愛情のつもりで注いでいた過剰な思い入れは、誰の得にもならなかった。受け取る側のキャパを見越して適量を与えられないのなら、何もしないほうがましだ。 自分があれしてやりたい、これしてやりたいで頭いっぱいだったんだろ。家族にせよ教え子にせよ、先生の自己満足のための道具じゃないからね 一穂ミチ『スモールワールズ』 人に何かをしてあげた時、私たちは「おれはこんなことをしてあげたんだ」と得意顔になることがしばしばであるが、それがありがた迷惑になっている可能性もある、ということも想定したほうがいい。 自称「善意」が「ありがた迷惑」になる原因は、相手のことをきちんと見ていない、これに尽きる。 んじゃあ、相手の…