今までの記事では主に体の健康という側面について記述してきた。うつ病になった原因というのは多くの場合確かに精神的な過負荷なのであろうが、一度病的な状態にまで進行してしまった場合は、まずは失われてしまった肉体の健康を取り戻すことが第一だからだ。以前にも述べたように人間の心身は互いに関連しあっており、もし肉体の均衡が崩れてしまった場合はそれが精神的にも悪影響を及ぼす。そして、精神的な健康を取り戻すのは、精神が目に見えずとらえどころのないものであるからこそ肉体的なそれに比べて遥かに難しい。だからこそまず第一に肉体的な健康を取り戻すことで、不必要な気分の落ち込みや不安感などを和らげ、目に見えない精神を強…
前回までの記事で紹介してきた食事法や依存の断ち切り方、あるいは禁欲のすすめなどは、少なからぬ人たちにとってはあまりにも強い自制が必要となるために、実践が困難だと感じられてしまうからしれない。「頭ではわかっているのだけれど、なかなか現実にはうまくいかない」。生活習慣を正すことが良いことだとわかっているのに、なかなか以前の悪い習慣を抜け出せないのは、往々にしてそのような心理が原因であろう。 そんな時におすすめしたいのがヨーガの実践である。毎日20~30分ほど規則的に練習を積むだけで、数ヶ月もすれば集中力が身につくと同時に目先の欲求に左右されない自制心も強まり、さらに体が自然本来の状態を回復するため…
前回までの記事で、睡眠と食事の改善法について述べた。この二つの健康に対する根本的な基盤が正され、身体が本来の治癒力を取り戻していくに従って、過度な落ち込みや不安などと言った精神的な症状も徐々に緩和されていくことだろう。しかし、もう一点人間の健康の基盤を作る上で避けては通れない要素がある。すなわち人間の三大欲求の最後の残りである性欲のことだ。 性欲もまた人間にとって普遍のものであり、強い興奮や快楽をもたらし依存性も高いことから、資本主義社会では都合のよい商品として消費されている。特にこの日本ではそうだ。私達が簡単に手の届く範囲にどれだけ性的な消費財が溢れているかを数えてみるとよい。コンビニエンス…
うつ病を改善しようとする場合、適度な運動を日々の生活に取り入れることは、一般に考えられているよりもさらに効果的である。野生動物などを見ればわかるように、自然の産物としての人間の体は、日々一定量の活動をすることを前提として作られており、運動不足が種々の弊害をもたらすことは周知の事実である。運動不足が代謝の不活発を招き、肥満や糖尿病、心臓や循環器系の病気へと結びつくということは、日々メディアなどでも散々と取り上げられている。 身体活動・運動不足 生活習慣病とその予防 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 しかし、適度な運動はまた、精神神経系の機能向上にも大きな役割を果たす。軽い競技スポーツ…
・食品添加物・加工食品 現代の社会で広範に用いられている食品添加物もまた、自然界には存在しない物質であり、多くのものが人間の体に害を及ぼす可能性がある。食品添加物の使用はすでに当たり前のようなものになっていて、そうした食品を扱う企業はすでにそれなしでは商品を売り、利益を得ていくことができなくなっている。そして、危険な精神科領域の薬剤を売り込むときと同じように、徹底的な情報操作によって、あたかもそうした食品添加物に危険性がないかのように刷り込まれてしまう。 彼らはしばしば、「加工食品に含まれる程度の微量ならば健康に問題はない」だとか、「科学的な因果関係は証明されていない」などの、紋切型の文句で問…
食事の改善について6 食べるべきでないものー精白穀物のみの食事・その他
精白穀物のみの食事 これは全粒穀物職と対をなすものであるが、精白穀物のみを主食とした場合には心身の健康上に様々な害が現れてくる。その主たる原因はやはり、本来の全粒穀物に含まれているはずの豊富な栄養素が、精白穀物にはごっそりと抜け落ちてしまっていることだ。特に脳の機能の正常化に深く関わっているビタミンB群が決定的に不足してしまっていることは、うつ病からの回復に大きな弊害となってしまう。 精白穀物のみの食事をとった場合、体内の血糖値は急激に上昇するが、それに伴って体を調節する役目を担うはずの微量物質が欠落するため、心筋梗塞や脳梗塞など種々の病の危険性を飛躍的にあげる結果となってしまう。さらに体が本…
前回までに記したように、人間にとって最適な食事とは実は非常に単純で、しかも費用がかからないものである。元来、自然界に置いては飢餓にさらされる危険があるため、生物というのは本来の食性に適ったある一定程度の食物を摂取していれば、自ずと健康を保てるように作られているのだ。そして生物としての人間は相当程度に飢餓や栄養不足に対しても耐性を持っているため、基本的に毎日健康な食生活さえ心がけていれば、各々の栄養素のわずかな過不足はそこまで心配する必要もない。 しかし、不足に対して強力な適応能力を持っている人間の体も、過剰に関しては遥かに抵抗性が低い。人間が本来自然界で摂るべきでない物質を摂取し続けた場合、い…
前回までの記事で、毎日食べ続けるべき主要な食物である全粒穀物と豆類について説明した。これら二つを日々の食生活の中心に据えるだけで栄養状態は驚くほど改善され、心身ともに少しずつ健康と安定を得ていくことができるようになるだろう。 しかしもちろん、これだけでは栄養的にはまだまだ不完全であり、全粒穀物と豆類で補いきれない栄養素は副食でまかなう必要がある。特に重要なのは穀物類には全く含まれていない、ビタミンAとビタミンCである。これらの栄養素は主に野菜や果物類に多く含まれるが、その内でももっとも栄養効果が高いのが、緑黄色野菜である。特に小松菜や菜の花といったアブラナ科の葉菜は、ほかの野菜類と比べても圧倒…
豆類 穀物と並んで人間の食生活の中で重要となるのが、この豆類である。穀物では補いきれないタンパク質とビタミン、ミネラル分を補給し、必要なエネルギーを供給する役割を担っている。全粒の穀物と豆類を組み合わせることで、肉食を行わずとも完璧なアミノ酸の均衡を達成することができ、人間が一日に必要とする栄養素の8割以上を賄うことができてしまうのである。 かつて日本では雑穀を混ぜた米と種々の大豆加工食品は、食卓の中心にあり、特に意図することがなくても日々の食生活の中でふんだんに豆類の豊富な栄養を享受することができた。しかし、現代の食生活では、ますます顧みられることがなくなってしまっている。それは食生活の欧米…
それでは人間の体に必要な栄養を満遍なく摂取し、心身の機能を健康な状態に保つためには具体的にどのような食事をしていったら良いのだろうか。実は基本的な食品の選び方をある程度押さえておけば、人間が必要とする食物は存外に単純で、高価な健康食品や奇をてらった過度の食事制限などは全く必要がない。そして幸運なことに、私たちが子供の頃から食べ慣れている日本食は国際的にも高く評価されるほど非常に健康的で理想的な食法に近く、それにある程度の変更を加えるだけで、無理なく長期間続けることができる完璧な食生活を実現できるのである。 ・穀物 まずいちばん始めに押さえておきたいのはやはり主食となる穀物である。穀物は古今東西…
人間は食べたものからできている。これは単純明快にして普遍の真理である。適切な食物は人間の健康な身体を形作るのみならず、心理的な安定にも大きな役割を担っている。人間の精神面を司る脳や神経系を正常に動かす数々の物質もまた、日常的に摂取している食物から作られていることを考えれば、これは当然というほど当然の理屈だろう。もし体にも神経系にも適切な栄養が供給されず、不摂生な食事ばかりを続けていると、その人間は自制を欠き、少しのことでいらだち、他者を率先して攻撃することで満足を得るような粗暴な人間へと変わっていってしまうだろう。 少し昔に、「スーパーサイズ・ミー」というドキュメンタリー映画があった。監督自身…
続き。 ・睡眠にまつわる薬草類を用いることで、上記の方法を補完する。 前回までの記事で睡眠を改善するための基本的な生活習慣の修正については述べたが、苦にならないほどに習慣化するには時間もかかるし、かなりの自制が必要にもなるだろう。そこで生活習慣を修正していく移行期間には、いくつかの有用な薬草類を補助的に用いることをおすすめする。 現代的な化学合成薬を擁護する国内の利益団体は、薬草療法に科学的証拠がないなどといまだに言っている。彼らは抗うつ薬を始めとする化学合成薬無数の害については全く目をつぶり、その数百分の一にも満たない薬草療法の副作用をおおげさに騒ぎ立てる。現代医薬品の開発には多額の費用がか…
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