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2022/02/27

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  • 山道

    私たちの国は、国土の4分の3が山地の山国である。と言うより、海から迫り上がった八つの島。島国と呼ぶのが適切だ。私たちは山岳民族でなく、フィリピンやインドネシアと同じ、島嶼民族と自覚しておきたい。私たちの先祖は、海から川を遡って内陸に分け入った。そこから山道が縦横に巡っている。大昔から人が繰り返し歩けば道はできるのだから、山道は各島内至るところに通じている。人煙のあるところ、必ず山道で繋がっていた。それが拡幅・舗装され、今や国中どこへでも車で行ける。古くから人が山に道を付けるには、山腹・尾根・谷の3つの地形を利用した。ひとつのルートだけで頂に至ることはなく、3種が複合するのが普通である。①山腹をトラバース(巻く)する道(山腹を斜めに横切る)②尾根の稜線を直行するする道(尾根の稜線上を辿る)③尾根の稜線の乗っ...山道

  • スミレ

    今日か明日かと待ち侘びていたスミレの花が、ようやく咲いた。道端で寒ささにめげず健気に咲くこの花を、今年初めて鉢で咲かせてみようと試みた。そのいくつかの株の中の魁。ポピュラーであっても、人の眼を惹かずには措かない春の花スミレ。花の咲き方こそ違え、秋のノギクに対置すべき野草かと思う。種類が多く、同定が難しいことも共通する。スミレ

  • 銅壺(どうこ)のルーツ

    今日では、銅壺(どうこ)と言っても、現物を見たことも触ったこともない人の方が圧倒的に多数だろう。それを使ったことのある人はもっと少ないに違いない。現物は、骨董屋さんでしか見られない。湯沸かしに電気とガスが使われる時代、銅壺は既に利用価値と存在価値を失って久しく、製造されてもいない。この名を知る人は少なくなっていることと思う。現物の画像を呈示できなくて申し訳ないが、銅壺とは、炭火の火鉢の灰の中に据える銅製または鉄製の湯沸し兼貯湯器のこと。銅壺と言っても形は壺状でなく、丸火鉢の曲面に合う半円型又は角火鉢の内面に納まりの好い角型である。水を注ぎ汲出す蓋付きの開口部がある。直火に架けないので湯は沸騰せず、お茶を飲むのに適した80度前後の温度に保つことができる。江戸時代には、雪の降らない地方の町方庶民の必需品だった...銅壺(どうこ)のルーツ

  • 発想

    発想は思考の原点である。水の流れで言えば泉に該るものかと思う。私たちの頭の中では、日夜発想が湧き出ている。全て人夫々の発想は思考の流れとなって下り、思想という池や沼を形成している。発想が湧かなくては、人間何ひとつオリジナルなもの、その人ならではのものを生み出せない。思考して、思念を積み上げ思想を構築するには、絶えざる発想の湧出が必要である。この発想こそが、人の生命の核心そのものであることに遅ればせながら思い至った。発想はあくまで端緒に過ぎないが、泉の水は流れ下って溜まり、池や沼に成って初めて、それがその人の思想に成る。思想はその人の人となりの核心を占めるものである。評価の定まった優れた思想に依拠しで生きようとするのは、自らを陶冶し、客観的に正しくあろうとする意欲の表れである。読書は、その意味で有用なもの...発想

  • 神の存在を教えてくれた人

    私は60年近く前の20代の頃、病気で市内の病院に入院していたことがある。入院中のある日の深夜、救急の患者が搬送されて来たらしく、慌ただしい足音がして、看護師や医師が私の居た病室に出入りした。患者は私の隣のベッドに寝かされ、点滴や酸素吸入が施されている様子だった。翌朝、目醒めて隣を見ると、80歳ぐらいの老人が、酸素マスクをつけ横たわっていた。高熱を発しているらしい。その老患者は、ひとり暮らしで、風邪が悪化して肺炎になり、屋内で意識不明になって倒れていたところを、心配して訪ねて来た知人に発見され、救急入院となったらしい。朝食のとき、その新来の患者と病院との間に一悶着がもちあがった。老人が肉や卵・牛乳など、動物由来の食物を分別して、一切口にしないのだった。医師・看護師や栄養士が来て説得に努めるが、頑として聴かな...神の存在を教えてくれた人

  • 価値観の不一致

    かつては離婚理由に「性格の不一致」が真っ先に挙げられていたものだが、それが荒唐無稽な暴論であることが一般に理解されるようになって、その後は「価値観の不一致」という理由をよく聞く。これも老生に言わせると、前者と変わらない暴論であるように思う。価値観も性格の影響下にあり、個性というものの本質上、一致などある訳がない。人間というものは、自分が好きになった人と同じ価値観を共有したいもので、つい無いものねだりをしたがる。それが押し付けになったり抑圧になって、互いの感情に好ましくないバイアス電流が生まれる。価値観を共有したい心情は理解できるが、それを恋人とか伴侶に求めるのは瞭かに間違っている。現在と別の価値観で、相手を選んだかもしれないのに・・・人の価値観というものを突き詰めて考えるなら、自分の価値観と一致するはずが...価値観の不一致

  • 虎落笛(もがりぶえ)

    今日2月13日、当地は快晴の空に今年最大の虎落笛が轟々と鳴り渡った。午前8時からお昼近くまで、虚空が吠えているような音が鳴っていた。風速は9mを超えていた。虎落笛(もがりぶえ)とは、冬の季節風が竹の柵や垣根に衝って振動し発する音のことで、冬の季語とか。空っ風の強い遠州で、冬の訪れを告げる虎落笛は、電線を鳴らし轟々と凄い音を発する。「春一番」の虎落笛?も、本来のそれにひけをとらない。音はおどろどろしいが、ガラス戸越しの太陽の光には暖かみが増していて、赤みを帯びた土手の枯れ草も、春を告げている。目を凝らせば、オオイヌノフグリの碧い花も、道端でチャッカリ咲いていることだろう。虎落笛(もがりぶえ)

  • 女性の魅力の多様性

    日本語には女性の魅力を表現する多様な言葉が用意されていて、選択に迷うほどである。それだけ男性の側から見た女性の魅力には、様々な態様があるということだろう。大きく分けて女性美には、麗・艶ふたつの形容がある。【麗】綺麗・美麗・豊麗・婉麗・・・【艶】清艶・優艶・妖艶・濃艶・嬌艶・凄艶・・・麗にも艶にも、実に多様な形容語が付く。これらの言葉は中国に古くからあった言葉なのか、明治漢語の部類に属す造語なのかはわからないが、なんとなく日本で造った言葉のような感じがする。もしそうだとすると、日本人は女性の美しさを【麗】(きれいさ)と【艶】(なまめかしさ)の両面で把握して来たということで、微に入り細を穿ち、極めて繊細な美意識をもっていたということになる。麗は容姿の魅力の謂、艶は性的な魅力の謂の言葉かと思う。思いつきで列挙し...女性の魅力の多様性

  • エンターテイメントの品質

    テレビ主導のエンターテイメントが、全般的に社会的貢献度を低下させていると見るのは、私だけではないだろう。映像・音楽・演芸・スポーツ・ゲーム・遊戯・旅行・公営競技等々、今やテレビはエンターテイメントの放映なしでは成り立立たない産業と言っても過言ではない。今日の民放テレビ局は、もはや報道機関としての存在意義を失い、エンターテイメントに依拠しなければ、スポンサーを獲得できないのだろう。そこにかつて在ったジャーナリズムを求めるのは、視聴者の無いモノねだりである。庶民が報道にアクセスする手段がテレビに限られていた時代,即ちテレビに良識があった時代は、テレビ草創期から40年間くらいの、僅かな期間だった。テレビ局の変質を促したものは、インターネットである。テレビがエンターテインメントに軸足を移すにつれ、芸能の世界との親...エンターテイメントの品質

  • 取り木

    かれこれ7年近く育てて来たコーヒーの木が昨年実を着けた。冬に入って豆に精製して焙煎した。粉に挽いて飲んでみたが、香りがほとんどなかった。日頃飲んでいるコーヒーとは、全然別の味だった。実の量がごく少なかったので、もっと増やそうと欲を出し、年明け早々取り木に挑戦してみた。桜の花の咲く頃には、2鉢のコーヒーの木を育てることになるだろう。手元で成ったコーヒーの豆を焙煎し、挽きたてを飲むのが、老人の新たな願いである。美味しくなくても好い。それには、少なくとも、4本の木が必要かと思う。コービーの実の精製と焙煎の手仕事そのものは、実際にやってみたら思ったより難しくなかった。実を沢山収穫することが1番難しそうだ。取り木

  • ご縁第一

    私たち日本人は、大昔から血縁・人縁・地縁をとても大切にしてきた。「縁」に恵まれて生きることが、人生をより豊かにすると、先祖たちは考えていたに違いない。個人の知識よりも発想よりも、「縁」が人に幸福をもたらす最大の手がかり足がかりになるという考えは、日本の社会に遍く定着しているように見える。「寄らば大樹の陰」とは、「縁」を辿って大樹に辿り着き、そのお陰を蒙ろうとする心情の顕れである。それは日本人に限らず、社会を構成する人々に普通の気持ちかも知れない。だが「縁」を重要視し過ぎると、自分と「無縁」の者を「何処の馬の骨かわからぬ」などと蔑視したり無視したり、時には差別する陋習に染まることになる。「縁」を過大に評価すれば、差別主義に陥るのは避けられない。「縁」の重要視は、昭和の高度経済成長期に現れた「人脈」という言...ご縁第一

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