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  • 黒部、夜更けの大屋根の下で。

    (黒部の大屋根の下で@電鉄黒部駅)夜も更け、ネオンの店に酔客の声。一本、また一本とやって来る、黒部止まりの終列車。寒空の下、大屋根に包まれて、明日の朝まで暫しの憩い。電鉄黒部の駅の構造は、3面3線という贅沢なもの。そして、ホームを覆う大屋根がシンボル。ホームを覆う大屋根は、滞泊する列車を雪から守るためのスノーシェルター的な意味合いがあるのかもしれない。ただし、終電一本前の電鉄黒部止まりでやって来た60形は、屋根のかかっていない一番駅舎寄りの2番線で滞泊していました。そもそも、一番奥の番線に列車が入る事ってあるんでしたっけね。ホームも狭いですし。時刻は23:15。この日最後の駅前踏切の音を鳴らして、ゆっくりと気怠く車体を揺らして電鉄黒部駅に入線して来る当駅止まりの止まりの終列車。この日はかぼちゃ京阪。僅かながらの...黒部、夜更けの大屋根の下で。

  • 立山、雪のカタパルト。

    (雪のカタパルト@立山駅)立山名物、ホームに積もった雪の大谷。乗客の姿さえ見えぬ、夜の立山。雪に紛れて潜むは、雷鳥のカタパルト。アルペンルートが閉ざされた冬の立山駅、観光客目当ての旅館やホテル以外には定住している住民は相当に少ないと思われる地域。僅かに鉄道を利用するスキーヤーも引き上げた様子の駅周辺には人の姿は見えず・・・時刻は夜の7時を過ぎ、この時間に鉄道が運ぶ乗客の流動はおそらく皆無に近いものと思われます。それでも、鉄道員は折り返しの準備を時間通りにテキパキと済ませ、電鉄富山行きの運転台に腰を下ろしました。飛び立つ雷鳥の、一瞬の瞬き。前照灯が暗闇に輝いて、凍て付く道を照らします。立山、雪のカタパルト。

  • 寺田、富山の商売栄枯盛衰。

    (ベンチが語る、お出掛け事情@寺田駅)寺田の駅、電鉄富山駅方面ホームに置いてある古びたベンチには、富山市内の一番の繁華街、総曲輪にある「大和」の広告が入っている。富山の人に言わせると、やはり「総曲輪の大和」ってのは昔からの伝統ある百貨店でして、古びたこのベンチも、総曲輪へ出掛けるたくさんの家族連れが行き交う光景を見ていたんでしょう。家族親子が手を繋ぎ、地鉄電車に乗って電鉄富山へ。市内線に乗り継いで、中町の電停から総曲輪のアーケードを歩いて行く。たくさんの買い物、誕生日やクリスマスのプレゼント、デパートのレストランで楽しい食事。そんな昭和のお出掛け事情を思い出す光景。駅のベンチにこんなのが置いてあったら、モチーフにしたくなってしまうのが道理というものでして・・・夕暮れ迫る寺田の駅。どこの地方都市も駅周辺の繁華街が...寺田、富山の商売栄枯盛衰。

  • 立山線、妖艶な夕日に暮れて。

    (半面光に茜差す@下段駅)太陽は富山平野の西に傾き、水平線にどんどんと近付いていく。岩峅寺折り返しの17480形、第一次導入された大井町線組ではなく、田園都市線からやって来たサークルKの後期組。このKのマークって何だったんだっけ?確か半蔵門直通は出来ても東武は入線できないとか、なんかそんな意味のマークだったような・・・三面折妻の半面光、淡い陰影を愛でる。どちらかと言えば、地鉄では被写体としてはノーセンキュー!みたいになっていた東急8590だけど、このカットで、地鉄の東急悪くないじゃん!って初めて思ったかもしれない。光線って大事だ。富山平野の夕まづめ。大地に呑まれ消えゆく光が、振り絞るように劒を染めて。翳りと灯りのコントラスト。とろけるような紅色差すこの日最後の劒の姿。これと合わせるかぼちゃ京阪。ビビッドなボディ...立山線、妖艶な夕日に暮れて。

  • 下段、空と水は碧に染み入り。

    (雪融け水は、空を映す鏡@下段~釜ヶ淵間)午后の日射しが、立山連峰に降り注ぐ。雲間から覗く、山並みの美しさ。融雪用の水を湛える下段の田んぼ、空と雪の青さを溶かして。新塗色が、立山線の冬を行く。内山で出会った「富山もようトレイン」、電鉄富山から午後は立山線に展開していました。広い広い雪原と赤い列車の取り合わせ。最初見た時は正直「?」ってなったけど、赤を基調とした塗装は目論見通り雪映えして、なかなか良いものです。午後になって雲が取れて来た立山連峰、あともう少しなんだけどなあ。散居、雪原、斜光を浴びて。こぶのように折り重なる雪原の下に眠る、豊穣の富山の大地。春をまだかと待ち侘びる散居の風景、それでも、都会から来た人間の我儘は、もうちょっと冬のままでいてくれてもいいんじゃない、こんなに美しい冬景色なのだから・・・と思っ...下段、空と水は碧に染み入り。

  • 西魚津、右書きの駅の昼下がり。

    (雪は静かに溶けて@西魚津駅)右からの書き文字が特徴の西魚津の駅。魚津市街から少し外れた、畑と住宅の中にある静かな駅。一応海へ向かって歩いて行くと、魚津水族館の最寄り駅だったりするのだが、この駅を使ってアクセスする人がどれだけいるのだろうか。ちなみに私は家族で富山に旅行した時に魚津水族館に行った事があるのだけど、さすがにクルマで行ってしまったなあ・・・いつもこの駅に来ると、同じような撮り方をしてしまって能がない。地鉄ワールドに吞み込まれて、通り一辺倒の表現ばかりになっているような・・・そもそも古いものや、時間の経過によって侘びたものをただ撮ってればいいというものでもないのだが・・・それは分かっているのだけど。木造駅舎、雪除けの屋根、構内踏切、雷鳥カラー。もうちょっとうまい表現があるか?面白い表現はあるか?自分の...西魚津、右書きの駅の昼下がり。

  • 内山、線路一際に紅差して。

    (黒部谷に続く道@内山駅)愛本から黒部の谷に入って行く地鉄本線。標高は160m程度となるが、少し進むだけで雪の量は深くなっていく。何年もの冬を越した古びたトタン葺きの木造駅舎。暖かい昼間の空気に、屋根からの雪がポタポタと雨だれのように落ちている。黒部峡谷の観光拠点である宇奈月の手前、黒部谷の普段の暮らしが息づく内山の集落。土曜日だというのに駅に詰める人影があった。地元の方だろうか。構内踏切が列車の接近を告げると、坂道のカーブの先から現れたのは14760形をラッピングした「富山もようトレイン」。色のない冬の富山に、鮮烈な赤を身に纏って登場しました。この冬、地鉄で華々しくラッピングされてデビューした14769Fの「富山もようトレイン」。苦境にあえぐ地方鉄道に光を与えようと、富山の豊かな文化と自然、そして名物を図案化...内山、線路一際に紅差して。

  • 越中泉、青山の輝きに祈る。

    (雪山讃歌@越中泉~寺田)雪よ岩よ吾らが宿り。空は高曇りながら、立山連峰の雄大な眺めをバックに県都へ急ぐ10030形。線路際の雑草だけが目障りであるけど、そこも地方私鉄らしさと割り切って。特急が宇奈月→立山(富山)のアルペン号の片往復のみの緊縮ダイヤになってから早くも一年が経とうとしていますが、暗中模索の日々は続きそうです。ああ、世の中の安寧たらん事を、雪の青山に祈る。早く、あの特急専用の看板を付けて、富山平野を突っ走る姿が見たいですね。越中泉、青山の輝きに祈る。

  • 岩峅寺、満ち足りた時は流れ。

    (ある冬の日@岩峅寺駅)岩峅寺、ある冬の日。上滝線のホームから続く、古びてはいても頑丈そうな雪囲いの通路。地鉄の駅舎、好きな人は本当に刺さるけど、三つ挙げろと言われたら岩峅寺、昔の寺田、東三日市、経田、横江、上堀、西魚津、浜加積あたりですか。三つじゃないじゃん。雪に埋もれるレッドアローと、融雪用の水がさわさわと流れるホーム。水溜まりに映り込む青空。個人的には、被写体としての岩峅寺と寺田は、地鉄の駅の中でも別格のチート感がある。置かれているストラクチャーの全てに味わいがあって、撮る方が上手くなったと勘違いするんだよね(笑)。岩峅寺点描。静かな駅で、物憂げに折り返しの時間を待っている60形。今年の冬は、雪害対策に忙しかったであろう。ポイントのスプリンクラーと機械式除雪車が、冬季間の線路の安全を守る。誰かが付けた、雪...岩峅寺、満ち足りた時は流れ。

  • 開発、持続可能な農村社会。

    (100年前から持続する@開発駅)雪晴れの朝、人待ち顔の老駅舎。SDGs?それがどうした。100年前から持続している、開発の駅。冬にしては暖かな陽だまりが、スッと待合室に入って来る。厳しい雪に見舞われたこの年の越中富山、少しだけでも冬を忘れさせてくれるような柔らかな日差しにホッとして、上着を脱いで待合室のベンチに置いた。上滝線の役割は、アルペンルートや黒部峡谷への観光需要華やかな本線や立山線と比べれば地味なものですが、沿線住民の数はそれなりに多い生活路線でもあります。富山平野の南部を、常願寺川と神通川の作り上げた扇状地をたすき掛けで横断するように進み、岩峅寺で終点となる。電鉄富山から小杉の辺りまでは住宅街だが、ここ開発の駅あたりから、富山平野らしい散居村の風景が広がって来る。古駅舎の軒先に置かれた除雪道具。スノ...開発、持続可能な農村社会。

  • 月岡、冬晴れの観劔台。

    (この時を、鏡の中に閉じ込めて@月岡駅)富山平野の真っただ中、立山連峰を見渡すホーム。空澄み渡り、最高の雪晴れ。時が過ぎるのが勿体無くて、鏡の中にしまっておいた、月岡の朝。鋳物師沢から常願寺川を渡り、富山平野を横に突っ切って到着した月岡の駅。富山平野の広がりと、名峰の連なりを眺める事の出来る、観峰台とも言えるステージにあります。駅前から線路に沿って続く農道は、そんな富山の風景を季節ごとに楽しむ事の出来る長い長い撮影地。ここまでの朝日に恵まれればどうにでもなりそうな光線状態、どこでどう撮っても・・・という時の方がかえって構図に困るもの。列車の接近の時間まで、圧倒的な富山の冬景色にオロオロとして頭の中をまとめきれず、ただただシャッターを切るばかり。月岡の交換風景。平日であれば、上滝線の朝の輸送力列車(3連)を撮影し...月岡、冬晴れの観劔台。

  • 鋳物師沢、紺碧に空澄み渡り。

    (鋳物師沢を下る@沢中山~釜ヶ淵間)今回の富山行は、雪景色を求めて彷徨っていたら立山線中心の撮影になった。立山線の撮影地については一渡り回ったつもりでいるけれども、情景的なスナップ以外で形よく列車の写真を収めたいなあ・・・となると、沢中山の駅の北にある鋳物師沢(いものじさわ)の陸橋付近ということになる。立山連峰越しのきれいな朝の光線が回って来たので、まずは扇状地の雪の棚田を下って来る光景を収めます。散居村の林を通った低い光が雪原を照らして・・・立山線を跨ぐ陸橋に登れば、紺碧の空と海を望む鋳物師沢の定番構図。春は水鏡、夏は青田、秋は黄金、そして冬はスノーホワイトのキャンバス。60形を待っていたけど、やって来たのはかぼちゃ京阪。こうして見ると、ビビッドなツートンカラーも雪景色の中では悪くない。先日は、後継車として西...鋳物師沢、紺碧に空澄み渡り。

  • 有峰口、鉄路を守る温かみ。

    (駅前の坂道から・・・@有峰口駅)朝6時の有峰口。駅へ続く坂道。すっぽりと雪に埋まった駅。有峰口の駅は、街道筋から少し小道に入った小高い丘の上に立っている。何気に初見殺しのアプローチを持っていて、最初行った時「どっから行くねん!」ってなる駅なんですよねえ・・・夏場は、立山連峰の名峰の一つである薬師岳の登山口へ向かうバスが発車する有峰口ですが、流石にこの時期はひっそりとしています。さすがに誰もいないだろう・・・そう思って駅を覗けば、駅舎に部屋の灯り。早朝から保線の人の姿があって、朝食を取っていた。岩峅寺以遠では、立山まで唯一の交換駅となるのが有峰口。冬季のポイント不転換などのトラブルが起こらないように常駐しているのだろうか。実のところ、昨年のコロナ対応によるダイヤの見直しで列車の本数が大きく減ったため、現在は有峰...有峰口、鉄路を守る温かみ。

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