製品開発エンジニアがデータ解析のノウハウを垂れ流します。 統計解析/検定や実験計画、自作ツール。 エンジニアの心構えなど。
これまでラテン方格やグレコ・ラテン方格について書きましたが、さらに一般化すると直交表実験に行き着きます。 直交表の概要 直交表(ちょっこうひょう)とは、実験の因子(パラメータ)のどの2つをとっても、その水準のすべての組み合わせが同数回現れるように出来ています。これを「直交している」と呼びます。 一般的な多元配置の実験(パラメータが沢山ある総当たり実験)では、因子の水準数の積の回数だけ実験数が必要になります。因子数が多くなると実験回数は膨大な数になります。ところが交互作用を考えない(正確には考慮する交互作用が少ない)場合、直交表を用いることによって実験回数を削減することができます。 直交表は沢山…
2次元の散布図を4色に色分けするQuadrant chart(クアドラントチャート、4象限グラフ)を紹介します。個人的にはあまり使う機会はないですが、散布図を用いて砕けた説明をする場合にはわかりやすさという点で一定の効果があるのではないかと思います。 クアドラントチャート 2次元散布図を4つの領域に分けます。例えばこのような感じです。 この例では左上(黄色領域)に外れ値を持っていて、説明(プレゼン)する場合にちょっとだけ便利です。 クアドラントチャートは、ある意味非常に原始的なクラスタリングのような働きを持っていると思います。そしてクラスタリングの知識が全くない聴衆にもわかりやすく伝えられるこ…
実験計画法(7)-Aligned Rank Transform
直交表などの実験計画法を解析する場合、分散分析(ANOVA)が基礎となります。しかしANOVAは正規分布を仮定しており、対象データが正規分布かどうかより著しく逸脱した外れ値の影響を受けやすいです。バランス型の実験計画を前提として、変数変換によりノンパラメトリックなANOVAを実行できるAlighned Rank Transform(ART)[1][2][3]を紹介します。 Aligned Rank Transform(ART) 一元配置実験や二元配置実験に適用できるノンパラメトリックな検定というと、Kruskal-Wallis検定やFriedman検定があります。しかし、これらは主効果しか扱え…
実験計画法のうち、ラテン方格からさらに発展したグレコ・ラテン方格法について述べます。 グレコ・ラテン方格法 ラテン方格とはn行xn列の表にn個の異なる記号が各行各列に1度だけ現れる表です。このラテン方格の各記号に実験水準を割り当てる実験計画法がラテン方格法です。 表中の記号を2つに増やし、どの組み合わせも他と異なっている場合にグレコ・ラテン方格(またはオイラー方陣)と呼びます。つまり2種類のラテン方格の重ね合わせです。 グレコ・ラテンの名は数学者オイラーが、2つの記号にローマ字(ラテン文字, Latin)とギリシャ文字(Graeco)を用いたことに由来するそうです。 ラテン方格の場合と同様に、…
実験計画法のうち、一元配置/二元配置からもう少し発展したラテン方格について述べます。 ラテン方格法 ラテン方格とはn行xn列の表にn個の異なる記号が各行各列に1度だけ現れる表です。ラテン方陣とも呼びます。このラテン方格の各記号に実験水準を割り当てる実験計画法をラテン方格法と呼びます。 ラテン方格の名は数学者オイラーによっていて、表中の記号としてローマ字(ラテン文字)を用いたことに由来するそうです。 また2次元のラテン方格をn次元に拡張した物をラテン超方格(Latin hypercube)呼び、これに基づく実験計画法をラテン超方格法(Latin Hypercube Sampling; LHS)と…
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