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2021/08/10

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  • 読書日記1153

    読んだ本 くぼたのぞみ『J・M・クッツェーと真実』白水社 (2021) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『マイケル・K』を積読していたときに、ふと手にとって読んでからはクッツェーに魅了された。 読みやすく、時おり人間の闇や深いトピックを扱うことが多いので自分には合う作家だと感じている。 本書を読んで『マイケル・K』や『恥辱』の、翻訳者目線での読み方、加えて世界的な評価や読者層の受け止められ方などが語られた。 「そうも読めるのか」 「たしかにそう考えることもできる」 とうんうんしながら読んだ。 たしかに『恥辱』はフェミニストからすれば批判の対象…

  • 読書日記1152

    読んだ本 斎藤環『映画のまなざし転移』青土社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 パラパラと読んでいたら、アメリカ人による芸者風のスタイルが「日本文化の盗用だ」という批判をされた、というくだりを読んだ。斎藤氏は行き過ぎたポリティカル・コレクトネスだとしたが、自分もぽかーんという感じになった。 政治的正しさという言葉、考えれば考えるほど奇妙である。 政治的に正しいことが存在するならば、それは世界には答えがあるという前提が暗黙の了解として存在しているはずである。 一応のところ、もしそのような世界があるならば、それは現状としてはプラトン『…

  • J・M・クッツェー『恥辱』ハヤカワ文庫 (2007) 読了

    J・M・クッツェー『恥辱』ハヤカワ文庫 (2007) つづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 自分は読み終えてひとつ分かったことがあった。 哲学者と芸術家は相容れない。両立するものではないということを。 しかしながら自分は前者の理性を、後者の情熱を愛している。これはどういうことなのか。 プラトンが詩人を毛嫌いしたのは国家の秩序を乱すからであった。 そして芸術家は秩序を破壊するベクトルを持っている。 理性の力によってのみ幸福を得ることをプラトンは構想し、詩人は、つまりこの主人…

  • 読書日記1151

    読んだ本 J・M・クッツェー『恥辱』ハヤカワ文庫 (2007) シュテファン・ミュラー=ドーム『アドルノ伝』作品社 (2007) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『人生と運命』を勢いで200ページ読んだが、読みにくさがネックとなり停止してしまった。とりあえずクッツェーに移行したが、クッツェーは読みやすい。小説は美的要素が重要であるかもしれないが、読みやすさも必要だと染々思う。 『恥辱』は52歳の文系学部教授が離婚後の孤独や欲望に抗えず、様々な女子学生に手を出して転落…

  • 読書日記1150

    読んだ本 マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』ハヤカワ文庫 (2023) 松岡正剛『性の境界 千夜千冊エディション』角川ソフィア文庫 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 いよいよサンデル氏のこの本が文庫化され、コンパクトになり電車内で読みやすくなったので読んだ。 これも重厚な内容なのでいっきに読み進めることはできなかったが60ページほどは読み進んだ。 能力主義と親ガチャについては一般的に知られるようになったのか、この本の売り上げ数と文庫化の早さはそれを象徴しているように自分には見えた。日本のサラリーマンや学生はこ…

  • 読書日記1149

    読んだ本 ヴィンフリート・メニングハウス『美の約束』現代思潮新社 (2013) ワシーリー・グロスマン『人生と運命 [新装版]』みすず書房 (2022) 松岡正剛『宇宙と素粒子 千夜千冊エディション』角川ソフィア文庫 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "六カ月と十二カ月の子どもたちを用いた実験では、いくつかの行動変数について、人間であれ人形であれ、魅力的な顔の好みの持続性が示される。新生児期に美的差別が実践されているということだけではなく、それが大人の美的好みと一致しているということも、驚くべき事実である。最後に、もう一つの事情が…

  • 読書日記1148

    読んだ本 シュテファン・ミュラー=ドーム『アドルノ伝』作品社 (2007) ワシーリー・グロスマン『人生と運命 [新装版]』みすず書房 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 本日参加した読書会では哲学者の東浩紀氏『観光客の哲学』に触れながら話が展開されていき、そのなかでカント『永遠平和のために』の話とルソーのピティ、そして資本主義の問題など様々なことが語られていき非常に面白い話が聞くことができた。話を聞いたあとに質問ができるので、読書会のライブ感は勉強の場として非常に質の高い経験だと改めて感じた。 そのあとにジュンク堂書店に行き、アド…

  • 読書日記1147

    読んだ本 秋満吉彦『名著の予知能力』幻冬舎新書 (2023) 米原万里『言葉を育てる 米原万里対談集』ちくま文庫 (2008) ワシーリー・グロスマン『人生と運命 [新装版]』みすず書房 (2022) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 雨が降っているような、降っていないような微妙な一日だったので一日中本と戯れることにした。 紀伊国屋書店が買い物もしたりと、そこそこ充実した一日であった。 午前中は『人生と運命1』に読み更け、買い物後の帰り道の電車では『名著の予知能力』を…

  • 読書日記1146

    読んだ本 ワシーリー・グロスマン『人生と運命 1 [新装版] 』みすず書房 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 メルカリの常連さんが絶賛していたが読む勇気のなかった本がこちらであった。 自分はクッツェーを読み終わったあと再び文学への熱が上がった。 こういう本を読んで深い問いかけを行っていきたい。 浅い問いや浅い悩みというものは、深い問いかけによってのみ一掃される。 表面的なテクニックはごまかしにすぎない。 遠回りは近道という、自分で昔書いた言葉は今も好きだ。 まずゆっくりと40ページ弱読んだ。 神学、哲学、文学をめぐる議論などが登場…

  • 読書日記1145

    読んだ本 J・M・クッツェー『世界文学論集』みすず書房 (2015) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日は睡眠があまりとれなかったので小説は読まないことにした。 小説を読んでいるうちに寝てしまうと、小説の内容が頭からほとんど吹き飛んでしまう。 1時間ほど仮眠をとってこちらの本を読んでみた。 最初は「古典とは何か?」という講演の内容から始まる。 もしかすれば、なかには偉大な作品が暴力によって歴史から完全に消されてしまったものもあるかもしれない。 生物の場合は化石によってその爪跡を残すことができるが、書物の場合は口承されない限り記憶に残り続ける…

  • 読書日記1144

    読んだ本 ポール・オースター, J・M・クッツェー『ヒア・アンド・ナウ 往復書簡 2008-2011』岩波書店 (2014) 小林秀雄『人生の鍛練 小林秀雄の言葉』新潮社 (2007) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ クッツェー「愛や政治は見かけ通りであったためしがない」 ポール・オースター「現実世界でもフィクションに似たようなことが起こるということだ。そしてもしフィクションが現実になるのなら、僕らは現実の定義を考え直す必要があるのかもしれない」 小林秀雄「僕は不幸にして抜群の資質などというものを持って生まれなかったら、学ばずして得るという天…

  • J・M・クッツェー『マイケル・K』岩波文庫 (2015) 読了

    J・M・クッツェー『マイケル・K』岩波文庫 (2015) つづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 自分がマイケルの立場に立ったらどう行動するか、ということを考えながら最後まで読み進めた。 マイケルはキャンプを拒絶した。キャンプにいれば労働を課されるが命の危機に晒されることはない。にもかかわらずマイケルは逃亡がバレれば撃ち殺されるというリスクを負ってでも逃走した。 しかし自由になったとはいえ、次に襲ってくるのは暴力ではなく飢えであった。 ところどころ昆虫を食べる描写が見受けら…

  • 読書日記1143

    読んだ本 J・M・クッツェー『マイケル・K』岩波文庫 (2015) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 無性にクッツェーが読みたくなった。 5,6時間ほどかけて200ページまで読んだ。 人生と自由について考えさせられる本だ。 物語が中盤に入ると、ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』のような生活に突入する。 マイケルは生活の安定と引き換えに、キャンプで労働させられる日々に耐えきれず逃亡の末、完全に孤立して自給自足の生活を始める。 しかしデフォーの小説と違うのは、明らかに自給自足になっていない点である。いつ死んでもおかしくない日々が続く。これ…

  • 読書日記1142

    読んだ本 ジャンヌ・シオ=ファクシャン『大人のギフテッド:高知能なのになぜ生きづらいのか』筑摩書房 (2023) 飯田美樹『カフェから時代は創られる』クルミド出版 (2020) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 脳内で情報の交換をやりとりするスピードは秒速2メートルであり、IQが1上がるたびに0.5m/s 速くなるということが書かれていた。 それは計算上そうなっているということで、自分は実際に速くなるというよりも脳内の回路が増えていくことによって「近道」が開拓されてい…

  • 読書日記1141

    読んだ本 飯田美樹『カフェから時代は創られる』クルミド出版 (2020) レベッカ・ソルニット『ウォークス:歩くことの精神史』左右社 (2017) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "人生をかたちづくるのは、公式の出来事の隙間で起こる予期できない事件の数々だし、人生に価値を与えるのは計算を越えたものごとではないか。" P21 (レベッカ・ソルニット『ウォークス:歩くことの精神史』) サルトル「人間はかくあろうと意図したものになるのではない。かくあろうと投企したものになるのだ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

  • 読書日記1140

    読んだ本 モンテーニュ『エセーⅢ:社会と世界』中公クラシックス (2003) 谷川嘉浩/朱喜哲/杉谷和哉『ネガティブ・ケイパビリティで生きる』さくら舎 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 社会が複雑であればあるほど単純化して考えることのリスクがあるということを『ネガティブ・ケイパビリティで生きる』を読んで教えてもらった。 社会が複雑である、というのはそもそも何を意味するのか。 ひとつとしては、意味の多面化、二重化がある。ベイトソンのダブルバインドとも関連の…

  • 読書日記1139

    読んだ本 谷川嘉浩/朱喜哲/杉谷和哉『ネガティブ・ケイパビリティで生きる』さくら舎 (2023) モンテーニュ『エセーⅢ:社会と世界』中公クラシックス (2003) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ (モンテーニュ『エセーⅢ:社会と世界』) "悪事をすることがこれほど世間一般のことになっている時代では、無用のことしかないというのはほめていいことなのだ。" P342 "好運が良心と両立しないかのように、人びとは不運のなかにいないといい人間にならない。" P344 "富の程度は、収入の評価によってでなく、生活の仕方、労働の仕方によってきまってくる。…

  • 読書日記1138

    読んだ本 鴻巣友季子『文学は予言する』新潮選書 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 100年前からすれば、今や現実がディストピア化しているのでリアリズムがディストピア小説になっているというのが前半の内容であった。 たしかに監視社会化は相当進んだように思う。 合理主義者はそんなことどうでもいいと言うかもしれないが、ネットでは見たいものだけを見るという人間の根源的な欲求に突き動かされ、サイバーカスケード化される点はよく考えるべきである。 良い面も勿論ある。 「これと似たような本はないのか」と思ったときにAmazonはすぐに教えてくれる…

  • 読書日記1137

    読んだ本 池田晶子『考える人』中公文庫(1998) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 本屋で立ち読みをした。今年の冬か、もしくは去年読んだ岡田豊『自考』を見つけた。 なつかしい。外国で仕事をした著者の経験から日本についていろいろ批判する本となっている。 世の中は「リスキリング」という、わけの分からない言葉が流通し始めた。 仮に日本が外国に遅れをとっているならば、何故「リスキリング」という輸入語を敢えて使うのだろうか。日本語には語彙力がないのか。そうは思えない。英語をろくに使えない国にもかかわらず、何故か抽象的で訳の分からないカタカナばかり使って…

  • 読書日記1136

    読んだ本 小坂井敏晶『矛盾と創造:自らの問いを解くための方法論』祥伝社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 小坂井氏を突き動かしたのは実は「矛盾」であったことが分かった。 『責任という虚構』と『格差という虚構』が生まれたのは矛盾の力だ。 ・・・ 問いつづけることとは「判断の保留」である。 「決断」とは「選ぶこと」である。しかし選択肢に答えが存在しているとは限らない。 だから人は選んだことを再度振り返り、それが正しかったのか問う。 そもそも「答え」とはなにか。 答えは客観的なものと主観的なものがある。 前者は論理的な系に属し、後者は必…

  • 読書日記1135

    読んだ本 鈴木涼美『娼婦の本棚』中公新書ラクレ (2022) 松岡正剛『物語の函 千夜千冊エディション』角川ソフィア文庫 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 鈴木涼美氏の本を久々に読んだ。非常に語彙力が豊富で表現も豊かな印象を抱いた。正直なところ、レベルの差を見せつけられるほどであった。研磨されたような文章という感じがして、日本語の可能性というものを感じさせられた。学者のような、内容を端的に述べる論文とは違う。なんとも言えない感覚である。自分の語彙力のなさにうんざりである。 この方の強さが自分にはなんとなく伝わった。この方は自分の感…

  • 仲正昌樹『哲学JAM 現代社会をときほぐす [白版] 』共和国 (2021) 読了

    仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [白版] 』共和国 (2021) つづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 白版は宗教、正義論、憲法、マルクス経済学、MMT理論、啓蒙主義、文学と多岐にわたる範囲の講義が展開され頭に入りきれないほど重厚な内容であった。白版だけは300ページ弱と、やや分厚い。 どのページも濃密な話が展開されたが、とくに印象的だったのは宗教と…

  • 読書日記1134

    読んだ本 仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [白版] 』共和国 (2021) トム・ルッツ『無目的:行き当たりばったりの思想』青土社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 仲正氏によれば、哲学者カントに影響を受けた劇作家のシラーは、「美しい」と判断する能力と、道徳における「善」や「悪」に関する判断の能力が、究極的には一致するという前提で物事を考えようとしたとされる。 自分もこの点に着目しながら美学と倫理について考えた時期があった。 (以下の本は難しい考察がつづき、時々読むにとどめている。) nainaiteiyan.hate…

  • 読書日記1133

    読んだ本 マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』堀之内出版 (2018) 鈴木綾『ロンドンならすぐに恋人ができると思っていた』幻冬舎 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『資本主義リアリズム』を読んでいて感じるのは、マーク・フィッシャーがとてつもなく悲観主義者だったのではないか、ということである。しかしその思いのすべては汲み取れないが、気持ちは痛いほどわかる。 50項においては、マーク・フィッシャーは民営化が進んでいることについて述べていた。 "過去三十年間にわたって、資本主義リアリズムは教育や保険制度を含む社会の全てがビジネ…

  • 仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [青版] 』共和国 (2021) 読了

    仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [青版] 』共和国 (2021) つづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 後半は「哲学と演劇」「哲学と芸術」をテーマとして仲正氏の講義が展開された。 プラトン『国家』における「イデア論」と、ソクラテスが「詩=ポイエーシス」に対して持っていた考えについて説明された。 自分は岩波文庫から出ている『国家』を2年前に最後まで読み、加えてプラトン晩年の著書『法律』も読んだ。しかしけっこう内容を忘れていることを実感させられた。 復習としての…

  • 読書日記1132

    読んだ本 仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [青版] 』共和国 (2021) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 青版の前半はAiについて講義が進んだ。 本書も薄いので半分ほど読み終えた。 まず最初は文理の統合について話が語られた。 自分はディルタイの定義についてメモをした。 ディルタイによれば、理系的な知は「説明」、人文知は「理解」するものだとされる。 前者は対象の因果関係、法則を中立的に探求することだとされる。後者は習慣、文化、歴史的な事柄に対して「感情…

  • 読書日記1131

    読んだ本 樋口恭介『すべて名もなき未来』晶文社 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』に関するページを読んだ。 本屋に頻繁に行くのでカラフルなその本の存在は知っていたが、自分はこういう左派的な本を読んでもむなしくなるだけなので購入には至らなかった。 樋口氏の本を読むまで、マーク・フィッシャーという人物がうつ病と希死念慮を背負って生きていたことは知らなかった。 読めば読むほど、この人物が資本主義においてあらゆるものが、例えば言葉や愛ですらも商品化、定量化されてしまうことに対する悲嘆を読み取ること…

  • 読書日記1130

    読んだ本 平川克美『「答えは出さない」という見識』夜間飛行 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 30代で夢を諦めるべきかどうか、平川氏が答えた。 平川氏自身も20代で「ものを書いて生きていこう」と思っていた時期があったそうである。 しかし27歳で筆を置く。 しかし23年後、縁があって本を出すことになったとのことであった。 芥川賞作家になる、という夢は相当厳しい。 叶え方に具体的な答えのない夢ほど心を折るものはない。 自己啓発ばかり読んでいる人は「具体的な…

  • 仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [赤版] 』共和国 (2020) 読了

    仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [赤版] 』共和国 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 人文書にしては比較的薄い本なので、3日ほどで一気に最後まで読んだ。 「哲学JAM」のシリーズは赤、青、白がある。個人的には仲正氏の芸術論が気になったので青のほうを読みたかったが、一応連続講義をもとに作られているので、講義の一発目である赤から読むことにした。 赤は基本的に政治の話が中心なので少々かたい印象を持った。 自分は過去、政治経済を一から学び直すため小室直樹の本を読み漁ったが、執行草舟氏の影響もあってか、政治について考えるのは時…

  • 読書日記1129

    読んだ本 加藤尚武『現代倫理学入門』講談社学術文庫 (1997) 仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [赤版] 』共和国 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 「正義は時代によって変わるか」の章を読んだ。 加藤尚武氏によれば、価値判断は本質的には変わらないという。 昔であればタバコは「健康に良い」と思っている人がいたかもしれないが、今はほとんどいないだろう。しかし「健康に悪いものは摂取しないほうがいい」という価値判断は変わっていない。事実(タバコは健康に害である)が変わっただけである。 人間の価値観には非常に多様性があると思う…

  • 読書日記1128

    読んだ本 上野千鶴子『上野千鶴子がもっと文学を社会学する』毎日新聞出版 (2023) グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ (下) 』岩波文庫 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 ミシェル・フーコーは知と権力の結びつきについて論じたみたいであるが、今を生きているだけではなかなかそうは感じない。 上野千鶴子氏の本を読んでみると権力が徐々に変容している様子が伝わってくる。 今では女性差別と認定される発言が昭和では平気でまかりとおっていた。 これは端的に、権力…

  • 読書日記1127

    読んだ本 平川克美『「答えは出さない」という見識』夜間飛行 (2023) 小坂井敏晶『答えのない世界を生きる』祥伝社 (2017) 小坂井敏晶『矛盾と創造:自らの問いを解くための方法論』祥伝社 (2023) 仲正昌樹『哲学JAM:現代社会をときほぐす [赤版] 』共和国 (2020) 加藤尚武『現代倫理学入門』講談社学術文庫 (1997) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 平川氏は答えを求めるよりも「問いを抱えて生きる方法」を求めることを推す。 自分はどちらかといえばやはり答えを求めがちだとこのブログを見て、書いて感じている。 アウトプットの…

  • グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ (中) 』岩波文庫 (2023) 読了

    グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ (中) 』岩波文庫 (2023) つづきを読み終えた。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 中巻の内容は想像以上に重厚なものであった。 とりあえず読みきることに徹したため、最後の章「自己なるもののサイバネティクス」はほとんど理解できなかった。 ・・・ 「学習の学習」 本書に始終こういった表現が多用されている。学習というものをメタ的に、文脈的に捉え、行動というものがいかに「学習」によって動かされて…

  • 読書日記1126

    読んだ本 グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ (中) 』岩波文庫 (2023) ピエール・カスー=ノゲス『ゲーデルの悪霊たち:論理学と狂気』みすず書房 (2020) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『精神の生態学へ (中) 』は220ページまで、『ゲーデルの悪霊たち』は110ページまで読み進めた。この二つの本は非常に奥の深い場所で繋がっているということを思わせる、重厚な内容となっている。読み進めていくうちに時間を忘れるほどに夢中になっていく。 『デカルトからベ…

  • 読書日記1125

    読んだ本 ピエール・カスー=ノゲス『ゲーデルの悪霊たち:論理学と狂気』みすず書房 (2020) グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ(中)』岩波文庫2023 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 自分は医師ではないので統合失調症についてあまり書けないが、ダブルバインド仮説が仮に正しいのだとしたらそれは何を意味するのだろうか、と電車のなかで考えていた。 ベイトソンは幼少期に受けるダブルバインドがのちに統合失調症となって発症するのではないか、と中巻で示唆したが、そんなことはこの世界では日常茶飯事である。 先生が言うことと親が言うことが矛盾することは…

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