chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • ものを捨てて、ものを大事にするから金が貯まる

    (埋没費用の誤謬(サンクコスト効果)の)もっとも強力な要因は三つ目の「エゴの防御」だった――「この投資を成功させることができれば、私が正しかったことを、自分自身にも他人にも認めさせることができるに違いない」。 アダム・グラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 幸福になるために大事にする習慣を身につける必要がある。 そして大事にする習慣を身につけるためには、使っていないものを手放して身の回りのものを使っているものだけにし、普段使っているものを大事にすることを心がけていく必要がある。 ものを使うためには必ず時間と労力が必要になり、私たちの時間と労力は限られているため、ものを多く…

  • 「正しい自分」に執着しているということ

    協力関係において、テイカーが「視点のズレ」を考慮することはまずない。自分の観点からしか物事を見ようとしないので、ほかの人が自分のアイデアや意見にどんな反応を示しているか、結局気づかない。 調査では、他人の視点から見るといっても、たいていの人は自分のものの考え方からでることはなく、「この場合、『私』ならどう感じるだろうか」と自問する傾向があることがわかっている。そうやって贈り物をすれば、自分が選んだ品を自分が受けとった喜びはイメージできる。 ただし、これは受けとる側が経験するのと同じ喜びではない。受けとる側は好みが違っているからだ。 人を真の意味で助けるためには、自分のものの見方の外に出なければ…

  • 相手のことはちゃんと見えない

    人間は「他人がしてくれたこと」より、自分が「してあげたこと」に関する情報をより多く手に入れる。自分がした努力はすべて分かっているが、パートナーの努力については一部を目撃するにすぎない。 アダム・グラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 私たちは相手のことをあたかも全てわかっているかのように決めつけ、賛辞を送ったり誹謗中傷したりするのだけれど、実際問題、私たちには相手のことがよく見えていない。 相手の言動の一時的な一部分を見て、ただそれだけで相手のことを決めつけているに過ぎない。 それは実際の等身大の相手ではなく、相手の言動の一時的なごく一部を材料に自分なりの解釈を加え、自分…

  • 自分ではないものを自分の価値の根拠にする生き方

    テイカーは、自分がほかの人より優れていて、別格の存在だと考える傾向がある。だから他人に頼りすぎると、守りが甘くなってライバルに潰されてしまうと思っているのだ。 アダム・グラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 テイカーというのは言い換えると、優越感を主軸にて生きている人のことだ。 いかに優越感を得られる人生を送ることができるのか、これが人生の目的になっていて、自分が上位であることに切実にこだわる。 テイカー自身の中では、何が上で何が下なのか、何が価値があるということで何が価値がないということなのかという定義があるのだけれど、基本的にその上や下や価値のあるなしは自分自身ではな…

  • 幸福な人は大事にすることが習慣として身に付いている

    価値を交換するのではなく、リフキンはひたすら価値を「増やす」ことを目指している。彼はあるシンプルなルールにもとづいて、人の役に立とうとする。それが「五分間の親切」だ。「五分間もあればできる親切を、”誰にでも”喜んでしてあげるべきなんです」 初対面の人に会うたびに、リフキンは相手にいくつか質問して、「五分間の親切」を実行するチャンスを探す。いまどんな仕事に取り組んでいるのか。何か困ったことはないか。意見やアドバイス、誰か紹介してほしい人はないか。 アダム・グラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 私たちは自分の中に一定の基準なり条件を持っていて、その基準なり条件を満たしていな…

  • 優越感のために生きる

    研究チームはさまざまな組織で、従業員に互いの交流を、「非常にエネルギーを奪われる」から「非常にエネルギーを与えられる」までの各段階に分けて評価してもらった。そうしてできあがったエネルギー・ネットワーク・マップは、なんと銀河系のモデルにそっくりだったのである。 テイカーは、まるでブラックホールのように、周囲の人びとからエネルギーを吸いとっていた。ギバーは太陽のように組織中にエネルギーを注入していた。ギバーは自分の考えを押しつけたり、手柄を独り占めしたりすることなく、仲間が活躍できる機会を作っていた。また、提案に異議があるときでも提案者をけなすことをせず、敬意をもって接する。 アダム・グラント『G…

  • 自称大人が日々囚われているもの

    テイカーは、ナルシスティックな、実物以上によく見える自分の写真を投稿していた。(中略)投稿している情報は、押し付けがましく、自己中心的で、もったいぶっていると見なされ、使っている引用も、傲慢な印象を受けると評価された。テイカーはまた、フェイスブックの「友だち」がやたらと多かった。自分をよく見せるために、上辺のだけのコネクションをせっせとつくり、頼み事ができるように連絡を保っているのである。 アダム・グラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 「イメージ」「外見」「外向け」といった言葉が、邪悪な人たちの道徳性を理解するうえで重要なものとなる。彼らには善人たらんとする動機はないよ…

  • 幸不幸は習慣が10割

    テイカーが権力を手にすると、部下や同僚にどう思われるかを気にしなくなり、利己的な目的を追求し、できるだけ多くの価値を手に入れる権利があると感じるようになる。やがて、同僚や部下を冷遇したせいで、彼らとの人間関係は壊れ、自分に対する評価もガタ落ちになる。 テイカーは自分のことで頭がいっぱいなので、三人称の代名詞(私たち)より、一人称の代名詞(私)を使うことが多い。 アダム・グラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 私たちは根本的に大事にされたいと思っている。自分の存在が肯定されたいと思っている。つまり寂しさを抱えている。 そして、価値のある人間になれば大事にされると思い込んでい…

  • 最近購入した整えアイテム5選

    幸福になるためには「分けて否定する」という習慣を離れて、「大事にする」という習慣を身につける必要があり、日常をそういう軸で過ごせば、自ずと幸福になっていく。 その一環として最近購入した整えアイテムは以下のとおり。 1|浄水器(クリンスイ) 体を大事にするために水分補給はこまめにしたほうがいい。 聞くところによると、水は1日2リットルくらいは摂取したほうが良いらしい。 そして、水は毎日摂取するものであるため、なるべくきれいなものを使ったほうがいい。 大分の水道の質がどの程度のものかワケワカメだが、浄水器を通したほうが間違いはないと思われる。 クリンスイの浄水器はかれこれ7年ほど愛用していて、料理…

  • テイカーは分けて否定する

    テイカーは部下に対しては支配的になるが、上司に対しては驚くほど従順で、うやうやしい態度をとる。有力者と接するとき、テイカーはまさにペテン師になる。 イギリスの辞書編集者のサミュエル・ジョンソンはかつてこう書いたといわれる。「自分にまったく利益をもたらさない人間をどう扱うかで、その人がどんな人間かがはっきりわかる」 アダム・グラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 私たちは「価値のある人間は大事にされる」「価値のない人間は大事にされない」という根強い思考パッターンの中に生きている。 だからこそ、私たちは人から大事にされたくて自分はこんなに価値のある人間なんだということを必死に…

  • ものを循環させる

    引っ越しも終わり、ようやく大分での日常が始まった。 私の日常は基本的に家事・運動・読書・瞑想・労働・アウトプット(ジャーナル・ブログ・Youtube)で、やはりいつものこれらがいい感じのリズムで揃うと一日一日が整って実に心地が良い。 引っ越しに伴い、カーテンを買い替えたり(サイズが部屋に合わなかった)、照明器具を買ったり(部屋に照明器具がなかった)、電気会社を変更したり(東京で契約していたものは九州は非対応だった)と、これまでの日常を構成していたものを再編成する必要が出てきたのだけれど、まさに諸行無常という感じでいい気分転換になる。 私たちは自分ではないものを自分であると勘違いし、ものに執着し…

  • テイカーかギバーかという軸を別の言い方で表すと

    テイカーが自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。テイカーなら、得られる利益が損失を上回る場合にかぎり、相手の有利になるように協力する。一方ギバーなら、いつ何時も、損失より「相手」の利益のほうが上回るように手を差し伸べるのだ。 アダム・グラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 私たちには「分けて否定する」という傾向が強く、何事も区別し線を引きたがる。 その線引の一つにテイカーかギバーかというものがある(マッチャーというのもある、成功するギバー、失敗するギバーというのもある)。 テイカーかギバーかという軸を別の言い方で表すと「…

  • 話を聴けない思想

    論理的に説明することはできないが、たくさんの人のたくさんの場面に立ち会ってきたからこそ確信することがある。 相手の幸せを真剣に願った人から生まれた問いには、ものすごい力がある。 偶然のようで、必然の問い。その場でしか生み出されない問いというものが、聴くという場にはある。 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』 気分のよい対話では、話す方は「言うつもりのなかったこと」を話して、「ほんとうに言いたいことを言った」という達成感を覚えます。聴く方は「聴くつもりのなかった話」を聴いて、「前から聴きたかったことを聴いた」という満足感を覚えます。言い換えると…

  • 必死に自分の正しさにしがみつく

    「この発言や行動にも肯定的意図があるのだろう」 「この人にはどんな景色が見えているのだろう」 と想像力を働かせてみるだけでも、聴く技術は維持されるだろう。 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』 ある人の言動にはどのような意図があるのか、どのような思いがあるのか、どのような考えがあるのか、その人には世界がどのように見えているのか、そしてそれはなぜなのか。 相手としかと向き合うためには、上記みたいな感じのニュアンス的な雰囲気っぽいことを考える必要があるのだけれど、私たち自称大人は自分は正しいという前提に立ち、自分が感じたとおりに相手はあると思い込…

  • 責めるから悪く見える

    自分の観察によって下される判断(聴くと伝えるの選択)が適切でない時があるかもしれないという前提からスタートすることはとても大切だ。 事実を解釈し、判断を下しているのは、あなたの価値観や信念というフィルターだ。 それらは、あなたの過去の経験(主には強い成功体験・失敗体験)からつくられるものであり、常に正しい答えを導き出せるフィルターではない。 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』 ずっと愚痴や不平不満や文句を言っている人がいるのだけれど、それはそれでまぁ個人の自由なので良いとして、どうして愚痴や不平不満や文句が延々と出てくるのかというと、責める…

  • 今日も虚構を生きる

    自信過剰型とは、自分の理想や周りの期待を、自分が超えていると考えている状態だ。「自分はできている」と思っているが、周りから見ると「本当にそうかな」と見えているケース。現状と理想には負のギャップがある。 これまでの自分を否定する必要はないし、その場に最適な判断をしていることも多々あるだろう。しかし、自分の観察力に建設的な懐疑心を持っていることはとても大切だ。 自分はどんな判断をする癖があるのか、その癖を生み出している自分の価値観や信念(思い込み)がどんなものなのか。このようなことに意識的になっていくことが、聴くと伝えるの選択の精度を高めていく。 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質…

  • ホテル暮らしの日常

    東京の部屋を明け渡し、赴任先の大分へ向かっている。 部屋の荷物が到着するまで数日ホテル暮らしになる。 ホテル暮らしになっても基本的に日々のルーティンは変わらない。 起きたら白湯を飲んで、散歩をして、体を軽く動かして(ストレッチとスクワット)、冷水シャワーを浴びて、瞑想をして、書く。 特に欲しいものや行きたい場所もないので、日中はぶらぶらと散歩をするか、コーヒーを飲みながら本を読む。 夜は部屋で筋トレ、瞑想、読書。 誰かと一緒でない限り酒は飲まない。 自炊ができないと外食になり、外食になると栄養のバランスが取りにくい。 外食時に食べすぎないように気をつけ、またスーパーで果物を買って意識的に摂取す…

  • 寂しいから必死にアッピールする

    特に「一般的には」「普通は」「客観的に見たら」「みんな」「他の人も」といった言葉が頭の中に浮かんできたら気をつけたほうがよい。自分の意見がいかに正しいかを、それらの言葉を利用して説得しようとしているだけのケースが多い 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』 私たちは今現在の主観からは絶対に抜け出せない。 今現在捉えていることは今現在の自分の心のフィルターによって必ず歪められていて、自分が捉えていることはあくまでも自分なりの解釈でしかない。 「自分にはこう見える」ものでしかなく、「自分にはこう感じられる」ものでしかなく、それは万人に共通する正しい…

  • 実現しようとしているイッメージ

    人間は、「脳内にイメージしたものを実現しようとする」生き物だ。「肯定後と否定語を区別できない」という言い方をされることもある。 ポジティブフィードバックであれ、ギャップフィードバックであれ、基本的には指摘すればするほど、そのことに意識が向くことで、その事象の発生頻度が上がっていく。これがコミュニケーションの基本原則だ。 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』 人からこういうところは良いところ、と言われたらそのことに意識が向いて、その良いことの発生頻度が上がる。 人からこういうところが悪いところ、と言われたらそのことに意識が向いて、その悪いことの…

  • 2種類の自称大人

    相手を俯瞰的に、客観的に捉える視点ではなく、相手の主観的な視点で、相手が見ている景色を一緒に見ようとする。相手が感じていることを一緒に感じようとする。(中略) もちろん、全く同じ景色を見ることはできない。しかし話し手は、聴き手が自分の見ている景色を一緒に見ようとしてくれていると思うと、安心して話せるのだ。 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』 自称大人になり年齢を重ねてくるとおそらく人は大きく二つのタイプに分かれてくる。 自分は正しいと思い込む自称大人と自分の愚かさに気がついている自称大人。 前者の自称大人は、現実は自分が見ているとおりに存在…

  • 10月が楽しみだ

    10月からの転勤することに伴い、8月中旬からここ最近まで送別会ラッシュが続いている。 今日から大分の新居に入るまでも何だかんだで夜は誰かと食事をすることになっていて、当然その席では酒を飲むことになる。 送別会を開いてくれるのはありがたいし、楽しいことなのだけれど、食生活や睡眠リズムが乱れがちになっているのも否めない。 非日常というのはやはりほどほどにしておかないと心身を大事にすることはできない。 先日、大分に業務の引き継ぎと部屋を探しに行ってきた。 部屋は職場から近いところにした。 徒歩で5~10分ほどだ。 近所にスーパー、ドラッグストア、本屋、カフェ、温泉がある。 気持ちよく散歩やジョギング…

  • 一つという思い込み

    自分の中にある多面性を認め、それぞれを大切にする。つまり、それぞれの肯定的意図を自分自身がちゃんと聴く。すると、それぞれの自分の違いを活かし合い、補い合う選択ができるようになる。 それができるようになると、誰かの話を聴く時にも「相手の中にも複数の人格がある」ものとして関われるようになる。 自分の中の多面性を認められない人には、本当の意味で多様性を認めることはできないと私は考えている。 自分のある一面を悪者扱いし、見てみないふりをして押し殺す。「痩せたいんだから、おやつを食べたい自分はダメなヤツ。そんな自分は自分の中から追い出してやる」という発想は、他者との関係性において「私の考えが正しいから、…

  • 否定の否定としての肯定

    人は否定語を受け取るのが難しい。 言葉としての指示を理性的に判断し行動するよりも、脳内にイメージしたことを実現しようとする習性のほうが、強く働くことがあるのだ。 この人間の習性を上手に活用するのが、会社のビジョンであったり、コーチングで未来をイメージする、という行為だ。 望む未来をありありとイメージすればするほど、その実現可能性は高まると言われている。 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』 何かをイッメージすること、何らかのビッジョーンを持つことはとても大切なのだけれど、そのイッメージなりビッジョーンの根本的な出どころを考える必要がある。 そ…

  • 「自分は正しい」と思い込んでいるから聴けない

    相手が悪い行動をした時や、自分とは異なる意見や考え方の話を聴く必要がある時がある。ここで行動と意図が切り分けられず、悪い行動をした人は、悪い意図を持っているに違いないという前提に立つと、ちゃんと聴けない。 櫻井将『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』 幸福になるためには、自分が自分を大事にする必要があり、自分を大事にするための一環として他人も大事にする必要がある。 しかしながら、私たちには懲罰思想というものがあり、それが自分や人を大事にすることを妨げる。 懲罰思想というのは、自分なりの基準(常識、正しさ、価値観)の中で「悪」や「価値がない」と見なした…

  • 「自分なりの現実」しかない

    一言で現実を呼ばれるものを理解するのは、やさしいことではない。世界の現実とか世の中の現実などとあっさり言うが、そこには事象の断片が散らかっているだけだ。とりとめもない現実のなかで、一人ひとりの人生も散漫になっていく。 辺見じゅん『収容所から来た遺書』吉岡忍「解説」 私たちが「現実」と呼んでいるものは、「自分なりの現実」でしかなく万人共通の現実というものはない。 なぜかというと、私たちは物事をありのままに捉えておらず、必ず自分の心のフィルターを通して捉えており、その見え方は日々の習慣、思考パッターン、過去の経験により必ず歪められ、その歪み具合は人それぞれ千差万別だからだ。 このことを理解できてい…

  • 道義、誠、まごころ

    また君達はどんなに辛い日があらうとも、人類の文化創造に参加し、人類の幸福を増進するといふ進歩的な思想を忘れてはならぬ。偏頗で矯激な思想に迷ってはならぬ。どこまでも真面目な、人道に基づく自由、博愛、幸福、正義の道を進んで呉れ。 最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである。友だちと交際する場合にも、社会的に活動する場合にも、生活のあらゆる部面において、この言葉を忘れてはならぬぞ。 人の世話にはつとめてならず、人に対する世話は進んでせよ。但し、無意味な虚栄はよせ。人間は結局自分一人の他に頼るべきものが無い――という覚悟で、強い能力のある人間になれ。自分を鍛えて行け! 精神も肉体も鍛へて、健…

  • 自分は正しいという大前提の下

    漱石の如きは四十二歳の時、 『小生はこれまで神仏など信じた事は無き之候。唯自分といふのだけを信じて暮して居り候。所が近頃その自分といふものがつくづく当にならぬことに気がつき申候。この上は何を信ずべく候』と述べた。後になって学者の間では『之こそ東洋哲学の道の自覚者だ』と云々した 辺見じゅん『収容所から来た遺書』 夏目漱石先輩クラスの規格外の知性をもってしても自分というものに確信が持てないのだけれど、おそらく知性なり賢さが一線を超えた人というのは、自分は間違っているのかもしれないという茫漠とした境地に居続けることができるのだろう。 それ故に、何かを探求し続けることができるし、柔軟に考えを改めること…

  • 結局、温かさ

    「野本さん、釈迦はね、世界最大のセンチメンタリストなんだよ。キリストは詩人なんだ。ぼくはね、なんのとりえもない凡人だけど、どんなときでもセンチメンタリストでありつづけたい。結局ね、パトスだけがわれわれ人間にとって最初の審判者であり、また最後の審判者なんだ。そう思えてきたよ」 辺見じゅん『収容所から来た遺書』 ここでいう「パトス」というのは「感情」や「思考パッターン」で「センチメンタリスト」や「詩人」というのは「温かい」や「寛容」ということだろう。 ゴータマ・シッダールタ先輩やキリスト先輩を始めとする異次元の賢者たちは「温かい感情」や「寛容な思考パッターン」を体得していて、それ故に、他人や自分を…

  • 無色透明なものを解釈しているだけ

    写生といふ事を皮相に解釈してなんでもかんでも見たままの事実を句にして万事事了れりとする初心者が多い。事実より真実へ、現象より本質へとゆかねばならぬのである。正しく言えば事実を通じて真実を、現象を通じて本質であらう。 辺見じゅん『収容所から来た遺書』 ある現象や出来事や発言や行動が、事実として起こる、発生する。 例えば、誰かが自分の目の前を通り過ぎる。 その事実に対して、ある人は無視されたと感じる、ある人はきれいな人だな感じる、ある人はなんだあの目つきはと感じる、ある人は何も感じない、ある人は邪魔だなと感じる。 誰かが目の前を通り過ぎるという一つの事実に対して人それぞれ解釈をする、色をつける。 …

  • 自分の世界の振り返り

    他人の死は数え切れないほど見てきた。「死」の痛みにさえ鈍くなっていた。ましてやシベリアの空が美しいなどと考えもしなかった。第一、空をしみじみと眺めてみるような心の余裕などなかった。不思議な人物もいるものだという驚きとともに、「そうか、シベリアにも青空があったのか」という、思いがけないものでも見つけたようなほろ苦い気持が広がった。 辺見じゅん『収容所から来た遺書』 過酷な状況におかれても美しい空を見いだせる人とそれに気がつかない人がいる。 同じ状況に直面しても、そこから何を見出すのか、それに対してどう反応するのかというのは一人ひとり異なる。 こう反応しなければならない、ああ反応しなければならない…

  • 大事にすることは楽しいこと

    お客さんを喜ばせる、困った人を助ける、これは一言で言えば他人を愛するということだ。でも、僕たちにとって愛は、それを口にするのも恥ずかしいくらい「道徳的」で、「しなければならないこと」になっている。だからこそ多くの人は、人を愛することを「楽しむ」習慣がないのだろう。でも僕たちにとって本当は人を愛することは楽しくて気持ちのいいことで、経験を通してその気持ちを大きくしていく 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 愛するということは、大事にしてあげる、整えてあげるということで、実際に何かや誰かを整えることというのは楽しいことだと思う。 これは実際に自分の日常を整え、自分の体や心や持ち物や身近な人を大事にする…

  • やっぱり心なんだよな、まじで

    お金持ちになるか、貧乏のままでいるか、それは心が決めるんです。心が変わって、行動が変わって、その結果が世界に反映されます。 お金で買える喜びはすべて――素敵な服も、おいしい食べ物も、優雅な部屋も、豪華な旅行も――他人が作ったものです。でも、どんなにつらい状況でも、それを楽しもうとする気持ちさえあれば、人は、自らの手で喜びを作り出すことができます。お金がなくても、人は幸せになることができるんです 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 金持ち=幸福という図式が嘘であるの間違いない。 金持ちなのに日常生活が悲惨、人間関係が悲惨、精神衛生が悲惨な人というのはたくさんいるし、調べると枚挙に暇がない。 金持ち=…

  • 「価値のある人間」を演じながら過ごしている

    「『いい人』というのは、他人を喜ばせるのではなく、他人から嫌われたくないという気持ちから自分の欲求を抑えつけてしまう人です。でも、そういう人が何かを手に入れることはありません。なぜなら――自分の欲求を抑え続けることで、どんどん『やる気』を失ってしまうからです」 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 私たちは日々、自分なりの「価値のある人間」を演じながら過ごしている。 いい人 できる人 賢い人 裕福な人 幸福な人 ポジティブな人 頑張っている人 正しい人 温かい人 優しい人 寛容な人 おしゃれな人 可愛い人 まともな人 善良な人 敬虔な人 ちゃんとした人 悟っている人 モテる人 人気な人 かっこいい人…

  • 無意識の内にやってしまっている悪癖

    「(略)お客さんを励ますためにやってるんだけど、自分を励ましているみたいな感覚というか……」 幸子さんはうなずいて言った。 「実は『他人に対する言葉や行動は、自分に対する言葉や行動』でもあるんですよ」 「え? どういうこと?」 「たとえば、貧乏のことを悪く言う人がいます。するとその人は、自分が貧乏になりそうになると『ああ、自分はだめな人生を送っている』と自分自身を責めなければならなくなります。また逆に、人の良いところを見つけられる人というのは自分の良い部分も見つけることができます」 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 私たちは自分で自分に苦痛をもたらしているにも関わらず、その道理が理解できずに、多…

  • 否定して逃げるから不安が生じる

    不安になったとき、僕はすぐにそこから逃げだそうと考えてしまう。でも逃げようとすればするほど不安は大きくなっていく。 そうではなく、思い切って不安の中に飛び込んで自分のできる限りのことをしていると、不安はまるで幻だったかのように消える瞬間がある。 不安に実態はない。自分の不安に対する姿勢が、そのまま不安の大きさを決める。 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 不安というのは、言い換えると、他人に証明したい価値のある自分像が証明できなかったらどうしよう、価値のある自分像が崩れて人から価値のない自分として見られたらどうしよう、というある種の恐怖ということになる。 私たちは人からいかに価値のある自分として見…

  • 私たちの多くの努力は人を見下して優越感を得ることに注がれている

    人をホメる人でも貧乏な人はたくさんいますよ。たとえば相手をコントロールしたくておべっかを使ったり、ただ嫌われたくないという理由だけで人をホメる人は貧乏な人が多いですね 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 自分が発する言葉、行動、その根底には何らかのモチベーションや思いがある。 同じ褒めるにしても、相手を自分の思いどおりにしたい、支配したいという思い、つまり相手を粗末にしたいという思い、あるいは嫌われたらどうしようという不安、誰かからの評価や好意によって自分の価値を規定しようとしている思いから発せられた言葉なのか、相手の存在を肯定し、大事にしたいという思いから発せられた言葉なのかで、結果は大きく異な…

  • 貧乏神を引き寄せる思考パッターン

    「あの人、きっとこれからも貧乏ですよ」 「どうしてそんなことが分かるの?」 「だって、あの人は気持ちさそうに人を責めているじゃないですか。人を責めたり批判したりすることが好きな人って他人が不幸になることを望んでいる人ですから。そういう言葉を口にすればするほど貧乏神というのはその人に近づいていきたくなるんです」 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 私たちは一人ひとりが、善悪の基準を持っている。 どのような人が良い人で、どのような人が悪い人なのか。 どのような人が価値のある人で、どのような人が価値がない人なのか。 (この時点で、本来多面的な人間を一面的なものとしてしか捉えようとしないという私たち自称大…

  • 無常の転勤通知

    先日、急遽、これまで話したこともない職場の幹部に呼ばれ、転勤を言い渡された。 転勤自体に抵抗はなく、来年の3月には別の土地に引っ越すのだろうなとは思ってはいたのだけれど、その時期が予想以上に早く来た。 てなわけで、10月から大分県に住むことになった。 海もあるし、緑もあるし、温泉もあるし、大分駅周辺はちょうどいい便利さだろうし、とても楽しみだ。 何かのきっかけで生活拠点がガラリと変わるというのは、諸行無常を痛感させてくれるのでなかなか勉強になる。 「東京住みに住んでいる自分」というセルフイッメージを持っていて、その虚像を紛れもない自分だと思い込んでいたものを、一瞬で突き崩してくれる。 (諸行無…

  • 「何者かになりたい」というのはどういうことなのかというと

    このまま毎朝同じ電車に揺られ、同じ作業を繰り返して一生を過ごしていくのだろうか。僕の名前は誰にも知られず、何者にもなれないまま、この世界から消えていくのだろうか。 人間にとって一番怖いのは、将来が見えないことじゃなくて、将来が見えてしまうことなんだ。 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 「何者かになりたい」というのはどういうことなのかというと、有名になって、優越感を得たいということだ。 自分はこんなにすごい人間なんだ、こんなに価値のある人間なんだということを世の中に示したい。 何らかの偉業を成し遂げ、自分の名前を世界に轟かせ、歴史に名を残したい。そうでなければ誰にも知られないし、そのような人生でな…

  • 【悪用厳禁】優越感を得る方法|他人を粗末に扱う

    結局、自分より強い女とは、一緒に暮らせない男なのだ。弱い女と暮らすことでしか、自分の弱さを認めることができない、幼稚で、バカで、キスがうまいだけだけの男だったのだと、今、乃里子ははっきりとそう思う。 吉田修一『日曜日たち』 価値のある人間でなければ大事にされない。 価値のある人間でなければ生きていてはいけない。 価値のない人間は否定される。 価値のない人間は見捨てられる。 このような恐怖や不安や強迫観念に突き動かされて、私たちは、自分がいかに価値のある人間なのかを証明することに人生の膨大な時間と労力とお金を注ぎ込んでいる。 自分の価値を証明するためにある人はお金をかき集めようとするし、権力をか…

  • 自分が自分を粗末にしているから不条理な苦しみがやってくる

    最初のころは、帰りが遅いと言っては恭一に小突かれ、休みの日にいないと言ってはぶつぶつと文句を言われていたが、いつの間にか、何を言われても、何をされても、堂々と、「お願い、やめて」と言えるようになっていた。 自分よりも数倍ひどい悩みの相談に、日々乗っているからだろうかと初めは思っていたが、そうではない。この苦しみの先に、いったい何が待っているのか、それを知っているか知らないか、その違いがあるだけなのだ。不条理な苦しみは、明日を待っていても解決されない。 吉田修一『日曜日たち』 物事の解決方法は、物事を俯瞰的に見て、事実関係を正確に掴み、正しい因果関係に則って正しい判断をし、正しい行動ができるかど…

  • 理想の相手の見つけ方

    夫や恋人の暴力で悩んでいる女性というのは、どこかプライドが高いところがある。こんなはずじゃない、自分の人生がこんなことになるはずがないと思っているから、こんなはずじゃない自分の姿、こんなことになっている自分の生活を、誰にも語れなくなってしまうのだ。 吉田修一『日曜日たち』 私たちは一人一人理想の生活像を持っている。 それはそれで問題ないのだけれど、その理想がいつの間にかある種の強迫観念みたいな感じのニュアンス的な雰囲気になり、こういう生活を送っている人でないと価値がない、こういう生活を送れないと人生意味がない、という風に特定のライフスッターイルが自分の価値を規定するかのように思い込んでしまう。…

  • 類は友を呼び、殴り殴られる

    『日曜日たち』 夫や恋人に殴られた女性が、次第に「自分が悪いから殴られるのだ」と思い込むようになるという説は往々にして的を射ている。それは殴られているときの自分しか、見えなくなってしまうからだと乃里子は思う。 吉田修一『日曜日たち』 私たちは多くの場合、懲罰思想に毒されていて、自分が気に食わない人間を悪とみなし、悪は苦しめてもいいと当然のように思い込んでいる。 相手の一部分を見て、それが気に食わなかったら、相手全体を悪の塊のように見てしまう。そして悪は殴って傷つけて苦しめてもいいと思っている。 だからこそ、自分が殴られた時に「殴られたのは自分が悪いからだ」と思い込んでしまう。 無論オムロン、殴…

  • 本で読んだ料理を作ってみた

    ごつい鍋にオイルを多めに入れて10分ほど熱してから、鶏肉、タマネギ、ニンジンのみじん切りをぶち込み、すぐさま蓋をし、派手な音を立てながら炒めている。落ち着いたところでコンソメを投入。美味そうな匂いがただよってきた。このソースをスパゲティにぶっかけていただくのだ。 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』 本を読んでいると、脳髄ががらんどうの私でも作れそうで実にうまそうな料理が紹介されていることがある。 それを今回作ってみたのだけれど、普通にうまい。 料理名は忘れたか、そもそも記載がなかったかもしれない。 スパゲッティはなかったので、玄米で代用。 料理というのは案外とシンプルで、とにかく素材…

  • 人間の世界では、他者から自分の存在を認めてもらうために

    生物の世界では、異性に好まれるために、生存に不適な極端な形質が進化することがある。クジャクのオスの派手な羽なんかがその典型例だ。大きすぎて動きにくいったらありゃしない。 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』 人間の世界では、他者から自分の存在を認めてもらうために、生存に不適な極端な自我が進化することがある。人間の貪欲なんかがその典型例だ。大きすぎて動きにくいったらありゃしない。 というのは言い過ぎかもしれないが、一理はあると思う。 私たちは根源的に誰かに大事にしてもらいたい、認められたいという欲求を抱えている。 そうなのであれば、寛容な誰かに「自分は自分のことを大事にしてもらいたいと思…

  • 非日常の楽しさは日常に苦しさに支えられている

    寂しさを感じるときには、あるパターンがあった。決まって時間にゆとりがあるときだ。暇なときに寂しくなっている。なるべき仕事を詰め込んで忙しくし、寂しさを相殺するようにした。 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』 私たちは何もない時間を何もない時間として過ごすことがほとんどできない。 特に何もやることがなければ、お茶でも飲んでゆっくりしておけばいいのだけれど、何かとやることを詰め込んだり、スマホや飲酒やギャンブルやテレビや読書で気を紛らわせる。 あるいは意味もなく街やショッピングモールをふらつき歩く。 なぜかというと、何もしていないとき、時間を特定の何かのために使っていない時に、寂しさや不…

  • 「上位◯%」・「底辺」という幻想

    上を向けば涙はこぼれないかもしれない。しかし、上を向くその目には、自分よりも恵まれている人たちや幸せそうな人たちが映る。その瞬間、己の不幸を呪い、より一層みじめな思いをすることになる。私も不幸な状況にいるが、自分より恵まれていない人は世界には大勢いる。その人たちよりも自分が先に嘆くなんて、軟弱もいいところだ。これからつらいときは、涙がこぼれてもいいから、下を向き自分の幸せを噛みしめることにしよう。 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』 「上位◯%の人間」、「底辺」という言葉がある。 その言葉の前提には「こういう人間は上で、こういう人間は下」というイッメージが個々人なり、特定の集団にある…

  • 最近購入した整えアイテム4選

    幸福になるためには自分が自分を大事にする必要がある。 自分が自分を大事にする一環として最近購入した整えアイテムは以下のとおり。 1|カモミールティー 夜は食後、皿洗いを済ませた後にカモミールティーを飲むようにしている。 カモミールティーはノンカフェインで安静、安眠効果があり、夜のチルタイムには必須アイテムになっている。 夜のチルタイム時に1日の振り返りを上に書き出しながらぼさっとする。 1日の振り返りとして、ありがたかったこと、反省点、やりたいこと、欲しいもの、自分の考え全般(今自分が思い込んでいる、固定化して捉えていること)を書き出すだけなのだけれど、それだけでも自分のことが色々とわかる。 …

  • 世界は思い込みでできている

    男と女はもともと作りがちがっている。この事実を認めようとせず、勝手な期待を相手に押しつけると、男女関係が暗礁にのりあげる。人間関係で降りかかるストレスのほとんどは、男と女はまったく同じで、同じような欲望や衝動を持ち、大事に思っていることも同じだというまちがった認識が原因になっている。 アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』 私たちは自分は絶対に正しく、自分が思っているとおりに世界や他人はあると思い込んでいるのだけれど、全ては個人的な思い込みでしかないし、個人的な解釈でしかないし、個人的な推測でしかない。 (シンプルに、この世には自分と自分の解釈しか存在しない。そし…

  • 自分ではないものに振り回される発想

    心酔とは「その人のことがふと頭に浮かんだが最後、忘れられなくなる状態だ。意識するのは相手の良いところばかりで、悪いところは目に入らなくなる」とフィッシャー博士は説明する。 パートナー候補者と絆を深めることが、心酔の目的である。この感情はとても強く、たとえようもない幸福な気持ちをもたらしてくれる。だが相手に拒絶されると、気持ちの強さが災いしてやけくそになったり、妄想にとりつかれたりする。 アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』 心酔というのは恋愛感情の1つで、ある種の執着なのだけれど、この執着というのは自分ではないもので自分の価値を規定しようとする発想から生じている…

  • 夏の朝のジョギング的幸福論

    幸福になるためには自分が自分を大事にしていく必要があり、その一環として適度な運動というものが必要になってくる。 (幸福というのは自分が自分のことを大事に思えて、自分が自分を大事にし続けることができるようになった状態のことであるため、他人から大事にされることばかりを考えていたら一向に幸福にはなれないので要注意だ ) 適度な運動の一環として私はジョギングを週2回やるようにしている。 1回は水曜日の労働後、2回目は日曜日の日中。 この時期の問題は日曜日の日中のジョギングで、なぜならば凄まじく暑いからだ。 灼熱の真っ昼間に走り、汗だくになり、そこから冷水シャワーを浴びて、冷房の効いた部屋で、冷えたプロ…

  • 苦しみを生み出す思い込み2選

    本能や自然そのものが、いまの私たちにとって良いとはかぎらない。(中略)(明るい光に向かう本能を持つガは)本能や自然のおもむくままに行動していると、人間の作った駆除装置によって燃やされ、灰になってしまうのだ。人間の男も、自分に備わった欲求の仕組みを理解しないと、ガのように自滅の道をたどるかもしれない。 アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』 私たちは自分は絶対に正しいという前提に立ち、自分は何が良くて何が悪いのかをガチムチにわきまえていると思い込んでいる。 そうした思い込みから自分の考えを正当化する時によく使うのが本能や自然を引き合いに出すことだ。 これは人間の本能…

  • 生きづらさの思考パッターン

    世間の風は、基準からはずれた生きかたを自分で選択した者には冷たいが、生まれつきの障害には温かい。サリドマイドしかり、パーキンソン病、自閉症、脳性マヒしかり。 ホモセクシャルは性的指向を自分で選んだわけではない。ホモセクシャルは、変えようと思って変えられるものではないことは、科学者や性的指向の専門家がこぞって指摘している。同性愛指向は胎児期にほぼできあがっていて、五歳までに完全に定着する。だから本人のコントロールの埒外なのである。 アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』 どうしようもないこと、選択の余地がないもの、そういったものは受け入れやすい。 自称大人の私たちは…

  • 人への反応パッターンが自分の思い込みを作る

    (男が)誤りを認めたくないのは、女に愛想をつかされるのが怖いからだ。でもほんとうは、率直に自分が悪いと言える男を女は愛する。 勇敢であれ。弱みを見せてはならぬ。現代の男は、そんな先祖伝来の気質にいまも縛られている。 アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』 男女に関係なく、誤りを認めない人は認めない。 誤りを認めてしまうと他人から愛想をつかされると思い、それが怖いからだ。 しかし、誤りを認めたからといって他人は絶対に愛想をつかすのか、というとそれは実際のところわからない。愛想をつかされるかもしれないし、つかされないないかもしれない。むしろ誤りを素直に認めたことにより…

  • オールドスパイス購入時の注意点

    私の愛用品の一つにデオドラントの「オールドスパイス」がある。 オールドスパイスはアメリカ発のデオドラントで、香りもいいし、値段も手頃だし使いやすい。 職場の女性からも何かいい匂いがするとささやかながら褒められることがあるが、それは私自身の匂いではなくオールドスパイス先輩の匂いである。 私はワキガでもなく、特に体臭に悩んでいるわけでもないので、オールドスパイスが実際にワキガ対策になるのかどうかはわからない。 個人的にオールドスパイスの質そのものには大満足しているのだけれど1点だけ注意点がある。 それは1本の持続性だ。 私は1日1回、両脇に2~3塗りするだけなのだけれど、2023年の9月に買ったも…

  • 言葉を吐き出させて女性を大事にする

    女がやっかいごとを振りはらうには、それについてしゃべって問題点を認知するしかない。だから今日起こったことを女が話すのは、結論や解決策を見つけるためではなく、憂さを晴らしてすっきりするのが目的なのだ。 一日分のコミュニケーションをこなすために話しているとき、 女は口をはさまれることも、解決策を教えてもらうことも望んではいない。 日々のよしなしごとについてしゃべるのは、女のストレス解消法だ。女にとって話すことは、絆を深める手段であり、心の支えなのだ。 アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』 幸福になるためには、自分が自分を大事にする必要があり、自分が自分を大事にするこ…

  • 「そう見える」からといって「そうである」ということにはならない

    男も女も、自分と同じようにふるまうことを無意識のうちに相手に期待している。だから二人の関係がおかしくなってしまうのだ。 アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』 本来、自分と相手は異なる。 自分が見えている世界と相手が見えている世界は異なる。 自分にも自由な領域があるように相手にも自由な領域がある。 それなのに私たち自称大人は、自分は絶対に正しい、世界は自分が思っているとおりに存在している、なのになんであいつはああなんだ、こうなんだ、ああじゃないといけない、こうじゃないといけないと相手の自由な領域に闖入し、相手を自分の思い込みどおりに動かそうとする。 逆に相手は相手…

  • 自分は「何者かである」と思い込んでいるだけ

    定年は男の人生で一大事だ。生涯でいちばん大きなストレスがのしかかる時期とも言える。ストレスの原因は、仕事がなくなったことではない。もっと大きなもの――つまりアイデンティティが失われたことだ。 引退した男は、まず新しい生活に失望を覚える。元気がなくなって、自分の殻に閉じこもりがちになる。自分はもう社会のお荷物で価値がないと感じ、魂が抜けたようになり、場合によっては過食やアルコール、薬物に走ったりする。しょっちゅう風邪を引き、軽い病気にかかることも多くなる。過去に自分ができなかったことが記憶としてよみがえり、絶望感におそわれる。 アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ『嘘つき男と泣き虫女』 私たちは本来…

  • 精神衛生を保つために理解しておかなければならないことは

    ビジネスの世界では、グレアムの名はよく知られ、大きな尊敬を集めていた。重要な役職に就き、会議に出席し、新人を育て、いろんな難問を解決してきた。(中略)(引退後) ビジネスの助言を求めてくる人がいるかと期待したが、そんな電話はついぞ来なかった。最初のうちは、現役時代の友人とも連絡はとっていたが、それもだんだん間隔があいてくる。昨日までは誰からも一目置かれていた自分が、今日はもう透明人間になっていた。 アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ『嘘つき男と泣き虫女』 精神衛生を保つために理解しておかなければならないことは、この世には記号の世界と実質の世界があるということだろう。 記号の世界というのは、自分で…

  • 何者でもない自分を飾る

    このロマンチック・ディナーも、ひと皮むけば嘘で塗りかためた状況ということになる。デニスのしたことは、すべてシーラに良く思われたいがためだ。シャンパン、ほのかな照明、静かな音楽のどれひとつとして、デニスのふだんの生活にはまったく縁がない。ふだんの話題はもっぱらスポーツのことだ。この夜の演出は、セックスに至るための巧妙な策略だったのだ。こんな風に場面を作りあげれば、シーラがやらせてくれる可能性は高いことを、デニスは経験から知っていた。 そのシーラも、デニスに負けず劣らず嘘つきだ。自分を飾りたてて、デニスの男脳を刺激するような格好をした。第9章で説明した性的シグナルを総動員して、デニスの注目を集めた…

  • 最近購入した整えアイテム

    最近、購入した整えアイテムは以下の通り。 1|ハチミツ 何かのネット動画で、その人が毎朝ハチミツをスプーン1杯摂取している、ハチミツを摂取し始めてから風邪を引かなくなったと言っている光景を見て、何だかピンときていた。 そして、ドラッグストアをヘラヘラしながらプラプラ歩いているとハチミツが売られていて、買ってみることにした。 ハチミツの効果はまだ実感としてはよくわからないのだけれど、軽く調べてみる限りでも、免疫機能の向上、美容効果といったメリットはやはりあるらしい。 私の食生活は基本的に淡白であるため、ハチミツがすごく美味しく感じる。 今では朝のささやかな楽しみになっている。 (function…

  • 自分を見捨てているから怠慢になる

    自分の容貌を気にする女はたくさんいるが、外見を気に病む必要はない。ただ自分の持てる美しさを最大限に引き出すよう、努力することが大事なのだ。ヘレナ・ルビンシュタインも言っている。この世に醜い女はひとりもいない、いるのは怠慢な女だけだと。 アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ『嘘つき男と泣き虫女』 私たちは基本的に自分のことを見捨てる傾向にある。 私たちは個々人がこういう人間には価値があり、こういう人間には価値がないという基準を持っていて、さらに価値がない人間はどうなってもいいと考える傾向がある。 この価値判断と反応パッターンは他人に対してだけではなく自分に対しても作用し、自分が自分に対してこんな自分…

  • 日々の「思い込み」と「現実」

    女は今日あったことを男に話し、同じ気持ちを分かち合いたいだけなのに、男は解決するべき問題が提示されたと思って、アドバイスをはじめてしまうのだ。自分の話を聞いてもらえない女も、自分の解決策を受け入れてもらえない男も腹を立てる。(中略)男も女も、自分の話がないがしろにされていると憤慨する。 男は女の問題を解決してやることで、愛情を表現しているつもりなのだ。でも女は、男が自分に無関心だし、気持ちを踏みにじっていると感じてしまう。 アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ『嘘つき男と泣き虫女』 自分は陰毛の生え揃った大人。 だから自分は正しい、自分は何事もわかっている。 自分の正しさ全開で自分が相手のことを大…

  • 優越感のために人が悪いままであることを願っている

    言う側は相手に正しい行ないをさせたいと思いつつも、そのいっぽうでいつまでも行動を改めないことを願っている。 アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ『嘘つき男と泣き虫女』 相手の間違いを指摘し、相手を責めることは気持ちが良い。 人の過ちを指摘する自分は正しい人間なんだというところに立つことができ、価値のある自分というものを感じることができ、価値のある存在はここに存在していてもいいと自分を肯定できるからな。 しかしながら、相手が本当に行動を改めてしまうと、相手を指摘して優越感に浸り気持ちよさを感じることができなくなってしまう。 よって、心の奥底ではいつまでの相手が改めるべき行動を続け、自分が指摘するとい…

  • 平凡なことに価値を見出すという特別

    朝から晩まで、面白味のない些末な用事ばかりしていると、自分に能力があるという実感が持てない。カーペットに掃除機をかけるのは、誰でもできる。祖国のために生命を捧げた兵士ならば、御影石の記念碑に名前のひとつでも刻んでもらえるだろう。だが家事はそうではない。家庭内を平穏に保ったからといって、ノーベル賞がもらえるわけでもない。母親が文句ばかり言うのは、自分のやっていることを認めてもらいたいのに、きちんと評価されないからだ。 アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ『嘘つき男と泣き虫女』 私たちは平凡で誰もができるようなことには価値を見出さず、特別で誰もできないようなことに価値を見出す。 何かと何かを比べて、そ…

  • 最近購入した整えアイテム4選

    最近購入した整えアイテムは以下のとおり。 1|玄米 我が家の主食。 栄養満点の万能食。 個人的には精米して貴重な栄養素を削ぎ落とした白米を食べることの方がもったいないと思ってしまう。 今回は別の玄米を購入。 食べるのが楽しみだ。 (まぁ、舌馬鹿の私に違いはわからないだろうが…) (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a] function(){arguments.currentScript=c.currentScript c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q …

  • 薄っぺらさの根源

    言葉というのは概念でありパターンです。目の前に美しい花がある。そして、その花と同じ色・形のものは、この世に一つとしてない。つまり、私たちが出会う花というのは、まさしく字義通りに「一期一会」なわけですね。 ところが、その美しい花は、一瞬で十把 ひとからげに「菫=すみれ」という抽象概念に置き換わって認識され、処理されてしまう。その過程で「花の形や色の美しい感じ」を受け止める感性は駆動されません。だから「言葉の邪魔の入らぬ花の美しい感じ」を持ち続けることが大事なのです。 山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』 私たちは自称大人として自分は絶対に正しいというところに立ち、おいどんは他人…

  • 日常生活というシステム

    「誠実性」のコンピテンシーを高い水準で発揮している人は、外部から与えられたルールや規則ではなく、自分の中にある基準に照らして、難しい判断をしています。この基準が長期にわたってブレない、一種の判断軸になっているわけです。 自分なりの「美意識」を持ち、その美意識に照らして、システムを批判的に見ることでしか、私たちは「悪」から遠ざかるすべは無いのです。 一方で、システムから排除されてしまえば、社会的な成功を収める事は難しい。ここに私たちが向き合っている大変難しい問題があります。 山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』 洋の東西を問わず、私たちが必ず組み込まれている最小限のシステムとい…

  • オウム真理教のように

    「生産性」だけが問われ、人望や美意識は問われない、 ということです。 こういったわかりやすい階層性、どうすれば上に行けるのかが、明確なシステムは、前述したオウム真理教の仕組みと非常に類似しているんですね。 わかりやすいシステムを一種のゲームとして与えられ、それを上手にこなせばどんどん年収も地位を上がっていくという時、システムに適応し、言うなればハムスターのようにカラカラとシステムの歯車を回している自分を、より高い次元から俯瞰的に眺める。そのようなメタ認知の能力を獲得し、自分の「有り様」について、システム内の評価とは別のモノサシで評価するためにも「美意識」が求められる、ということです。 山口周『…

  • 「いかに価値のある人間として見られるか」だけの日々

    現代社会における消費というのは、最終的に自己実現的消費に行き着かざるを得ないということであり、それはつまりすべての消費されるモノやサービスは、ファッション的側面で競争せざるを得ないということです。 このような側面から考えてみると、私たちはもはやアップルという会社をIT企業と捉えるよりも、ファッションの会社だと考えた方が良いのかもしれません。 なぜなら、アップルが提供している最も大きな価値は「アップル製品を使っている私」という自己実現欲求の充足であり、さらには「アップルを使っているあの人は、そのような人だ」という記号だからです。 山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』 私たちはも…

  • 最近変えて良かったこと2選

    最近変えて良かったことは以下の2点。 1|休日の昼飯をすっきりさせた 仕事がある日の昼食は、玄米おにぎり1個と味噌汁(スープジャー)のみ、という軽いものにしているのだけれど、休日の昼食は玄米と野菜たっぷり味噌汁(丼1杯分)とスクランブルエッグ(卵3個分)という量もそれなりだし、調理時間もそれなりのものだった。 それを休日の昼食も仕事の日の昼食と同様に軽いものにしてみた。 玄米、生卵、納豆を丼に放り込み、豆腐かもずくを添える。 それだけでやんす。 調理器具は不要。 調理時間は短い。 洗い物も少ない。 健康的。うまい。 休日は昼食前に運動をして、運動後はプロテインを飲むし、朝にサプリで栄養補給をし…

  • 大事なものを大事にするだけや

    よく「選択と集中」ということが言われますが、これは同語反復=トートロジーです。選択したものに集中するのは当たり前のことでわざわざ言うまでもない。大事なのは「選択と捨像」、つまり「選択」したら、後は「捨てる」ということです。 一言で言えば「エッセンスをすくいとって、後は切り捨てる」ということです。 山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』 エッセンスというは「本質的なもの」「大事なもの」という意味だ。 それが大事なものかどうかを見極めて、そうでなければ切り捨てる。 切り捨てるというのは、それらを傷つけるとか否定するとかそういうネガティブなことではなく、時間と労力と時間を単に割かない…

  • 似たり寄ったりの幸福のリズム

    私は、今後の社会をより良いものにしていくためには、ごく日常的な日々の営みに対しても「作品を作っている」という構えで接することが必要なのではないかと思っています。 山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』 「作品」と言うには及ばないのだけれど、自分にとっての良い感じの1日のリズム、良い感じの1週間のリズム、良い感じの1ヶ月のリズム、良い感じの1年のリズムみたいな感じのニュアンス的な雰囲気のものを保てているとすごく気持ちが良い。 そして良い感じのリズムを刻むために効果的な軸というのが、「大事にする」「整える」というものだ。 この世には色んなもので溢れかえっているのだけれど、大事なもの…

  • いつもの休日としてのゴールデンウィークだった

    連休中はいつもの休日ルーティンで終了した。 家事 運動 読書(インプット) 瞑想 情報発信(アウトプット) これらは特に金もかからなければ、特別な資格もいらなければ、特別な環境もいらない。 一人でできるし誰でもどこでも何歳からでもできる。 正直、これらだけで心身が整い、部屋が整い、日常生活が整い何とも言えない充実感がある。 よって、何かウキウキ・ワクワク・ドキドキ・ハラハラするような何か、つまり非日常的な時間や場所やものや人を求める必要性をあまり感じなくなってくる。 (だからといって他人や非日常が不要と言いたいのではない。他人と過ごせる機会、非日常を楽しめる機会があったら存分に楽しめばいいと思…

  • 理性的・科学的であるということは寛容であるということ

    (小林秀雄は)「迷信」というと、非科学的、非論理的なものと考えられてしまっているが、そんなおかしい話はなく、むしろそれは全く逆であり、非科学的、非論理的なものを迷信と決めつける方こそが科学主義という迷信だ、と喝破したのでした。私はこれに深く同意します。ついわれわれは理性的=論理的としがちですが、そうとも言えない。迷信と言われる物語や現象も、理性がまっとうなら、それもあるかもしれないと謙虚に考えるはずです。自分は自分の見たいようにしか見ることができず、それ以外の可能性も否定できないものなのだから。 つまり、理性とは持って生まれた精神のまっとうな働きであり、感性と対比させられるような「理性=論理」…

  • 連休中はものでも捨てようかしらん

    この世に、果てはなく、同意にて、この自分に果てはないのだから、「自分以外」というものは無く、なんだか素晴らしいものが他所からやってくる、別の場所から降りてくるなどはあり得ません。 このような物言いだとあまりに味気ないですが、すべてが自分にあるとは、問いもその答えも、すべてすでに自己に有していることになります。 宮野公樹『問いの立て方』 自分はありのままに世界を捉えていない。 必ず自分の心のフィルターなり、自分の思い込みなり、自分の考えを通して物事を捉えている。 一人ひとりはこの世にあるものだけではなく、この世にないものも想像し捉えている。 ということは自分が今見ているもの、聞いているもの、嗅い…

  • 「勝ち」とか「上」とか

    わが国の競争力が低下しているとか、このままでは他国に引き離されるとか言う言説が当たり前のようになっていますが、何がどうなったら競争力が上がったとか下がったとかいうのですか、どうなれば勝ちでどうなれば負けなのですか。暮らしが豊かになるとはどういうことですか? 遠い国の病気1つで、たくさんの会社が潰れたり路頭に迷う人がたくさんになるようなシステムのどこが豊かですか。つまるところ、本書で言うように、全ては精神の働きなのに、勝つべき!と叫ぶ者が、勝ちを知らず(考えず)、生きるとは何かを知らず(考えず)、一体何を生きていることになるのでしょうか。 宮野公樹『問いの立て方』 人に勝ちたい、人の上に立ちたい…

  • 自分にだけ見えている世界

    生きるとは、白色の世界を塗る営みだと認めるなら、それは、自分の問いの深さ、懐疑がいかほどのものか、それがそのままその人の人生、生き様となります。その問いが充分深ければ、すなわち本質的であるなら、それは常識的に生きる人を深く納得させることになり、あるいは納得されなくても何かを感じさせるものになるでしょう。人の生き方に正しいも間違いもないのは、 そして勝ちも負けもないのは、あまりに常識。先に、本分であるなら、偏りも然りと書きましたが、それはこの理由によります。 宮野公樹『問いの立て方』 私たちは白色の世界を自分の心のフィルターの色を通して見ていて、その色を現実だと思っている。まぁ実際にそう見える世…

  • ものを捨てて坐布を買った

    先日、座椅子とローテーブルを捨てた。 私の部屋には別に机と椅子がすでにあって、座椅子は瞑想するため、ローテーブルはちょっとしたものを置くためにしか使っていなかった。 ふと、あまり使っていなのだからもう捨てても良いのかもしれないと思って捨てたら、無論オムロン、部屋の中がより一層すっきりした、部屋がより広くなった。 これで部屋の中は、布団、机、椅子、懸垂マシン、ゴミ箱だけになった。 それ以外のものはクローゼット内にしまわれている。 諸行無常の理によって、ある時は使っていたものがある時にはもう使われなくなっていく。それは自分の変化を表し、その変化に応じて使っていないものを手放していくと、自分と現実=…

  • 自分なりの「良い」のままで大丈夫か

    ソクラテスの言うように、我々は絶対に「よい」と思った行動しかできません、たとえそれが犯罪であろうと、です。であれば、その自分の「よい」を疑ってみる以外に「よくあろう」とすることはできません。そして誰しもがそういう同じ人間であるという地点に立てば、安易に誰かを批判することはできないでしょう。 宮野公樹『問いの立て方』 およそ受刑者で自分自身のことを悪人だと考えているものは、ほとんどいないそうだ。自分は一般の善良な市民と少しも変わらないと思っており、あくまでも自分の行為を正しいと信じている。 デール・カーネギー『人を動かす』 私たちは自分のことを正しい人間だと思い込み、その大前提の下、自分が良いと…

  • 好き嫌いの理由

    我々は我々自身の好き嫌いに関心を払っていません。「これ! 」と決めたことは「自分が自分で決めたのだから」と言って、そこで思考停止している場合も多い。物的であれ、心的であれ、その理由について徹底的に考えてみるのは、無駄になるはずもありません。 宮野公樹『問いの立て方』 私たちは「自分はこういう人間だ」というセルフイッメージを自ら作り出し、そのイッメージを自分だと思っている。 自分は正しい人間だ 自分は清らかな人間だ 自分は善良な人間だ 自分は正常な人間だ 自分はちゃんとした人間だ 自分は強い人間だ 自分は優秀な人間だ 自分はおしゃれな人間だ 自分はイケてる人間だ 要するに「自分は価値のある人間だ…

  • 投資の心得:私はお金ではない

    私は定額預金感覚でインデックス投資をやっているのだけれど、先日月に一度の資産チェックをしたところ、トランプ先輩がハッスルしているみたいで先月よりだいぶ資産が減っていた。 それでも普通に預金をしているよりは遥かにプラスになっているため、どの期間で見るのかで感じ方は色々と変わってくるだろうと思う。 私はデイトレーダーのように画面にかじりつき、自分の資産が今どう変動しているのかということを逐一確認することはないのだけれど、月に一度確認するだけでも、お金の価値というのは変動するものなんだなーという至極当たり前のことをしみじみと実感する。 お金の価値というのはまじで諸行無常。 トランプ先輩の一挙手一投足…

  • 自分と世界は同一という大前提

    自分の見方でしか世界が見られないとのだとしたら、世界は自分の内側にあることとなります。そう考えることで瞬く間に自分と世界は同一となり、同意にて、自分というものが無くなってしまう、なぜなら、自分が思うこと、考えることが「世界そのもの」なのですから、こんな嬉しいことがあった、こんな不都合が生じた、あんな歴史的快挙を目の当たりにした、あんな悲しい出来事が起こった……。さまざまな出来事は、自分の外にあることなのに、考え詰めるとそれは、すべては自分が(自分なりに)思うことで、自分の内に存在することだった……という矛盾です。 宮野公樹『問いの立て方』 自分にとっての全ては必ず自分なりの色付けがされている。…

  • 快楽と中毒としての他責

    つい我々は目に見える問題、ーー 言うなら分かりやすい問題ーーを問題とし、その不都合を好都合に変えようと考え、意見し、行動しています。枝葉の問題であり、それらは目に見えにくいより根本的な幹あるいは根における問題の派生です。ある問題を解決したところで、その根本問題の方を扱わないことには、次から次にまた別の問題が生じると言うことになります。 そもそもの在り方があらゆることの根本にあり、それが変わらない限り我々の暮らしも本質的には変わりようがない……。 宮野公樹『問いの立て方』 日々をヘラヘラしながら過ごしていると、どうしてこの人はこんな些末な問題を大きく捉えて騒いでいるのだろうと思うことが時々ある。…

  • いかに多くのもので自分を定義するか、という発想

    実験や調査に先立ってその根底にあるような、何をやるか、なぜやるか、やったら何なのか、そしてそれは何をやっていることになるのか、といった考え。いうならこの世界そしてこの人生の「解釈」を突き詰める行為は、そこに虚無と対峙する自分の全存在がかかっており、何よりも一番辛く難しい。 いずれ無になることに対する構え、その精神性の高さ、深さを持って生きよう(考えよう)、と考えているだけです。 宮野公樹『問いの立て方』 私たちが日々当たり前のように重視していることの1つに「いかに多くのお金を手に入れるか」というものがある。 無論オムロン、お金は日々生きていく上で大切で、お金を稼ぐこと自体を否定するつもりは全く…

  • 家事で疲れを取る

    ここ最近残業三昧の日々が続いている。 2年前に組んだ仕組みが功を奏して昨年度は残業が激減していたのだけれど、業務システムが変わり再度仕組みを組み直さなければならなくなった。これまでシステムの使い方がわかっていた人も、何をどうすれば良いかのわからなくなってしまった。 さらに新人さんも加わり、新人さんに諸々の業務を全振りすることもできず、物理的に業務時間内では終わらず、自然と残業三昧になってしまっている。 これはこれで仕方がない。 仕組みが整い、新人が育ってくれば、私の負担は減っていき、残業三昧も解消されていくのだから時間の問題だ。 とは言っても、残業ばかりしていると疲れが溜まってくる。 そんな時…

  • 最近購入した整えアイテム

    最近購入した整えアイテムは以下のとおり。 1|亜麻仁油 最近、山田豊文氏の書かれた『細胞から元気になる食事』という本を読んで、その中で亜麻仁油が「人を治す油」として紹介されていた。 亜麻仁油というのは以下の「よい食べ物の5つの条件」を全て満たすとのこと。(1)有害物質を含んでいないもの (2)食性にかなったもの (3)酵素が”生きている”もの (4)栄養バランスがよいもの (5)消化に負担をかけないもの それでまぁ試してみようかしらんと思ったわけだ。 自分の体を直接的に大事にできるのは自分しかいないからな。 毎朝小さじ1杯を飲むようにしている。 味も全然クセがなく飲みやすい。 今後も朝の習慣と…

  • 自分は思っている以上にグラデーション

    善があるから悪がある。生があるから死がある。裏側から見れば、悪があるから善があり、死があるから生がある。我々の根っこにあるのは、何も確実な事実ではなく、こんなに両義的なものなのです。そして、それが人間が意識を持った有史以来の普遍であり、単純な真理の「形式」です。 宮野公樹『問いの立て方』 善と悪は表裏一体で、生と死も表裏一体。 善だけのものもなければ悪だけのものもなく、生だけのものもなければ死だけのものもない。 これは善悪や生死だけにとどまらず、何かが一面的であるということは絶対にない。 全てのものは両義的、多義的、多面的、グラデーション、みたいな感じのニュアンス的な雰囲気である、というのが真…

  • バラバラな世界でアッパラッパラッパー

    世の中にはさまざまな驚くべきことがありますが、それを驚いている自分がいること、自分が生きているという最も当たり前のこと、この「私」こそが最も驚嘆に値する事実なのです。世界に驚いているのではなく、世界が在ることに驚いているのです。 宮野公樹『問いの立て方』 私自身が自らつくり出した自分自身しか認識できないこの私の心の世界は、毎朝ビッグバンによって生じるといえるでしょう。なぜなら、目覚めた瞬間、時空なき深い眠りから一気に、この時間と空間から成り立つ広大な世界が現出するからです。これは私が毎朝経験する具体的事実です。 横山紘一『唯識の思想』 私たちはみんなが同じ世界を生きていると思い込んでいるのだけ…

  • 人よりも上になりたい理由

    おれが、わたしがといって、人の上に出ることを人びとは好む。そうしなければ、自分がつぶされてしまうと考える人もいる。たといそうでなくても、自分の存在を人に知ってほしいと望む人は多い。みな、自分というものにとらわれて、競い争うのを当然と心得ているのである。さらりと無私になって、ものやわらかく弱々しく、人にへりくだって自然に生きていく。周囲に融け込んで流れていくのである。そこから、ものごとの本質がみえてくる。そして、あくせくと進歩を求めて争うことが、いかに愚かな無意味なことかがわかってくるのである。 金谷治『老子』 人よりも上でないと潰されてしまう。 自分の存在を知ってほしい。 ここには人から粗末に…

  • 「競争に明け暮れている」ということはどういうことなのかしらん

    人びとは眼前のことにとらわれて、他人をおしのけて先へ先へと急ぐ。何を求めて争うのか、何を進歩と考えているのか。その求めているものが、本当に求めるだけの価値があるのか。進歩と考えているものが、本当に進歩であって人びとの幸福に連なるものなのか。そうした反省を怠って、ただ時代の価値観に動かされて、がむしゃらにあくせくと動きまわっている。不安と焦燥にかられ、肉体は疲れ、自分が不幸であるばかりか、他人をも不幸におとしいれ、そして苦しみのなかで無意味に死んでいく。 金谷治『老子』 日々を競争に明け暮れているということはどういうことなのかしらん。 自分の方が上なんだということを常にアッピールし、証明しようと…

  • 勝手な判断の中という世界

    人びとはその時その時の現象をつかまえて、かってな判断をしているだけである。 「わかる」は「分かる」であり、分けて切り取ったものである。そうした認識は自然のあるがままの実相から遠いといわなければならないが、それにもかかわらず人びとはそれを絶対的なものと考えて、一喜一憂をくりかえす。世界の混乱はここから出てくるのだと、老子は考える。 金谷治『老子』 私たちは自分は正しいという大前提に立ち、自分は物事をありのままに見ている、物事は自分が見ているとおりにある、と思い込み、勝手な判断をしている。 そうした勝手な判断を絶対的なもので考えて一喜一憂し、その判断通りに物事が進まなかった時、それでも自分は正しい…

  • 「足る」を知れない理由

    さかしらの知恵と欲望に責めたてられて、外に向かって駆け出すところに、人間の不幸が生まれるのだ。己れ自身をふりかえって、己の持ち物を吟味するなら、すでにそこにじゅうぶん満足すべきもののあることが、発見できるであろう。 金谷治『老子』 この「さかしらの知恵」というのは、自分はこんなに価値のある人間なんだということを他人に証明するために努力しようとする種類の知恵のことだ。 自分が自分を大事にしようとするのではなく、自分の価値を他人に証明し、他人を引きつけ、その他人から大事にしてもらおうとする。 他人を引きつけるためには「価値のある自分像」の形成が不可欠であると思い、「価値のある自分像」の下支えとなる…

  • 自分の中の政治体制

    威勢による厳罰よりも、人民が安住して人生を楽しんでゆけるようにするのが、為政者の務めである。 自分の食べ物をうまいと思い、自分の着物を立派だと思い、自分の住まいに落ち着いて、自分の習慣を楽しむようにさせたなら、隣の国は向こうに見えていて、その鶏や犬のなき声も聞こえてくるような状況でありながら、人民は老いて死ぬまでたがいに往来することもないであろう。 金谷治『老子』 政治というのは何も政治家がだけが行うものではないし、また国家経営だけが政治だとは限らない。 自分が自分自身をどのように治めて行くかというのも立派な政治と考えると、やはり老子先輩の政治論も傾聴に値する。 自分が自分自身に対する為政者で…

  • 最近購入した整えアイテム3選

    最近購入した整えアイテムは以下のとおり。 1|玄米 白米というのは玄米から色々ものを削ぎ落としたもので、つまりそれは玄米の方が栄養豊富ということになる。 特に白米にこだわりのない私のとって、だったら玄米のほうが良かろうもん、ということで私の主食はここ数年玄米になっている。 玄米は白米よりも食物繊維が豊富で、そのおかげもあって毎日快便だ。 玄米5キロを扱っている店が近くにないし、家まで配達してくれるのでとても助かるぜ。 そして普通にうまい。 2|鼻うがいセット 先日友人と会った時に「鼻うがい」をすすめてもらった。 友人は花粉症と蓄膿症も持っているため鼻うがいを始めてみたとという。 そして気持ちが…

  • 「責めたら不安が生じて自分が苦しむ」という原理・原則

    そもそも死刑をつかさどるものに代わって、かってな判断で殺したりするのは、これは大工の名人に代わって木を削ることだ。いったい、大工の名人に代わって木を削ったりすると、自分の手を傷つけないですむことはまずないであろう。 金谷治『老子』 この世の原理・原則として「責めたら不安が生じて自分が苦しむ」というものがある。 私たちには物事を善と悪に分ける傾向がある。 さらに私たちは悪を責めたて罰すれば悪は消えてきれいな世界が生まれるという根本的な思想も持っている。 この根本的な傾向と思想に基づき、私たちは悪だと決めつけた人に敵意を抱き、バチクソに責め立て、罰しようとする。 まずこのような懲罰思想はこれまでの…

  • 「わかる」という固定化

    自分でよくわかっていても、まだじゅうぶんにはわかっていないと考えるのが、最も良いことである。わかっていないくせに、よくわかっていると考えているのが、人としての短所である。(そもそも、自分の短所を短所として自覚するからこそ、短所もなくなるのだ)。聖人に短所がないのは、彼がその短所を短所として自覚しているからで、だからこそ、短所がないのだ。 わかったと思うことは、そう思うことによってすでに1つの陥穽となるのだ。ほんとうにはっきりわかったといえるのかどうか、そのわかったように思えることを、さらに懐疑して吟味してゆく必要がある。それが知を捨てて自らを洗い上げていく過程でもある。 金谷治『老子』 何かを…

  • 平凡は重要

    安定しているうちはそれを維持しやすい。 兆しのあらわれないうちはそれを処置しやすい。 もろいうちはそれを溶かしやすい。 かすかなうちはそれを消しやすい。 だから、まだなんでもないあいだに問題を処理し、まだ混乱にならないうちに事態を秩序づけておくことだ。 ものごとは大事に至らない微小なあいだにうまく処理すべきである。 金谷治『老子』 物事は放っておくと乱れていく。 汚れていく、埃がたまっていく、カビが生えてくる、疎遠になっていく、ゴミがたまっていく、淀んでくる、問題が起きてくる。 だから乱れたらその乱れが小さいうちに整えてあげる。 すると楽勝で対処することができるので、大事になることはない。 ま…

  • 寂しいから特別なものをかき集めようとする説

    何もしないことをわがふるまいとし、かくべつの事もないのをわが仕事とし、味のないものを味わってゆく。 小さいものを大きいとして大切にし、少ないものを多いとして慎重に扱い、怨みごとに対して恩恵でむくいる。 むつかしいことは、それがまだやさしいうちによく考え、大きなことは、それがまだ小さいうちにうまく処理する。世界の難問題も、必ずやさしいなんでもないことから起こり、世界の大事件も、必ず小さなちょっとしたことから起こるものだ。それゆえ、聖人は決して大きなことをしたりはしない。だからこそ、その大きなことを成しとげられるのだ。 金谷治『老子』 私たち自称大人は、何か目立ったことをすることを自分の振る舞いと…

arrow_drop_down

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用