朝から晩まで、面白味のない些末な用事ばかりしていると、自分に能力があるという実感が持てない。カーペットに掃除機をかけるのは、誰でもできる。祖国のために生命を捧げた兵士ならば、御影石の記念碑に名前のひとつでも刻んでもらえるだろう。だが家事はそうではない。家庭内を平穏に保ったからといって、ノーベル賞がもらえるわけでもない。母親が文句ばかり言うのは、自分のやっていることを認めてもらいたいのに、きちんと評価されないからだ。 アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ『嘘つき男と泣き虫女』 私たちは平凡で誰もができるようなことには価値を見出さず、特別で誰もできないようなことに価値を見出す。 何かと何かを比べて、そ…