アークティック・モンキーズ(主にアレックス・ターナー)の沼にハマったOLが、感傷に浸りながら歌詞を和訳したりするブログです。
Stuck on the Puzzle / Alex Turner【和訳】
恋とは説明のつかない磁力で、解けないパズル、そして泳げない海。今でも君のパズルから抜け出せずにいるんだ。-Stuck on the Puzzle こんばんは、ベラドンナです。新幹線ってつくづく偉大ですね。地震の影響で郡山以北が運休しており、普段は東京から小一時間で着く仙台まで4時間半かかりました。いつもより緩やかに流れゆく車窓を眺めながら、人間って、どれだけ遠いのかについては時間をもってしか認識できない生き物なのかなと、取り留めもなく考えました。時間を重ねても埋められなかったり、時間がより遠ざける心の距離もありますが。本日ご紹介するのは、こんなセンチメンタルな夜に似合う詩的な美しさを持つ楽曲。…
Science Fiction/Arctic Monkeys【和訳】
あからさまでなくセクシーに、危険性を強調して、隠されたメッセージを届けたいんだ。SFみたいな手法で、月面のパラレルワールドから。 ーScience Fiction ご機嫌よう、ベラドンナです。アークティック・モンキーズの6thアルバム「Tranquility Base Hotel & Casino」の全曲和訳を試みています。満開の桜の宵、本日は8曲目の"Science Fiction"です。このアルバムのコンセプトは、「月面のホテルというパラレルワールドを設定し、鏡のように現代社会の矛盾や個人が抱える孤独や苦悩を映し出す」というようなものでした。詳しくは1曲目の"Star Treatment"…
The World's First Ever Monster Truck Front Flip/Arctic Monkeys【和訳】
「あなたはボタンを押すだけ、あとはお任せくださいー」アーキテクチャの権力に、我々は進んで自由を差し出して、ますます愚鈍になっていくのか ーThe World's First Ever Monster Truck Front Flip こんばんは、ベラドンナです。 最近、アラン・シリトーの『土曜の夜と日曜の朝』(1951)を読み始めたのですが、これがなかなかの面白さ。アークティック・モンキーズの1stアルバムのタイトル「Whatever People Say I Am That's What I'm Not」の引用元の小説です。冒頭に「土曜の夜は1年のうちに52回しかない」という一節があり、もう…
Too Much to Ask/Arctic Monkeys【和訳】
ご機嫌よう、ベラドンナです。すっかり春めいたかと思ったら、また真冬に逆戻りの寒さですね。こんな夜には、アークティック・モンキーズの冬に沁み入る叙情的な失恋ソングを。本日鑑賞するのは、"Too Much to Ask"。"Fluorescent Adolescent"(2007)のB面曲です。こちらは、ひたすら若くて青くてアンニュイなアコースティック・バージョンです。歌い方もギターの音色も切なすぎます。アレックス21歳。 どれほど喧嘩してもキッチンでふざけあえばすぐに仲直りできていた"Mardy bum"の頃には、もう二度と戻れなくなってしまった二人の歌、という感じです。野田洋次郎が言うところの…
Four Out Of Five/Arctic Monkeys【和訳】
こんばんは、ベラドンナです。アークティック・モンキーズの6thアルバム「Tranquillity Base Hotel &Casino」を全曲和訳する企画、いよいよ後半戦です。今夜ご紹介する6曲目、"Four Out Of Five"はアルバムのリードシングル的な位置付けで、MVも制作されています。 言うまでもなく「4つ星」の意味であり、アレックスによると「星から連想したちょっとした洒落」とのこと。アルバムをプロモーションする曲に「4つ星」と名付けて、冒頭で「今すぐ無料トライアル開始」と歌うあたり、遊び心あるシニカルさが光ってます。”that's unheard of”と歌っていますが、月の土…
The Bourne Identity /The Last Shadow Puppets【和訳】
今夜も夜更かし、ベラドンナです。ご機嫌よう。つくづく、「あの夜は明日になったら言えないことを言うためにあったんだ」って最高にロマンチックな文句ですよね。("Do I Wanna Know?"の歌詞より)アークティック・モンキーズの6thアルバム「Tranquility Base Hotel & Casino」の全曲レビュー企画も前回で5曲目まで終えて折り返し地点。本日はちょっと趣向を変えて、アレックス・ターナーのマイケル・ケインとのサイドプロジェクトであるザ・ラスト・シャドウ・パペッツ(略してTLSP)の隠れた(?)名曲"The Bourne Identity "を鑑賞します。この曲はTLSP…
Golden Trunks/Arctic Monkeys【和訳】
こんばんは、ベラドンナです。まだ肌寒いうちに記事を書きたい冬の歌がたくさんあるのに、季節は待ってくれませんね。今回鑑賞するのは「Tranquility Base Hotel & Casino」の5曲目、重々しいイントロが印象的な"Golden Trunks"です。「俺の精神の中の小委員会」という訳がなんとも上手くないなあと思うのですが、良い表現が見つからず。平野啓一郎の小説に出てくる「分人主義」のような感じをイメージしています。人間の中にはいくつもの人格があって、その集合体が「私」なのだ、というような。ラスト・シャドウ・パペッツの2ndのボーナストラックの"The Bourne Identit…
Tranquility Base Hotel & Casino/Arctic Monkeys【和訳】
ご機嫌よう、ベラドンナです。今回は6thアルバム「Tranquility Base Hotel & Casino」の4曲目にして表題曲の"Tranquility Base Hotel & Casino"を鑑賞していきます。アルバム「Tranquility Base Hotel & Casino」の概要については過去記事で紹介しています。 「こちらトランクイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノでございます。」がまさかのサビという、なんとも不思議な曲。イーグルスのホテル・カリフォルニアを思わせます。アレックスがホテルのフロント係になったりバスローブ姿、はたまた上半身ヌードになったりと、Toxic…
American Sports/Arctic Monkeys【和訳】
ご機嫌よう、ベラドンナです。今回ご紹介するのは、6thアルバム「Tranquillity Base Hotel & Casino」の3曲目、"American Sports"です。 2曲目の"One Point Perspective"のラストから間髪入れずにこの曲の妖しげなイントロになだれ込むカッコ良さは、このアルバムの白眉ではないでしょうか。 "One Point Perspective"の和訳はこちら。 ”That I'd meet so many Lolas”のローラが何を指すのかについては、海外の音楽掲示板でも考察合戦が盛り上がっていて、小説のヒロインの名前や、スペイン語では悲しみを…
Fire And The Thud /Arctic Monkeys【和訳】
こんばんは、ベラドンナです。 今日鑑賞するのは、私の大好きなFire And The Thudという歌。3rdアルバム『Humbug』収録曲です。長髪時代のアレックスの物憂げな歌い方もセクシーで良いんです。Thudは「ドスン」「バタン」のような落ちる時の擬声語ですので、燃え上がったあとに奈落に突き落とされるような感じでしょうか。 この歌に関しては、アレックスは当時の恋人のアレクサ・チャンへのメッセージを込めて歌ったと認めています。本人は「一番正直な気持ちをありのまま書いた歌。大人になれよって感じだよね。あまりに内容が個人的すぎると思って女性ボーカルを入れたんだ。」と自嘲していましたが、恋愛の不…
One Point Perspective /Arctic Monkeys【和訳】
ご機嫌よう、ベラドンナです。今夜鑑賞するのは、アークティック・モンキーズの6thアルバム「Tranquility Base Hotel & Casino」の2曲目、"One Point Perspective"です。アルバム「Tranquility Base Hotel & Casino」の概要については、前回記事で語っております。さて、この曲のタイトルの意味は「一点透視図法」。最初聴いた時はよく分かりませんでしたが、何回も聴いているうちに、この歌のような「とりとめもない考えを浮かべては、何かに中断されたりして忘れてしまう感じ」を毎日どれだけ経験しているかに気づいてハッとなりました。人生それ自…
Star Treatment/Arctic Monkeys【和訳】
ベラドンナの部屋へようこそ! 恋愛と仕事に疲れた、お年頃のOLベラドンナと申します。ある日突然、UKインディーロックを代表するバンド、アークティック・モンキーズにどハマりし、行き場のない熱量を持て余しているので、ブログで駄文を書き始めます。普通に世界的に有名なバンドなのでご存知の方も多いことは承知の上ですが、なんといっても歌詞が凄い!!ベラドンナは恋愛に疲弊してからというもの、古今東西の恋愛小説を一気に50冊ほど読み漁ったのですが、最終的に今の自分に一番スッと入ってきて素直に泣けたのが、アークティック・モンキーズのフロントマン、アレックス・ターナーが書く歌詞だったんです。いつかまたご紹介します…
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