厄介者王子を押しつけられた令嬢ですが、噂と違って溺愛されているのですが!?
息をするのも気を遣う張り詰めた空間に、一つの靴音が冷ややかに響く。 シャンデリアで照らされた豪華絢爛な大広間には、国中から集められた貴族令嬢たちがズラリと並んでいた。全員未婚、婚約者未定。 彼女たちは頭を下げたまま身動 ...
その日の私は、16年間生きてきた中で一番不幸だと言えたかもしれない。 「な、な、なっ……」 溢れそうになった悲鳴を、両手で押さえ込んでかき消した。 本棚に背中をぴったりと張り付けて、嫌な鼓動を響かせる心臓に右手を当て ...
海の中なのに、水がなく、頭の上に海が広がってる水族館のような海底都市。 その街にある縦横ともに一番大きな白銀の建物こそ、私たちクラッド家の住む家である。 家のまわりには、色とりどりの花が咲き、透明な水晶玉が金の台座の ...
男は右手に巻かれていた白い包帯を解き、手のひらをこちらに向けた。 その仕草を見た瞬間、背筋に悪寒が走った。なんだろう……どうしてこんなに、嫌な予感がするんだろう。心臓のバクバクが止まらない。 私は、どこかで、あれを… ...
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