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気楽に語らう⭐︎創価学会非活のブログ⭐︎ https://watabeshinjun.hatenablog.com/

元創価学会活動家から非活になり、現在は退会した信徒が、創価学会や日蓮正宗、また顕正会等の大石寺系教団の問題点を語ります。

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2022/08/06

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  • 第一結集について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は釈迦の滅後に行われた仏典結集から、第1回目の仏典結集を考えてみたいと思います。 伝承によれば釈迦の死後、その翌年、霊鷲山の王舎城(ラージャグリハ)郊外の七葉窟に500人の比丘が集まり、第1回目の仏典結集が行われたと言われています。 この時の結集は、釈迦の十大弟子の摩訶迦葉(マハーカッサパ)を座長とし、およそ500人の長老が集まって執り行われました。釈迦の遺教は「法」と「律」についてまとめられ、「法」(Dharma)は釈迦の高弟としての説教を直接聴聞する機会に恵まれた多聞第一の阿難陀(アーナンダ)を中心としてまとめられ、「律」(Vinaya)につ…

  • 大石寺12世日鎮に教義を教えたのは左京日教だった。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて大石寺の教義は日興在世の最初の頃からできていたものではなく、段々と整備されて次第に他山の影響を受けつつ、できてきたものだということですが、そのことを私はこのブログで繰り返し、述べています。 大石寺4世日道(1283〜1341) ・『三師御伝土代』の釈迦本仏説 ・日興と日朗の和解説 大石寺9世日有(1402〜1482) ・『有師化儀抄』 ・日蓮本尊説 ・大石寺本尊堂 左京日教(1428〜?) ・師の日有の『有師化儀抄』の編集 ・『本因妙抄』『百六箇抄』書写 ・『百五十箇条』『類聚翰集私』等 大石寺12世日鎮(1469〜1527) ・左京日教からの教えを…

  • 社長会記録を読む〜第4回、昭和42年9月22日

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は少し間が空いてしまいましたが、社長会記録の第4回目をあげてみたいと思います。池田大作会長を囲んだ第4回目の社長会は昭和42年9月22日に行われています。会では当時の「王仏冥合」つまり選挙戦への具体的な活動が語られています。この当時から既に創価学会の選挙戦は池田大作会長の入念な指示と作戦の下で行われていたことがわかります。 「第4回社長会 [松野茶屋] 42.9.22 午後7:00〜9:00 先生、和泉、北条、中西、星生、田中、八矢、篠原、星野、小島、木村 ◎第二ラウンドに入って5、6、7、8、9月と頑張った。よく働いた。これでジェット機が上がっ…

  • 金口(こんく)とは何か。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮正宗の血脈相承では法主から法主に口頭等で伝わる文書のことをなぜか「金口相承」と呼びます。 法主の言葉による法主への相承をなぜか日蓮正宗では「金口」(こんく)と呼ぶのですが、これは日蓮の用例とも、仏教一般の使い方とも異なるのです。 まず仏教一般の使い方ですが、そもそも「金口」(こんく)とは「釈迦の口」や「釈迦の言葉」「釈迦等の諸仏の教え・教説・経典」の意味です。普通に検索してもすぐわかります。 事実、「Web版 新纂浄土宗大辞典」(https://jodoshuzensho.jp/daijiten/index.php/%E3%83%A1%E3%82…

  • 三鳥派の教義とその影響。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて前回の記事で、大石寺18世日精と当時の大石寺の支援者・敬台院との間で確執があったことを確認しましたが、さて日精が唱えて弟子に伝わり、そのまま先鋭化した「三鳥派」とはどのような教義だったのでしょうか。 前回の記事(2024.11.30)で引用した沼津市明治史料館編『愛鷹山中の謎の遺跡 山居院 -史実が伝説になるとき-』(沼津市明治史料館、2000年)にもあるのですが、この中で引用された『月堂見聞集』には「三鳥派といふ心は、日蓮より第三番目の上人は祖師より超たりとて、三番目の上人を用いるに依って、三鳥派と云へり」(同23ページ)とあるように、日蓮・日興と…

  • 大石寺内における敬台院派と日精・三鳥派との対立について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は大石寺18世の了玄日精が起こした三鳥派や、敬台院との対立について考えてみたいと思います。 ところで、このブログで何度か指摘していますが、実は日精は大石寺の17世ではなく18世であるということです。 「日精は大石寺の17世か、18世か。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/06/18/000000 「大石寺を隠居した18世日精」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/06/23/000000 日精の『富士門家中見聞』(『家中抄』…

  • 次代の教団指導者としての谷川佳樹氏の位置付け。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて少し前の記事で谷川佳樹氏が創価学会において、SGI(創価学会インターナショナル)理事長に就任したことを書きました。この中で私は「谷川氏が次期会長候補になる可能性が高まった」「会内の信徒が谷川氏を新しい次代のリーダーとして認識」という趣旨を述べています。 「谷川佳樹氏のSGI理事長就任」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2024/11/23/000000 これは2024年11月18日に行われた創価学会・第5回本部幹部会・SGI総会で原田稔会長から発表されました。 この時の原田稔氏の話(要旨)が聖教新…

  • 創価学会と大石寺の対立と分裂。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は前々回の記事「大石寺の本来の教義」の続きで、創価学会と日蓮正宗宗門との対立、そして主導権の奪い合いが歴史的にどう生まれたのか、個人的な推察も踏まえて書いてみようかと思います。メインとして大石寺66世細井日達から67世阿部日顕の頃、併せて創価学会の池田大作が第3代会長から退き、名誉会長になる頃までを簡単に書いてみます。 今回の記事はこれまで書いたブログの記事、個人的な聞き取りや証言等を総合して書いてみたものです。あくまで参考として読んでみて頂けたら幸甚です。 「大石寺の本来の教義」 https://watabeshinjun.hatenablog…

  • 谷川佳樹氏のSGI理事長就任。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて先日の聖教新聞で(2024.11.19付)、SGI(創価インターナショナル)理事長に新しく谷川佳樹氏が就任したことが報道されました。 これは創価学会の次期会長候補として、原田稔氏から谷川佳樹氏になる可能性が高まったと個人的には考えます。 と言うのも、SGI理事長の前任は大場好孝氏です。彼は主任副会長の一人であり、会長候補の一人ではありますが、今年82歳になる高齢です。大場氏がSGI理事長になる際、今回のような大々的な一面を飾る聖教新聞報道がなされた記憶は私にはありません。しかも大場氏と谷川氏とでは知名度に格段の差があります。 「創価学会の次の会長は」…

  • 大石寺の本来の教義。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて以前にも書いたことなのですが、大石寺という宗派は本来、他宗派を否定するようなカルト的宗旨ではありませんでした。歴史的に見れば、かつて大石寺は浅間神社に本尊を奉納もしていて、法華経が天下一同に広まると本化垂迹天照大神宮に神が宿るという教義を採用もしていました。 大石寺の三門にはかつて「順逆ともに来たれ」と書かれていたことはよく知られているのです。 「順逆ともに来たれ」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/10/27/000000 上記の記事で書いたところですが、かつての大石寺旧信徒(伝統講)さ…

  • 弘安5年〜弘安7年10月前後まで日興は身延山にはいなかった。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日興が日蓮の死後に2年近く身延を離れていたという史実についてです。 以下の記事でも以前書いたように、『美作房御返事』によるなら、日興は弘安6年1月以降、身延を離れていた可能性が高いことになります。 「日興は日蓮滅後、2年近く身延を離れていた」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/09/10/075104 ここからも戒壇本尊が当時身延に存在したことなどあり得ないことになるでしょう。仮に弘安2年に作られたとすると弘安5年から日興は戒壇本尊を放置して身延を離れ、身延を荒廃させたままにしたこと…

  • 2024年衆議院選挙における公明党の敗北。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて2024年10月27日投開票の衆議院議員選挙が終わりました。 結果として公明党は8議席を減らす惨敗となりました。 個人的な感想を書いていこうと思います。 前回の記事では選挙予想で、私は小選挙区を公明党はさほど落とさないだろうと思っていました。 ところが蓋を開けてみると、公明党が立候補した11の選挙区のうち7つで議席を失い、わずかに4議席しか獲得できませんでした。 大阪3区、大阪5区、大阪6区、大阪16区で公明党は全て惨敗。「常勝関西」の牙城は潰え去りました。 流石に兵庫2区と兵庫8区は公明党が取りましたが、大阪の4選挙区完敗はちょっと衝撃でした。 大…

  • 2024年衆議院選挙公示。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は本年、2024年10月27日に行われる衆議院議員総選挙について、少し思うところを書いてみようかと思います。 最初に公明党の得票数の推移について、確認しておきます。 公明党、比例区、得票数の推移【再掲】 注:比例代表制は参議院で1983年に初めて導入されています。それ以前の参議院選挙は全国区の得票総数をデータとしてあげました。 衆議院の公明党初進出は1967年であり、それ以前は衆議院に公明党は出ていません。なお衆議院での比例代表制導入は1996年からで、それ以前のデータは衆議院選挙区得票数の合計を載せています。 1962参議院 約412万(公政連…

  • 『二箇相承』は北山本門寺系の文書である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮正宗や創価学会等の大石寺系教団信者さんの多くは大石寺が正統である根拠に『二箇相承』を挙げますが、そもそも同抄は真蹟不存、上古の正写本も存在しません。 加えて『二箇相承』はその存在が北山本門寺に伝わっているとされてきたものです。仮に『二箇相承』を日蓮真蹟だと仮定するなら、日蓮日興の血脈は北山本門寺に伝わったことになり、日興の正統な後継は北山の式部阿闍梨日妙、あるいは西山の蔵人阿闍梨日代のどちらかということになってしまいます。そもそも『二箇相承』の写本は北山本門寺に伝わったもので、同抄が大石寺に伝わった記録など何一つ存在しません。言わば大石寺は北山本…

  • 八日講について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は「八日講」について書いてみたいと思います。 日蓮の御書で『四条金吾殿御返事』(弘安5年1月、真蹟は高知要法寺に断簡が現存)と言うものがあります。 ここでは四条金吾並びに鎌倉在住の日蓮門下らが、毎月8日に釈迦仏の誕生日を祝う「八日講」を行っていることに対して、日蓮が褒め称えているのです。 具体的に御書を引用してみましょう。 「抑(そもそも)八日は各各の御父・釈迦仏の生れさせ給い候し日なり、彼の日に三十二のふしぎあり・一には一切の草木に花さき・実なる・二には大地より一切の宝わきいづ・三には一切のでんぱた(田畠)に雨ふらずして水わきいづ・四には夜変じ…

  • 教団によって歪められた教義。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 どういう訳なのか、創価学会や日蓮正宗、顕正会等の大石寺系信者たちは、教学に関して「教団が言っていること」「教団によって歪められた教義」を金太郎飴のように繰り返して述べることしかできない人たちが多発しています。 そもそも大石寺26世堅樹院日寛の教学を金科玉条とし、やたら日寛の『六巻抄』や『文段』を使って自宗の正統性を主張したい方が信徒の中には少なからずいらっしゃいます。 それら信者さんの中には独自のブログ等を書いたり、SNSで発信したりして主張をされている方もいます。 ところがこちらがブログで主張していること、例えば三大秘法と三種の神器を同一視しているのは…

  • 宝塔には如来の全身の遺骨が安置されている。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は「宝塔」についてです。 以前の記事で私は「宝塔」の語を日蓮真蹟の用例から見て、それが「生命の比喩」のようなことを述べていないことを書いています。 「宝塔について」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2024/04/21/205225 今回はこの宝塔が『法華経』それ自体の文脈で、どのような意義として説かれているのかを考えてみたいと思います。 一般的に「塔」(stūpa)とは本来仏の「舎利」すなわち「遺骨」を納めるものです。 そもそも法華経法師品には何と書いてあるでしょうか。ここでは「皆応起七宝塔…

  • 社長会記録を読む〜第3回、昭和42年8月17日

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は社長会記録の第3回目です。第3回の社長会は昭和42年8月17日に行われています。 この第3回目を読んだ率直な感想は、池田大作氏の「論理の唐突な飛躍」「大言壮語」「自画自賛」という印象を強く受けるものでした。この中には謙虚で真摯な池田大作というイメージはあまりなく、「自分がいかに凄いか」「自分にいかに力があるか」を語っているように思います。果たして読者の皆さんはどのように感じられるでしょうか。 「第3回社長会 [於ホテル・ニューオータニ] 42.8.17 午後5:30〜8:00 先生、和泉、北条、中西、星生、田中、篠原、八矢、星野、小島、木村 ◎…

  • 「事の一念三千」は日蓮真蹟遺文中で全く使われない語である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会や大石寺系教団の信者は、自分たちの教えの根本を説明するのに「事の一念三千」という語を使います。 ところが、この「事の一念三千」は、日蓮真蹟遺文に1箇所も出てこない用例なのです。 つまり「事の一念三千」は日蓮の真蹟には全く書かれておらず、逆に偽書の疑いの強い、後世の偽作の可能性が高い遺文にしか出てこない表現なのです。したがって「事の一念三千」は日蓮の教義とは言い難いのです。 具体的に見てみましょう。「事の一念三千」が出てくる遺文は具体的に以下の7つの述作のみです。これ以外に「事の一念三千」が出てくる御書は存在しません。数字は創価学会旧版御書全集…

  • 「還若於本人」は鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』の言葉ではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて以前、法華経の観世音菩薩普門品にある「還著於本人」について、その前提となるのが「念彼観音力」であることを書いたことがあります。 「還著於本人のこと」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/06/23/000000 今回はその続きになります。 ところでこの「還著於本人」が書かれているのは普門品(観音品)の偈の部分です。偈とは「詩頌」のことで、例えば「自我偈」や「世雄偈」のように、前段で語られたことを詩の形にして朗誦することです。漢字5文字で統一され、読誦の際に音節数が一定のリズムを持つように書か…

  • 社長会記録を読む〜第2回、昭和42年7月20日

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は前回に引き続き、社長会記録の第2回目の紹介です。第2回目の社長会は昭和42年7月20日に行われました。第1回目のメンバーに加えて第2回目には森田一哉氏、また鳳書院社長の小島重正氏が参加しています。 「第2回社長会[於春日] 42.7.20 午後5:00〜7:00 先生、和泉、北条、中西、森田、田中、八矢、篠原、星野、小島、星生、木村 ◎星野さん都議会へ向った為、本部より森田さん参加。鳳書院の小島さん、今回より参加。 ◎今回の都議会はこちらの予想通りになった。政治に初めて口を出した。今迄と全然違う。都議会の夜明けだ。 ◎私は人が喜ぶことしか考えて…

  • 社長会記録を読む〜第1回、昭和42年6月25日

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は社長会についてです。 社長会については以下に書きましたが、池田大作氏が会長就任した昭和35年(1960年)以降、創価学会は次々と外郭企業を設立するようになります。その中で生まれたのが「社長会」で、対外的には「金剛会」と呼ばれていました。 「社長会のこと」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/10/16/000000 「社長会(金剛会)がかつて存在していたことを池田大作氏は認めていた。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/05…

  • 言論問題で、池田大作氏から関係者への「おわび」はされていない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて昭和40年代に起こった「言論出版妨害事件」(言論問題)について、今の創価学会信者さんはどれだけの方がご存知なのでしょう。 この事件は、池田大作会長就任後の創価学会が社会的に大きく批判に晒された最初の事件でもありました。 以下に言論問題について簡単に概要を書いてみます。もちろん私の知る範囲のことでしかありません。ネットで確認しながら私の知る範囲のことを書いてみます。 昭和44年(1969年)、政治評論家の藤原弘達氏による著作『創価学会を斬る』が出版予告されると、藤原氏本人や出版元に対して抗議の手紙や電話が殺到。当時の創価学会幹部で都議会議員だった藤原行…

  • 『真間釈迦仏御供養逐状』の年次の問題。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日蓮の『真間釈迦仏御供養逐状』という遺文についてです。 この遺文ですが、年次の記載はなく、古来より文永7年と推定されています。ここでは日蓮が釈迦仏の造立を認めており、富木常忍が真間の法華堂に釈迦仏の像を造立したことに関連して、仏像に法華経を読んで「生身の教主釈尊になしまいらせて」と仏像の開眼の指示をしています。真蹟はかつて中山法華経寺に存在していたようですが、現在は中山曽存とされています。以下の画像は創価学会旧版御書全集の950ページの『真間釈迦仏供養逐状』のものです。 大石寺26世日寛は『観心本尊抄文段』で、ここで日蓮が釈迦仏造立を認めた理由…

  • 日興の晩年の書状を否定していた弟子たち。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮門流は日蓮滅後、各門流に分かれ、やがて正統派争いをして分裂していうことになります。 このことは多くの記録が示していることですが、こと日興門流や富士門流八本山系でさえも日興在世中から既に正統派争いをしていたと考えられる節があります。 今回具体的に示すのは『日興譲状』(日代八通譲状)の一つです。以下の画像はそのうちの一つで、『日興上人全集』(興風談所)332〜333ページのものです。 ここで「若号七十以後状共、此条条棄置之弟子等可為大謗法之仁也」とされています。これは「日興が70歳以上の老齢になられてからの譲状等について、これを捨て置こうとする弟子た…

  • 池田大作氏の思想には内実が存在しない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は池田大作氏をこのブログで批判し、その実態や事実を客観的に述べるようにしています。ところが創価学会の活動家さんでも、とりわけ池田大作氏を絶対視する「池田大作原理主義者」とも言えるような人たちから批判を受けることがあります。 彼らの多くは「世界が池田大作氏を評価している」「世界の知性と対話を続けた池田大作氏は世界的に評価されている」故に、池田大作氏の思想は正しいのだと言いたいのだそうです。 旧Twitter(現X)でも述べたところなのですが、それを言うなら例えば立正佼成会の庭野日敬氏は1978年、国連軍縮特別総会でスピーチをしています。 https:…

  • 『身延山御書』について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは何度となく指摘していることですが、創価学会版の日蓮御書全集には偽書の疑いの強い遺文が少なからず収録されています。また逆になぜか理由なく収録されない遺文も併存しています。 その編集姿勢は真蹟主義という訳でもなく、『生死一大事血脈抄』『新池御書』のような真蹟不存のものも収録されています。それなのになぜか『当体蓮華抄』『授職勧請口伝抄』のような遺文は未収録です。教団自体は「信仰に資する」観点から収録したりしなかったりを判断しているようですが、要するに教団運営上、都合が悪いので不採用としているように思えてなりません。 「創価学会版御書全集に収録…

  • 日蓮遺文の真偽を検証しないならば。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私はこのブログで、日蓮遺文中でも特に偽書の可能性が高いものをいくつか紹介しています。 「『御義口伝』における『科註』の『補註』への改竄」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2024/05/11/064301 「『新池御書』は偽書てある」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/04/01/000000 「『一生成仏抄』は偽書である」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/11/11/08…

  • 「四箇の格言」は一貫されていない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日蓮の「四箇の格言」について考えてみたいと思います。 日蓮の「四箇の格言」とは「念仏無間・禅天魔・真言亡国・律国賊」という四つの他宗批判を日蓮遺文中から選び出し、後世の何ものかによって「四箇の格言」と名付けられたものです。事実として「四箇の格言」と日蓮が遺文中で述べたことは一度もありません。 まず「念仏無間・禅天魔・真言亡国・律国賊」の四つの他宗批判が全て併記される日蓮遺文を見てみましょう。 「念仏は無間地獄の業・禅宗は天魔の所為・真言は亡国の悪法・律宗は国賊の妄説と云云」(『建長寺道隆への御状』【十一通御書】、文永5年、真蹟不存、創価学会旧版…

  • 広宣部の対論の手法。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は私がまだ創価学会の活動家だった頃、広宣部に所属していた際、どのようにして他宗派(当時は顕正会や妙観講が多かったです)の信者たちと対論をしたのか、どのように相手を論破することを学んだのか、赤裸々に書いてみたいと思います。 誤解のないように申し添えておくと、当時の私の世代である1990年代後半〜2000年代の広宣部には対論を基本として相手を論破するグループが主流でしたが、次第に広宣部メンバーが増加されるに至って、宗義等をあまり学ばずに囲んだり、ヤジを飛ばしたりするだけのメンバーも増えていたように思います。 まあ、それだけ対論をして相手をディベートで…

  • 日興には「血脈」という教義は存在しない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮真蹟遺文には「血脈」の用例が1箇所も存在しません。したがって「血脈」はそもそも日蓮の教義でない可能性が高いことになります。 「『生死一大事血脈抄』は後世の偽作である。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/02/25/120527 「『立正観抄』では「妙法の一言」以外の血脈相承は否定されている。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/09/23/045321 それでは大石寺開山である、日興はどうだったのでしょうか。日興には「血脈…

  • 米英諸国の惨敗を評する牧口常三郎。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は創価学会の初代会長・牧口常三郎が真珠湾攻撃の日本勝利に関連して米英諸国を批判していた事実についてです。 具体的に宮田幸一他校定編『牧口常三郎全集』第10巻「宗教論集・書簡集」(第三文明社、1987年)から、挙げてみたいと思います。創価学会(当時は創価教育学会)の当時の機関誌『価値創造』第6号(昭和17年2月10日刊)〜第7号(昭和17年3月10日号)に掲載された牧口常三郎の文章である「価値判定の基準」の冒頭です。以下の画像は『牧口常三郎全集』第10巻28ページのものになります。 文章の冒頭ですが、明確に牧口常三郎は「我が国を過小に評価した米英諸…

  • 法華経自体に示唆される法華経創作説。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は大乗非仏説ということと、大乗経典創作者ということを考えてみたいと思います。 多くの方が既にご存知のことですが、推測するに大乗仏教は多くの経典を創作し、それを修行する集団として維持発展されてきたものと考えられます。以下のブログ記事で以前に中村元氏の見解を紹介しましたが、中村元氏は「大乗経典は、それ以前に民衆の間で愛好されていた仏教説話に準拠し、あるいは仏伝から取材し、戯曲的構想をとりながら、その奥に深い哲学的意義を寓せしめ、しかも一般民衆の好みに合うように作製された宗教的文芸作品である」と述べています。 「大乗仏教運動と教化の特徴」 https:…

  • 文証がない教説は否定されるべきとするのが日蓮の思想である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私はこのブログで、日蓮遺文やら経文やらを具体的に引用し、その本来の意義や教団の矛盾点等を明らかにすることが多いです。 さてそんなブログの執筆姿勢なのですが、一部の創価学会や日蓮正宗、顕正会等の大石寺系教団信者たちから謂れのない非難中傷を浴びることがあります。その中で多いのが「道理証文より現証にはすぎず」(『三三蔵祈雨事』創価学会旧版御書全集1468ページ)と言うことを持ち出して、「文証では日蓮の法門はわからないのだ」とする議論です。 『三三蔵祈雨事』は確かに大石寺現存の真蹟(三位日順の写本も現存)ですが、この引用部の前には明確に「日蓮仏法をこころみる…

  • 『立正安国論』で予言された災難は「爾前経」由来である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日蓮の『立正安国論』における予言が『法華経』由来ではないということについて、少し書いてみます。 以前からとても気になっていたことなのですが、日蓮が『立正安国論』で「神天上の法門」を述べる際、その論拠として示されるのは実は『法華経』ではなく、法華涅槃時に当たらないいわゆる「爾前経」ばかりなのです。 「神天上の法門」とは『立正安国論』で述べられるのですが、正法が行われていない時、善神は法味に飢えて守るべき国土を捨て去り、そのため悪鬼がやってくるので、国に災難がやってくることを言います。この根本原因を説明するのに『立正安国論』で説明のために引用される…

  • 『御義口伝』における『科註』の『補註』への改竄。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて『御義口伝』の偽書説を書いた記事として以下の記事があります。 「大石寺写本『御義口伝』の改竄」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/10/08/000000 この中で書いたことですが、『御義口伝』には、日蓮滅後13年後の1295年(元貞改元元年)に刊行された徐行善の『科註妙法蓮華経』からの引用が存在します。 『御義口伝』の末尾に書かれた元号は「弘安元年正月一日」、つまり1278年です。また日蓮が亡くなったのは弘安5年(1282年)です。 日蓮が自身の死後に刊行された書物をどうやったら講義で引…

  • 大石寺、東西坊地の争い。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日道と日郷の間に起こった大石寺坊地の所有権問題について、誰でもわかるようにわかりやすく書いて紹介してみたいと思います。 多くの人がご存知のように、大石寺の坊地は東坊と西坊に分かれています。日興と日目の死はともに正慶2年(1333年)ですが、これをきっかけとして日仙と日代の間で方便品読不読の問答が起こります。問題はこれに止まらず、大石寺の東西の坊地をめぐり、所有権争いが起こったのです。 この遠因がどこにあるかというと、大石寺の寄進者でもある南条家の相続上の問題から、大石寺の東西坊地を東西に分割し、それぞれを別々に寄進させてしまったことにあるのです…

  • 創価女子短期大学の2026年度以降の学生募集停止について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価女子短期大学の2026年以降の学生募集を停止することが決定しました。 以下のメールが卒業生(短大白鳥会)に配信されたとのことで、全文を紹介します。正式には2024年5月1日付で創価女子短期大学ホームページにて発表がなされるとのことです。なお学長名はそのままで、短大白鳥会委員長の本名はアルファベットで一部略字に直しました。 「2024年4月27日 卒業生の皆様 創価女子短期大学 学長 水元 昇 創価女子短期大学の学生募集停止(2026 年度以降)と今後の対応について 卒業生の皆様には、日頃より創価女子短期大学に多大なるご支援、ご協力を賜り、厚く御礼…

  • イスラエル寄りの姿勢を堅持する創価学会と池田大作。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回はイスラエル・パレスチナ問題における、イスラエル寄りに感じられる創価学会や池田大作氏の思想性についてです。 イスラエル建国、ユダヤ人の問題は確かにどちらが正義、どちらが悪と容易に決めつけられる問題ではありませんが、池田大作氏はパレスチナの不遇を訴えることより、イスラエル側に立った発言を繰り返すことが多いのです。 事実として池田大作氏がパレスチナ国家承認について言及したことは一度もありません(少なくとも私はスピーチ等で聞いたことも読んだこともありません)。パレスチナに言及されているのは池田大作とマジッド・テヘラニアン(戸田記念国際平和研究所元所長)…

  • 「正直捨方便」は鳩摩羅什による改竄である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は法華経方便品における「正直捨方便」の一節についてです。 結論から申し上げますと、実はこの「正直捨方便」という言葉はサンスクリット原典に対応する言葉が存在せず、鳩摩羅什による加筆・改竄の可能性が高いと私は考えています。 まず法華経方便品で、鳩摩羅什漢訳版の当該部分と、サンスクリット原典の当該部分を対照してみましょう。以下の画像は坂本幸男・岩本裕訳『法華経(上)』(岩波文庫、1962年)の128ページ(鳩摩羅什漢訳)と129ページ(サンスクリット原典訳)になります。 ご覧になられてわかるように「正直捨方便」にあたる言葉はサンスクリット原典の法華経に…

  • 元広宣部や非活・未活・退会信者の読者とともに。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 こんなブログを書いていまして、私が小難しい教学の記事を書くことも多く、「気楽非活さんは教学の知識がある」と言われることもあるのですが、本人は全然そんなことを思っていません。 というのも、私は単なる広宣部上がりの元活動家というだけ。しかも研究者のような方から見れば日蓮真蹟の翻刻もできませんし、そもそも各寺所蔵の真蹟等を実地調査した訳でもありません。鎌倉時代の文献が読める訳でもありませんし、僧籍にあるのでもありません。サンスクリット語も読めませんし、漢訳教典や大蔵経等を網羅して読んだ訳でもありません。 こんなブログを書くにあたり、各記事に参考文献で挙げている…

  • 宝塔について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は法華経の宝塔についてです。 創価学会や日蓮正宗、顕正会のような大石寺系教団は法華経見宝塔品の「宝塔」を「生命の尊厳」「人間の五体の比喩」「法華経の行者それ自体が宝塔」と解釈することが多いかと思います。 法華経見宝塔品にはそんなことは書かれていません。単に巨大な宝塔が出現して多宝如来が法華経の正統性について証明をするために宝塔が出現したと言うだけなのです。つまりそれ自体を「生命の尊厳の比喩」とすること自体が拡大解釈に他なりません。 ところで、法華経の宝塔を「生命の尊厳」とし、それを裏付けるような日蓮遺文とされるものは創価学会系教団によるならほぼ『…

  • 大石寺旧信徒たちの「十二日講」の実態。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日蓮正宗の旧信徒、伝統講の方々の信仰形式についてです。 日蓮正宗・大石寺の信徒組織の全体は本来「法華講連合会」と呼ばれます。これは「講」と呼ばれる複数の信徒組織の緩やかな連合体のようなものです。いわゆる「法華講」とされるものも所属する寺院によって異なる特徴があります。また「妙観講」等、独自の名所を持つ組織もあります。かつては創価学会や顕正会(旧妙信講)もこの大石寺の講組織の一つだったのです。 ところで、これら多くの講組織と別に法華講には「伝統講」「旧信徒」と呼ばれる人たちが存在します。多くの講組織は昭和期の創価学会からの教義の侵食を受けましたが…

  • 一闡提について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は「一闡提」(いっせんだい)という言葉についてです。 この「一闡提」という語は『大般涅槃経』に出てくる語で、主に日蓮正宗や創価学会系の信者たちの間では「正法を信じず、悟りを求める心がなく、成仏する機縁を持たない衆生」くらいの意味で用いられています。大石寺系信者たちの間では「自分たちの教えを信じない人間」を指す蔑称のように使われることも少なくありません。 日蓮はこの「一闡提」の語を普通に使います。主に『立正安国論』『守護国家論』『開目抄』『撰時抄』『報恩抄』『下山御消息』等の重要な遺文でも多用されていますから、正しく「一闡提」は日蓮が使っていた言葉…

  • 文上と文底。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私はこんなブログを書いているためか、あちこちから批判されることもしばしばです。もちろん生産的な批判や、私の間違い等を正してくださる賢明な読者もおりまして、そのようなご意見やご批判はありがたく思っています。 ただ問題なのは、日蓮正宗や創価学会、顕正会のようないわゆる大石寺系信者からの意味のわからない批判なのです。 例えばよくある批判に「お前は文底の法門を知らない」「日蓮大聖人の法門には文底の法門があるのだ」「お前は文上読みに過ぎない」というものがあります。 批判をされた方には申し訳ないのですが、日蓮の遺文から見れば「文底」は「法華経」の文の底という意味…

  • 『四菩薩造立抄』について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 ところで『四菩薩造立抄』という日蓮の遺文をみなさんはご存知でしょうか。 この御書は録外初出、日蓮真蹟も古写本も現存しません。したがって同抄の成立については疑義が持たれているようです。 この御書は弘安2年5月17日の日付があり、仮に真蹟と判断するなら佐渡以降、身延にいる頃に書かれたことになります。 いくつかの伝によるなら、富木常忍からの供養の品物が贈られ、その中で仏像造立について富木氏が日蓮に指導を仰いだのに対して送られた書状ということになっています。 内容は日蓮が釈迦仏像を一尊四士(釈迦像の周りに上行・無辺行・浄行・安立行の四菩薩を立てて建立される仏像形…

  • 極楽浄土に女性はいない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 今回は「極楽浄土には女性はいない」と言う点です。 このブログでは法華経中に即身成仏は説かれておらず、代わりに未来世において成仏する予言や極楽浄土に往生することが説かれています。提婆達多品における龍女の成仏でさえ即身成仏ではありません。龍女は法華経で「変成男子」と言い、男性になって(サンスクリット原典では「股間に男性器が生えて」)未来において成仏する姿が神通力によって示されるのです。つまり法華経には即身成仏は説かれていないことになります。 「法華経の成仏は未来世の予言に過ぎない」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/e…

  • 批判を受容する人、受容できない人。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私がここで日蓮正宗や創価学会といった大石寺系教団の矛盾点を取り上げ、批判するのは自身のかつての信仰姿勢の反省でもあります。 口汚い誹謗中傷は否定されるべきですが、根拠のある批判は自由であるべきです。 ブログ記事について、読者から多く評価して頂いており、ありがたい限りですが、一部の誤りについては「X」旧TwitterのポストやDM、またメール等でご指摘頂き、一部は訂正し、自身の見解も改めたものも存在します。 このブログを開設したのは2016年で、もう8年目に入るくらい長く書かせて頂いていますが、その中で私の見解も少しずつ変化してきています。多岐に渡り煩…

  • 阿弥陀仏の名号と法華経の名号。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて浄土宗や浄土真宗で、阿弥陀仏の名を唱えることは『仏説阿弥陀経』に見られるところなのですが、日蓮系教団が言う『法華経』の題目のみを唱えるという教義は法華経には説かれていないように思います。 自分の読んで素直に思ったことを書いてみます。 例えば『仏説阿弥陀経』には「聞説阿弥陀仏、執持名号」と書かれていまして、阿弥陀仏の名を執持する者は「阿弥陀仏の極楽国土に往生することを得ん」(「即得往生、阿弥陀仏、極楽国土」)とされているのです。 以下の画像は中村元他訳註『浄土三部経』(下)140ページ(岩波文庫版、1964年)より『仏説阿弥陀経』の当該部分ですが、確か…

  • 総帰命式と四聖帰命式。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて戒壇本尊の相貌を研究した『石山本尊の研究』の著者、柳澤宏道氏は同書中で曼荼羅本尊の「帰命式」に二つあることを示しています。それは「総帰命式」と「四聖帰命式」です。 同書からそれぞれの説明を紹介してみます。 「総帰命式」……十界ことごとく本仏の体・本仏の事を行なっている、十界皆成仏の姿。十界全てに「南無」を冠されている観心門の本尊。 「四聖帰命式」……不完全から完全を求める式で六道が成仏を目指す姿。四聖(声聞・縁覚・菩薩・仏)にのみ「南無」が冠されており、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)に「南無」が冠されていない教相門(修行門)の本尊。 (柳澤宏…

  • 大阪事件で池田大作が逮捕された日は7月3日ではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会の公式に認める歴史に「大阪事件」と言うものがあります。 これは昭和32年(1957年)4月に参議院大阪地方区の補欠選挙があり、創価学会陣営がタバコを使って有権者を買収したとして数十名の創価学会信徒が逮捕された事件です。 この中で、最高幹部も逮捕され、創価学会の小泉隆理事長、そして池田大作参謀室長も逮捕されることになります。 上に載せた画像は創価学会の公式ホームページのものですが、ここでは明確に昭和32年7月3日に池田大作氏が逮捕されたことが述べられています。この「7月3日」という日付は、かつて戸田城聖氏が出獄した日付と同じで、創価学会はこれを…

  • 日蓮は末法の本仏ではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今日は日蓮本仏説のお話の続きです。 日蓮が佐渡以降、生涯にわたって、釈迦を本仏と捉えていたことは諸抄からも明らかなことです。『南条兵衛七郎殿御書』(真蹟:京都本隆寺現存)には「ひとり三徳をかねて恩ふかき仏は釈迦一仏に・かぎりたてまつる」と明確に書かれています。 「釈尊を本仏とする文証」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2016/11/07/000833 ところが、そんなことを言うと、反論してくる創価学会や日蓮正宗系の信者さんがいます。 「日蓮大聖人は『開目抄』で「日蓮は日本国の諸人にしうし(主師)…

  • 教主釈尊より大事なる行者とは。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私はこのブログで、創価学会や日蓮正宗等、大石寺系教団の「日蓮本仏説」を批判しています。 「釈尊を本仏とする文証」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2016/11/07/000833 「久成釈迦仏と付属の弟子」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/03/27/062313 「『種種御振舞御書』の改竄」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/12/28/000000 「久遠の釈迦の使い…

  • 白木家を入信させたのは原島家である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は池田大作氏の夫人である池田香峯子、その実家、白木家と原島家の関係についてです。 池田香峯子(旧名:白木かね)は主婦の友社編著で『香峯子抄』(主婦の友社、平成17年)に自身のインタビューをまとめた本を出版していますが、自身の両親が入信した経緯を実は隠しているのです。 具体的に見てみましょう。 上の画像は同『香峯子抄』21ページのものですが、白木かねの母親が静脈炎という病気で苦しんでおり、ここで池田香峯子は「それで、隣の家の方が、母の体を心配して、入会を勧めてくださったのです。」と述べています。 実はこの時、白木家を入信させたのは、かつての創価学会…

  • ノリエガ氏は大石寺をかつて訪問していた。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは池田大作氏がパナマの「麻薬王」と称された犯罪者、ノリエガ将軍と友好的な関係を結んでいたことを何度か記事にしています。 「池田氏とノリエガ氏との交友。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/05/28/000000 「創価学会年表に記録されたノリエガ氏との会見。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/12/05/000000 「池田大作氏とノリエガ氏との会見。」 https://watabeshinjun.hatenab…

  • 日寛は佐渡以降の本尊を「二千二百三十余年」としている。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は日蓮曼荼羅本尊の図顕讃文の「二千二百三十余年」について、いくつか記事を書いています。 「「二十余年」と「三十余年」」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/04/05/062638 「『三師御伝土代』と戒壇本尊との矛盾」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/10/23/000000 「興門流の各文書に見る戒壇本尊への疑義」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/05/12/…

  • 『冒険少年』と『ルビー』は「姉妹誌」だった。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて以前に戸田城聖の出版会社、日本正学館では大衆娯楽雑誌として『ルビー』を出版していました。内容は官能的な娯楽小説等、かなり際どい内容の大衆誌だったのです。 「戸田城聖は出版業で雑誌『ルビー』も出していた。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/11/28/000000 内容として半裸の女性の絵が挿入され、テーマは「恋愛と避妊」や「未亡人と性」だったり、創作読切のタイトルが「女体鱗光」や「人肌地獄」だったりと、もはや"ポルノ雑誌"と称しても良いほどの内容です。 ところで、このことを話題にすると創…

  • 「自受用身」は『大乗起信論』から真言密教を経由して伝わった思想である。

    いつも皆さん、ありがとうございます。 さて「X」(旧Twitter)でも少し呟いたことなのですが、よく日蓮正宗で言われる「自受用身」という仏の三身の概念が、空海の『弁顕密二教論』冒頭に普通に出てくるのです。 ここから考えて、大石寺教学の「自受用身」の考えは、真言由来のものなのかと考えていたところ、「X」でそのことを詳しく教えてくださる方がいました。どうも「自受用身」の概念は『大乗起信論』由来で、それが真言密教に取り入れられたのが実際のようです。 そこでそのことを教えてくださったアカウントの紹介した論文をpdf.で落としてプリントアウトし、全文を読んでみることにしました。便利な時代になったもので…

  • 戒壇本尊は1472年以降に偽作された。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私の素朴な疑問なのですが、そもそも大石寺9世日有は応仁元年(1467年)、第10世日乗に血脈を付嘱して一度隠居します。ところが、隠居した後の大石寺のことがどうにも私の腑に落ちないのです。 この辺の相承の断絶の可能性についてはブログでも一度書きました。 「9世日有から日乗、日底、日鎮への相承。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/06/27/000000 9世日有から10世日乗に相承されたのが1467年です。そして記録によるなら10世日乗から11世日底に相承がされたのが1472年とされていま…

  • 『問注得意抄』の意図。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて文永6年の日蓮の書状に『問注得意抄』(真蹟は中山法華経寺蔵)と言うものがあることを、皆さんはご存知でしょうか。 文永6年(1269年)5月、日蓮に対する最初の弾圧がまずその檀越たちに加えられることになります。富木常忍ら3人は幕府の問注所に召し出されることになったのです。 当時、鎌倉にあった日蓮は、自らの信仰のために幕府からの召し出しに臨む彼らに書を与えて、その心構えを指導したのが『問注得意抄』ということになります。 日蓮からの指示は非常に具体的で、当時の状況が緊迫していたことが伝わってきます。 「今日の御出仕・公庭に望んでの後は設い知音為りと雖も傍輩…

  • 日道は日興の葬儀に参列していない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて大石寺3祖日目から4世日道に対して「唯授一人の血脈相伝」があったことを大石寺側は主張するのですが、実は日目から日道への相承があったことを裏付ける根拠は全く存在せず、京都要法寺日辰『祖師伝』によれば小泉久遠寺側からは「是ノ故に大石寺は日目日道に付属せず日道付属の状之レ無し」とまで断定されてしまっているのです。 「日目から日道への相伝はなかった。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/01/15/114951 「妙本寺文書から見る日目から日郷への相伝の事実。」 https://watabeshi…

  • 「一切は現証に如かず」と書かれた『教行証御書』は偽書である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は「三証」ということについて、考えてみます。 「三証」とは創価学会や日蓮正宗系教義の説明するところによるなら「文証」「理証」「現証」のことになります。 創価学会の公式サイトによるなら、文証は経文の上で裏付けを持っているか、理証はその教義や主張が道理に叶っているか、そして現証はその宗教を実践した結果が、生命や生活、社会でどのように現れたかという形で説明されています。そして創価学会公式サイトでは「この三証のどれか一つが欠けても正しい宗教とは言えません」とされています。 https://www.sokanet.jp/kyougakunyuumon/sa…

  • 池田大作氏とノリエガ氏が友好関係を結ぶことになった端緒。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて、このブログでは池田大作氏がパナマの麻薬王と言われたノリエガ氏と友好関係を築いていたことを何度か記事に書いています。 「池田氏とノリエガ氏との交友」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/05/28/000000 「創価学会年表に記録されたノリエガ氏との会見」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/12/05/000000 「池田大作氏とノリエガ氏との会見」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/en…

  • 日蓮の門下の中心者は武士と僧侶であり、民衆は誰もいない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さてこのブログでは日蓮の教説に「民衆仏法」という側面は存在しないことを何度となく書かせて頂いています。 「日蓮は民衆仏法ではない。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/04/11/061808 「日蓮は民衆仏法ではない。その2」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/11/17/000000 「日蓮における国家と宗教」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2017/12/13/00000…

  • 日蓮の門弟はおのおの独自の見識から本尊書写をしていた。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回の記事は、ある読者からの情報提供によるものです。いつもありがとうございます。 内容は少し前に書きました、「日興は五老僧の本尊書写に異論を唱えていない」という記事に関連するものです。 「日興は五老僧の本尊書写に異論を唱えていない」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/12/24/064328 この記事で書いたことですが、日興門弟の日尊によるなら「日蓮が入滅された後、六老僧たちがそれぞれ曼荼羅本尊の書写をしたが、誰からも異議は出なかった」のだそうです。 つまり日興もまた他の五老僧等の本尊書写…

  • 妙本寺文書から見る、日目から日郷への相伝の事実。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回、「X」(旧「Twitter」)でも書いたことなのですが、ひょんなことから、保田妙本寺文書を閲覧する機会を得ました。 出典は財団法人千葉県史料研究財団編『千葉県の歴史 資料編中世3(県内文書2)』(千葉県、平成13年)です。 これを読むと日目からの相承が日郷に伝わっており、決して大石寺が主張するように「日目から日道への唯授一人の相承」とは考えられないのです。 1、『日郷置文』 まず文和2年(1353年)の『日郷置文』です。以下の画像は同書361ページからのものです。 「安房国北郡吉浜村内中谷奉籠置御影員数事 一日蓮聖人御影一鋪 一日興上人御影一鋪…

  • 四条金吾は日興とは分かれた門流である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は四条金吾についてです。 四条金吾は正しくは「四条中務三郎左衛門尉頼基」と言い、日蓮の門下として知られます。武術に優れ、医術にも秀でていた彼は建長8年(1256年)、池上宗仲・宗長、工藤吉隆らと前後して日蓮に帰依したようです。 創価学会や日蓮正宗、顕正会といった大石寺系教団では、信仰の鑑のような存在として学ばれ、その信仰姿勢を称賛されることが多いのですが、実は四条金吾は晩年、日興とは袂を分かったものなのです。 弘安5年(1282年)の日蓮入滅の際にも四条金吾は日蓮の最後の看病に当たったようで、事実、日蓮の葬列にも参加しています。以下の画像は日興の…

  • 中山日常が教義上最重要とした7編の日蓮真蹟とは何か。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は中山法華経寺における日蓮真蹟の保存に関して、少し書いてみたいと思います。 中山日常(富木常忍)の『常修院聖教事』に記録された日蓮真蹟遺文は61点、うち今日まで中山法華経寺の聖教殿に保管されているのが35点、他の6箇所に伝来するものを含めると41点が現存を確認されています。 『常修院聖教事』を見ると、それぞれの真蹟が異なる保存方法によって分けられているのがわかります。 例えば最も重要と考えられた真蹟の教義書類は「御自筆皮籠」と記され、7編の遺文が保存され、7編全てが現存しています。その他は「巻物分」「御消息分」「御書箱」「要文箱」となっているので…

  • 読むこと。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回はいつもと趣向を少し変えて、教学ということをテーマにして、私が考えていることを少し書いてみたいと思います。 私のブログの読者の皆さんからは、私のブログ記事における教学について、お褒め頂けることが多いです。「すごい教学力です」「気楽非活さんほど仏教の研鑽をしている創価学会員はいません」等々の声をよく聞きます。 ありがたいことです。が、教学に関して間違った認識が創価学会や大石寺系信者さんたちには根深くあることも大きいのではないかと思います。 というのも、教学というと、彼らは「どれだけ御書を読むか」「どれだけ隅から隅まで御書を読み、自身の血肉にできるか…

  • 『三大秘法抄』は日蓮の著作ではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は『三大秘法禀承事』(『三大秘法抄』)が偽書である点についてです。 同抄『三大秘法抄』は顕正会が依拠とする日蓮遺文として有名です。 内容として三大秘法のうち、本門の戒壇建立の条件が具体的に説かれ、また日蓮が釈迦からの「口決相承」を強調するという、日蓮真蹟にほとんど見られない珍しい内容となっています。 『三大秘法抄』に真蹟は現存せず、中山の久遠成院日親の嘉吉2年8月の写本が京都本法寺に存在します。また身延山久遠寺の日進の写本も存在するようです。しかしながらこの御書は日蓮門流中、真偽論争が散々に行われてきた御書の一つです。 個人的にこの『三大秘法抄』…

  • 日興は五老僧の本尊書写に異論を唱えてはいない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日蓮正宗、大石寺系教団の教えでは本尊書写について「唯授一人」「付弟一人」「金口相承」等と称して、一人から一人に受け継がれるものと考えられているようです。 しかしこれは後世に作られた化儀に過ぎません。 京都要法寺の開基、日尊の発言を記録した『尊師実録』(正本は京都要法寺蔵)によれば、次のように書かれています。 「一本尊書写ノ事 尊仰云、大聖人御遷化之刻、六人老僧面面ニ書写之給ヘリ、然無異議」 (日大『尊師実録』、『日蓮宗宗学全書』2-418ページ) ここでは「日尊の仰せによれば、大聖人が入滅された後、六老僧たちがそれぞれ曼荼羅本尊の書写をしたが、誰から…

  • 桂冠詩人のこと。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は「桂冠詩人」についてです。 池田大作氏は生前、詩を書いては聖教新聞紙上で紹介し、会員信徒の激励を行っていました。その際、文末には大抵「桂冠詩人」「世界桂冠詩人」「世界民衆詩人」という称号を付けていました。 ところで「桂冠詩人」とは本来中世ヨーロッパで始まったもので、有名なのはイギリス王室から贈られる「桂冠詩人」です。有名な桂冠詩人を挙げるならウィリアム・ワーズワース、ジョン・ドライデン、ベン・ジョンソン、ジョン・メイスフィールドなどがいます。 ところが、池田大作氏が贈られた「桂冠詩人」等の称号はイギリス王室から贈られたものではありません。私的な…

  • 意味を失くした人生。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 私は広宣部出身ですが、非活から退会を選んだ後も私は学ぶことをやめませんでした。ただ才能がないので、文献を集めながら亀の歩みのように少しずつ文献を読んでは確認するだけでした。 「継続は力」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/05/04/091245 「大石寺系・宗教間の苦悩」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/12/20/000000 私はただ本当のことを知りたかったのです。 私の母は大石寺・創価系の宗教間対立から家族と断絶になり、祖…

  • 『本尊得意抄副書』と『常修院本尊聖教事』との間の矛盾。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて昨日、『二箇相承』の矛盾について書いてみました。 「『二箇相承』の矛盾」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/12/10/100511 ところで、日蓮正宗の信徒は頭から『二箇相承』の実在を信じ込み、こちらの批判を受け入れられない方が一定数存在します。 そんな方の中には日蓮正宗側の説明を検証もなく受け入れ、頑なに批判を否定することしかできない人たちが少なからずいます。 そんな人の批判に以下のようなものがあります。 「徳治三年九月二十八日、日頂の『本尊抄得意抄添書』に『興上人一期弘法の付嘱をうけ…

  • 『二箇相承』の矛盾。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は『二箇相承』の相承の日付、その記録についてです。 大石寺が日蓮から日興のみに唯一の血脈相伝がなされたとされる証拠として確かなものは全く残されていません。日蓮真蹟が一つもないのです。それ故に大石寺の主張する血脈相伝は史実としての信用性が低いのです。 『二箇相承』は『一期弘法抄』『身延山付属書』の二つから成りますが、それぞれの写本における日付は弘安5年(1282年)の「9月 日」と「10月13日」です。『一期弘法抄』の写本には「9月」のみで日付は記されていません。 ところが、これらの日付に日蓮から日興への付属があったとされる記録は大石寺には全く存在…

  • 萬福寺の伝承。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて東京都大田区の馬込に、曹洞宗の寺院で萬福寺という寺があることをみなさんはご存知でしょうか。 この萬福寺の伝承を少し書いてみたいと思います。 弘安5年(1282年)9月18日の夜のことです。病のため身延を出て常陸国に湯治に向かう日蓮は、大田区の池上宗仲邸(現在の池上本門寺)に行くことになるのですが、馬込のあたりで日蓮は病身と疲れのため、動けなくなってしまいます。 馬込にはこの時、阿弥陀堂が存在していました。日蓮の一行は阿弥陀堂に一夜の宿を求め、寺の住持もこれを受け入れたのだそうです。 池上邸は馬込の阿弥陀堂からは近い距離にありましたが、病身の日蓮には夜…

  • 池田大作とノリエガ氏との会見。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて池田大作氏は数々の世界的な政治家と会っていますが、その中に「パナマの麻薬王」と言われたマヌエル・ノリエガ氏がいます。 「池田氏とノリエガ氏との交友」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/05/28/000000 「創価学会年表に記録されたノリエガ氏との会見」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/12/05/000000 池田大作氏がノリエガ氏と会見したことは事実なのに、彼が麻薬王として有罪になると途端にノリエガ氏との会見はタブーにな…

  • 白馬に乗って閲兵を行った戸田城聖。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 戸田城聖氏は創価学会の第2代目の会長に就任するのですが、彼が戦後再構築した創価学会組織は、先代の牧口常三郎が作ったものとはかなり変わりました。 戸田城聖が構築したのは軍隊風の組織名です。青年部の各部は部隊名で呼ばれ、「第1部隊長」「第2部隊長」等と呼ばれていました。ちなみに私の父はかつて青年部時代、石田幸四郎(元公明党委員長)氏が部隊長を務める「第47部隊」に所属していました。 また青年部には軍隊風の名前の組織がたくさん作られました。参謀室、主任参謀、輸送班、等々です。そもそも軍楽隊が作られ、初代の音楽隊長は有島重武氏です。有島重武氏と私の父は面識があり…

  • 戸田城聖は出版業で婦人雑誌『ルビー』も出していた。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は池田大作氏が若い頃、戸田城聖の出版業に携わっていた頃、戸田城聖の出版社から出されていた婦人雑誌とされる『ルビー』についてです。 池田大作氏は大蔵商事に入社する1年前、昭和24年(1949年)1月に戸田城聖が創設した日本正学館に入社。少年雑誌『冒険少年』(後に『少年日本』と改題)の編集に携わります。 ところで、この時期の戸田城聖の出版業では、婦人雑誌とされる『ルビー』も出版していました。この『ルビー』の内容はネット上で検索するとたくさん見ることができますが、婦人雑誌らしからぬ内容で半裸の女性のイラストが挿入されていたり、テーマが「恋愛と避妊」や「…

  • 霊山浄土のこと。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて前回「霊山」ということの教義的意義について考えてみました。 「「霊山一会・儼然未散」とは」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/11/26/000000 そもそも「霊山一会・儼然未散」という表現自体は法華経中には説かれていません。 では霊鷲山を「浄土」とする「霊山浄土」の考えはどこに起因するものなのでしょう。 それは本来は浄土宗の考えです。浄土宗では『法華経』『無量寿経』『観無量寿経』はどれも霊鷲山で説法されており、『法華経』如来寿量品を解釈して「霊山」を「浄土」とする思想が「霊山浄土」なの…

  • 「霊山一会・儼然未散」とは。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて先日、2023年11月15日、池田大作氏は95歳で亡くなりましたが、聖教新聞の報道(2023.11.19付)では「池田大作先生」が「霊山へ旅立たれた」と表現されていました。 さてこの「霊山」とは何でしょう。 霊山とは霊鷲山(耆闍崛山)、インド南部ビハール州、ラージャグリハ郊外のグリドラクータ(Gṛdhrakūṭa)のことになります。 法華経はここで説法されたと言われており、この中における「虚空会の儀式」に池田大作氏が帰られたこととして、亡くなったことを宗教的比喩で表しているのかと思います。 ところで、過去に既に終わっている筈の法華経の虚空会の儀式に故…

  • 池田大作氏は大石寺を「四神相応の地」と認めていた。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて少し前に「四神相応の地」という考え方をブログで紹介したことがあります。 「四神相応の地」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/12/26/000000 これは日興が広宣流布の暁に「本門寺」が建立されるべき勝地として、大石寺を「四神相応の地」としていたことになります。 寺院建立の勝地として日興が「四神相応の地」を富士山としていたのならば、広宣流布の時の本門寺建立、本門戒壇の勝地もまた「四神相応の地」から採られなければならないことになるでしょう。 上記のブログでは、そもそも大石寺から離れた創価学…

  • 昭和34年6月30日、池田総務下の組織体制。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて前回は昭和34年5月8日付の聖教新聞の記事を紹介しました。 「選挙を宗教活動に位置付けた池田大作総務」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/11/21/000000 昭和34年(1959年)は、戸田城聖の死の翌年であり、池田大作が第3代会長に就任する前年ということになります。 池田大作氏は当時創価学会総務として、選挙戦を「大聖人様の至上命令である国立戒壇建立のためには、関所ともいうべきどうしても通らなければならないのが、創価学会の選挙なのでございます」と述べ、選挙が日蓮の本門戒壇(当時は国立…

  • 選挙を宗教活動に位置付けた池田大作総務。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて昨日の日記では、池田大作氏のことを書きました。 池田氏は選挙を宗教活動の一つに位置付け、選挙における勝利をもって、会員の求心力や信頼を得てきた人物なのです。 「選挙における勝利至上主義の池田大作氏」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/02/21/000000 これは池田大作氏が会長に就任する前からそうだったと言えます。例えば昭和31年の大阪の参議院選もそうです。池田氏はこの昭和31年5月度の大阪支部の布教数11,004世帯を達成しますが、後にこれを「11,111世帯」に改竄していたす。 「…

  • 池田大作氏、逝去。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 2023年11月15日、創価学会名誉会長の池田大作氏が亡くなりました。95歳でした。 このブログでは何度も池田大作氏への批判記事を書いていますが、今回は改めてブログ筆者個人の池田大作氏の評価を率直に書いてみたいと思います。 だいたいのことは以下の記事等に書いてあります。 「池田大作の虚像と実像」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/01/20/000000 「幼少時の池田大作の生活苦」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/07/18/0…

  • 無作三身の成立について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 少し前に日本の中古天台宗で扱われる「無作三身」の教義について、それが日蓮真蹟に現れない表現であることを書きました。 「「無作」「無作三身」は日蓮の教説ではない。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/11/12/104643 今回は浅井円道氏の『「無作三身」考』(『印度学仏教学研究』第18巻1号所収、1969年)から、中古天台の教義の成立について考えてみたいと思います。 まず日蓮本人の立場ですが、日蓮は『四信五品抄』(真蹟は中山現存、日興写本現存)で「中古の天台宗」の「慈覚・智証の両大師」が智顗…

  • 十大部を知らない創価学会信徒。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて皆さんは日蓮の御書で「十大部」と言うと何を指すか、お分かりでしょうか? この「十大部」は日興が選定されたものと言われ、『富士一跡門徒存知事』で具体的に特に重要な日蓮の遺文10編が選定されています。 具体的には『立正安国論』『開目抄』『報恩抄』『撰時抄』『下山御消息』『観心本尊抄』『法華取要抄』『四信五品抄』『本尊問答抄』『唱法華題目抄』の10編であり、全10編の写本を日興が残しており(※1)、その重要性が示唆されています。以下の画像は『富士一跡門徒存知事』の旧創価学会版御書収録のものです(同1604〜1605ページ)。 ところで、なぜか大石寺系教団、…

  • 「無作」「無作三身」は日蓮の教説ではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 今回は「無作三身」についてです。 この「無作三身」という教義、とりわけ大石寺系教団、創価学会で好まれるもので、聖教新聞オンラインの用語解説でも「生命本来の三身をそなえた仏の境涯」と説明しています。特に偽書説濃厚な『御義口伝』で多用される言葉でして「一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり所謂南無妙法蓮華経は精進行なり」(旧創価学会版御書全集790ページ)とされています。 ところが、この「無作三身」「無作」という教義は、本来中古天台本覚思想で扱われる概念です。そして日蓮の真蹟には全く出てこない表現なのです。 例えば「無作」や「無作三身」は『開目…

  • 『一生成仏抄』は偽書である。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて皆さんは『一生成仏抄』という日蓮遺文を知っているでしょうか? 大石寺系信徒、とりわけ創価学会の信者さんには有名な御書です。有名な文を挙げてみましょう。 「衆生と云うも仏と云うも亦此くの如し迷う時は衆生と名け悟る時をば仏と名けたり」 「譬えば闇鏡も磨きぬれば玉と見ゆるが如し」 「只今も一念無明の迷心は磨かざる鏡なり是を磨かば必ず法性真如の明鏡と成るべし」 「深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを是を磨くとは云うなり」 旧版の創価学会版御書全集で『一生成仏抄』は383〜384ページに掲載されていま…

  • 本来の釈迦の教えで強調されるのは、信仰や信心ではない。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は以前に紹介したワールポラ・ラーフラの著作『ブッダが説いたこと』から、再び引用し、釈迦の教えとは本来どのようなものだったのかを考える一機会としてみたいと思います。 前回の記事、及びワールポラ・ラーフラという人物について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 「自らをよりどころにすること、疑いを持つこと、そして相互理解の精神のこと。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/08/16/234019 「ほとんどすべての宗教は、信仰ーーそれも盲信といえるものーーに立脚している。しかし仏教で強調…

  • 10,000円以上の供養者に特装本尊を授与。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会の各方面・総県組織では現在、信濃町の「広宣流布大誓堂」完成10周年記念の本尊授与に動き出しているようです。 今回の記事はブログの読者の方から情報提供を頂きまして、各方面・総県で「10,000円以上の供養者に対して」「特製の布地で表装された『特装御本尊』を授与する」ということで、全国的に動いていることを紹介したいと思います。 以下がその資料の一部です。なお原則、圏幹部以上にのみ2023年10月26日付で配付されたものです。 なお、このような特装本尊授与は以前の創価学会でも行われていました。ただそれらは基本、宗創和合時代の「特別御形木本尊」でした…

  • 全ての根拠のないドグマを止揚すること。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 いろんな方からたくさんの好評価、応援のメッセージ等、頂いていまして感謝しかありません。 ただごく一部ですが、私のブログに対して執拗に怨嫉し、激しい憎悪や敵意をむき出しにして、誹謗中傷行為を繰り返す人たちも少なくありません。 個人的にはなぜこんな個人のブログの更新を気にして、嫌がらせ行為を繰り返すのか、理解ができません。 そもそもそんな誹謗中傷行為や迷惑行為をすればするほど、創価学会や日蓮正宗と言った教団の信者がたかだか個人に過ぎない私のブログの内容に信仰の動揺を来たし、そのことに対してお門違いの憎悪を持っている彼らの姿勢が露呈してしまうだけですよね。 巨…

  • 建治2年6月27日説の『四条金吾殿御返事』は後世の偽作の可能性が高い。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は創価学会や大石寺系の信者に馴染みの深い、建治2年6月27日説の『四条金吾殿御返事』について、考えてみます。 以下の画像は同抄『四条金吾殿御返事』です。参考にあげるのは旧創価学会版御書全集の1143ページになります。 冒頭で「一切衆生・南無妙法蓮華経と唱うるより外の遊楽なきなり」と説かれます。後段は有名な箇所ですが「ただ女房と酒うちのみて南無妙法蓮華経と・となへ給へ」「苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ、これあに自受法楽にあらずや」という部分が出てきます。 大石寺系の方、とりわけ創価学会信者さ…

  • 『新池抄聞書』が非公開である謎。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて『新池御書』の偽作説を私はこのブログで主張しています。 「『新池御書』は偽書である。」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/04/01/000000 「日有と『新池御書』のこと」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/04/02/000000 そもそも『新池御書』は真蹟が不存、同時代の古写本も不存、録外初出であり、六老僧や中山日常等、日蓮と同時代の弟子たちに言及されたことがありません。恐らく最古の引用は私が見た限り大石寺9世日有の『新…

  • 呪術を取り入れ、変容した大乗仏教。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は以前、こんな記事を書いています。 「大乗仏教運動と教化の特徴」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2023/03/21/000000 この中で指摘したことですが、大乗仏教の教化方法は、当時の民衆の精神的素質あるいは傾向に適合するような仕方に頼る必要がありました。そこで仏や菩薩を信仰するなら、多くの富や幸福が得られ、無病息災となると説くようになります。そして注目されるべきは、教化の方法として大乗仏教は陀羅尼と呼ばれる「咒句」を用いるようになります。 本来、釈迦の教えには「呪文」「陀羅尼」等は存在し…

  • 語るに足る友。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて私は創価学会の元活動家から徐々に家族の死を契機に非活となり、日蓮正宗の信仰も棄て、自由な身となりました。 そしてこんなブログを書き続けて、もう7年近くも経ちますが、別に私はオピニオンリーダーにもなる気はありませんし、別段特に分派とかを作ろうとも思っていません。 私のブログを読んで、さまざまな感想を頂きます。その中には私を評価して頂く声も多数頂きます。しかし別に「創価学会・気楽非活派」とか(笑)、そんなものを作る気は毛頭ございません。 創価学会の改革は、教団の執行部、とりわけ会長を中心とした執行部、総務会、参議会等の組織があるわけですから、彼らが考える…

  • 日興は日代に大石寺持仏堂本尊を託した。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて日興から日目へと「唯授一人」の相承がなされたように大石寺では主張しますが、その根拠となる事実は存在しません。 そもそも日興から日目へ与えられたとされる『日興跡条条事』は公開されていません。しかも筆跡がに日興のものと異なっており、書状には文字を意図的に削り落とした形跡さえ存在します。 「日興の筆跡」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2021/10/15/000000 「『日興跡条条事』は今日伝えられる形で成立していなかった」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/…

  • 日興が手本とした日蓮真蹟本尊はどれか。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日興書写本尊について考えてみたいと思います。 以前、既に指摘したように日興書写本尊には、大石寺の戒壇本尊と同じ相貌で書かれた本尊が一つもありません。付言するなら、実は大石寺の法主は誰一人として戒壇本尊と同じ相貌で本尊書写をしていないのです。 「日興書写曼荼羅と戒壇本尊との相違」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2018/06/10/000000 「弘安10年日興本尊と戒壇本尊との相違」 https://watabeshinjun.hatenablog.com/entry/2022/05/23…

  • 「仏敵」について。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて創価学会や日蓮正宗、顕正会等の大石寺系教団の信者がよく使う言葉に「仏敵」というのがあります。 自教団の意に沿わない批判者や退会者、棄教者等を卑下するために使われることが多いです。 この「仏敵」という語、いろいろ調べてみたのですが、どうも漢訳経典に由来する語ではないようなのです。簡単に言えば仏教の用語とは言えない可能性があります。経典に由来しないのです。 事実、大正新修大蔵経のデータベースにも見られません。法華経にも出てきませんし、梵網経その他のどの経典にも出てこないと思います。 日蓮はどうか。気になったので調べてみました。日蓮による「仏敵」の用例は4…

  • 出版協力者の名を削除する池田大作。

    いつもみなさん、ありがとうございます。 さて最近、読書をしていて気づいたことがあり、それを少し書いてみたいと思います。 それは堀日亨の『富士日興上人詳伝』創価学会刊行、昭和38年原版の「序」を読んでいた時のことです。 この「序」は池田大作氏によって書かれていますが、昭和38年の現版の末文には以下のように書かれています。 「終わりに本書の編纂発行にあたり、小平教学部長、多田副教学部長および数人の教授の尽力を得たことを、深く感謝する。」 (同3ページ) この『富士日興上人詳伝』の編纂出版にあたり、教学部の尽力、とりわけ小平芳平氏と多田省吾氏の協力に感謝する一文が池田大作氏によって書かれています。 …

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