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気楽に語らう⭐︎創価学会非活のブログ⭐︎ https://watabeshinjun.hatenablog.com/

元創価学会活動家から非活になり、現在は退会した信徒が、創価学会や日蓮正宗、また顕正会等の大石寺系教団の問題点を語ります。

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2022/08/06

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  • 本尊を形木印刷して授与するのは日興の思想ではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会や日蓮正宗といった大石寺系教団は、信徒が拝む曼荼羅本尊を基本印刷(形木本尊)し、それを信徒に頒布(日蓮正宗ではその後、開眼供養をしてから)する形をとっています。 しかしながら、本来印刷して信徒に本尊を授与する形式は、本来の日興の考え方と異なります。日興、少なくとも日興門流の教団なのであれば、印刷してよいものではなく、必ず筆で書いて信仰心のある信徒に授けるものなのです。 『富士一跡門徒存知事』を見てみましょう。これは日興の草案を重須学頭の日澄がまとめた著述とされるもので、日興門流の考え方が記録されています。 「一、御筆の本尊を以て形木に彫(きざ…

  • 学ぶことを忘れ、宗教的意義を見失った座談会。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は創価学会の元広宣部・言論企画部のメンバーとして他宗派対策として潜伏活動や対論対策として、広宣部関係の資料から教学を強制的に学ばされた元会員信徒の一人です。現在は非活から退会を選び、自由に思索し、研鑽ができるようになりましたが、かつては宗教的な洗脳が深く、新たな他宗派の思想を学ぶことさえ抵抗があったくらいでした。 創価学会や日蓮正宗を批判する現役の非活信者さんから驚きと共に連絡をいただくことも多いのですが、多い意見は「非活さんはどうやってそんなに日蓮の御書を学ぶことができたのですか?」というものでした。 日蓮正宗もそうですが、とりわけ創価学会は自分…

  • 「हां」カーンと「वं」ヴァン

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて昔の記事ですが、私は日蓮真蹟曼荼羅本尊の左右の不動明王と愛染明王の梵字について、それぞれ「ヴァン」「ウン」「カーン」種字から考えてみたことがあります。 「「バン」と「ウン」と「カーン」」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/12/20/000000 この中でも書いたように「वं」ヴァンは「金剛界大日如来」で、「हां」カーンが「不動明王」、そして「हूं」ウンが「愛染明王」の種字に当たると思います。その中で、日蓮の晩年の本尊書写の不動明王の梵字がとりわけこの「हां」カーンよりも、「वं」ヴァ…

  • 牧口常三郎らは戦争反対の容疑で逮捕されたのではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは、史料や記録、諸文献から創価教育学会時代の牧口常三郎や戸田城聖(当時は戸田城外)が、日中戦争やその後の太平洋戦争も含めて、いわゆる「15年戦争」に何ら反対の意志を示しておらず、戦争を肯定していたことを複数の記事で書いています。 「戦争に勝ちたかった牧口常三郎と戸田城聖」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2022/01/07/000000 「戦争を肯定していた牧口常三郎」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2022/04/16/1518…

  • 池田大作は池田城久を後継者と考えていた。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は以前、池田大作以降の後継者について、池田大作と池田香峯子とで意見の齟齬があったこと、また2010年以降に池田香峯子の発言力が増した点を書きました。 「池田香峯子の発言力」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/06/18/000000 この記事は2021年に書かれたものですが、池田大作が世襲後継として次男の池田城久を考え、彼と共に創価大学に入学した創価大学3期生のメンバー(正木正明、田代康則ら)を重視していたことを指摘しています。池田城久は顔が父親似であり、長男の池田博正は母親似であることか…

  • 日朗門流でも「法主」は本来「日蓮」を指す尊称だった。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて以前書いたことですが、「法主」(ほっす)という言葉は、本山の「貫主」(かんず)の意味で使われることはなく、本来は「日蓮」本人を指す語として使われるのが一般的でした。 それを大石寺はいつの頃からか、時の「貫主」を絶対化・神格化する過程から、あろうことか日蓮の尊称である「法主」を使い始めるようになります。 「「法主」とは本来「宗祖日蓮を指す用語だった」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/08/24/000000 また日蓮の弟子である日興もまた日蓮のことを「法主聖人」と呼称しています。一本山の管長…

  • 実利追求に先鋭化した生活革新同盟倶楽部の実態。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は牧口常三郎の会長時代、創価教育学会の頃に同会の幹部として活動した、福田久道氏の「遺稿」から、当時の創価教育学会、特に戸田城聖が作った「生活革新同盟倶楽部」の実態がどうであったのか、史実を正確に知るための判断材料として少し考えていこうと思います。 この「遺稿」は元々は福田久道氏によって『私の小説』というタイトルで書かれた未完の草稿で、元原稿には補足や訂正が細かくなされれていました。これらの草稿は某創価教育学会幹部の手元に保管されていたようですが、その遺族も他界され、経路がやや不明でしたが、これを高妻明憲(興門資料刊行会主宰)氏が入手・編集し、編者…

  • 日蓮が真言を法華経より劣り、第三時方等部配当とした根拠について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は『大日経』の教判上の位置について、なぜ日蓮が『大日経』を「方等部」に配したのか、そしてそれは果たして智顗や湛然等の天台宗の五時教判に基づくものなのかを考えてみたいと思います。今回のブログ記事を書くのに参考にさせて頂いたのは、平島盛龍「日蓮聖人の五時教判における真言経典の位置付け〜方等の部意をめぐって〜」(『桂林学叢』第21号所収、法華宗教学研究所、2009年)になります。なお日蓮自身は立教開宗当初は法華真言未分の立場でしたが、文応元年の頃(1260年頃)から真言を「不了義経」として批判するようになります。やがて真言を方等部に配当するようになるの…

  • 牧口価値論における真理の軽視。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は牧口常三郎の『価値論』批判の第1回目として「真理の概念」について、西洋形而上学上の考え方と、それが20世紀以降にどう批判されるのかを見てみたいと思います。前半は哲学的な議論を扱いますから、やや難解になるかと思いますので、不必要な方は飛ばし読みをして先にお進みください。 さて、カントにあっては認識される対象は「物自体の世界」(das Ding an sich)として、認識・経験の範疇から追い出されてしまいます。それを救い出そうとヘーゲルは弁証法的な精神の発展という過程で、真理が史的に止揚され、最終的に神の認識に至る発展史と捉えます。またフッサール…

  • 虚像の池田大作。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会の活動家でも、また脱退組や退会者でもなぜか、池田大作原理主義に陥る方がいます。 彼らの論調を見ると「あの当時の創価学会は正しかった」「それは池田大作が正しかったからだ」「池田大作を軽視した結果が今の創価学会の退潮の原因だ」と言いたげです。 そもそも2010年以降、表舞台から池田大作氏は姿を消しますが、2013年11月6日付の『聖教新聞』では池田大作氏が、創価学会総本部で「落慶入仏式を行った」ことが報道されています。見ればわかるように、原田稔氏や長谷川重夫氏がきちんと池田大作ともに読経唱題をしており、敵対する姿など微塵も見られません。 「池田大…

  • 矢島周平氏の生涯。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は以前、牧口常三郎門下生であり、かつての創価教育学会の最高幹部の一人だった、矢島周平氏についてブログで書いたことがあります。 「矢島周平氏のこと」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/12/25/000000 私がこの記事を書いた動機は何か。それはかつて創価教育学会の最高幹部であり、戸田城聖から理事長職まで任され、戦後の創価学会の再建に尽力した矢島周平を、なぜか創価学会本体は2008年3月13日付の機関紙『聖教新聞』紙上で、突然に矢島周平を教団の「反逆者」として手厳しく批判します。これは彼の…

  • 牧口価値論批判のための覚書。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は創価学会はどこで間違えたのか、そもそも初代会長の牧口常三郎から既に間違っていたと考えていますし、また日蓮正宗という教派が別段、日蓮の正統であるとも何とも思っていません。私は日蓮自身にさえ懐疑的であり、祭政一致国家を理想とし、比叡山再興を願った日蓮の思想は現代において無効であると考えています。創価学会寄りの生命尊重主義や宇宙生命論は日蓮の教説でも、まして仏教ですらなく、そのような全く異なる教説を無理矢理に接合したところで、単なる玉石混淆のカクテル宗教が出来上がるだけです。日蓮の言説に依らない宗教が日蓮の教えである筈もないし、そんなことをする教派が日…

  • 「垂迹堂」がなぜ「美術館」なのか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会出願前の大石寺には、元来「神道」の影響があり、日興が北山本門寺に「法華天照大神宮」を作り、それに倣って大石寺にも「垂迹堂」「天王堂」が存在したのです。 「大石寺の本来の教義」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2024/11/16/112347 「天王堂・垂迹堂跡は御影堂周辺に存在した」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/09/04/000000 「常泉寺古図に見る天王垂迹堂の位置」https://watabeshinjun.hate…

  • 腰書からわかる戒壇本尊の後世による創作。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私はこのブログで、大石寺奉安堂蔵の戒壇本尊が、日蓮の「出世の本懐」でも何でもない、後世の偽作でしかないことを指摘させて頂いています。 今回は、戒壇本尊の下部に書かれた「腰書」について、以前書いた記事とは少し別の視点から述べてみたいと思います。 戒壇本尊の「腰書」は、これまで公開された画像や座配から見て、四天王に囲まれ、「日蓮花押」の更に下に、まるで本尊全体の下部に付加されたように記録されているのです。 そのことの傍証となり得るかはわかりませんが、この「腰書」には金箔が施されていないのです。戒壇本尊の文字は全て「掘り下げ」で、刻まれた文字に金箔が流し込…

  • 自分の力で学ぶこと。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて、こんなブログを書き続けて10年目に入りました。一時はやめようかとも思ったのですが、読者の方からの応援もあり、少しずつ書き続けています。メールを頂いた方にはなかなかいちいち返信ができず、申し訳ありません。 ところで、よくフォロワーさんやブログ読者の方から言われることの中に、一つだけどうしても引っかかる種類の質問があり、今回はこのことについて書いてみたいと思います。 それは例えば以下のような質問です。 「日蓮の真蹟はいくつありますか?」 「日蓮はどの御書を読めば、その本質がわかりますか?」 「法華経が釈迦の滅後に創作された作品であるとすれば、何を読めば…

  • 末法に出現する魔仏。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮の『守護国家論』(真蹟は身延曽存)に次のような言葉があります。 「法華経に於ては釈迦多宝十方諸仏一処に集りて撰定して云く法をして久住せしむ如来の滅後に於て閻浮提の内に広く流布せしめ断絶せざらしむ、此の外に今仏出来して法華経を末代不相応と定めば既に法華経に違す知んぬ此の仏は涅槃経に出す所の滅後の魔仏なり之を信用す可からず」 (日蓮『守護国家論』創価学会旧版御書全集76ページ) ここで日蓮は何と言っているか。 簡単に通解をとってみましょう。 「『法華経』においては釈迦、多宝等、十方諸仏が集まって撰定し「法をして久住せしむ如来の滅後に於て閻浮提の内に広…

  • 戒壇本尊は後世の偽作で、熱原の法難を契機に作られたものではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは、大石寺奉安堂蔵の戒壇本尊が後世の偽作でしかないことをさまざまな観点から述べております。 そもそも弘安2年造立説の戒壇本尊を、『聖人御難事』を使って無理矢理「出世の本懐」とこじつける説は、大石寺56世大石日応(日應)によって作られた説に過ぎないのです。 「『聖人御難事』を出世の本懐の根拠とした最初の人物は大石日応である」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2022/10/02/080834 ところで、創価学会信者がとりわけそうなのですが、そもそも弘安2年に「出世の本懐」が果たされるのは、…

  • 創価班と牙城会の消滅。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて本年2026年2月の衆議院解散総選挙で、公明党は立憲民主党とともに「中道改革連合」を結成しましたが、ほぼ同じ時期に創価学会の男子部では「創価班」と「牙城会」の活動が7月をもって終了することが発表されました。 このことは創価学会内部のみならず、大きなニュースになり、複数の報道機関からニュースで報じられていますから、ご存知の方も多いでしょう。 「創価班&牙城会ダブル消滅発表」 https://gendai.media/articles/-/163360?imp=0 ご存知でない方のために申し添えれば、創価班とは創価学会会館の会合中の警備を担当し、主に駐車…

  • 住本寺日叶は大石寺日有に帰伏していない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は本是院日叶(左京日教)の大石寺との関係についてです。 というのは、今回、X(旧Twitter)で、フォロワーさんのT.Hさんと話していて、自身の先入観に気づかされていたからなのです。 私自身は本是院日叶(1428〜?、後の左京日教)が大石寺9世日有に帰伏したとする大石寺の見解については、それを認めていた59世堀日亨や小林正博氏の見解(小林正博氏「法主絶対論の形成とその批判」『東洋学術研究』131号、東洋哲学研究所、1993年)を私自身が無意識に前提としていまして、私はすっかり日叶が日有に帰伏して日教と改名し、大石寺に帰伏したという誤った先入観を…

  • 文永9年5月2日説の『四条金吾殿御返事』は後世の偽作である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて『四条金吾殿御返事』等、日蓮の書状には一部の門下に宛てて複数回出されたものが多く存在します。その中でも富木常忍や四条金吾らには多く書状が出されている印象を受けます。しかしその中には明らかに後世の偽作という疑念が示されるものも一定数含まれていまして、このブログでは既に一部を「偽書」「偽作の可能性が高い」として取り上げています。 「建治2年6月27日説の『四条金吾殿御返事』は偽作の可能性が高い」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/10/28/175816 「「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ…

  • 今回の選挙に思うこと。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回、2026年2月8日の衆議院総選挙では、自民党は単独で過半数獲得し、国民の信任を得ることになりました。 ではなぜ中道改革連合が負けたのか(とは言え旧公明党は比例区で28人当選しているので、公明側からすれば大勝利かしれません)、またなぜ旧来の立憲民主党、共産党、社民党等が軒並み議席を減らしたのか、その理由をSNS選挙という現代らしい理由に還元したくなる気持ちもわかります。 あくまで個人的な見解ですが、有権者はやはり賢いのだと思います。そうでなければ過去の昔の有権者より今の有権者たちの方がずっとインターネットやSNSで情報を集めやすくなったのです。 …

  • 中道改革連合の比例区得票数について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて公明党は2026年の衆議院解散・総選挙にあたり、衆議院では旧立憲民主党の統一会派を結成し「中道改革連合」として選挙戦を戦うことになりました。今回の比例区の得票総数について少し計算してみました。 2026年2月8日、衆議院総選挙 比例区 中道改革連合 北海道ブロック 605,889 東北ブロック 828,883 北関東ブロック 1,174,717 東京ブロック 1,119,155 南関東ブロック 1,424,763 北陸信越ブロック 651,331 東海ブロック 1,199,580 近畿ブロック 1,332,752 中国ブロック 620,211 四国ブ…

  • 牧口常三郎の批判的検証を。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は、今後ブログでやっていきたいことの一つ、「牧口常三郎の思想の検証とその批判」について、少しその構想を示してみたいと思います。 私はこのブログで池田大作氏、戸田城聖氏を批判的に検証しています。彼らにどれだけ悪意があったのか、どれだけ会員を利用していたのかについては議論があるでしょう。本当の心はわからないものですし、検証もできないものです。しかしこのブログで私が考えてきたことは、「そこに矛盾はあるか・ないか」「嘘をついているのか否か」「過去の発言との整合性はあるのか・ないのか」という観点から史料を通して、あくまで客観的に史実を明らかにしようとするこ…

  • 『撰法華経付嘱御書』について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は、前回の『祈禱経』に関する記事の続編になります。 「『祈禱経』と『祈禱経送状』」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2026/01/25/160528 日蓮の遺文の中でも最蓮房宛の一連の遺文は、特に偽書の疑いが強く、その全てが真蹟不存であり、その殆どが最蓮房に仮託して後世に作られた偽書であることは日蓮研究者の間ではほぼ常識になっています。 ところが、一部の創価学会や日蓮正宗の信者の方は、最蓮房宛の偽撰遺文がとりわけお好きなようで、都合の良い遺文、とりわけ『諸法実相抄』や『生死一大事血脈抄』『草木…

  • 『祈禱経』と『祈禱経送状』

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮のいくつかの御書について、このブログでは偽書説を紹介しています。 既に多くの記事で書いてきたことですから、いちいち挙げることはしませんが、日蓮死後、門流間で日蓮真蹟の略奪、削除、偽書の作成が行われたことは複数の文献からも容易にわかることです。富士門流系の文書である『富士一跡門徒存知事』また『日興遺誡置文』等にも偽書が作成され、日蓮の遺文が軽視されたことが記録されています。また『下山御消息』や『報恩抄』等、一部の真蹟は多くの断簡に引き裂かれ、複数の寺院等に散在している状況からもそれはわかるでしょう。 だからこそ、日蓮門流は御書を読む際、真偽の問題を…

  • 『華果成就御書』は後世の偽作である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて読者のみなさんは日蓮遺文で『華果成就御書』と言うものをご存知でしょうか。創価学会では特に師匠と弟子、師弟の深さを示す時によく用いられる御書ですが、「よき弟子をもつときんば師弟仏果にいたり・あしき弟子をたくはひぬれば師弟・地獄にをつといへり」(創価学会旧版御書全集900ページ)という文でよく知られているかと思います。 ところで、日蓮が師の道善房を讃えた『華果成就御書』ですが、これは後世の偽作とされています。 まずこの御書の日蓮真蹟、また上代の古写本は存在しません。 しかしながらこの御書は、他の日蓮真蹟御書と内容を対照すると矛盾の生じることがよくわかるの…

  • 昭和52年路線とは何であったのか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は創価学会の教義の変遷における、いわゆる「昭和52年路線」とは何だったのかと言うことを少し書いてみたいと思います。 池田大作が第3代会長に就任するのが昭和35年5月3日、そして昭和40年代に入り、教勢の拡大は進んでいくことになります。会長の池田大作氏は教団内で信徒から絶大な支持を得ていく中で、少しずつ神格化されていくようになります。やがて本来の教義を拡大解釈して在家主義的な教義を主張していくのです。 本来、創価学会は日蓮正宗の信徒団体、法華講連合会の一つでした。日蓮正宗の信徒組織は、寺によって所属する「講」が異なり、さまざまな複数の「講」が緩やか…

  • 新労働組合の構想について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて池田大作氏は以前、創価学会独自で「労働組合」を立ち上げようとしていました。しかしそれは各方面からの批判からか頓挫し、今ではすっかり構想そのものがなかったかのようにされています。 今回は池田大作氏が昭和40年代に構想していた創価学会独自の労働組合について、少し書いてみましょう。具体的に池田大作氏がこの新労働組合構想に言及したのは、昭和42年(1967年)11月19日、両国の日大講堂で開催された第16回青年部総会、及び同11月30日、同じく日大講堂で開催された第94回本部幹部会での池田大作氏の会長講演です。 まず昭和42年(1967年)11月19日、日大…

  • 日興写本の現存する『伯耆殿御書』

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて大石寺系教団として、創価学会や日蓮正宗は日興門流の教団です。六老僧の中でも最も師匠の教えに厳格で知られ、身延山を下山し、富士門流八本山の開山となったのが白蓮阿闍梨日興です。 当然ながら、創価学会は日興門流の大石寺から分離した教団ですから、身延山日蓮宗とは異なり、日興門流として日蓮の教えを奉じる宗派と言うことになろうかと思います。 一つ、最近感じた疑念が「創価学会はなぜか『伯耆殿御書』を御書全集に収録していない」という点です。 日興はかつて「伯耆房」(ほうきぼう)という名で知られていました。弘安2年の熱原法難の際、熱原法華衆は逮捕されますが、この時に日…

  • 創価学会版御書に収録されない日蓮真蹟遺文(2)

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は、日蓮の真蹟が現存しながら、創価学会が全く御書全集に収録していない日蓮遺文を、以前の記事に引き続いて紹介してみたいと思います。 前回の記事はこちらです。 「創価学会版御書に収録されない日蓮真蹟遺文。」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/10/11/000000 創価学会版御書全集には『御義口伝』や『生死一大事血脈抄』のような偽書の疑いの強いものを何の検証もなく収録するのに、なぜか日蓮真蹟が現存しているのにもかかわらず、何の紹介もせず御書全集に収録さえせず、信徒に日蓮の真蹟を学ばせないと…

  • 『三大秘法抄』は『日常目録』『日祐目録』に記載されていない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は『三大秘法抄』(『三大秘法稟承事』)の偽作説について、以前の記事とは少し別の視点から書いてみたいと思います。以前の記事は以下になります。 「『三大秘法抄」は日蓮の著作ではない」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/12/30/102156 結論から言いますと、この『三大秘法抄』は中山日常(富木常忍)の『常修院本尊聖教録』(日常目録)にも、また中山3世日祐の『本尊聖教録』(日祐目録)にも全く記録されていないのです。 まず最初にこの『三大秘法抄』が与えられたとされる大田乗明という人が、どのよ…

  • 雑乱信仰は焼き払うことを勧めた牧口常三郎。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は牧口常三郎氏の頃に創価学会(当時は創価教育学会)でいわゆる「謗法払い」、他宗派の神棚や御守り等を焼却することを推奨していた件について、当時の書簡から見ていきたいと思います。 昭和の戸田城聖や池田大作会長時代に行っていた「謗法払い」の行為のルーツは、実は牧口常三郎時代から存在しており、雑乱信仰を否定して他宗派との共存を当時から否定していたことがわかります。 ある意味では「信仰の純粋さ」と肯定的に捉えることもできるのかもしれません。しかし他宗派の神棚や御守り等を「焼却」するように指導、推奨していたとするなら、やはりそれらは事実として明らかにし、批判…

  • 読んでは考え、考えては読み、

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私はこんなブログを書いて教学にずいぶん小難しいことを書いていますが、私は創価大学在学中から全く評価されませんでした。 学術的な研究が好きで、よく読むことだけはしましたが、専門性があるわけでもなく、読んでは考え、考えては読んでの繰り返しでした。 大学院で研究生活をしてみたい憧れもなかったわけではありませんが、何より自身の才能の無さ、当時の経済的な事情から私は卒業後に地元に戻り、就労することとなります。 当時の創価大学の学内で学生たちの中心にあったのは、学生自治会を中心とするエリートたちでした。その中心にいたのが中央執行委員長を務めた弓谷照彦氏です。私は…

  • 偽書の『十王讃歎抄』を牧口常三郎は引用している。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて前回の記事では『御義口伝』とともに『御講聞書』が後世の偽作であることを少し書いてみました。 「『御講聞書』は『御義口伝』に関連づけて作られた後世の偽作である」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/12/13/090921 創価学会や日蓮正宗等の大石寺系教団の問題は、後世の偽作でありながら何の検証もなく信徒に真蹟であるかのように教え、都合が悪いものは教えないということなのです。 例えば日蓮真蹟が現存しながら、創価学会版の御書全集に全く収録されない遺文など多数存在します。日蓮が書いた御書である筈の…

  • 『御講聞書』は『御義口伝』に関連づけて作られた後世の偽作である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは『御義口伝』を後世の偽作として論じています。複数の記事で指摘しているように、『御義口伝』は六老僧及び日興に仮託されて作られた後世の偽作に過ぎません。同抄には日蓮真蹟に見られず偽撰遺文にしか使われない「一心三観」「無作三身」「当体蓮華」「如説修行」等の語句が多用されます。また日蓮死後13年後に刊行された徐行善の『科註妙法蓮華経』が引用されることも大きな矛盾です。そもそも文献的な『御義口伝』の初出は円明院日澄の『法華啓運抄』(文亀3年、1503年)であり、弘安5年(1282年)の日蓮死後200年以上もいかなる目録にも現れず、誰にも言及さえさ…

  • 日蓮と釈迦の別仏説は昭和の創価学会の独自教義である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてかつての創価学会が末法の本仏を日蓮としており、釈迦本仏説とは明らかに別にしていたのです。今回はそんな本仏説について少し書いてみようと思います。 そもそも論ですが、実は大石寺の伝統的な教義では日蓮を「釈迦を超えた本仏」とはせず、「日蓮=釈迦」というような体同異名の本仏と定義していました。 「日蓮と釈迦は同体か別仏か」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/02/28/000000 「日寛の説く「日蓮=釈迦」の同仏説」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entr…

  • 典拠不明の天台の引用。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮の遺文を読む時に少なからず後世の偽作、偽書が存在するのであり、私たちは教団の主張を鵜呑みにするのではなく、きちんと検証をし、それが日蓮の真蹟であるのか、日蓮の思想を伝えた文献なのか、読む必要があります。そのことはこのブログで繰り返し指摘していることです。 ところで、偽書は互いに関連し、同時代に同じ人間の手で作られたと推定されるものがいくつもあります。興封談所研究員の山上弘道氏はそれを複数のグループに分け、日蓮偽撰遺文学の必要性を提唱しています。 「日蓮偽撰遺文の分類について」https://watabeshinjun.hatenablog.com…

  • 湛然は即身成仏という語を教理として体系化していない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は「即身成仏」という語の濫觴についてです。 結論から言いますと、「即身成仏」という言葉は空海によって生まれたもので、真言由来の教義です。事実、その後、空海は即身成仏を教理として体系化し、『即身成仏義』という著作も書いています。 「即身成仏について」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2016/12/08/061405 「『法華経は諸経の王』ではない」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/01/09/011423 「法華経の成仏は未来世の予言…

  • 中道一実の語。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮の真蹟御書で使われず、偽書にしか多用されない語の一つで「中道一実」「一実中道」というものがあります。 この語は天台教学では特殊な用語というものではないようですが、実は日蓮真蹟御書には1箇所も用いられない表現なのです。したがって日蓮が「中道一実」という語を使った可能性は限りなくゼロに近く、これが用いられる御書は偽作の可能性が高いことになります。 創価学会教学部編『日蓮大聖人御書辞典』(聖教新聞社、昭和51年)で「中道一実」を引くと「中道にして唯一無二の法であること」と説明され、「中道一実の妙体」の項になるとこれは智顗の『法華玄義』に説かれ、日蓮の『…

  • 池田大作とタバコ。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は若き日の池田大作氏がタバコを吸っていたことについて、少し書こうと思います。 本来、このことは別に日記に書くまでもないと思っていましたし、有名な話なので、古参の創価学会信者さんなら誰でも知っています。池田大作会長時代の『聖教グラフ』や『聖教新聞』などを丹念に探せば一つや二つ、当時のタバコを指に挟んでいた姿など容易に見つけられるように思います。 しかも私が活動家時代、会長時代の池田大作氏がタバコを吸っていたことはさほど否定的に見られていませんでした。というのも池田氏は幼少時から身体が弱く、結核を患い、その中で病身を押して創価学会の活動に奮闘していた…

  • 戒壇本尊を拝まない教団が戒壇本尊の意義が書写された本尊を拝み続ける矛盾。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は現在の創価学会における本尊教義が根本から崩壊していることを何度かブログで指摘しています。 「日寛教学の根本は「大石寺法主の金口血脈相承」と「戒壇本尊」である」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/11/02/000000 「本尊教義の矛盾」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/09/22/000000 「創価学会の本尊定義の矛盾」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/05/1…

  • 優陀那院日輝と充洽園教学。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてみなさんは、江戸時代後期に活躍された日蓮宗の僧侶で優陀那院日輝(うだないん・にちき、にっき)という人物のことをご存知でしょうか。 江戸後期に活躍し、充洽園(じゅうごうえん)教学という独自の宗風を確立、優れた門下を輩出するに至ります。日輝の思想を辿ると、当時の日蓮宗が置かれた歴史的位置や状況がよくわかるかもしれません。彼の著作は『充洽園全集』全5巻にまとめられています。 優陀那院日輝(1800〜1859)は、金沢に生まれます。幼名は野口駒三、後に俗名を野口喜十郎とします。 彼の生まれる少し前の寛政7年(1795年)、京都要法寺で門流内の本尊論争、特に仏…

  • 若い息吹きがない創価学会。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会の高齢化は大変なもので、各方面の地域組織では青年層の活動家が全くいないところも普通になってきました。 と、同時に最高幹部の高齢化も大変な状況です。 原田稔(1941〜、84歳) 長谷川重夫(1941〜、84歳) 池田博正(1953年〜、72歳) 石嶋謙二(1949年〜、76歳) 大場好孝(1942年〜、83歳) 金澤敏雄(1953年〜、72歳) 谷川佳樹(1956年〜、69歳) 萩本直樹(1953年〜、72歳) 原田光治(1943年〜、82歳) 山本武(1943年〜、82歳) 会長、理事長、主任副会長らですが、これだけ高齢化しております。 と…

  • 社長会記録を読む〜第6回、昭和42年11月25日

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は社長会記録のシリーズ・第6回目になります。 池田大作氏が作った「社長会」というグループについて詳しくお知りになりたい方は以下の記事等を読まれるとよいかもしれません。 「社長会のこと」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/10/16/000000 「社長会(金剛会)がかつて存在していたことを池田大作氏は認めていた。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/05/30/000000 「社長会記録を読む〜第1回」 https://wa…

  • 日蓮が書いていないものを学んでも、日蓮を学んだことにならない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私はこのブログで日蓮の遺文について、後世の偽作の可能性が高いものを取り上げ、その根拠を示しています。それらは例えば『御義口伝』『生死一大事血脈抄』『船守弥三郎許御書』『阿仏坊御書』『諸法実相抄』『日女御前御返事』『三大秘法抄』等、多岐に渡ります。 ではなぜ偽書であることを明確にしなければならないのでしょう。 これは日蓮門流が日蓮死後に分裂、発展していく史的過程の中で明らかに自門流の正統性を主張するために門流間で遺文の略奪、また偽書の作成が行われたことが諸史料から確認できるからです。 例えば『身延山御書』という遺文があります。この御書は大変に美しい文章…

  • 日蓮の偽書は大石寺9世日有によって本当に作られたのか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてとある方から伺ったことですが、「日蓮の偽書の大半は大石寺9世の日有によって偽作された」と考える人が一定数いるようです。 私自身の知見不足かもしれませんが、私自身は「日有によって偽作された日蓮遺文は存在しない」または「日有によって偽作された遺文はその存在を確認できないため、一部を除いてほとんど存在しない」と考えています。今回はそのことを少し書いてみたいと思います。 まず理由の1点目なのですが、大石寺9世日有自身が書写した偽撰遺文の写本の存在が確認できないことです。 大石寺9世日有は、大石寺中興の祖として知られ、富士門流の化儀を最初に体系化した人物として…

  • 創価学会の三宝。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて以前、このブログでは日蓮正宗の「三宝」(仏法僧)について記事に書き、その歴史的な変遷を取り上げたことがあります。 「日蓮正宗の三宝」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/01/16/002835 要は日蓮正宗自体が創価学会の「三宝」観を批判する割には、彼ら自体の三宝観が一貫していないということです。 ところで、創価学会の「三宝」も全く一貫していません。現在の創価学会の公式サイトによるなら、創価学会の「三宝」は仏宝が「日蓮大聖人」、法宝が「南無妙法蓮華経」、僧宝が「創価学会」ということになってい…

  • 広宣流布をするためには選挙をしなくてはならないのか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログで既に書いていることですが、創価学会の活動の一環として「選挙」を宗教活動の一つと位置付けた張本人が池田大作自身であることを指摘しています。 「選挙を宗教活動に位置付けた池田大作総務」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/11/21/000000 「選挙における勝利至上主義の池田大作氏」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/02/21/000000 池田大作氏は会長就任前の総務時代から既に選挙を創価学会の宗教活動の一つとして明…

  • 「臆病にては叶うべからず」という言葉は日蓮の言葉でない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮遺文の偽書、後世の偽作の可能性が高いものをこのブログで紹介していますが、それらの偽作遺文を対照して読んでいると、ふと気付かされることがあります。 それは複数の御書が互いに関連づけられているかのように似た文言が複数の遺文で見つけられるということです。 例えば「相構えて相構えて」という文言は、日蓮真蹟遺文には全く見られず、真蹟不存の偽書の可能性が高い遺文にしか存在しないのです。 「相構えて相構えて」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/08/03/170904 ところで最近気になって「臆病にて…

  • 日寛教学の根本は「大石寺法主の金口血脈相承」と「戒壇本尊」である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会は平成3年以降、日蓮正宗・大石寺宗門から「破門」され、別個の宗教法人として独立しました。 それはそれで構わないのですが、問題なのは信濃町の創価学会本部の大誓堂に安置された根本本尊がなぜか大石寺64世水谷日昇書写本尊であり、会員信徒に頒布している本尊が大石寺26世堅樹院日寛書写本尊の複写であるということです。 なぜか離れた筈の宗門の管長が書写した本尊を未だに拝み、信徒に拝ませているのです。 特に創価学会は大石寺26世日寛の教義に何故か未だに固執し、その教義を援用、換骨奪胎して創価学会の現在の教義が構成されるのかと思います。信徒に日寛書写本尊を頒…

  • 「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし」の『四条金吾殿御返事』は偽書である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会信者さんには有名な御書ですが、次の一節をご存知でしょうか。 「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし」 「あへて臆病にては叶うべからず候」 この文が載るのは、弘安2年10月23日説の『四条金吾殿御返事』(創価学会旧版御書全集1192〜1193ページ)ですが、この御書は実は偽書の可能性が高い遺文なのです。 どういうことか、以下に2点にわたって説明していきましょう。 1、日蓮真蹟や同時代の古写本が存在しない まず偽書たる所以は日蓮真蹟が存在しないことです。録内本には一切収録されておらず、収録される遺文集は『本満寺録外』『三宝寺録外』『他受用…

  • 御授戒は存在しなかった。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日蓮正宗で入信の儀式とされる「御授戒」についてです。 以前、創価学会は日蓮正宗の信徒団体の一つ、法華講連合会の一つに過ぎませんでしたから、入信の際にはお寺に行き、「御授戒」を受ける必要がありました。現在の創価学会は日蓮正宗とは別の宗教団体になりましたから、そのような儀式は行われていません。 ところで、創価学会側より「日蓮在世の頃に果たして現在のような『御授戒」の形式はあったのか」と言う批判がされることがあります。 結論から言いますと、日蓮在世の頃に「御授戒」の形式は存在しなかったと考えられます。 と言うのはなぜかと言うと、日蓮自身やその門弟たち…

  • 甲賀平と大蔵商事。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は、創価学会の正史から消されてしまった一人の人物の証言記録から、若き日に金融業で働いていた池田大作の過去の史実を辿ってみたいと思います。今回の主な参考出典は溝口敦『池田大作「創価王国」の野望』(紀尾井書房、昭和58年)になります。 その人物の名前は甲賀平という人物です。 甲賀平氏はかつて戸田城聖が経営していた「東京建設信用組合」、また後の「大蔵商事」の出資協力者の一人です。当時は国鉄大宮機関区の経理係長をしており、昭和27年に創価学会に入信。大宮の地区部長を務め、昭和34年からは創価学会の推薦で旧大宮市議になった人物です。彼は後に、いわゆる「月刊…

  • 本門の本尊は四菩薩を伴う久成釈迦仏である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は日蓮の曼荼羅本尊と、四菩薩を伴う久成釈迦仏の仏像とが、実は日蓮の中では同じものを指していることを、ブログ中で何度か指摘しています。 「仏像を安置することは本尊の図の如し」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/04/22/000000 「御本尊の手」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2019/01/04/000000 「四菩薩を伴った久遠実成如来の仏像造立」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry…

  • 五重相対は優劣をつけるものではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮門流では「五重相対」という語を教義で使います。ところで、この語の使われ方と内容は日蓮宗と日蓮正宗・創価学会系教団では全く異なることを皆さんはご存知でしょうか。 創価学会・日蓮正宗の「五重相対」 ①内外相対 ②大小相対 ③権実相対 ④本迹相対 ⑤種脱相対 それ以外の日蓮宗派の「五重相対」 ①内外相対 ②大小相対 ③権実相対 ④本迹相対 ⑤教観相対 まず語句として5番目が異なります。創価学会系は「種脱相対」であって、他の日蓮宗派は「教観相対」と呼ばれます。 次にその意味の相違です。創価学会系の「五重相対」ではそれぞれに「勝劣」をつけます。例えば「種脱…

  • なぜ偽書は作られたのか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮の遺文にはなぜ「偽書」が多いのでしょう。同時代の鎌倉の祖師たち、親鸞や道元らの著作にはそのような真偽問題は存在しません。ただ日蓮の遺文のみ、後世の偽作の問題があるのです。 山上弘道(興風談所研究員)氏は、日蓮の偽書を複数に分類し、「偽撰遺文学」の必要性を述べています。ブログでも一度紹介もしました。 「日蓮偽撰遺文の分類について」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/05/11/000000 日蓮の遺文が本人の滅後、弟子たちにどのように受け入れられ、どのように解釈されていったのかが、それらの…

  • 創価学会版御書に収録されない日蓮真蹟遺文。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会や日蓮正宗の御書全集には、真蹟不存で同時代の古写本も不存、後世の偽作の疑いの強い遺文がたくさん含まれています。 例えば『生死一大事血脈抄』『諸法実相抄』『御義口伝』『一生成仏抄』『新池御書』などですが、それらの偽作説については、このブログで、一部紹介しているところです。 「『生死一大事血脈抄』は後世の偽作である」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/02/25/120527 「『諸法実相抄』は後世の偽作」https://watabeshinjun.hatenablog.com/ent…

  • 真摯に学ぶことの大切さ。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は創価学会の活動家として、また青年部時代は広宣部として、総県や方面に近い幹部まで経験をし、罪深い人生を送りました。日蓮正宗の信者としても、また他宗派を罵って否定するような愚かな人生を生きてきました。今はそこから非活動、そして退会・離檀・離宗・棄教を選び、今となっては心穏やかな日々を送るようになりました。今書いているこのブログの一つ一つの記事は、言わば自身の過去との訣別であり、何が間違っていたのかを自身の反省とともに残していく記録とも捉えています。 よく創価学会や日蓮正宗から離れた方から聞かれることがあるのは、「なぜそんなに研鑽をされているのですか?…

  • 「弘安元年正月一日」という日付はあり得ない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会や法華講信者の方は、偽書の可能性の高い『御義口伝』が好きで、よく引用されることが多いです。 しかしながら『御義口伝』は後世の偽作の可能性の高いものであり、多くの点で日蓮講説であるとは到底考えられない疑念が頻出しています。ブログでも記事に挙げているところです。 「大石寺写本『御義口伝』の改竄」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/10/08/000000 「『御義口伝』における『科註』から『補註』への改竄」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entr…

  • 法華経の心を知らず無智の者は極楽浄土に往生するのか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会の機関誌『大白蓮華』を見ると、本年10月の座談会御書は『法華初心成仏抄』であるようです。 ところで『法華初心成仏抄』について、このブログでは同抄が真蹟不存・古写本不存のことから偽作の可能性を示唆しています。 「法華初心成仏抄の信用性の問題」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/08/06/000000 このように真偽未決、日蓮撰述の著作として疑わしいものばかりを信徒に学ばせるのでは、本来の日蓮の思想と異なるものになってしまうでしょう。そもそも創価学会も日蓮正宗も顕正会も本来の宗祖は日蓮…

  • 会長が「不開門」を開くとはどう言うことか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて昭和40年7月25日、日大講堂で開かれた創価学会第63回本部幹部会にて、池田大作会長(当時)は以下のような指導を行います。私は非常な違和感を感じるのですが、果たして読者の皆さんはどのように感じられるでしょうか。ここでは将来的に起こる「広宣流布」について、その際に何が行われるのかを語っています。 「どんなに公明党が発展しようが、広宣流布は御仏智であります。そしてまた猊下のご一念であられるのです。広宣流布の時には、不開門(あかずのもん)が開きます。その時は、どういう儀式になるか。それは私ども凡下には測り知ることはできません。広宣流布の時は、国が最高に繁栄…

  • 建治3年『日女御前御返事』は後世の偽作である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日蓮の御書から、『御本尊相貌抄』として知られる『日女御前御返事』という遺文を取り上げてみましょう。 『日女御前御返事』という題号で知られる御書は2篇あり、①建治3年8月23日、②弘安元年6月25日という2つの日付があるものがあります。このうち創価学会や日蓮正宗信徒さんによく知られるのは『御本尊相貌抄』として知られる①のものです。この中には創価系信者さんならよく知る文が多くあります。例えば以下のような文です。 「此の御本尊の中に住し給い妙法五字の光明にてらされて本有の尊形となる是を本尊とは申すなり」 「是全く日蓮が自作にあらず・多宝塔中の大牟尼世…

  • 総本山境内で豚を屠殺し、豚の皮で記念品を作る感覚。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて昭和33年3月16日のことですが、創価学会は青年部6,000名が大石寺大講堂に集まり、「広宣流布の模擬試験」という記念式典を行います。 この中で、寺の総本山の境内で、創価学会は以下のことを行います。 1、朝から総本山境内で豚を3頭屠殺し、ドラム缶で豚汁を作って参加者に振る舞った。このため、参加者には各自箸と椀を持参するように徹底されていた。 2、大石寺境内は三門から「下馬下乗」とされ、法主でさえも乗り物に乗ることは禁じられている。しかし創価学会青年部は「車駕」を作り、戸田城聖を車駕に乗せて本山境内を練り歩いた。ちなみに「車駕」とは本来「乗輿車駕」と言…

  • 日蓮は釈迦を「本尊」として拝んでいた。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは、日蓮が釈迦を本仏として拝んでいたことを何度となく指摘しています。 例えば建治元年の日蓮の著作である『神国王御書』(真蹟は京都妙顕寺に現存)には、明確に「其の外小菴には釈尊を本尊とし」(創価学会旧版御書全集、1525ページ)とあり、日蓮本人が釈迦像を「本尊」とはっきり書いているのです。しかもこの御書が書かれたのは建治期であり、佐渡以降のことです。 また日蓮は『清澄寺大衆中』(真蹟身延曽存)では「日蓮敵をなして領家のかたうどとなり清澄・二間の二箇の寺・東条が方につくならば日蓮法華経をすてんと、せいじやうの起請をかいて日蓮が御本尊の手にゆい…

  • 池田大作と創価学会の年譜、昭和3年〜昭和35年。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて以前の記事で「戸田城聖と創価学会の年譜」をアップしたことがあります。 「戸田城聖と創価学会の年譜、1900年〜1952年まで」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/04/15/000000 個人的にはこの年譜もまだ未完成で、増補の必要性を強く感じるところなのですが、同時並行で「池田大作の会長就任までの年譜」を自分なりに少しずつ作っていました。 いつか両編を大きく増補改訂の上、合体して創価学会の年表としてあげていきたいところではありますが、読者からの要望もあり、自分なりに未完成ながらある程度、史…

  • ヒトラーのベルリン五輪を理想とした、創価学会の体育大会。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて最近では行われなくなりましたが、昔の創価学会では青年部による「体育大会」が行われていたことがあります。それらは戸田城聖会長時代に始まり、池田大作会長時代にまで続きます。やがて体育大会は男子部の体操競技や女子部のダンスなどが「青年平和文化祭」に組み入れられ、池田名誉会長・秋谷栄之助会長時代まで行われました。文化祭はほぼ平成9年頃を境にして急速に行われなくなります。 戸田城聖が亡くなるのが昭和33年(1958年)4月2日のことですが、この年の9月に第5回青年部体育大会が企画され、9月9日に豊島公会堂で行われた男子部幹部会で池田大作参謀室長が、この体育大会…

  • 天理教と立正佼成会の「総攻撃」「撲滅」を指導する池田大作会長。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて池田大作氏が創価学会の第3代会長に就任するのは昭和35年(1960年)5月3日のことです。この日、両国の日大講堂にて第22回本部総会、第3代会長就任式が開催され、池田大作が会長に就任します。大石寺から来賓として66世細井日達ら多数の僧侶も出席し、司会は龍年光が務めたと言われています。 この年(昭和35年、1960年)に池田大作が会長に就任し、最初に池田大作がした仕事は一体何だったのでしょう。 この5月3日にあったのは『戸田城聖巻頭言集』発刊と、そして大客殿建立委員会の発足です。原島宏治理事長、北条浩副理事長、和泉覚、白木薫次、石田次男、森田一哉、小平…

  • 方便品の長行。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は『法華経』方便品後半の世雄偈、それ以降の方便品の「長行」についてです。 現在、創価学会、および日蓮正宗法華講信者さんは、朝晩の勤行として方便品と如来寿量品を読誦しています。このうち如来寿量品の長行を読むか否かについては創価学会と日蓮正宗とで異なりますが今回ここでは触れず、あえて方便品の問題のみに絞って書いてみたいと思います。 勤行での方便品の読誦について、創価学会と法華講の信者は「十如是」以降の「世雄偈」を読みません。方便品冒頭の十如是の三転読誦を読むだけで鈴を打ち、如来寿量品に入ってしまうのです。 ところで、大石寺26世日寛は勤行における方便…

  • 後継者はいなくなった。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて、創価学会が「反逆者」として扱う人物たちなのですが、かつては多くが最高幹部であったことが多いです。 彼らの多くは池田大作氏が重用していた人物が多く、彼らは多くが当時、会員信徒から池田大作の後継者と目されていました。 例えば、山崎正友(元創価学会副理事長、元顧問弁護士)、福島源次郎(元創価学会副会長、元男子部長、元青年部長)、原島嵩(元創価学会教学部長)、竹入義勝(元公明党委員長)など、枚挙に暇がありません。いわゆる「反逆者」認定されずに、創価学会の中心幹部から暗黙のうちに外されていった幹部たちを含めるとかなりの人数に上ります。 しかしながら、多くは池…

  • 若き日の池田大作が学んだ御書5編が『御書全集』に収録されていない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて先日、池田大作の『若き日の日記』の『大白蓮華』掲載分が、全集版と比べて削除されていることを書きました。 「『若き日の日記』の改竄」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/07/20/201522 反響も大きく、創価学会本部の過去を隠蔽する本質を如実に語るものとして、多くの方から多くは好意的な感想を頂きました。多くの読者の方、また情報提供や資料提供をくださった会員や退会者の皆様には改めて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。 さて上記記事でも取り上げたところですが、なぜか現在の…

  • 牧口常三郎の「日本人が神になる」という発想。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて先日、牧口常三郎の戦争観の一つ、「日本人が神になる」「神は日本民族の祖先」ということについて、一読者から示唆深いご教示を頂きました。このブログは本当に多くの情報提供者、また執筆協力者の皆様に支えられています。ありがとうございます。今回はご教示を頂いた内容を自分なりに考え、資料とともに少し整理して書いてみたいと思います。 まずは戦争中に「死んだ日本人が神になる」という発想ですが、これは靖国神社や護国神社に死後に祀られ、国家のために命を捧げたものは神格を得て神になるという考え方です。 堀日亨編の『富士宗学要集』第9巻「資料類聚[2]」では、「法難編」とし…

  • 「普門偈」と「日光の喩え」

    みなさん、いつもありがとうございます。 さて創価学会や日蓮正宗が用いる、鳩摩羅什(クマラジーヴァ)訳の法華経について、その編集方針や削除、章節順序の改変などをこのブログでは幾度となく取り上げています。 例えば鳩摩羅什訳では第25章にあたる「観世音菩薩普門品」では、本来サンスクリット原典に存在していた「普門偈」が鳩摩羅什訳で訳出されず削除されています。したがって普門偈に含まれる「還著於本人」という言葉は本来鳩摩羅什訳の『妙法蓮華経』にはなかった言葉なのであり、それは普門品とともに紀元601年の闍那崛多・達磨笈多訳の『添品妙法蓮華経』で訳出されたものなのです。 現行、信者らによって読まれる『法華経…

  • 戒壇建立とは具体的に何か。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は「国立戒壇」をかつての創価学会が教団の至上命題として主張していた件です。 多くの方がご存知のように、日蓮の遺命として『三大秘法抄』(真蹟不存、真偽未決)の戒壇を建立することが挙げられます。かつての国柱会等はこの戒壇建立を「国立戒壇」と呼び、この国立戒壇を日蓮の最大の悲願として建立を呼びかけていました。これらの議論を受けて、戦前から日蓮正宗、そして創価学会も本門戒壇の建立を「国立戒壇」と呼称していたのです。 その後、創価学会の寄進により大石寺に「正本堂」が建立される前の昭和44年〜45年にかけて「言論問題」(言論出版妨害事件)が起こります。創価学…

  • 神輿を担ぐと罰が出るのか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回はかつての創価学会が「神輿(みこし)を担ぐ」ことで「罰」が当たることを指導していた点について、具体的に『聖教新聞』記事中から示してみたいと思います。 私が子どもの頃、私は既に創価学会2世(正確には3世信者)で、謗法行為をしてはならないと教わってきました。例えば「神社の鳥居をくぐってはいけない」「お守りをもらってはいけない」「おみくじを買うなどもってのほか」「他宗派のお経を読んではいけない」等々と言われ続けてきました。 この「謗法厳誡」(なんて組織内で言うこともありましたが)の精神は、私が活動家の頃まで徹底されてきましたが、平成3年頃のいわゆる「第…

  • 法華経の度量天地品と馬鳴菩薩品。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは『法華経』の構成についてもいろいろと批判をしています。 「鳩摩羅什により改変された法華経」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/06/16/000000 また『法華経』の開結として、『無量義経』そして『観普賢菩薩行法経』等が後世に偽作されたことが推測されます。このブログでは主に『無量義経』の偽作説について取り上げています。また両経典が『法華経』の前後に説かれたとする天台の教判は、そもそも文献学的な根拠がありませんから、現代では無効のことに過ぎません。 「無量義経への疑念」http…

  • 引き題目について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 先日、とあるブログ読者の方とお話しする機会があったのですが、そこで図らずも昔の勤行の形式で使われていた「引き題目」についての話になりました。そこで言われたのですが「ぜひ引き題目についてブログに書いてほしい」とのことでした。 少し迷ったのですが、そんなお話もあったことですから、少し整理して書いてみたいと思います。 ところで「引き題目」と言ってもよくわからない方が多いと思います。 創価学会や日蓮正宗、顕正会等の大石寺系教団は、大きく分ければ「日蓮系」の宗教団体です。ですから唱える「題目」というのは「南無妙法蓮華経」のことを指します。 で、信者のお勤め、いわゆ…

  • 証文について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮は他宗派と論争をする時に必ずと言って良いほど、経文や論釈等の「証文」を示すことを重要視していました。 「文証がない教説は否定されるべきとするのが日蓮の思想である」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2024/05/19/155309 であるからこそ、日蓮は常日頃から経典・仏典を読んではその「要文」を作成していました。 「日蓮と日興の修学の姿勢」https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/04/19/114617 確かに日蓮は『注法華経』『双紙要文…

  • 相構えて相構えて

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて皆さんは「相構えて相構えて」という表現を日蓮の御書で見たことはあるでしょうか。 仏教には関係のないごく一般的な言い方であり、古語辞典等で意味を引くと「よく注意して」「十分に気をつけて」くらいの意味で使われる言葉です。 実はこの言い方は複数の御書でよく見られる表現であり、興風談所のホームページのコラムで指摘されていたのですが、この表現は日蓮の偽書に特徴的な言い方なのだそうです。そして事実としてこの「相構えて」という言い方は日蓮の真蹟現存・曽存遺文には1箇所も使われていないのだそうです。 そこで気になって調べてみました。確かに御書で「相構えて」という表現…

  • 『法華経』に書かれている宿王華菩薩への付嘱。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは法華経について、中国仏教や日蓮の解釈に依らず、素直に読んだ考えをいろいろ書いています。 その中で創価学会や日蓮正宗系の信者さんが最も感情的に反発される部分は以下の2点かと思います。 ①『法華経』は上行菩薩のみに付嘱されてはいない。 ②釈迦滅後の『法華経』の広宣流布は上行菩薩ではなく、宿王華菩薩に付嘱されている。 まあ……感情的に反発したくなるのも元信徒としては理解できなくはないのですが、『法華経』に書かれていることなので仕方がない事実なのです。まだご存じでない方は以下のいくつかの記事を読まれると良いでしょう。 「如来神力品で別付嘱はされ…

  • 偏頗を破却せしめて宜しく衆議を成すべし

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて大石寺開山の日興の死(1333年)から9年後の暦応5年(1342年)に、三位日順によって書かれた『誓文』には次のように書かれています。 「倩ら大聖富山二代の遺跡を撿するに・貴賤互いに偏執を懐き・所立亦た異義を存す、料り知りぬ一は是にして余は非なることを、恐くば皆着欲僻案の謂ひか、能聴是法者斯人亦復難の経文宛も符契の如し、濁悪中比丘・邪智諂曲と仏記豈に他宗に限らんや(中略)当家一味の師檀の中に大事堪え難きこと・出来の時は本尊を勧請し奉りて各判形を加へ、偏頗を破却せしめて宜しく衆議を成すべし、然らずんば後輩弥よ私曲を構へ人法共に断絶に及ばん」 (三位日順…

  • 2025年参議院選挙における公明党の敗北。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は2025年の参議院選挙投票日を終え、公明党の選挙結果について自分の思うところを少し書いてみたいと思います。 さて都議選の大敗の後、さすがに参議院選挙では取り戻すと思ったのですが、選挙区でも複数の選挙区で落選。選挙区では埼玉、愛知、神奈川で落選。比例区得票数もなんと520万票まで減り、獲得議席はわずか4議席。想像を超える大敗を喫しました。比例区4と選挙区4とを合わせて「8議席」という結果は、1965年の参議院選挙で11議席を獲得して以来の少なさであり、公明党としては過去最低の獲得議席数になります。 選挙区の得票数の推移を見てみましょう。具体的には…

  • 『若き日の日記』の改竄。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて最近の『大白蓮華』(宗教法人創価学会の教義機関誌)には、かつての池田大作の『若き日の日記』が再び少しずつ再連載されています。 『若き日の日記』は今や絶版。初版で読むことができず、『池田大作全集』に収録されたままです。 今回、読者の方からの情報提供もあり、その『池田大作全集』第36巻〜第37巻収録の『若き日の日記』全編版(池田大作全集刊行委員会編、聖教新聞社、1990年、1991年)と、最近の『大白蓮華』とを少しだけ比較対象してみました。読者の方には感謝申し上げます。 まだ全編を通してみたわけでもなく、単にまだ2025年7月号の『大白蓮華』とを少し見比…

  • 五時八教は後世に成立した教判に過ぎない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日蓮が天台教学から引き継いだ「五時八教判」について、それが近代以降の仏教学において批判され、史実とは異なることが指摘されたことについて少し説明してみたいと思います。今回、参考にしたのは岡田文弘「二十一世紀の長者窮子-今日的地平における五時教判-」(『日蓮学』第8号所収、国際日蓮学研究所、2024年10月13日)です。論文中、引用される関口真大、梅原猛、浅井要麟氏の著作等は多く参考のために引用する必要がありますが、あえて読みやすさ、便宜をとって一部割愛しました。いずれ少しずつ紹介してみたいと思います。 天台教学の五時教判は天台智顗(538〜597…

  • 2025年都議選における公明党の敗北。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて先日2025年6月22日投開票の東京都議会議員選挙の結果が出ました。 驚いたことに公明党の得票総数は何と激減して530,217票、出馬した22候補のうち、大田区で2名が落選、新宿区で1名が落選。合計3名落選、議席数19となり、1965年に都議会が自主解散を決めて以降、公明党は最低の議席数となりました。得票総数も1965年の506,705票に次ぐ少なさとなりました。4年前の都議選と比べてなんと10万票以上を減らしているのです。 以下は東京都選挙管理委員会発行の「投票結果」(令和7年6月23日、0時17分発表) https://www.senkyo.me…

  • 信じる自由、信じない自由。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は最近の日蓮正宗の信者さんについて書こうと思いますが……全てがそうであるとは言えませんが、最近の元創価学会の退会組の法華講信者の中には、やたら狂信的に自分達の教義を押し付けてくる原理主義的な方が増えた印象があります。 こちらは興味がないのに、日蓮正宗信者のブログ記事や大石寺教義の解説等をメールで送りつけて押し売りする、「興味がないのでやめてください」と言っても何も反省せず、執拗に繰り返してくるのです。もはや迷惑行為です。 例えば日蓮正宗に特有の「日蓮本仏説」について書いてみましょう。多くの読者の方は既にご存知のように私はこのブログで日蓮本仏説が日…

  • 鳩摩羅什により改変された法華経。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日本に巷間に流布して来た『法華経』、いわゆる鳩摩羅什漢訳の『妙法蓮華経』がサンスクリット原典から鳩摩羅什の手によって恣意的に改変されている問題について、いくつか記事を書いてきました。 今回は具体的に『法華経』のどこを具体的に改変したのか、まとめてみましょう。前回の記事での十如是でも明らかなように鳩摩羅什の『法華経』改竄・改変・拡大解釈は中国仏教の影響下にあり、中国での仏教理解に資する目的があったようにも推察できると個人的には思います。 ①方便品の諸法実相の5種類を10種類に改変し、「十如是」とした。 「十如是は本来5種類しか存在しない」 https:…

  • 『法華経』と文殊菩薩。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて『法華経』中における文殊菩薩の扱いについて、少し書いてみます。 今回は種智院大学教授のスダン・シャキャ氏の研究を一部参考にして文殊菩薩のことについて考えてみたいと思います。と言うのは大乗仏典での文殊菩薩の扱いはどうも微妙に変化していて、定まっていないようなんですね。 さて『法華経』での文殊菩薩の扱いを見ると以下の3箇所が主なところでしょうか。 ・『法華経』序品第1 文殊菩薩は弥勒菩薩の問いに答える形で、この後、釈迦が法華経を説くことを示す。 ・『法華経』提婆達多品第12 文殊菩薩は「教えの後継者」として登場し、海中で自ら法華経を説き、サーガラ龍王の娘…

  • 十如是は本来5種類しか存在しない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて先日の記事「十如是を3回読むこと」で、あちこちから反響がありました。 「十如是を3回読むこと」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2025/06/01/000000 頂いたのは「十如是が原典では本当は5つしかないというのは本当ですか?」というものです。 はい。本当のことです。鳩摩羅什が漢訳する前の『法華経』のサンスクリット原典『サダルマ・プンダリーカ・スッタ』で「諸法実相」の説明は5種類しかありません。原典訳からきちんと見てみましょう。 以下は鳩摩羅什(クマラジーヴァ)漢訳の『妙法蓮華経』(法華経)…

  • 公場対決における国家諫暁こそが日蓮の思想である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は国家主義的な日蓮の布教方法について、このブログで何度か指摘しています。 「王にしたがはざれば仏法流布せず」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/11/19/000000 上のブログで書いたように、日蓮の布教方法は「国家諫暁」「公場対決」です。日蓮の思想とは国家の奉ずる宗教の問題であって、その理想は法華経を中心とした祭政一致国家でした。日蓮の布教対象の出発点は一人一人の民衆ではなく、国家と為政者それ自体なのです。 そして日蓮は晩年の『撰時抄』において、国家における他宗派への弾圧を公然と認め…

  • 十如是を3回読むこと。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は法華経方便品における「十如是を3回読むこと」についてです。 これについて創価学会自体は「三遍読に功徳まさる」(『一念三千法門』創価学会旧全集版412ページ)とし、さらには「我が身が尊い仏である」ことを三つの側面①仏の現実を見つめる智慧②仏の慈悲の行動③仏の覚った法そのものという三つを称えるために3回唱えるのだそうです。 https://www.sokanet.jp/blog/66.html ここで創価学会が公式に引用している日蓮遺文は『一念三千法門』(真蹟不存)のみです。そして同抄から読み解かれる「仏の三つの側面」とはいわゆる「空仮中の三諦」「…

  • 八幡大菩薩は応神天皇か。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会や日蓮正宗の教義では、法華経守護をする「諸天善神」というものがあり、その中にはなぜか日本古来の神である「八幡大菩薩」や「天照大神」が含まれています。 日蓮本人が既に矛盾しているのですが、そもそも『法華経』には八幡大菩薩も天照大神も登場しません。単なる日本の神でしかありません。つまり日蓮は『法華経』を中心とした祭政一致国家の樹立を国家=宗教の理想としたのですが、その中で伝統的な日本の国家像と融合させた、極めて神仏習合的な国家観を持っていたことになります。 「純粋な日蓮の思想を考えると」 https://watabeshinjun.hatenab…

  • 創価・大石寺系信徒及び退会者グループのカルト的体質。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は改めて私のブログの立場、立ち位置について、またそれを批判する創価・大石寺系信徒グループ、また退会者や離脱者たちのグループのカルト的な体質について書いてみたいと思います。 というのもブログを2016年から書き始めて既に9年近く経とうとしているのですが、こんな私のブログを高く評価してくださって応援くださる読者の方も増えていまして、また同時になぜか私に対して言われのない誹謗中傷、罵詈雑言、無意味なレッテル貼り等を浴びせてくる方も増えたからです。 こちらとしては生産的な批判なら受け付けます。ブログでもしばしばこちらの誤りを指摘されることもあり、しばしば…

  • 四条金吾は日興の葬儀に参列していない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は四条金吾についてです。 以前書いたことですが、四条金吾は日興とは袂を分かち、身延にいた信徒です。四条金吾が日蓮の死後、富士の白蓮阿闍梨日興を訪ねた形跡はありません。 「四条金吾は日興とは分かれた門流である」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2024/01/07/084032 日蓮の葬儀の様子と遺言を克明に記録した、日興の『宗祖御遷化次第』(日興真蹟:西山本門寺現存)には、四条金吾が「次幡」を持って参列したことが記録されています(『日興上人全集』113ページ、興風談所)。 ところが、日興本人が…

  • アメリカ創価学会の会員数について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回はアメリカの創価学会信徒の数は一体どれくらいなのかという、素朴な疑問を書いてみます。 日本の創価学会信徒の数は、2005年(平成17年)以降、創価学会本部は公称として「827万世帯」としており、それは20年近く全く変わっていません。言わば創価学会の布教は、数字だけを見るなら停滞していることになるでしょう。 「1980年当時の創価学会の組織実態」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/05/14/000000 ではアメリカ創価学会はどうだったのでしょうか? 細谷昭『世界の宗教日蓮正宗創価学会…

  • 日蓮偽撰遺文の分類について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は興風談所の山上弘道氏による「日蓮偽撰遺文学」の提唱で、グループ分けされた一連の日蓮偽撰遺文、すなわち偽書について考えてみたいと思います。 このブログでは多くの日蓮遺文を「偽書」として批判し、その根拠も複数示すようにしています。その理由は日蓮の著作として多くの偽書が後世に創作されており、日蓮の本来の思想が見えなくなっているためです。 ところで、日蓮の遺文に多く偽書が作成された理由はさまざまですが、日蓮門流が分裂を繰り返す史的過程において自門流の正統化、また各門流が独自に教学的発展を遂げた教団教義の補完などが考えられるでしょう。言わば偽撰遺文は、分…

  • 池田大作とカメラ。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は、池田大作氏の撮影した写真についてです。 池田大作氏は若い頃からノーファインダーで写真を撮影し、それを写真展として紹介したり、また会員信徒への激励として絵葉書や写真集、また機関誌紙でも紹介したりしています。 池田大作氏の写真について、今回、写真が趣味で昔からのカメラにお詳しい元会員信徒さんから連絡を頂き、やや長めのお話を伺うことができました。写真技術に関して素人同然の私からすると、大変に示唆の多い話で、今回編集・加筆の上、ご本人の了解を得て掲載することにしました。感謝します。 「池田大作氏の写真は、結論から言えば『普通の素人が普通に撮った写真』…

  • 『当体義抄』は日向『金綱集』を元に偽作された。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は『当体義抄』という御書についてです。読者の皆さんは『当体義抄』という御書を知っているでしょうか。恐らく創価・大石寺系信者さんの多くが学んだことのあるものの一つかと思います。 『当体義抄』は全部で19の問答から構成され、その中で「迷悟十界の依正悉く妙法蓮華経の当体」「正直に方便を捨てて妙法を信受する我等が妙法の当体」と言うことが述べられていきます。 ところが、この『当体義抄』、日蓮真蹟はおろか日興等の写本も存在しません。したがって他の最蓮房宛の御書と同様に偽書・偽作の疑いが非常に強いものです。 「最蓮房宛の日蓮遺文について」 https://wa…

  • 日蓮と日興の修学の姿勢。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこんなブログを書いている私は週末ともなると文献をいろいろ読むことが多いです。最近は『開目抄』の京都本満寺所蔵の日乾対校本等の研究について等、いろいろ読んでいまして、ふと日蓮とその弟子である日興の修学の姿勢について考えさせられました。今回は本間俊文氏の論文から少し内容を紹介してみたいと思います。 それは日興の『富士一跡門徒存知事』における「日興集むる所の証文の事」という部分です。果たして創価学会や日蓮正宗の信者さんたちはこの部分まで丁寧に読まれたことがあるでしょうか。 紹介してみましょう。 「一、日興集むる所の証文の事 御書の中に引用せらるる・若は経論…

  • 戸田城聖と創価学会の年譜、1900年〜1952年まで。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は少し長めになりますが、戸田城聖の生涯を時系列に追いながら、自分なりに年譜を作成してみました。まだ不明な部分も多く、未完成ではありますが、事実に即して戸田城聖の生涯と創価教育学会の当時の動きを記録してみました。今回は1900年の戸田城聖誕生から1952年の宗教法人創価学会の設立登記までを載せてみます。主な参考文献のみ、文末に掲載しました。 時間をかけた割には力不足故に不明な点も多く申し訳ないのですが、一時的な備忘録として残しておきたいと思います。 戸田城聖と創価学会の関連年譜 1900年(明治33年) ・2月11日、戸田城聖(本名:戸田甚一)、石…

  • 本門寺と王城とは一所となるべき。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私はブログ中で、国家主義的な思想、また法華経を根本にした祭政一致国家の樹立を思考した日蓮の思想を幾度となく指摘しています。 「純粋な日蓮の思想を考えると」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/02/21/080309 「日目の『申状』から考える」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/03/28/200743 「王にしたがはざれば仏法流布せず」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/20…

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