てす
ルイスは考えるように視線を上に向けて、やがて困ったように苦笑した。 『んー……』
ルイスは考えるように視線を上に向けて、やがて困ったように苦笑した。 『んー……』
一ヶ月ぶりだと、心臓への刺激が強い。ホログラムだけれど。
一ヶ月ぶりだと、心臓への刺激が強い。まぁ、ホログラムだけれど。
ベッド横にある、私のコレクションボックスを手にする。そこの引き出しに指先をあてて認証すると、なかに入っているマル秘ノートを取り出した。
ベッド横にある、私のコレクションボックスを手にする。そこの引き出しに指先をあてて認証すると、なかに入っているマル秘ノートを取り出した。
目の前のテーブルにおかれている、平べったい小さな青い箱を見つめる。海のなかに光る貝を閉じこめた感じで、キラキラと細かく光る優美なデザインだ。 箱の大きさは指先くらい。すごく小さいその箱をぱかっとひらけば、オーロラ色に ...
しばらくすると、ルイスの仲間たちが集まってくる。 どうやら街は無事らしい。大きなケガをした人もいないようだ。 赤い目をして暴れていた動物たちは、とつぜん憑きものがとれたみたいに元にもどって、森の奥に帰って行ったらしい ...
海水から顔を出したところで、お兄さまもついてきていることに気づき、じろっとお兄さまを睨む。 「お兄さまはこないでください」「却下」「……ルイスたちには、海の使族だってヒミツにしているんですもの。お兄さまのせいでもしもバ ...
水の壁の隙間から、お兄さまと大ダコの様子をうかがう。 お兄さまは善戦していた。海流を操り、大ダコを渦のなかに閉じこめ、槍と水の刃で切り刻む。 「だ、大丈夫みたい」「どこがですか。あの腕を見てください」 ベオに言われる ...
「……やぁ、リィル。どういうことだ?」 笑顔を浮かべているが私にはわかる。 とてつもなく、怒っている! 返答次第では雷が落ちる! 「あんなに泣いていたから、てっきり大人しくしていると思ったんだが……。どこへ?」 圧が ...
甲板に取り残され、おろおろと動き回る。 私も降りようとしてみたけれど、透明なシールドに阻まれた。そうだった。船体には見えない壁があるんだった。しかも、私じゃ開閉できない。 「……なにしてるんですか。いいんですか、こんな ...
呼吸が止まった。 ルイスの言葉を反芻しては、頭のなかで祝福のベルが鳴り響く。 私はめいっぱい目をひらいて、ルイスを凝視した。 嫌われていなかった? それどころか、いっしょに来てもいいと、そう言ってくれている。 ...
な、なに、なにが起きたの?! この大きな美しい獣は、さっきの小さかったあの子? 呆然と目の前の光景を見て、白銀の大きな子のおなかから、血がしたたり落ちているのに気づいた。 傷口、塞がってないのに。 「ぷ、プリティちゃ ...
記憶を頼りに走って、途中案内板に頼って、なんとか第三広場までやってくる。 この先の道を行けば、森だ。 ルイスたちの飛空船までの道のりを覚えているか微妙だけれど、高台だったから、登り坂を選べばなんとかなるはず。 草や ...
家に帰った私は、すぐさま部屋に引きこもった。 お兄さまもさすがに哀れに思ったのか、なにも言わずにそっとしておいてくれた。 明かりもつけず、ひとり枕を涙で濡らして、ルイスの困惑顔を思い出す。 絶対絶対、「闇オークショ ...
今日一会場がざわめいた。 私もびっくり仰天。 言葉もなく、横のお兄さまを見た。お兄さまはひょいと肩をすくめる。「そんなわけないだろう」と言っているようだ。 そ、そうよね。海の使族にウロコはないもの。でも、まさか、地上 ...
二度目のアクアバース! と思っていたのに、なぜか私は怪しい店のなかにいた。 左右に幕のある大きな舞台と、肘かけつき客席があって、店内はうす暗い。 横の列が七、縦がその倍くらいの客席数。といっても、実際にいるのは二、三 ...
空の刻十二の三十。 お昼を少し過ぎたころから、私のバースデーパーティーははじまった。 会場は、光るものが好きな私のために、とにかく煌びやかに飾りつけられていた。 各地から集めたオーロラ貝が輝き、海の光の砂を詰めたボ ...
私のバースデーパーティー当日。 朝から香りつきパールエキスを塗りこみ、マッサージで全身を揉みほぐされ、ゴシゴシと磨かれる。髪も肌もいつも以上に丁寧にお手入れされた。輝きがアップした気がした。 簡単にお化粧を施され、 ...
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