最近、かなり久しぶりに行政法の本を読んでいるのですが、妙にハマっています。久しぶりにという表現をしましたが、これは学生時代に単位取得で学んだことがあった時…
民法(総則、物権、債権) ㉝ 自己契約、双方代理、利益相反行為
【自己契約と双方代理】 まず、民法108条をみてみましょう。 108条(自己契約及び双方代理)1 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事…
私は代理権が消滅する場合を覚えるのが苦手で随分と苦労したものです。今でも間違えるところがあるので、整理したいと思います。 【法定代理権の消滅原因】 ①本…
(設立時取締役等による調査) 第46条 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下…
設立時役員等の選任の特則や解任についての規定ですが、株式や機関設計の知識が必要になるところばかりです。 実際、そのような知識を得たうえで読めば、さほど困…
【婚約の意義、要件、効果】 婚約というのは将来婚姻するという合意のことをいいます。これは民法に規定がないのですが、なぜなのかな。結局、婚姻に比し広い概念…
まず、民法99条をみてみましょう。 第99条(代理行為の要件及び効果)1 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対し…
婚姻するとどのような効果が生ずるのか、みていきたいと思います。 【氏の共同(750条)】 夫婦は、婚姻の際に、夫の氏か妻の氏かのどちらかを選択して、婚姻…
【婚姻の取消しとは】 前回は婚姻の無効について話しましたが、今回は婚姻の取消しについて考えます。まず、民法743条をみてみましょう。 (婚姻の取消し)第…
これから婚姻の無効、取消しについて話します。最初は婚姻の無効、次に取消しについて話します。 まず婚姻の無効、取消しって、当たり前だけど離婚とは違います。要…
婚姻については、民法731条以下詳細な規定がありますが、ここでは私が理解しにくかった点、すぐに忘れてしまう点を中心に話していきたいと思います。 【婚姻の…
法律の附則には、施行期日、廃止法令がある場合はその廃止規定、経過措置、その他必要事項(検討条項等)が規定されますが、この内の経過措置規定とは何か。立法技術…
令和4年6月13日に成立した「刑法等の一部を改正する法律」(令和4年6月17日公布・法律第67号)で、現行刑法に大きな改正が加えられましたね。この改正では…
法律は成立後、公布、施行が必要になります。法律の成立までは憲法に詳しいところですが、公布や施行、それらを規定する法律の附則の規定事項についてはあまり詳しく…
親族法の場合、最初に親族の範囲が出てきますが、ここって意外と各種国家試験で問われていますよね。民法725条によると、親族とは、①6親等内の血族、②配偶者、…
【法定追認の意義、要件、効果】 民法125条をみてみましょう。 第125条(法定追認)追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に…
【追認の意義、要件、効果】 まず、民法122条をみてみましょう。 第122条【取り消すことができる行為の追認】取り消すことができる行為は、第120条に規…
本ブログは各種国家試験に出るような論点や条文解釈ばかりではなく、実務的問題点や自分の理解の足跡などにも焦点を当てています。もっとも、それは各法律によって比…
民法(総則、物権、債権) ㉘ 取消しについて~民法120条の場合に限定されるのか~
【取消しとは何か】 取消しとは、取消権者の一方的な意思表示によって法律行為の効力を遡及的に消滅させるものをいいます。一応、有効に成立している法律行為を、取…
少し前の話になりますが、前代未聞の逃走劇の末、亡くなった元過激派桐島聡について、彼の死亡後警察は検察に書類送検をしましたね。この件について、知人から死亡し…
法哲学における法概念論というのは難しいですね。私にとって法哲学というのは理論刑法学がその窓口になったところがあります。刑法における行為とは何かだとか犯罪論…
これは憲法の編でも話しますが、家庭裁判所というか司法府たる裁判所には行政機関のような積極性がないんですよね。非行少年や犯罪を犯した少年を裁判所が知ったから…
本ブログ民法ではあくまでも私自身が理解しにくかった部分をメインに話していきますので、かなり飛ばす箇所も出てきます。というか飛ばす部分、論点の方が多くなるか…
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最近、かなり久しぶりに行政法の本を読んでいるのですが、妙にハマっています。久しぶりにという表現をしましたが、これは学生時代に単位取得で学んだことがあった時…
根抵当権は分かるようで分からない。私にとって、いつまでも模糊とした抽象性に富んだところもありますが割合好きな法分野です。根抵当権の定義自体は、そんなに難し…
法定地上権と共同抵当の問題は難しいですね。ここは一つの論点を挙げ、個別価値考慮説と全体価値考慮説による論理構成と結論の違いにだけ触れてみます。 土地と建…
今までにアップした記事なのですが、浅学非才の身、あらためて読み返すと知識が曖昧な部分や誤字脱字が多いです。というわけで、今後、彫琢し、noteの方に移行し…
【共同抵当不動産の一部が物上保証人所有の場合】 (具体例) Aは1000万円の債権を担保するために債務者B所有の甲不動産(時価1000万円)と物上保証人C…
第392条【共同抵当における代価の配当】① 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、そ…
【抵当権設定当時、土地と建物が同一人の所有であること~要件②】 ④共有と同一人の所有の論点 この論点は、以下に事例をあげますが、第一に他の共有者(B)の利…
【法定地上権の意義、成立要件】 第388条(法定地上権) 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定…
今回の執行猶予制度改正についての最後の点、③刑の執行猶予期間経過後の刑の執行の仕組みの導入とは何か。なんだか、分かりにくい表現なので、具体例を挙げて話しま…
次に改正点②です。これは通常の執行猶予と違って保護観察付執行猶予の場合、その猶予期間中に罪を犯したら、従来は絶対に再度の執行猶予は付かないとされていたもの…
今回の執行猶予制度改正内容をまとめると、①再度の刑の全部執行猶予を付することのできる条件として、宣告刑の上限が1年から2年に引き上げられたという点(改正後…
令和4年6月17日に公布された刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)が今年の6月から施行されることになりましたね。もっとも、既に施行されている…
抵当権の処分、つまり、抵当権の譲渡、放棄、順位の譲渡、順位の放棄が行われた場合の具体的配当分の計算が私はとても苦手でした。計算自体は非常に単純なのですが、…
捜査には任意捜査と強制捜査があり、その違いについては今までに話したところです。そして、捜査というのは任意捜査が原則であり、強制捜査というのはあくまでも任意…
【抵当権の移転と抵当権の譲渡は違う】 第376条【抵当権の処分】① 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益の…
第521条(商人間の留置権) 商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、…
第511条(多数当事者の債務の連帯)1 数人の者がその一人又は全員のために商行為となる行為によって債務を負担したときは、その債務は、各自が連帯して負担する。…
【報酬請求権】 第512条(報酬請求権) 商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。 民法の委任契約の…
【商行為の委任】 第505条(商行為の委任) 商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内において、委任を受けていない行為をすることができる。 本条は、直…
商行為というのは、商法各条文をみていくと、民法の規定とかなり異なる部分が散見されますね。商行為というのは、①営利性の徹底、②取引の迅速、③担保の強化という…
昨年の九月から書き始めた「島唄」も本日をもちましてようやく終結いたしました。 これから推敲、手直しと更に時間をかけて、世に出るのはおそらく来年の事になる…
本作品は冒頭に書いたように、武田秋一さんの最晩年の友人であった涼子と私の共同作品のようなものである。涼子の話を基に、私が小説風に肉付けして書き上げたもので…
直美と島内をドライブしてから数日後、近場の書店まで散歩がてらに出かけた帰り道であった。東京に帰るのはいつにするか、戻ったらすぐにホスピスに入るべく、今夜あ…
シンボルツリーであるバナナの木を実家の門前に見出した時、秋一は少年時代を思い出したのであるが、緑の草木は手入れが行き届いておらず、家も一目で古くなっている…
風車は当初予定していた金曜日までもたず、月曜日の朝、秋一が吐血して緊急搬送されたことをもって二十五年の歴史に幕を閉じた。 三週間の入院期間で秋一は別人の…
「初めてパパからホモセクシャルの話を聞いたのは、私が大学二年生の頃でした。同時になぜパパがママと結婚する決意を抱いたのか、それは数年前八丈島転勤時代に知り…
千鶴子が十三歳、中学一年生の秋の事であった。 市内の中心部にあったピアノ教室でのレッスンをすませ、ロータリーに面したバス停に向かうところであったという。…
カウンター越し、視線の合った秋一は瞬時で彼女の属性を推理し、それから冷蔵庫へと振り向いた。上背はあるが間近で見ると顔から足先までが細身で黒髪のロングヘアー…
日曜日の夕方であった。冴え返る肌寒さも感じたが、全体的に街には春の到来を告げる気配が漂い、あと二週間もすれば桜の開花時期となると思うと、秋一はなんとなく嬉…
多くのお客さんたちが秋一に別れを告げにやって来た。日本屈指のコメディアンS田氏に続いて、元上司である林崎裁判長の暖かい訪問まで受け、秋一は自分の東京生活に…
「家内も最近じゃ、すっかり涙もろくなってしまってな。」 林崎部長は嗚咽をもらす老婦人を横目にカウンターの秋一を見つめた。 「事情は私から話そう。私はね…
直美が帰った翌日の日曜日、秋一は夜六時から店に立っていた。一時間ほどで仕込みを済ませ、八時か九時頃まで店に立ち、後はジョージに任せるのであるから、さほどの…
秋に医師から節制して余命一年と宣告されて約四か月が経った。その間も通院治療は怠らなかった秋一であり、医師たちからの励ましで延命の期待を十分に胸に刻み込んで…
人気絶頂のコメディアンS田氏がぞっこん惚れ込み再婚相手にまでと考えていた銀座のクラブホステス明美が初めて、風車に顔を出したのは、もう二十年近くも前の話であ…
その晩、風車の閉店メッセージを知った長年来の常連客であるコメディアンS田氏は最後の宴を愉しむべく秘書を連れてやって来た。一年先のスケジュールまでに拘束され…
その頃から、秋一は毎晩のように妙な夢をみるようになった。スキーのジャンプ台に立つ夢である。多くの人がジャンプ台に立つまで順番待ちをしている。自分もその内の…
精神力が体力を凌ぐというのにも限界がある。二月の中旬に入ると倦怠感に襲われることが多くなり、食欲不振から益々瘦せ衰えてきた。しかし、抗がん剤治療を始めとす…
一月下旬の寒い夜、閉店のお知らせメールを受信した光の会の内田理事長と羽根女史とが更に数人の仲間を連れてすっ飛んで来た。真面目なゲイとビアン同士は基本相性が…
翌日、秋一は病院で担当医に対して三月いっぱいまで働き、後はがんと闘うことだけに専念したいと相談した。担当医としては秋一の仕事内容を知っているだけに渋い顔を…
八丈島の母親や姉家族、それに直美には退院直後に少しだけ事情を説明したのであるが、やはり医師からの余命一年という宣告については話せなかった。とりわけ高齢だが…