わが命よ、絶えてしまうのなら絶えてしまえ。このまま生き長らえているならば、堪え忍ぶ心が弱まると困るから。
『大鏡』より、「右大将道綱の母/太政大臣兼家」の現代語訳です。
『大鏡』より、「女院詮子の道長びいき(道長と女院詮子)」の現代語訳です。
『大鏡』より、「村上天皇と中宮安子(中宮安子の嫉妬)」の現代語訳です。
おはさうず【御座さうず】 動詞(サ行変格活用) / おはさふ【御座さふ】 動詞(サ行四段活用)
何人かでいらっしゃる 意味 (1)いらっしゃる *「あり」の尊敬語 (2)お出かけになる・おいでになる *「行く」「来」の尊敬語 補助動詞として (3)~ていらっしゃる・~ておいでになる ポイント 尊敬語「おはす」に「あふ」がついた「あはし
『大鏡』より、「鶯宿梅(おうしゅくばい)」の現代語訳です。
『大鏡』より、「肝だめし(道長の豪胆)」の現代語訳です。
動詞「付く」の連用形「つき」に、形容詞「無し」がついたものです。「つきづきし」の対義語として理解しておくと、訳しやすいと思います。
うるさくしないでね 意味 (1)(ああ)うるさい・やかましい (2)しっ、静かに ポイント 感動詞「あな」に、シク活用の形容詞「かまし」がついて、「あなかま」と表現したものです。直訳すれば「ああうるさい」ということですが、特にそれほどやかま
「The 感動詞」と言うべきことばで、「感慨・驚き・感心」など、心が強く動いたときに発せられる語です。「ああ・あら・まあ」などと訳せばOKです。セリフの中に単独で出てくことも多いのですが、「あな+形容詞・形容動詞の語幹」で、ワンセットの感動詞のような使い方をすることも多いです。
形容詞・形容動詞の語幹用法について
「つつむ」というと、まず「包む」が思い浮かぶと思います。布などで物体をくるんだりかくしたりすることが「包む」ですが、その「隠すもの」が「心情」である場合には、「慎む」の字を当てます。「裏む」とすることもあります。主に「自分のしたいことをつつみかくしている」状況に使いやすいです。
「太(ふと)」が音変化した「ふつ」を重ねた「ふつふつ」に接尾語の「か」がついた「ふつふつか」が圧縮されて「ふつつか」となったものか、あるいは、「太束(ふとつか)」が音変化したものと言われています。
上代では「まをす」ということばであり、今でも祝詞では「かしこみかしこみまをす」というように、「まをす」を使います。もともとは、神や権力者といった上位者に対しお願いをするという意味を持ちましたが、「お願い」という意味での使い方はそれほど多くはなく、「上位の者に口をきく」行為を指すことばとして広範に用いられました。したがって、訳語としては「申し上げる」となることが多いです。
『大鏡』の一節です。ポイントは、副詞「かつがつ」、名詞「式神」、名詞「内裏」、動詞「参る」、動詞「申す」、助動詞「けり」です。
あぢきなきすさびにて、かつ破り捨つべきものなれば、人の見るべきにもあらず。(徒然草)
『徒然草』の一節です。ポイントは、形容詞「あぢきなし」、名詞「すさび」、副詞「かつ」、動詞「破り捨つ」、助動詞「べし」、助動詞「なり」です。
漢字を当てると「且つ且つ」とか「且」などと書くのですが、もとは動詞「克つ(かつ)」を重ねた語だと言われています。「克つ」は「こらえる・できる」という意味であり、「かつがつ」は「こらえこらえ」ということになります。たとえば、「ある困難」が眼前にある状況で、「たやすくそれを解決できるわけではなく、不十分な接し方にはなってしまうけれども、なんとかして対応する」という場合に使用されやすいです。「緊急性」のニュアンスを持つことが多く、その場合は「何をさしおいても真っ先に取り組む」という意味で、「何はともあれ」「何はさておき」などと訳します。
二つのことが並行して行われることを意味します。同時並行であれば(1)のように訳し、連鎖的に行われるのであれば(2)のように訳します。
『徒然草』より、「をりふしの移り変はるこそ」の現代語訳です。
古くは、激しくおそれ多い神の力を「イツ」といいまして、「いつくし(厳し)」「いつく(斎く)」「いちしろし(著し)」などの「イツ(イチ)」がそれにあたるとされます。「いちはやし」の「いち」もそれらと同根の接頭語で、「(神の力を思わせるほど)勢いが激しい」という意味合いになります。「はやし」は、もともと「生はゆ」と同根で、「はゆ(映ゆ)」「はやる(逸る)」「はやし(早し)」「はやし(林)」などといった語は、どれも「生命力を持って生き生きとする・勢いよく前に進もうとする」という意味合いがあります。
「やつる」の「やつ」は、現代語でいう「やつれる」の「やつ」と同根であり、「目立たない姿になる」「みすぼらしくなる」という意味においては、現代語「やつれる」に近い意味を持ちます。なお、古語「やつる」を「やせ細る」という意味で用いることはまずありませんので、そこは現代語「やつれる」とは異なるところです。
「やつる」の他動詞型が「やつす」です。「やつる/やつす」の「やつ」は、現代語で言う「やつれる」の「やつ」と同根で、「やつる」は「見た目の華やかさのレベルが落ちること」であり、「やつす」は「見た目の華やかさのレベルを意図的に落とすこと」です。
かくまでやつしたれど、見にくくなどはあらで、いと、さまことに、あざやかにけだかく、はれやかなるさまぞあたらしき。(堤中納言物語)
『堤中納言物語』の一節です。ポイントは、動詞「やつす」、助動詞「たり」、副詞「いと」、形容動詞「さまことなり」、形容動詞「はれやかなり」、形容詞「あたらし」です。
「ひたぶるなり」の「ひた」は、「ひたすら」「ひたむき」などの「ひた」と同意であり、もとは「一(ひと)」であると言われています。「ぶる」は、「そのようにふるまう」ということなので、「ひたぶる」は、「一つのことばかりしている=一途である」という意味合いになります。連用形「ひたぶるに」の形で用いられやすく、「ひたすら」「いちずに」「むやみに」などと訳出することが多いです。「他に何があっても構わずにそれだけを押し通す」という点で、「強引」「乱暴」という意味合いで用いられることもあります。
まだし【未だし】 形容詞(シク活用) / まだき【未だき】 副詞
形容詞「未だし(いまだし)」の語頭の「い」が落ちたものが、形容詞「まだし」です。「未だに適した状態になっていない」ということから、「時期が早い」とか、「不十分だ」といった意味で用います。その語幹から、「まだき」「まだ」という副詞が派生したと考えられています。副詞の場合、「まだ時期が早い」あるいは「未熟」であるにもかかわらず、ある事態・現象が起きてしまう文脈で使用されやすく、訳としては「もう(そうなってしまう)」「早くも(そうなってしまう)」などのようになります。
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わが命よ、絶えてしまうのなら絶えてしまえ。このまま生き長らえているならば、堪え忍ぶ心が弱まると困るから。
心ならずもこのはかない現世に生きながらえるならば、恋しく思い出されるにちがいない、そんな夜更けの月だなあ。
(あなたが来ないとわかっていれば)ためらわずに寝てしまっただろうに。(あなたを待っているうちに)夜が更けて、とうとう西にかたむくまでの月を見たことだよ。
もろともに あはれとおもへ やまざくら はなよりほかに しるひともなし 和歌 (百人一首66) もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし 前大僧正行尊 『金葉和歌集』 歌意 私がおまえをしみじみいとしいと思うように、おまえ
つつみ隠していたけれど、顔色や表情に出てしまっていたのだなあ、私の恋は。恋のもの思いをいているのかと、人が尋ねるくらいまで。
こひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか 和歌 (百人一首41) 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか 壬生忠見 『拾遺和歌集』 歌意 恋をしているという私のうわさは早くも立ってしま
『沙石集』より、「歌ゆゑに命を失ふ事」の現代語訳です。
『平家物語』より、「忠度の都落ち(ただのりのみやこおち)」の現代語訳です。
「こそあらめ」は、係助詞「こそ」+動詞「あり」の未然形+助動詞「む」の已然形です。「こそあれ」は、係助詞「こそ」+動詞「あり」の已然形です。どちらも、多くは「逆接構文」をつくるので、基本的には「~けれど」という逆接のかたちで訳しましょう。
『平家物語』より、「能登殿の最期」です。
「おきつ」の「おき」は、「置く」と同根と言われています。「これからしようとすることを心の中に置く」というイメージであり、実際、「おもひおきつ」「おぼしおきつ」のかたちで使われることが多いです。
『大鏡』より、「行成の器量」「行成とこま」の現代語訳です。 「行成」は「藤原行成」のことです。能書家の達人として、小野道風・藤原佐理・藤原行成を「三蹟(三跡)」といいます。 空海・嵯峨天皇・橘逸勢の「三筆」っていうのも日本史で出てきたね。
漢語「労」を重ねて形容詞化したことばだと言われています。「労」は「年功・熟練」などを意味し、多くの経験を積んだがゆえの「物慣れた巧みさ」を示しています。そういった「熟達性」は、周囲からすると気品があって美しく見えますので、「上品だ」という意味でも用います。なお、「老老じ」を語源とする説もあります。あるいは、「リョウリョウジ」と記す写本もあることから、「良良じ」を語源とする説もあります。
動詞「侮る(あなづる)」が形容詞化したものです。「あなづる」の「軽蔑する・見下げる」という意味がそのまま生きているのが(1)の意味です。「軽く扱ってよい」ということは、「敬意を持たなくてよい」ということなので、やがて「遠慮しなくてよい」「気を遣わなくてよい」という意味でも使われるようになりました。それが(2)の意味です。
「しる(知る・領る)」に、尊敬の「す」がついた「しらす」という語がありましたが、さらに「召す」が付くことによって、非常に高い敬意を示す語として用いられました。もとは「しらしめす」ですが、中古以降は「しろしめす」と言いました。もともと「しる」には、主に「知る/(領地などを)治める」という意味がありますので、その尊敬語として考えておけばOKです。
「たぎたぎし」という語から転じた語という説があり、その場合「怠」は中世以降の当て字といわれます。「たぎたぎし」の「たぎ」は、岩肌を屈折しながら落ちる「滝」と同根で、「道のりが屈折している」「道がデコボコである」「足がぎくしゃくする」といった意味になります。「デコボコ道」を進んでいくことが面倒で困ることであるように、(1)「不都合だ」という意味で使用されます。そういった「平らかに物事が進行しない」状況に対して非難めいた気持ちを込めて用いる場合には(2)「もってのほかだ・とんでもない」と訳します。その説とは別に、漢語「怠」を重ねて成立したという考え方もあります。
『栄花物語』より、「今さらのご対面」の現代語訳です。
つげる! 意味 (1)言う・告げる・宣言する ポイント 主に上代につかわれたことばでです。「言う」と訳して問題ありませんが、「普通のことば」ではなく、「神聖なものにかかわる呪力をもった発語」に用いられました。もともとは神が大切なことばを表明
『栄花物語』より、「世の響き」の現代語訳です。
『大鏡』より、「宣耀殿の女御(せんようでんのにょうご)」の現代語訳です。
「なむ」の識別です。
「なむ」の識別です。
『源氏物語』の一節です。ポイントは、格助詞「の」、副詞「やがて」、動詞「とまる」、終助詞「なむ」です。
「真実(まめ)」「真目(まめ)」ということばから来ている説があります。もともとの性質が「まじめ」であるというのが根本的な意味ですが、表面的な態度について使用することもあります。「物品」について用いている場合には、「実用的」と訳しておきましょう。
助動詞「つ」に、願望を示す終助詞「しか」がついて、さらに、詠嘆を示す終助詞「な」がついたものだと言われています。単純な希望(願望)というよりは、実現が困難なことや、普通に考えると不可能なことについて、「~したいものだなあ」と望む場合に用いられます。ベースとなっている終助詞「しか」だけで「願望(希望)」を示すのですが、「しか」は、過去の助動詞「き」の連体形「し」に、疑問や感動(詠嘆)を表す「か」がついたという説があります。
『枕草子』の一節です。ポイントは、副詞「いかで」、助動詞「けり」、動詞「見ゆ」、連語「にしがな」、動詞「おぼゆ」です。
ラ変動詞「あり」に、推量の助動詞「む」が接続詞、「あらむ」となったものから、「あ」が欠落して「らむ」となり、一語の助動詞として認識されていったものだと考えられています。「む」が主に「未来」を推量するものであるのに対して、「現在」を推量するものが「らむ」であり、「過去」を推量するものが「けむ」です。
『徒然草』の一説です。ポイントは、感動詞「あな」、副詞「などか」、助動詞「けん」、連語「なむ」です。
過去の助動詞「き」の古い未然形「け」に、推量の助動詞「む」がついて一語化したものと考えられています。過去のことを推量する場合は「けむ」、現在のことを推量する場合は「らむ」、未来のことを推量する場合は「む」を用います。
『宇治拾遺物語』より「児のそら寝」を教材にして、動詞の活用行を確認しましょう。
『宇治拾遺物語』より「ちごのそら寝」の現代語訳です。
「憂鬱」の「憂」のイメージどおりの形容詞です。動詞「倦む(うむ)」と同根のことばと考えられています。思い通りにいかないことに対しての「嫌になってしまっている状態」を示します。訳としては、「つらい・嫌だ」といったように、心情語として訳すことも多いです。
『徒然草』の一節です。ポイントは、形容詞「心うし」、動詞「おぼゆ」、連語「かちより」、動詞「まうづ」、助動詞「けり」です。
「憂し(うし)」に「心」がついたものが「心憂し」です。
『大和物語』の一節です。ポイントは、副詞「いと」、形容詞「むつかし」、形容詞「心もとなし」、敬語動詞「はべり」、動詞「参る」、完了「つ」です。
意味① 【完了】 ~てしまう・~た② 【確述・確認・強意】 きっと~・たしかに~③ 【並列】 ~たり、~たりポイント助動詞「ぬ」については、「つ」とセットで考えるとよいので、まとめたページをご覧ください。
意味① 【完了】 ~てしまう・~た② 【確述・確認・強意】 きっと~・たしかに~③ 【並列】 ~たり、~たりポイント助動詞「つ」については、「ぬ」とセットで考えるとよいので、まとめたページをご覧ください。
意味① 【自発】 自然と・ふと~② 【受身】 ~れる・~られる③ 【可能】 ~できる *主に打ち消しの文脈で使用➃ 【尊敬】 お~になる・~なさるポイント助動詞「らる」については、「る」といっしょに考えたほうがいいので、まとめたページをご
意味① 【自発】 自然と・ふと~② 【受身】 ~れる・~られる③ 【可能】 ~できる *主に打ち消しの文脈で使用➃ 【尊敬】 お~になる・~なさるポイント助動詞「る」については、「らる」といっしょに考えたほうがいいので、まとめたページをご
意味① 【使役】 ~させる② 【尊敬】 お~になる・~なさる・~ていらっしゃるポイント助動詞の「しむ」は、「す」「さす」といっしょに考えたほうがよいので、まとめたページをご覧ください。