、まえには二人のひとに分かれていた“話すー聞く”という機能が、のちに個人行動の中へ統一的に内化されるこ
2024/05/06 16:40
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・61
9 言語理解 【要約】 言語理解は子どもの知的発達に大きな寄与をする。そのような寄与がどのように発達変化するか、その発達を規定する要因は何かについて考えてみたい。 ■ 談話の自己行動調整機能 自己行動に対する談話の調整機能の発達過程に
2024/05/05 09:55
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・60
《代表過程と条件づけ》【要約】 二つの事項間の任意的な関係は、言語的代表過程に限らず、非言語的過程にも存在する。接近連合、あるいは条件づけによって、連合される二つの事項の間に有縁性があってもなくても、両者間に結びつきが生じる。 連合における
2024/05/04 09:40
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・59
《代表過程の二つの発達水準》【要約】 代表過程とは、“代表するもの”と“代表されるもの”との間の分化である。ピアジェ(Piaget,1945)に従って、“代表するもの”を“能記”、“代表されるもの”を“所記”とよぶ。この二つの用語は、フラン
2024/05/03 09:25
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・58
■範疇化【要約】 代表過程の発生と発達を具体的に考えてみる。認知に対して作用する代表機能は、要するに、客観的事象を意味的なものへと変形することであり、範疇化することである。 特定の1匹の動物が特定の“そのもの”としてではなく、“イヌ”という
2024/05/02 08:58
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・57
《ピアジェの見解》【要約】 ピアジェ(Piaget,1933,1934,1945)は、知覚が行為的経験を媒介としてはじめて発達すると考えている。前述したマッチ箱場面(父親が1歳4カ月の女児の目の前でマッチ箱をあけ、そのなかに鎖を入れ、箱の口
2024/05/01 10:04
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