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月の爪痕 http://kurenai75.blog11.fc2.com/

「月の爪痕」は紅(くれない)が書いたオリジナルBL小説を掲載しているブログです。

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2022/05/07

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  • Calling Section3-8

    薫との電話を終えた相馬は、鑑識と科捜研に立ち寄って新たな情報がないか確認した後、池袋に向かった。 西口公園にはちょうど佐谷戸とアンナがいて、亡くなったホームレスのねぐらを調べているところだった。 公園の木と木の間に枝や布、ダンボール等を使ってテントのようにしたそのねぐらは、人一人が寝そべると一杯になる程度の広さで、脇に鍋やスプーン、タオルや新聞などの日用雑貨が雑然と置かれている。 この公園では毎...

  • Calling Section3-7

    「ご多忙を極める相馬さんからわざわざご連絡を頂けるなんて。身に余る光栄です」 班のメンバーがそれぞれ捜査に出て行き、一人になってから電話をかけ直した相馬に、薫は言った。「同じ意味合いでも、様々な言い方があるもんだよな。日本語って本当、奥深い」 しみじみと、相馬は言った。「は?」 と、薫は言った。「・・・その返し、よせよ。感じ悪いから」 と、相馬は言った。「は?」 と、薫が繰り返す。「・・・悪かった...

  • Calling Section3-6

    「どうしました?誰からです?」 スマートフォンを耳に当てたまま固まる相馬に、アンナが言った。「・・・、・・・神無月薫からだ ―― 箕輪の件で」 と、相馬が低く言うと、相馬の真向かいに座っていた乙部和敏(おとべ・かずとし)がさっと立ち上がり、会議室の出入り口に歩いて行き、廊下に誰もいないことを確認してからドアを閉める。「相馬主任、今回のこと、神無月さんに伝えたんですか?」 と、アンナが抑えた声で訊いた。「...

  • Calling Section3-5

    「いいところに目を付けたね、相馬くん」 相馬が科捜研の第一研究室のドアを息を詰めてそおっと開けたのと同時に、科学捜査研究所所長、鴻池多香子(こうのいけ・たかこ)が言った。 彼女は警視庁の科学捜査研究所所長で、科学警察研究所にも籍をおいていたこともある、化学のスペシャリストだ。 各都道府県の科捜研から鑑定の相談を受けることも多く、科捜研の女帝と名高い。 以前、かなり繊細な資料の鑑定真っ最中にドアをノッ...

  • Calling Section3-4

    宮田管理官との話を終えたその足で、相馬は坂下のところへと向かった。 相馬の顔を見た坂下はすぐに立ち上がり、「今回はまた、とんだことに巻き込まれたなぁ、相馬。お前、大丈夫か?」 と、言って相馬の背中をバンバンと叩いた。 そういうお前はずいぶん生き生きしてるな・・・という内心を綺麗に隠して、相馬は肩を竦めて見せる。「この仕事をしてれば、“とんだこと”には毎日のように巻き込まれてるようなもんだろ」「そり...

  • Calling Section3-3

    「・・・しかしこれは、・・・参ったな・・・」 と、宮田管理官は頭を抱えて言った。 箕輪から電話を貰ったあの夜から怒涛の一日が過ぎ、再び深夜になっていた。 裏高尾にある薫の家から六本木の現場に急行した相馬は、移動の時以外は座ることすらなく捜査に当たり、漸く警視庁に帰ってきていた。「あいつは、やってませんよ」 と、相馬が低い声で言い、宮田は顔を上げる。「他からの報告は、箕輪が刺したことはほぼ間違いない...

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