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2023/04/10

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  • 涙のユーモア短編集 (20)訳[2]

    (4)で訳というお話を書いたが、ここでは別のお話をする。涙を流すには、涙を流すだけの訳がある。涙腺が緩(ゆる)むと涙が自然と出るが、その訳には外的な要因と内的な要因がある。外的とは所謂(いわゆる)花粉による症状とかアレルギーによる原因とかで、内的とは心理によるものだ。とある駅前のベンチに座り涙する女性がいる。偶然、そこへ駅前交番の巡査が通りかかった。「…どうされました?」巡査は、ヤンワリと涙の訳を訊(たず)ねた。「出ないんです、ぅぅぅ…」「?なにが出ないんです?」「私、そこの病院で診てもらった帰りなんです。ぅぅぅ…」「はあ…」巡査は女性が泣く訳が、どうも体調が深刻だな…と解釈した。それにしても、でないという意味が分からない。そこで巡査はもう一度、訊ねた。「出ないとは?」「私、便秘なんです…。お薬は飲んでる...涙のユーモア短編集(20)訳[2]

  • 涙のユーモア短編集 (19)勘違い

    勘違いして涙を流し、あとで気づいて罰が悪くなる場合がある。こんなときの涙は自己嫌悪に陥(おちい)るものだ。悪くすれば、トラウマになることもあるから確認することが大事である。慌(あわ)て者に多いパターンだ。^^大学受験した学生達でごった返す合格発表の掲示板前である。その中に涙する学生とそれを慰める学生がいる。「ダメだったか、お前は…」「ぅぅぅ…もうダメだ俺っ!」「馬鹿野郎!泣くやつがあるかっ!落ちても人生、終わった訳じゃないっ!」「そういうお前は!」「俺か!俺はまあ、なんとか…」落ちた友人の手前、受かった学生は謙遜した。ところが、コレは勘違いで、受かったと思っていた学生は落っこちていて、涙する学生はダメじゃなく受かっていたのである。よくある錯覚と見落としという勘違いによるものだった。ひと月後、涙した学生と慰...涙のユーモア短編集(19)勘違い

  • 涙のユーモア短編集 (18)歓喜

    歓喜で流す涙がある。普通の喜びを超越した絶頂の涙である。本人は、ああ、生きていてよかった…などと、至福の気分に浸(ひた)っている。だから、涙が自然と湧く訳だが、この涙も関係のない他人から見れば、そこで泣くんかいっ?と首を捻(ひね)り、突っ込みたくなる涙に違いない。^^旅客機墜落の一報が入った、とある家族の自宅である。テレビニュースの速報に、家族全員が打ちひしがれ、沈鬱(ちんうつ)な空気が家中を覆(おお)っている。「ぅぅぅ!…」「泣くなっ!これも運命だっ!俺が留学を許したのがいけなかったんだ…」父親が自戒する。長女を語学留学に送り出した矢先だったのである。海洋上を飛ぶ旅客機墜落の一報が入ったのは、その僅(わず)か一時間後のことだった。「お姉ちゃんっ!」妹がテレビ画面にすり寄る。と、そのときである。「ただいま...涙のユーモア短編集(18)歓喜

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