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2021/02/14

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  • 呼び間違いの心理学

    誰しも人を間違った名前で呼んでしまった経験はあるだろう.先生のことを「お母さん」と呼んでしまった人もいるだろうし,ペットの犬を間違って「寿限無寿限無五劫のすりきれ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝るところに住むところやぶらこうじのぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助」と呼んでしまった人もいるかもしれない(いない). こうした呼び間違いは無害なものであり,深刻な被害をもたらすことはない(犬は首を傾げるかもしれないが).しかし,恋人を間違って昔の恋人の名前で呼んでしまった場合にはその場に血が流れることになるか

  • ウミウシの生首

    トカゲやヤモリが尻尾を自切することはよく知られているだろう.外敵から逃げるために自らの尻尾を切り離すのである.そして,完全とまではいかずとも,尻尾はやがて再生する. 最近発表された研究によれば,ウミウシはこれよりも遥かにすごい再生をするらしい.頭部を切り離したある種のウミウシはなんと,心臓や他の内臓を含め,その全てを再生させたのである. この発見は偶然の産物であった.研究室で育てていたウミウシの頭部が胴体から切り離され,自由に動きまわっていたところを偶然発見したのである. 研究者たちの報告によれば,ウミウシの頭部は自切後すぐに動き始め,数日のうちに傷口は塞がったという.そして一週間程度で心臓の

  • 【要約】Reference Magnetism and a Puzzle About Reference Determination (Puzzles of Reference: Ch. 5)

    Puzzles of Reference第5章の要約となっております. Puzzles of Reference (Contemporary Introductions to Philosophy of Language) (English Edition) 前回の要約はこちらから: A Puzzle CasterとPolluxという,外見は何から何までそっくりな双子がいる.Ledaが「Castor」と言うと,LedaはCastorだけを指示することができる.これは何故だろうか?LedaがCastorの名前を使用したからだと言うことは解決にはならない.何故ならば,その場合には,何故「Casto

  • スマホを使わないようにするためにお金を使うということについて

    スマホは大変便利なものである.その便利さを享受するためにわれわれはかなりのお金を支払っている.しかし便利であるがゆえにわれわれはあまりに多くの時間をスマホの画面をみることに費やしている. ひと昔,ふた昔前の調査では,ひとは一日に七時間テレビをみることに費やしていることが判明したそうだが,現在はそこまでテレビに時間を費やしているひとは多くないかもしれない.しかし,テレビをみる時間とスマホをみる時間を合わせるならばそれくらいになるかもしれない.知らんけど. 何かスマホを使う必要があって,その必要のために時間を充てるのは結構なことなのだが,われわれはときにスマホを使うために時間を使うことがある.どう

  • 役に立つ/立たないという基準

    われわれはみな役に立つ何かが大好きである.というよりも,自分のやっていることに対して,あるいは自分自身に対して「役に立たない」という言葉が投げかけられてしまうと,われわれは酷く狼狽し,われわれのやっていることは誤ったことなのではないか,何か自分は悪いことをしているのではないかと自責の念に駆られるわけである. まずは,多くの人が「役に立つ」ということでまず念頭に浮かべるであろうものの例を考えてみよう.それはスマホであったり,パソコンであったり,そうした最新の科学技術を結実させたような製品がまずはわれわれの念頭に浮かんでくるように思われる. それに対して,古典を読んだり,哲学の勉強をしたり,(ひょ

  • もしも:大切なものは目に見えない

    人生は「もしも」でいっぱいである. もしも私が彼の異変に気づいていたら彼は自殺しなかったかもしれない.もしもあんなにたくさん食べなかったらお腹が痛くならなかったのに.このように深刻なことから些細なこと(?)まで,人はあらゆることを後悔しながら生きている. その中で半ば痛切な響きを,半ば諦念の響きを伴って口にされるのが「もっと頑張っていれば」,「もっと早く始めていれば」というものである.高校生のときにもっと頑張っていれば,小さい頃から英会話をやっていれば,小さい頃からピアノをやっていれば,等々. そのときには「まあやらなかったものは仕方ない」とそうした後悔を黙殺するのだが,そうした「もしも」はふ

  • ビジュアル・シンキングと記憶:メモリー・ペグ(ペグ法)

    前回の記事では,暗記をする際に視覚的イメージに訴えることの重要性を説明し,それを用いた記憶術の一つ「記憶の宮殿(メモリー・パレス)」を説明した. 本記事では,視覚的イメージを利用した別の記憶術「メモリー・ペグ」をご紹介しようと思う.本記事はこの記事の要約となっています. 記憶力テスト メモリー・ペグの説明をする前に,簡単なテストをしてみよう.大体2分くらいで以下のお買い物リストを覚えてみて欲しい: ベーコンタマゴワイン電池風船ガム牛乳封筒ホウレンソウコーヒートマト どうだろうか.簡単に暗記できただろうか?(そしてお店に行くまでその記憶を保持できるだろうか?) メモリー・ペグ 「ペグ」とは何かを

  • 記憶の宮殿(メモリー・パレス)

    現代社会に生きるわれわれは数々の記憶/記録装置を手にしている.昔ながらの紙のノートもそうであるし,もはや誰もが持っていると言っても過言ではないスマホもまたそうである.スマホ一つあれば,われわれは録音をしたり,メモを取ったり,あるいはブログを書いたりと,様々な仕方で情報を保存することができる. しかし,記憶の重要性は人間の歴史と同じくらい古いものであるのだとすれば,スマホは言うまでもなく,紙が一般に普及する前は,人々は一体どのようにして多くの情報を記録していたのだろうか. 本記事では古代ローマにまで遡ることのできる由緒正しき記憶術,「記憶の宮殿(メモリー・パレス)」の紹介をしたいと思う.この記事

  • 記憶の仕組みとポモドーロ・テクニックの特徴

    以前の記事では,時間のマネジメントの仕方,集中して勉強や作業に取り組むための方法として,ポモドーロ・テクニックというものを紹介した: 本記事では,ポモドーロ・テクニックの構造が記憶にも適しているということを説明したいと思う. ポモドーロ・テクニックの構造 「構造」という言葉は大袈裟かもしれないが,私がここで意味しているのは「25分の繰り返し」という,ポモドーロ・テクニックにとって本質的な構造のことである. 関連記事を読まれていない方のために軽く説明しておくと,ポモドーロ・テクニックとは25分の作業時間・勉強時間と,それに続く5分間の休憩をひとセットにして勉強・ないし作業を行うというテクニックの

  • 読んだものを理解して頭に入れるために

    多くの人が「もっと本を読めたら」と思っている.そして以前の記事では速度を意識するのではなく,読書のための時間を予め計画しようということを提案した. もちろん,読書に費やす時間をふやすことは重要である.しかし,例えば一ヶ月前に読んだ本の内容を完全に忘れてしまうようであれば,読書の仕方を見直した方が良い.われわれは本棚を本で満たすために読書をしているわけではないのである. 桶の中にみずをためたいと考えているとしよう.あなたは毎日毎日せっせとその中に水を入れるのだが,その桶には一向に水がたまらない.実は,その桶には穴が空いていたのだ.では,水をためるためにはあなたは何をしなければならないだろうか?

  • 【要約】The Puzzle of Essential Indexicality (Puzzles of Reference: Ch. 4)

    本記事はPuzzles of Reference第4章の要約となっております. Puzzles of Reference (Contemporary Introductions to Philosophy of Language) (English Edition) 前回までの要約は以下: 本章が扱うのは指標詞(indexicals)の指示の問題である.とりわけ,本章では,指標詞(「私」,「今」,「昨日」,「ここ」など)が同じものを指す他の名前と入れ替えられるかというパズルを扱う.これをthe Puzzle of Essential Indexicalityという. もしも指標詞が名前で置き換

  • 哲学者は名言製造機なのか?

    私は最近気づいてしまったのだが,どうやら世間的には哲学者は名言製造機だと考えられている節があるようだ.ネット上では,哲学者とその哲学者の「名言」が陳列されているサイト(ページ)をいくつも見つけることができる(今改めて確認してみたところ,誤訳だらけでびっくりした). それだけではない.哲学者の「名言」を集めた本まで出版されているようである. 超訳 ニーチェの言葉 エッセンシャル版 ↑例えばこんなやつ. このような環境に晒されれば,哲学者が名言製造機に見えるのも無理はないだろう. しかし,注意しなければならないのは,それら「名言」たちは,もともとある文脈の中で語られた言葉であるということだ.ある日

  • 大人のスタサプ

    勉強嫌い 学びとは何歳になっても楽しいものである.学校では数々の宿題が課され,親鳥が雛たちの口に餌をどんどん押し込むように,アレを学べコレを学べと,生徒たちは学びを実質的に強制されている. こうした経験を積み重ねることで,われわれの多くは勉強嫌いになってしまう.勉強をすることに対する拒否反応が出てしまうのである.このことは私が長らく塾講師をやっている経験からも明らかなことであるように思われる.生徒たちのうち,自分がやっている勉強を心から楽しんでいる生徒は実に少ない(私はこの点においては少数派だった). 大人は勉強を楽しんでいる? しかし,大人たちは意外と勉強を楽しんでいるようである.誰に強制さ

  • イカのマシュマロテスト

    記事の要点 科学者たちがイカに対してマシュマロテストを実施したところ,イカたちは好成績を収めた.イカたちは2分ほど待つことができた.研究はイカたちがわれわれが思っている以上に賢いということを示している.しかしどれだけ賢いのかはまだわかっていない. マシュマロテスト 心理学者Walter Mischelによって1972年にマシュマロテストと呼ばれる実験が行われた: 子供たちにマシュマロを一つ与える.15分待ったらもう一つあげるよと伝える. この実験で二つ目のマシュマロまで待つことができた子供たちは後に社会的に成功していた. イカのマシュマロテスト では,以上のようなマシュマロテストをイカ(cut

  • もっと本を読むための方法

    読書は大切である.まともな教師なら誰であれ自分の生徒に読書の重要性を説くものであり(自分が実際に読書をしているかは棚に置いていることがほとんどである),子供の教育に少しくらいの関心を持つ親は子供が読書の習慣を持つようになることを願うものである. 偉い人々は何をすべきなのかは教えてくれても,それをどのようにやるのかということは教えてくれないことがしばしばである.これは読書に限らず,多くのことについて当てはまる. そこで,本記事では本を読むことの重要性については納得した前提で,もっと多くの本を読むためにはどうすればいいのかについて考えていきたい(読書の重要性についてはのちの記事で触れるかもしれない

  • おすすめの暗記方法:ノートを見返すだけでは頭に入らない

    どうすればもっと暗記ができるのか.真面目に勉強をしたことのある学生であれば,誰しも一度はこう考えたことがあるだろう.学校の先生は暗記の仕方については教えてくれない.それゆえ,がむしゃらにノートや教科書を読み返したり,テキストの重要そうなところに線を引いたり,あるいは自分でノートにテスト範囲のまとめを作成したりする人もいるかもしれない. しかし,われわれがみな経験から知っているように上記の暗記方法の効果はあまりない.少なくとも,短期記憶に少し役立つ程度である.長く定着し,将来いろいろなところで役立てることのできる知識を身につけたいならば,別の方法が必要なのである(知識とその適用については後に記事

  • あなたは本当に忙しいのか?

    これを言うと驚かれるかもしれないが,私は「忙しいなー」と思うことがほとんどない.これは,私が単純に暇な人間だからなのかもしれない.あるいはそうでないのかもしれない. 私は暇なのか? 私は一応大学院生であり,毎日自分の研究に取り組んでいる. 今のところ毎日ブログを更新しているし,ときにはnoteも更新している.もちろん大学院の授業やゼミにも出席している.バイトにも行って,毎日欠かさず読書と瞑想をし,日記を一日一ページつけている. 一人暮らしなのでもちろん家事も自分でしている(正確に言えば1人と2匹暮らしだが,私のうちの猫は家事をしてくれないタイプの猫なので,一人暮らし同然である.巷には家事ができ

  • 様々な動物の睡眠について

    Why We Sleep第4章の要約です. Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams 眠るのは誰? 生命はいつ眠るようになったのだろうか?実際に過去に遡って調べることはできないので,われわれは様々な種の動物の睡眠を研究してこの問いに近づくしかない. 今までに研究されてきた動物は例外なくみな眠る(あるいはそれに似たことをしている).昆虫も魚も鳥も人間もみな眠る.睡眠は普遍的なのである. 原始的な軟体動物,棘皮動物,そしてごく原始的なワーム(蠕虫)のような無脊椎動物も微睡を楽しんでいる."lethargus"と名付けられた微睡の間は

  • ノートは手書きか,手書き以外か

    大学生ともなると,パソコンで講義ノートをとる人が増えてくる.少なくとも,学部生の頃の自分の経験からすればそういう傾向があった.私はというと,ノートはとっていなかった.そもそも手書きか,手書き以外かという次元ですらない愚かさである.Rolandに怒られても仕方がない. くだらない話はさておき,先日の記事に引き続き,本記事もまたノートの取り方についてのものである.そして今回はノートは手書きでとるべきか,それともパソコンでとるべきか,という問いに答えようと思う. 結論から言えば,ノートは手書きでとられるべきである(もちろん,タイピングの方がよい場合もある.詳しくは以下). そのわけを以下で見ていこう

  • ノートはどのように取られるべきか:The Cornell Note Taking System

    新学期が始まるたびに今回こそはきちんとノートを取ろう,という気持ちになるのだが,ふと,どのような仕方でノートをとるべきかについてはきちんと考えたことがなかったということに気づいた.人間は,えてして方法論には目を向けないものである.学校では何を学ぶべきかは教えてもらえても,それをどうやって学ぶべきかは教えてもらえない.英単語は暗記すべきだと教えられても,どうやって暗記すれば良いのかについては教えてもらえない(効率的な暗記の仕方については後々記事にしようと思っている).——そこで私はノートの取り方について少し調べてみた. 本記事では,調べた結果「良いかもしれん」と思って私自身実践している方法につい

  • パレートの法則(80:20の法則)

    Vilfredo Federico Damaso Paretoは1848年にイタリアで生まれた.彼の名前は「パレートの法則」で最もよく知られている.1895年に,彼は国の人口の20%が富の80%を占めていることに気づいた.彼はこれを解釈して,インプットとアウトプットは直接的には対応しないと主張した.これが適用される事例は多岐にわたるが,一般的に言えば,パレートの法則とは以下のようなものである: パレートの法則(80/20の法則):アウトプットの80%はインプットの20%が生み出している. 次節以降でこの法則の具体例,その活用方法を見ていくとしよう. パレートの法則とは何か インプットとアウトプ

  • 【要約】A Puzzle About Referring to What Isn’t There (Puzzles of Reference: Ch. 3)

    Puzzles of Reference第3章の要約です.第2章までの要約は以下をご覧ください: Puzzles of Reference (Contemporary Introductions to Philosophy of Language) (English Edition) A Puzzle 「ベルリン」という名前はドイツの首都を指示し,「アレキサンドロス大王」はアリストテレスの有名な弟子を指示する.では,「シャーロック・ホームズ」は何を指示するのか?ベイカー街221Bに住んでいる探偵だろうか?しかし,その住所に住んでいる探偵など存在しない. この問いに答えるために,まずは指示という

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