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月の爪痕 http://kurenai75.blog11.fc2.com/

「月の爪痕」は紅(くれない)が書いたオリジナルBL小説を掲載しているブログです。

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2022/05/07

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  • Calling Section3-25

    永田町を通り過ぎた辺りで相馬が口にした質問に、薫は小さく笑った。「相馬さん」 と、薫は視線を前に据えたまま、歌うような言い方で相馬の名を呼ぶ。「熟年夫婦じゃないんですから。“あれ”とか“それ”とか言うだけでテレビのリモコンが差し出されたり、お茶が入ったりはしませんよ?」「とぼけるのは止せ。時間の無駄だ」 と、相馬も前を見たままぴしゃりと言う。「あんた、最初から何もかも全て、計算ずくだったんだろう。あ...

  • Calling Section3-24

    各種メディアホームページが一斉ジャックされた騒動から1週間後、相馬は捜査一課管理官・宮田に呼び出されていた。「先程、サイバーセキュリティ対策本部の槙原本部長から、連絡があった ―― 例の報道・マスコミ各社のホームページジャックの件、すでに捜査が行き詰まっているそうだ」 宮田の前に立った相馬は一言、そうですか。と言っただけで、口を噤む。「犯人の痕跡を辿るためにあれこれ手は尽くしているが、現状、完全にお...

  • Calling Section3-23

    その後2ヶ月程、薫からの連絡は途絶えた。 事件は大小あれこれ起きていて、そのうちの何件かは薫への依頼もされた。 しかし何度依頼メールを送っても、まるでMAILER DEMONからの返信のように一瞬で短い断りのメールが帰ってくるのみで、薫が仕事を引き受けることはなかった。 三ツ木昇の殺害から始まった事件は、相馬が予測していた通りの流れで幕引きとなっていた。 庵野公平が三ツ木昇のマンションにタイマー付きのアロマ...

  • Calling Section3-22

    相馬が廊下に出たとき、薫の姿はもちろん、レオンやアランの姿も既になかった。 エレベーター・ホールに走ったが、薫たちを乗せたのであろうエレベーターの箱は今まさに下降し始めたところで、相馬は舌打ちと共に下向き矢印のパネルを叩く。 数十秒後にやって来た別のエレベーターに乗り込んだ相馬は一瞬躊躇ってから ―― 地下駐車場に降りるべきか、1階の駐車場出入り口前で出てくるのを待つべきか ―― タイムラグ的には駐車場...

  • Calling Section3-21

    「この度はご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」 身体を二つ折りにせんばかりの勢いで頭を下げるのは、本日より仕事復帰となった箕輪である。 心配しましたよぉー、無事復帰おめでとうございます、始末書で済んで良かったじゃないですか、本当にあんたにはつくづく呆れ果てたわ、等々、班員が口々に言い ―― それを少し離れた椅子に座って眺めていた薫が、「何故私がこの場に連れて来られているんですかね?」 と、呟く...

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