chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 紀尾井ホール室内管第136回定期(9月22日)

    秋のシーズン幕開けは首席指揮者トレヴァー・ピノックを迎えたオール・メンデルスゾーンのプログラムだ。この作曲家は総数750もの作品を生み出したそうだが、そのうち宗教曲が90作品にも及ぶという。しかしそんな宗教曲を我々がコンサートで聞ける機会は意外と少ないのではないだろうか。そした意味で今回はとても貴重な機会だった。どれも主を賛美する内容で統一されており、私自身はキリスト教者ではないのだが、とても満たされた豊かな心持ちになって帰途についた。前半はオラトリオ「聖パウロ」の序曲、それに続いて独唱つきの合唱曲詩篇第42番《鹿が谷の水を慕うがごとく》だった。ピノックの指揮は明快にして良く歌い豊かな感情を紡ぎ出す。ソプラノのラウリーナ・ベンジューネイテの美しくリリカルな歌声が心に染みる。そして新国立劇場合唱団の清澄さと...紀尾井ホール室内管第136回定期(9月22日)

  • 藤原歌劇団「二人のフォスカリ」(9月10日)

    ヴェルディ初期(6番目)の「二人のフォスカリ」が藤原の舞台にかかった。ほぼ舞台に乗る機会の無い作品で、今回は東京オペラプロデュースによる2001年の日本初演に次ぐニ度目の公演である。私は映像で観たことがあるのみで本舞台は初めてだ。今回は裏キャスト(二日目)に出かけた。結論から言うと、この作品の持つ魅力を余すところなく表現した文句の無い仕上がりだったと思う。史実に基づく救いようのないストーリーだが、メロディーに満ち、以降のヴェルディの萌芽をも多く聞き取ることのできるこの作品はまさに若書きの「佳作」と言うに相応しい。しかし正直言って、この作品でここまで楽しめるとは思わなかった。成功の要因の一つ目は歌手達だ。裏キャストなので若手中心に組まれていたが、まずはタイトルロールのフランチェスコ・フォスカリを演じ歌った押...藤原歌劇団「二人のフォスカリ」(9月10日)

  • 東京シティ・フィル第74回ティアラこうとう定期(9月9日)

    「かてぃん」こと角野隼斗が登場するということで、発売後間もなく全席売り切れになったプレミアム演奏会だ。だから会場に着くと、いつもは地元ファンが集まるのんびりした雰囲気の土曜午後のティアラこうとうが、殺気だった異様な雰囲気に満ちていたのには驚いた。指揮は、「モーツアルトが向いている」と角野に選曲アドヴァイスをしたという首席客演指揮者の藤岡幸夫だ。一曲目はヴェルディ作曲歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲。藤岡は来年の定期でも一曲目にロッシーニの歌劇「ラ・チェレントラ」序曲を据えているので、なにかイタリア歌劇に思うところがあるのだろうかと勘繰ったのだが、特別なことはない演奏。快速調でおもいっきり鳴らしたヴェルディで、私にはどこかオペラの世界とはかけ離れて聞こえた。そして期待の角野が登場してモーツアルトのピアノ協...東京シティ・フィル第74回ティアラこうとう定期(9月9日)

  • 東京シティ・フィル第363回定期(9月1日)

    東京シティ・フィルのオータム・シーズン開幕は、常任指揮者の高関健によるジェルジ・リゲティ生誕100年に寄せたハンガリー・プログラム。まずはこの8月15日に突然逝去されたこの楽団の桂冠名誉指揮者飯守泰次郎氏を悼んで、故マエストロが敬愛しそのスペシャリストと讃えられたワーグナーから、楽劇「ローエングリン」第一幕への前奏曲が奏された。指揮台で振るのは高関さんなのだが、脳裏には飯守さんのあの決して器用ではない指揮振りと、ワーグナーのイディオムを各所に感じさせた響が蘇っていた。そして一曲目はリゲティの「ルーマニア協奏曲」だ。民族的な曲想を一杯にあしらった佳作で、どこかメインのオケ・コンと似た響も聞き取れる。こんな判りやすく親しみやすい曲がリゲティにあるなんて知らなかった。二曲目はこの楽団の客演コンサートマスターであ...東京シティ・フィル第363回定期(9月1日)

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、Maxさんをフォローしませんか?

ハンドル名
Maxさん
ブログタイトル
Maxのページ
フォロー
Maxのページ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用