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2023/04/10

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  • 驚くユーモア短編集 (39)ペット

    愛玩(あいがん)動物といえばワンちゃんネコちゃんが代表格だが、中にはワニさんの代表格、クロコダイルのクロコさんとかイグアナのイグちゃんとかをペットにされる愛好家もおられるから驚く。まあ、何を飼おうと自由だが、チィ~~ンと鳴るお終(しま)いまできちんと面倒をお願いします。^^とある動物愛好家さん達のパーティが行われている。「おおっ!ラバのキミちゃん、久しぶりにお元気な姿をお見かけしましたよ、ははは…」「そう言われるのは、イグアナのイグさんでしたか。相変わらず、お動きになりませんな、ははは…」「いやいや、いつものことですよ、ははは…」そこへ、スゥ~っと近づいてきたのは、チンパンジーさんを連れた紳士だった。「やあ、皆さん!やっておられますかなっ!!」「これはこれは、チンパンジーのヨシコさんでしたか…。お元気そう...驚くユーモア短編集(39)ペット

  • 驚くユーモア短編集 (38)空腹

    一定時間が過ぎれば、健康な者なら空腹になるだろう。この空腹の感覚は突然、感じる場合もあるが、大抵(たいてい)は、小腹が空くとかの感覚の場合が多い。ただ、これには個人差があり、食べても食べても空腹を感じる人には驚く他はない。^^とある普通家庭である。「おじいちゃん、今、食べたばかりでしょ!」息子の嫁に注意された祖父は、テーブル椅子に座ったまま訝(いぶか)しげに考え込んだ。「いや、まだ食べとらん…」祖父が出した答えは、まだ食べていない・・というものだった。「なに言ってるのっ!五分前に食べたでしょ!ほら、食べ終えたお茶碗が、ちゃんと目の前にあるでしょ!」祖父にすれば、なんと言われようと食べてない!である。現に祖父は空腹を覚えていた。ただし、覚えてはいたが、息子の嫁が言ったとおり、祖父は五分前に食べ終えていたので...驚くユーモア短編集(38)空腹

  • 驚くユーモア短編集 (34)年月

    老いれば、年月の進む速さに驚くことが多くなる。個人差こそあれ、そう感じるこの現象は、誰しも同じようだ。現に、この私でさえ、そう感じて驚く日々が続いているのである。^^一人の老人が、離れの隠居部屋で、しきりに書類を探している。「妙だな…。確か、ここへ入れておいたはずだが…」老人は文書箱の中を出しては入れ、入れては出しながら、ついには動きを止め、腕組みして考え始めた。「確か、二年前…そうそう!やはりそうだ!お隣(となり)の手計(てばかり)さんから譲(ゆず)ってもらったんだが…」老人が探しているのは、とある戦国武将が配下に認(したた)めたと伝えられる古文書だった。「━年月、人を待たず━とは言うが、まだ二年前だ。古文書が勝手に歩く訳がないしな…」そこへ老人の息子の嫁が部屋へ入ってきた。「お義父さま、お茶を淹(い)...驚くユーモア短編集(34)年月

  • 驚くユーモア短編集 (33)自然

    文明進歩を続けた人類だが、まだ自然の壮大さを把握しきれてはいない。それだけ自然とは変化を見せ、人が驚く現象を様々に見せつける神秘の世界なのである。最近、頓(とみ)に発生する突然の異常気象や病害もその一つの現れだろう。とある海水浴場である。猛暑日の中、多くの海水浴客で砂浜はごった返している。その中で、泳ぎもせずビーチパラソル下のチェアーに腰掛ける老人二人が話をしている。「ははは…これでは芋の子を洗うようですな。風光明媚(ふうこうめいび)な自然を眺(なが)めようと家族を乗せ、やって来たんですがな…」「まさか、ここでお出会いするとは…。この前、お会いしたのは経団連のパーティーでしたか…」「そうでしたな…。で、あなたは?」「ああ、私も家族連れで…。ほら、あそこで娘夫婦と孫が泳いどります」「なるほど…」指をさされた...驚くユーモア短編集(33)自然

  • 驚くユーモア短編集 (32)癖(くせ)

    本人が気づかないうちに自然と体が動いている・・それが、癖(くせ)と呼ばれる身体の動きだ。貧乏ゆすりを知らず知らずのうちにやっていて、怒られた経験をお持ちの方もおられることだろう。自分が知らないうちに身体(からだ)が勝手に動くのには驚く。古文書(こもんじょ)によれば歴史上の人物である徳川家康公も、手の爪(つめ)をよく噛(か)まれたそうだ。かく言う私も、食事で物を食べているとき、口をピチャピチャと言わせて母親に注意されたものだ。注意されて以降、気をつけた所為(せい)か、いつの間にか、しないようになった記憶がある。とあるフツゥ~家庭である。母親に子供が怒られている。「ったくっ!誰に似たのかしらっ!」そこへ洗顔を済ませた旦那さんが現れた。「…んっ!?どうしたんだ?」「あなた、聞いてよ。豚(とん)ちゃんがね、またオ...驚くユーモア短編集(32)癖(くせ)

  • 驚くユーモア短編集 (31)ニュース

    最近のニュースは驚くことが多い。驚くことが多いと、少々のことでは次第に驚かなくなる。最近、巷(ちまた)を席巻(せっけん)している新型コロナのニュースなどは、分かりよいその一例だろう。とある片田舎である。家の縁側でご隠居二人がヘボ碁を打ちながら話をしている。「よかったですなっ!」「さようで…。これでウイルス関連の心配は、ひとまずなくなりました」「まさか治療法と新薬が発明されるとは思っとりませんでした」「いや、それは私もです。…これで終局ですな。あとはダメを詰めてと…」さか二人は整地をし、地(じ)を数え始めた。「…持碁ですなっ!ということは、後手番のあなたの勝ちですぞ」「まさか持碁で勝つとは…。ははは…驚きました」「驚くのも、こういう場合はいいですな」「さようで…。では、もう一局…」二人はデリバリーで届けられ...驚くユーモア短編集(31)ニュース

  • 驚くユーモア短編集 (30)人類対地球

    ここ最近の異常気象は人類の文明進歩によって齎(もたら)されたもの・・との説が有力になりつつある。人類は文明を進歩させることで自分達に都合のいい生存形態を様々と構築した。だが、その一方で、その都合のいい構築によって多くの生物が犠牲となり、絶滅種や絶滅危惧種が増加している事実は隠しようもない。人類も、人類以外の生物も、地球なくしては生存できないのだが、人類はその大事な地球を壊しつつある。他の生物も人類からその身を守らねばならず、地球軍の一員として人類と戦っている訳だ。その最前線にいる人類以外の生物の一つがここ最近、蔓延(まんえん)しているミクロ(微視的)世界に住む変異ウイルスなのである。変異ウイルスや人類が悪性新生物と呼んでいる細胞は、いわば地球軍から派遣された人類と戦う最前線の兵士なのだ。それに気づかないア...驚くユーモア短編集(30)人類対地球

  • 驚くユーモア短編集 (29)熱波

    暑い夏が今年もやってきた。年々、暑くなると感じるのは私だけではないだろう。とくに日中の熱波は肌を焦(こ)がし、焼き尽くすほど強烈になったのには驚く。危険な熱波に外へは出られず、家内で身を潜(ひそ)めるお年寄り二人が将棋を指している。「いやはや、近年の熱波には驚かされますな…大手っ!」「うっ!…そう来ましたか。確かに近年の気候には、驚くことが多いですなっ!では、こう逃げてと…」「そちらへ逃げますか…。うむ…。では、桂成りで…」「それでいいんですか?では、こちらは詰めろの歩成りとっ!」「う~むっ!その手は…」「どうされました?」「いや…。暑いですなっ!」「いや、熱波は外です。ここはクーラーが効いて涼しいですぞ」「はあ、まあ…。どうも、いけません。熱波にやられたようですな、ははは…」詰めろの驚く手を指されたご隠...驚くユーモア短編集(29)熱波

  • 驚くユーモア短編集 (28)無(な)い

    確かにあった物が無(な)いとき、大小の違いはあっても驚くことに変わりはない。とある家の庭である。その庭の垣根越しに、お隣のご隠居と、この家のご隠居が話をしている。「…確か、その隅(すみ)に樹が植えられてませんでしたか?無くなっとるんですが…。昨日(きのう)はお見かけしたと思っとったんですがな。無いもので…」「ああ、確かに昨日まではありました。ありましたが、横の樹と取り合いになっとりまして、横の樹が枯れてきたもので…」「はあ、それで…」「遠慮をしてもらいました…」「と、言いますと?」「景色から消えてもらいました…」「ははは…消えてもらいましたか?」「はい、消えてもらいました。元々、枯れかけておった樹で、それを世話して育てたんですが、隣の樹を枯れさせよ、とは言っとりませんでしたからな、ははは…」「言われません...驚くユーモア短編集(28)無(な)い

  • 驚くユーモア短編集 (27)結末

    結末が、どんでん返しでひっくり返れば誰もが驚くだろう。例えば競馬の万馬券、大相撲の予想外の結果…など、考えるだけでも多く、枚挙に暇(いとま)がない。それだけ社会や私達の身近で起こる諸事は流動的で不安定ということになる。当然、その結末に驚くことは増えてしまう。とある喫茶店である。猛暑を避けようと店へ飛び込んだ二人の営業サラリーマンがアイス・コーヒーを飲みながら話している。「参ったよ、今回の異動は…」「いや、俺も驚いたよ。なにせ監査役の蚊取さんが社長だろ?」「ああ、そうそう。常務の陀児尾(だにお)さんだと思ってたのにな」「派閥の結末が、これじゃ…」「聞くところによると、CIAらしいぜ」「会長直属の人事部、秘密調査課か?」「ああ。どうも陀児尾派のよからぬ情報が会長に流れたらしい…」「なるほど。…で、その情報が社...驚くユーモア短編集(27)結末

  • 驚くユーモア短編集 (26)お化け屋敷

    夏ともなれば納涼のお化け屋敷が人気となる。むろん、驚くことで涼を求める、あるいは暑さを忘れるための趣向であることは疑う余地がない。お化けなどいない、馬鹿げている…と分かっていても、突然、演技のお化けが現れれることで驚くのは不思議といえば不思議だ。若い男女の二人連れがお化け屋敷に入場してしばらく経った屋敷の中である。「…先輩、もう帰りましょうよ!」怖(こわ)いものはからっきしダメ…とでも言うかのように、OL風の女性は先輩らしきサラリーマン風の男性の肩に縋(すが)りついた。「あ、ああ…。君がそう言うんなら…」サラリーマン風の男性としてはコレが主目的だったから、したり顔でニンマリとした。ニヤリという露骨な笑顔ではなく、感情を隠した薄笑いだ。コトの真相を言えば、男性はその女性にホの字だったのである。ホとは、惚(ほ...驚くユーモア短編集(26)お化け屋敷

  • 驚くユーモア短編集 (25)変化

    予想していたより物事が変化した場合、驚くことが多い。ただ、これには個人差があり、なぁ~んだ、変わったのか…くらいの軽い気分で流す人もいれば、ぅぅぅ…パッケージが変わってしまったのか…と、意味なくテンションを下げて深刻になる人もいる訳である。どちらがどうだとは言わないが、驚く変化に対応する性格的な違いだろう。とあるスーパーマーケットの店内である。「あの…ここにあった肉饅(にくまん)、ないですか?」一人の高校生男子が、か弱そうな声で女店員に訊(たず)ねた。「ありますよ、そこに…」「えっ!?ああ、ありましたありました…。パッケージが変わったんだ…」「ひと月ほど前からですよ…」「そんなに?」「ええ、そんなに…」「あっ!そうかっ!模擬試験対策で来れてなかったんだ…」高校生は模擬試験の勉強で、このスーパーに寄れなかっ...驚くユーモア短編集(25)変化

  • 驚くユーモア短編集 (24)綿埃(わたぼこり)

    奇麗に掃除しておいた棚(たな)に、いつの間にか綿埃(わたぼこり)が積もり、驚く。まあ、それだけ不精(ぶしょう)をしていたのか…と考えればそれまでだが、窓は閉ざされていて外気は遮断(しゃだん)されているのに、である。しかも量はふんわりとした綿のような大きさには、もう一度、驚くことになる。一週間の出張からようやく解放され、自宅マンションへ帰ってきた頬月(ほおづき)は、ドアを閉め玄関へ入った途端、棚に積もった綿埃に驚いた。驚かされることは他にもいろいろあったが、棚の綿埃の大きさに驚くのは頬月にとって初めての出来事だった。というのも、僅(わず)か一週間の間にそんなに積もるか?…と思える大きさだったのである。「…」頬月は出張の疲れも忘れ、玄関フロア前の上がり框(かまち)へ腰を落とすと、物思いに耽(ふけ)ってしまった...驚くユーモア短編集(24)綿埃(わたぼこり)

  • 驚くユーモア短編集 (23)病院

    最近の病院は驚くことに出くわすことが多い。まあ、場所柄、ということもあるが、恐らくは新型コロナの関係で神経過敏になっておられるのだろう。今朝の早朝なんかも、面識がないにもかかわらず「どこへ行くの?」と夜間通用口で言われたのには驚くどころか怒れてきた。どうも派遣社員の方らしいのですが、こんなことでは困りますよね。^^とある地方の八大病院にも入っていない総合病院である。一人の男性が夜間通用口で女性の係員らしき人物に呼び止められた。「何しに来たの?」そう言われた男性は、一面識もない女性のタメ口に、『悪いから来てるんだろうがっ!』と、一瞬、ムカついたが、そこはそれ、グッ!と我慢した[偉いっ!^^]。気短な人なら口喧嘩(くちげんか)ぐらいでは済まなかったかも知れない。腹の鬱憤(うっぷん)が治まらないまま、男性は待合...驚くユーモア短編集(23)病院

  • 驚くユーモア短編集 (22)かくし芸

    楽しかったテレビの新春特別番組にかくし芸大会というのがあった。あのスターがこんなことを…と、観ている視聴者は驚くのだが、プロ同然の芸には、誰もが感心させられた記憶がある。芸能人が、かくし芸の一つや二つ出来ても当然だと考えるのがフツゥ~だが、一般人には出来ない芸当だから、余計に感動させられる訳だ。とある町の繁華街である。大勢の人の輪が出来ている。大道芸と呼ばれる人達が思い思いに自分達のかくし芸を披露している。前に広げられた布切れの上には人々が投げた貨幣や紙幣が散らばって見える。「さて、お立合いっ!ここに取り出したるは、当家に伝わる家宝にて五郎入道正宗が鍛(きたえ)し業物(わざもの)っ!この刃先にて…」講談を語るような流暢(りゅうちょう)さで、ガマの油売りが口上を進める。やがて話が進んだところでクライマックス...驚くユーモア短編集(22)かくし芸

  • 驚くユーモア短編集 (21)土砂降り

    戻(もど)り梅雨(づゆ)とか言うそうだが、ここ最近、そんな気候が続いている。やや涼しく曇(どん)より曇(くも)っていたかと思うと、急に蒸し暑くなりドドド~ッ!という感じで大粒の雨粒が滝のように降り出すのには驚く他はない。全国各地で被害が出ないことを祈るばかりだ。とあるフツゥ~家庭である。ご隠居が大ガラスのサッシ戸から縁側の庭外を見ながら呟(つぶや)いている。外は豪雨にも似た大雨である。「古い家だが、まあ被害の心配だけはないから助かる。…それにしても、よく降る」そこへ、サラリーマンの息子さんが、現れなくてもいいのに現れた。「戻り梅雨らしいですよ、お父さん」「やかましいっ!!お前に言われんでも、それくらいのことは分かっておるっ!!」すると、またそこへ、小学生のお孫さんが現れた。「じいちゃん、夕方には晴れるそう...驚くユーモア短編集(21)土砂降り

  • 驚くユーモア短編集 (20)AI

    最近、頓(とみ)に流行(はや)っている言葉にAIがある。AIとは、言わずと知れた電子頭脳のことだが、いろいろな分野でこのAIが先読みする判断に驚くことも多くなっている。なぜ、それがいいのか…?なぜ、そうなるのか…?と一般の人々が考える内容を、AIは、いとも簡単に示すからである。先の先を読む能力は∞[無限大]のAIだから、人が頼るのは当然なのだろうが、AIのデータを入力し、プログラムを組んだのは人なのだから、その人が神や仏でもない限り、無限大に間違った先読みをする危険性もある訳だ。おお怖(こわ)っ!^^とある囲碁の対局場である。ここ幽霊の間は、どことなく陰鬱(いんうつ)に打ち沈み、心の落ち着く雰囲気を秘めながら、今にも幽霊が出てきそうな白々とした荘厳(そうごん)さが漂っている。「先手、10の十七…」記録係の...驚くユーモア短編集(20)AI

  • 驚くユーモア短編集 (19)メディア

    最近の世の中は、いろいろと驚く出来事が多い。というのは、メディアによって知らされる出来事が増えたからである。例えば今日の夜、九時前のニュースなんかでも、『関東地方で竜巻が発生する可能性がありますから注意して下さい』などとアナウンサーがいい声で語っておられたが、関東地方の人々は驚くだろうが、それ以外の人々は聞いても時間のムダだろう。というか、どうしろというんだっ!と怒る人も出るに違いない。これが最近のメディア症候群という病気なのである。^^とある地方の普通家庭である。少し早い夕食が済んだ食卓前のテレビが、ガナっている。『交番では入れ歯を落としたという老人の届け出に、どうしたものかと難儀しているようです』「ははは…これはドラマか?」「ニュースですよ、お父さん」「だよな…」「こんな驚くニュース、面白いけど、私達...驚くユーモア短編集(19)メディア

  • 驚くユーモア短編集 (18)山道(やまみち)

    夏の登山シーズンである。高山(こうざん)への登行は梅雨明け十日・・と言われ、気候が一番、安定して崩れにくい。登山に適した期間なのである。私も若い頃は[まだまだ気持ちは若いが、体力は寄る年波に勝てません^^]よく登ったものだ。登っていると、地図(マップ)に乗っていない山道(やまみち)の分岐に時折り出食わし、驚くことがある。団体ならいいが、単独登行の場合だと概して危うい。道を間違えば遅れる上に、場合によっては遭難事故ということもあり得る。節多羅(ふしだら)は、とある高山へ登る途中の山道で迷っていた。バス停を降り、ダケカンバの樹林地帯へと足を踏み入れたのだが、案に相違して山道らしき道がないのである。この樹林地帯を越えれば登山口へ出るはずなのだが、いっこう登山口の山小屋へ出る気配がない。それどころか益々、鬱蒼(う...驚くユーモア短編集(18)山道(やまみち)

  • 驚くユーモア短編集 (17) ショック[2]

    (6)にタイトルで登場したショックの別話である。心臓にショックを与える処置で助からない命が助かることがある。要するに、心臓が驚いてアタフタし、こりゃ、動かない訳にはいかんぞ…などと思うかどうかは別として、^^止まっていた心臓が、ふたたび動き出すというものだ。止まった心臓に電気ショックを与えた結果、ベッドサイドモニターの拍動音が、ピッ!ピッ!ピッ!と回復する場面を皆さんもドラマなんかでお目にかかられたことがお有りだろう。驚くことが効果を与える一例である。^^とある総合病院である。患者である、とある有名人の記者会見が行われている。担当医師団と病院関係者が横一列に数人座り、前の机にはメディア用のマイクが数本、設置されている。「誠に残念ではありますが、午後八時十一分、○□◎▽氏はお亡くなりになりました…」会場に一...驚くユーモア短編集(17)ショック[2]

  • 驚くユーモア短編集 (16)成績

    予想外の試験成績に中学三年の鰯田(いわしだ)は北叟笑(ほくそえ)んだ。「おい、鰯田っ!この成績だと閉成、受かるぞ、頑張れっ!」閉成とは塔教大学進学率トップの有名高校である。この日、共通模擬試験の結果が教室で順次、担任から伝えられていた。「有難うございます、先生っ!僕、頑張りますっ!」ピュアな鰯田は、鯛(たい)や鮃(ひらめ)にでもなったような笑顔で担任の宇津保(うつぼ)を見た。ところが、である。この試験には、何教科も重大な採点ミスがあったのである。本当は、いつもの偏差値ギリギリの成績だったのだが、そのことを担任の宇津保も当の本人、鰯田も全く知らなかった。その日から鰯田は勉学に勤(いそ)しんだ。その結果、驚くことに鰯田は閉成高校に見事、合格したのだった。共通一次試験の採点ミスが発覚したのは半年後だった。発覚し...驚くユーモア短編集(16)成績

  • 驚くユーモア短編集 (15)訃報(ふほう)

    祝い事やお目出度いことが起きたときは、そんなに驚くこともないのに、訃報(ふほう)が知らされたときは、どういう訳か驚くことが多く、沈鬱(ちんうつ)な気分になる。どうせ驚くなら、お目出度い方がいいに決まっている。そんなことで、私は悪い内容は出来るだけスルーするようにしている。^^大仰(おおぎょう)に伝えたとしても相手の気分は損なわれ、テンションを下げさせるからである。月光殿というとある町の結婚式場である。定年間近のベテラン社員、坂平はこの日も懸命に働いていた。「坂平さん、田村家は13:00からですから、いつものようにお願いしますね…」「分かりました…」坂平は驚くことなく静かに頷(うなず)いた。披露宴の進行は手慣れている上に、セレモ二ーの話術も暗記するほど坂平の頭に叩き込まれている。だから、これといって驚くこと...驚くユーモア短編集(15)訃報(ふほう)

  • 驚くユーモア短編集 (14)吃逆(しゃっくり)

    医学的な話は別として、驚くと吃逆(しゃっくり)が出る場合がある。さらにその吃逆は止まりにくいから厄介だ。篠宮はいつものように、とある酒場で飲んでいた。「親父さん、もう一本つけてくれ…」「へいっ!」店の親父とは、ここ数十年来の付き合いだったから、お互い気さくに話せた。篠宮は左手で猪口を口へ運びつつ、右手の箸で摘みの一品を味わった。「篠宮さん、来月でこの店、閉じますんで…。長い間、お足を運んでいただき、有難うございました…」「ええっ!!ヒック!!」篠宮は突然出た予想外の親父の言葉に驚くと、口へ運ぶ手を止めた。そのとき、吃逆が出た。「どうしてだい、親父さん?ヒック!!」「いやなに…。田舎で暮らす息子夫婦が帰ってこいって言うもんでしてね。そろそろ年ですから、ここらが潮どきかと思いまして…」「ヒック!!そうなんだ…...驚くユーモア短編集(14)吃逆(しゃっくり)

  • 驚くユーモア短編集 (13)奇跡

    驚く内容が奇跡に近ければ、その驚きも尋常(じんじょう)ではなくなるだろう。とある飛行場である。そろそろ機体が動き出そうとしている機内で、一人の搭乗客がソワソワし出した。中央通路を通りかかったキャビンアテンダントがその仕草(しぐさ)に気づき、声をかけた。「いかが、されました?」「いやなに…。八卦(はっけ)が…」「はあ?」キャビンアテンダントは意味が分からず、訊(たず)ね直した。「いやなに…。で、なければ、よろしいのですが…」搭乗客は手にした筮竹(ぜいちく)を左手[天策]と右手[地策]で2つに分け何度も握り直し、[その方法は、末尾※に記載]そう返した。「と、申されますと?」キャビンアテンダントはその乗客が手にした筮竹を見て、易者さん?…と思えたから、内容を理解しようと、なおも訊ねた。「いやなに…。お気にされず...驚くユーモア短編集(13)奇跡

  • 驚くユーモア短編集 (12)天候

    夏ともなれば、突然のスコールと呼ばれる土砂降りが起こる。雷鳴とともに滝のように激しく降る雨粒には驚く他ないが、これも自然現象の一環として生じる現象だから私達人類にはどうしようもない。とある町役場の廃棄物対策課である。「課長っ!行ってきます…」課員の鍋蓋(なべぶた)が課長の葱山(ねぎやま)に声をかけた。「ああ、頼んだよ…」「昼は済んだあとで…」「いいから、いいから…。途中で食っもいいからさっ!」「どうもっ!では…」「気をつけてなっ!」「はいっ!」溌剌(はつらつ)とした声で鍋蓋は役場を飛び出した。だが、その五分後、大地を叩くような激しい雷雨が降り始めた。「すみません…。川が氾濫して車が通れなくなり、戻りました…」鍋蓋が項垂(うなだ)れた声で課へ戻ってきた。「まあ、この雨じゃ仕方ないな…。別の日にしてくれ。引取...驚くユーモア短編集(12)天候

  • 驚くユーモア短編集 (11)まさか… 2

    (10)まさか…に続き、別の場合で起こるまさか…2を書いてみようと思う。とはいえ、手書きでなくPC盤による入力だから手押しの方が正確な表現なのかも知れないのだが…。^^とある市役所である。万年ヒラと蔭(かげ)で囁(ささや)かれていた果糖(かとう)に人事異動の内示が舞い込んだ。「ええっ!!僕が二階級昇格の課長に、ですかぁ~?」果糖は半信半疑で課長の葡萄(ぶどう)を窺(うかが)いながら二ヤついた。「ああ、君もとうとう、私と同じ課長だよ、ははは…」「またまた…悪い冗談は、よしにしましょうよ、課長っ!」「冗談なものか。さっき、助役からそう言われたんだよ…」「本当にっ!?」「ああ、本当に…。おめでとう!!」まだ信じられない果糖は自分の頬(ほお)を手指で抓(つね)った。瞬間、果糖に感覚の痛みが走った。果糖は本当なんだ...驚くユーモア短編集(11)まさか…2

  • 驚くユーモア短編集 (10)まさか…

    今日の出来事は、嘘(うそ)のような本当の出来事だった。元首相が、とある古都で選挙応援の演説中、暴漢の銃弾に倒れ、お亡くなりになったのである。深く哀悼の意を表すとともに、心よりお悔やみ申し上げたい。--まさか…と驚く内容の報道だったが、どうせ驚くなら凶事より吉事の方がいいに決まっている。ということで、今日は、まさか…と驚く内容のお話です。^^芋根(いもね)は宝くじの当選番号を、ダメ元…の心境で眺(なが)めていた。すると、である。自分の手に持つ番号によく似通った番号が目に入った。「なになに…26組だろ…。…俺のも26組だ。で、156だな。俺のも156だ。まあ、こういうこともあるわな。それでと…432か。ははは…俺は432だ。今回も惜しかったな…。…なにっ!26組だろ、俺のも26組。で、156、俺も156。43...驚くユーモア短編集(10)まさか…

  • 驚くユーモア短編集 (9)通知

    結果の通知があれば、少なからず心が騒ぐ。その結果の良し悪しに関わらず、知ったときの心は驚いている。驚くのは結果が分かっていないからで、事前に知らされていれば、すでに喜びや悲しみを味わったあとだから、さほど驚くこともないだろう。とある一般家庭である。合格発表の通知を今か今かと家族の者達が待っている。両親が居間で話し合っている。「どうだ、電話はあったか?」「それが、まだなの…」「昼までには電話すると言ってたんだろ?」「ええ、そうなんだけど…」「焦(じら)らせるヤツだな…」「ダメだったんじゃない?」「ああ、おそらくな…」両親の心配を他所(よそ)に、当の本人は病院で治療を受けていた。合格発表の掲示板前で、合格を知った喜びで飛び上がった瞬間、ごった返す受験生の中で後ろから押され、胸を打ったのである。痛みが走り、病院...驚くユーモア短編集(9)通知

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