chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 最近、読んだ本

    長いこと書評を挙げずでした。 書評の文章をかくのが億劫だというのも理由としてあります。 最近、読んだ本は、   キリスト教を問いなおす (ちくま新書) 作者: 土井 健司 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2003/08/01 1億稼ぐ! メールマガジン私の方法 銀行口座380円が2億円になった理由 作者: 石田 健 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2005/04/26 メディア: 単行本 マンガ フロイト入門―精神分析の創始者 (ブルーバックス) 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/07/20 メディア: 新書 作家になるには (なるにはBOOKS) 作者: 永江 朗 出版社/メーカー: ぺりかん社 発売日: 2020/..

  • 『聖書の中の殺人』読了

    白鳥春彦さんの『聖書の中の殺人』を読みました。   聖書の中の殺人―人間の悪意の研究 作者: 白取 春彦 出版社/メーカー: 飛鳥新社 発売日: 2020/06/01 メディア: 単行本   人間に悪意があるのが普通の姿であり、聖書は単なる道徳的な説教を述べたものというだけではなく、現実にあった事件を多く扱っている。 聖書の中の殺意に焦点を絞って読み直すこの本。 ユダヤ教の本来の教えでは、神を主として、人間の王は立てない、その方針でユダヤ人は進んできたのだが、周囲を敵に囲まれ、人民を統治して闘いを牽引してくれる人物が必要になった。それ(王の誕生)は、民衆が望んだものであった。 その王も、サウル、ダビデ、ソロモン、と、全ての王が他の国の様式を真似、妾を多く持ち、神殿を豪奢なもので飾るという傾向に傾いていった。【加筆】..

  • 『どうで死ぬ身の一踊り』読了(追記あり)

    西村賢太さんの、『どうで死ぬ身の一踊り』の収録作中の、同名作『どうで死ぬ身の一踊り』を読みました。   どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫) 作者: 西村賢太 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/03/09 メディア: Kindle版 感想は、明日挙げますね。 追記をお待ちください。   逝去した作家、藤澤淸造を祀ることに熱心な主人公。 おそらく、ライフワークのように、その行為が重要なのでしょう。唯のファンの域を超 えています。でも、こういう殊勝な人が居るから、芸術が後世に伝わっていくのです。こ れだけ男が男に惚れるという気心は、そういう対象がいらっしゃるというのは凄く羨まし いことです。 その主人公(男性)が、或る女と同棲する。 それまで十年くらい女性とのつき合いがなかった主人公に訪れた..

  • 『ブランドと百円ショップーーー(知恵働きの時代)』読了(追記あり)

    堺屋太一さんの、『ブランドと百円ショップ(知恵働きの時代)』を読みました。   ブランドと百円ショップ 知恵働きの時代 作者: 堺屋 太一 出版社/メーカー: 朝日新聞社 発売日: 2005/03/17 メディア: 単行本 経済は流動しているので、今、この本を読むのは遅い、と言われそうですが…。 感想は、追記で挙げますね。(^。^) 纏めにくいのと、本人の疲労から、少し待っていただくかもです。 明日以降、ひょっとしたら大分先になるかもですが、どうぞ、ご了承ください。   本編の終わりに、「今日とちがう明日」「時の正夢」(『週刊朝日』2001年11月30日号~2004年11月5日号)より抜粋、とある。 週刊朝日に寄稿または連載されたのだろう。 以下に、一部分の各章ごとの論旨を、僕なりにまとめてみたいと思う。 ◎..

  • 『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』読了(追記あり)

    保坂和志さんの、『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』を読みました。   「三十歳までなんか生きるな」と思っていた 作者: 保坂 和志 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2007/10/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) エッセイです。  この「三十歳までなんか生きるな」という言葉は、保坂さんが高校三年生の頃、自室の柱に貼り付けよう、と思って紙に書かれた言葉だそうです。 世間ずれした大人、不潔な大人、合理的な大人、になんか成りたくない。けれども、自分も三十歳を過ぎれば、そうなってしまっているだろうなぁ。決してそうなるなよ、という意味で書かれたそうです。(僕が、本編を精読できていなくて、保坂さんの動機を正確に表していなかったら済みません) ご両親に咎められるだろう、と懸念されて、結局貼り紙を柱に..

  • 『季節の記憶』読了

    保坂和志さんの、『季節の記憶』を読みました。 季節の記憶 (中公文庫)作者: 保坂 和志出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/09メディア: 文庫  鎌倉の或る地域が舞台。 離婚して、ライターの仕事をしながら息子を育てる主人公。(中野)(男性、40代前半) その主人公を取り巻く兄妹、夫と別居して娘を育てるナッちゃんという女性。 ときどき訪れる風変わりな友人たち。 ストーリーがとくになく、日常が描かれている。 息子が訊く、大人でも答えを持っていない疑問。 子供を相手に、疑問に真摯に答える主人公。決して有耶無耶な答え方をせず、きちんと説明する。例えば宇宙の構造など。(例えばです。本文中にあったかどうか憶えてませんが) 息子と主人公の会話。大人と大人の議論的な会話。 小学校にあがる前から文字を教えるべきか、で議論する大人たち。敢えて、幼児に文字を教えないのには教えない意味がある、..

  • 『アネゴ』読了

    初めに、河合隼雄先生の逝去に際し、ご冥福をお祈り致します。  林 真理子さんの『anego』を読みました。 anego (小学館文庫)作者: 林 真理子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/06/06メディア: 文庫 商社に勤める主人公(女)の、恋の遍歴。 本気で愛する人ができない限りは結婚したくない、とは女の人に限らず、男でも思うものです。 女の人の、男を値踏みする心中などがありありと書かれていました。 でも、僕個人の見解としては、男の方も、同じように、心中では値踏みしているのが現実だから、まあオアイコかなあ、と思いました。 主人公の心中の描写や、普段の考え方などがずっと本編中に挟まって描写されていて、ちょっと重たいなぁ、等と思っておりましたら、後半それも殆ど終わりがけになって、重要人物の心中というシナリオでした。その場面では、ドキッと衝撃を受けました。 女の方が夫をより愛して..

  • 『殺人犯を裁けますか?ーー裁判員制度の問題点ーー』読了(追記あり)

    田中克人さんの、『殺人犯を裁けますか?ーー裁判員制度の問題点ーー』を、やっと読了しました。 殺人犯を裁けますか?―裁判員制度の問題点作者: 田中 克人 出版社/メーカー: 駒草出版 発売日: 2007/04/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 国民は、何も知らされていない処で、法律(裁判員法)が創られ、近々、平成21年(2009年)4月から施行されようとしている。と、著者は、皆さんに警鐘を鳴らしています。 一度、この法律(裁判員法(裁判員制度))の施行を国民の世論で食い止め、司法に国民が参加する場合でも、もっとよい方法はないだろうか、という議論が必要だと仰有っています。よしんば、裁判員制度を施行するにしても、今回創られた裁判員法のままではよくない、と仰有っています。 今、読み終わったところで夜中ですので、レビューは今日の午後、追記であらためて書くこととします。 纏めきれるか(僕の頭..

  • (一部訂正あり)『インフォドラッグ(子供の脳をあやつる情報』『他人を許せないサル(IT世間につながれた現代人)』読了(追記あり)

    生田哲(いくた さとし)さんの、『インフォドラッグ(子供の脳をあやつる情報)』と、正高信男(まさたか のぶお)さんの、『他人を許せないサル(IT世間につながれた現代人)』を、併行して読んでて、ほぼ同時に読み終わったので、感想を挙げます。 二冊の論考が題材として扱っていることが近かったので、頭のなかでどちらの本に書いてあったことか、整理できなくなってるところもあるので、纏めての感想文とします。 インフォドラッグ 子どもの脳をあやつる情報 (PHP新書)作者: 生田哲出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2010/10/08他人を許せないサル―IT世間につながれた現代人 (ブルーバックス)作者: 正高 信男出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/08/18メディア: 新書メディア: Kindle版 いつものように、明日、追記で感想を挙げますね。 しばらくお待ちください。 追記、感..

  • 『オレ様化する子どもたち』読了

    諏訪哲二さんの、『オレ様化する子どもたち』を読みました。 オレ様化する子どもたち (中公新書ラクレ)作者: 諏訪 哲二出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/03/01メディア: 新書 本を読んでいて、この本に対する感想ではありませんが、心に浮かんだことがありました。 現代では、何で、子供を叩けないのだろう。(教師が) 教師が子供を叩いたら、暴力事件として扱われるというのは、いつごろからなのでしょう。 教育指導要領にも叩いてはいけないと書いてあるらしい。そういう変化はいつ起こったのだろう。 何度口で言っても、子供が、わざと授業妨害してくるような場面では、叩くしか済まないのではないだろうか。  さて、著者は、「子供はあどけない者。子供に罪はない」周りが悪いのだ、という子供性善説ではない。 明らかに、子供がおかしいらしいのだ。 だから、その子供をどう変えるか、精神的な成長を..

  • 佐村河内守『交響曲第一番』読了(追記あり)

    【加筆】見事に、騙されました。管理人の騙され具合を、お楽しみください。  佐村河内 守(さむらごうち まもる)さんの、『交響曲第一番』を読みました。 交響曲第一番作者: 佐村河内 守出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/11/01メディア: 単行本 感想は、明日、追記でアップロードしますね。 追記をお待ちください。(^。^) 追記(感想)です。 ほとんど、ネタバレになる書き方になってしまいましたが、それでも、この本を実際に読まれるのとはほど遠い違いですので、ご安心ください。 幼い頃からピアノに大変関心を持ち、四歳になってからお母様の厳しいピアノレッスンを受けられたそうです。 音楽大学に行くと、調性音楽ではなく不協和音を駆使した現代音楽の作曲の道に誘導されてしまう、という危惧から音大進学をかたくなに拒み、東京で劇伴音楽の作曲家への道を模索されました。 高校二年生の頃から、突如は..

  • 『格差社会スパイラル』読了

    山田昌弘さんと伊藤守さんの共著の『格差社会スパイラル』を読みました。格差社会スパイラル コミュニケーションで二極化する仕事、家族出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2007/03/08メディア: 単行本(ソフトカバー) 本文の内容が一番言いたがっていることの裏に、昔からは変化してしまった社会観念が当たり前となった社会の危うさを、この著作の中ではご両人が述べられています。 日本では、新卒での就職に失敗すれば負け組にはいって、そのスパイラルから抜け出れない、という現状。 父母が勝ち組であったか負け組であったかによって、その子の将来も同様に引き継がれる。お金持ちは教育にもお金をかけられる、という現状。 アメリカでは、どんなに一旦負けても、再就職が割に楽にできる。北欧の国では、弱い人にも保障が充実している、という事実。 30歳を過ぎて未婚の女性の場合、その後50歳になっても独身でいる人の割合(..

  • 『「苦情」対応力(お客さまの声は宝の山)』読了

    関根眞一さんの、『「苦情」対応力「お客さまの声は宝の山」』を読みました。「苦情」対応力 「お客の声は宝の山」作者: 関根 眞一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/06/29メディア: 単行本 本当に(実際に)お客さんに対するサービスの低下や商品の品質に問題があって出す苦情と、苦情を言いたいが為の苦情とが有るようです。 著者は、百貨店のお客さま相談室長をされていて、その後、苦情対応アドバイザーとして独立されています。 その業務を想像するに、かなり辛い経験の連続であったと推察できますが、本文からは、疲労困憊しているような様子は感じさせません。 今、学校でも、歯科医院でも、言わなければ損だというような非常識な苦情が殺到する傾向にあるようですが、著者によると、この現象は、需要と供給のバランスが崩れたことにあるそうです。 どこの店に行っても、最低限のサービスと、欠陥のない商品を購入するこ..

  • 『人柱はミイラと出会う』読了

    石持浅海さんの、『人柱はミイラと出会う』を読みました。人柱はミイラと出会う作者: 石持 浅海出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/05/01メディア: 単行本 日本の風習自体をフィクションとして、現実に変わった習慣があるものとして設定されています。 私、初めの内は、本当に、この本の中に書かれている(例えば大きな建造物の工事のとき、人柱と言われる人が、地下の狭い一室に籠もって建造物完成までの間、神さまに人質という形で生活する)というのが、現実なのか、等と思ってしまいました。フィクションも、ここまで塗り込められて精巧に作られると騙されますね。(昔は、人が地鎮祭のとき、神に捧げる意味で本当に犠牲となった、という事は有るそうですが、それを、現代は、工事期間中、窓一つない狭い部屋で暮らす、という風に設定されてるんです。半年とか二年とかです) 七編からなる短編集で、それぞれ、人柱、黒衣(くろ..

  • 『格差社会スパイラル』読了

    山田昌弘さんと伊藤守さんの共著の『格差社会スパイラル』を読みました。 格差社会スパイラル コミュニケーションで二極化する仕事、家族 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2007/03/08 メディア: 単行本(ソフトカバー) 本文の内容が一番言いたがっていることの裏に、昔からは変化してしまった社会観念が当たり前となった社会の危うさを、この著作の中ではご両人が述べられています。 日本では、新卒での就職に失敗すれば負け組にはいって、そのスパイラルから抜け出れない、という現状。 父母が勝ち組であったか負け組であったかによって、その子の将来も同様に引き継がれる。お金持ちは教育にもお金をかけられる、という現状。 アメリカでは、どんなに一旦負けても、再就職が割に楽にできる。北欧の国では、弱い人にも保障が充実している、..

  • 『新宿クレッシェンド』読了

    新宿クレッシェンド作者: 岩上 智一郎出版社/メーカー: サイマリンガル発売日: 2008/01/01メディア: 単行本 岩上智一郎さんの、『新宿クレッシェンド』を読みました。 ブログ友達ですが、いつもの書評の如く客観的文体で綴ってみたいと思います。 或る若い男性主人公が恋人に愛想をつかされ孤独に陥り、新宿の仕事を探し、その世界に飛び込んでいって四苦八苦する、という大まかなストーリー。主人公の抱える何重もの過去のトラウマが同時に描かれ、最終的には、そのトラウマを払拭し(乗り越え、と言った方がいいか)恋人と復縁する。  人間にとって大事なものとは何なのか、という事がテーマとして隠されていると思う。 最後に恋人と復縁して、彼女のことを、気恥ずかしさとも、過去のトラウマの呪縛からも超克して「愛してる」と口に出来た主人公。物語の初めでは、人生を自棄になって、金を稼ぐということにしか心の拠り所を見い..

  • 『ヤベツの祈り』読了

    ブルース・ウィルキンソンさんの、『ヤベツの祈り』を読みました。ヤベツの祈り出版社/メーカー: いのちのことば社発売日: 2020/06/01メディア: 単行本 古本屋で買ってきたんです。気になったので。 キリスト教の教会の場合は、確か、新約聖書のなかのキリストが説法した部分を引用して、礼拝のときに、信徒全員でとなえる祈りが既にあるのですが、それ以外に、具体的な祈りは、個人個人でするとしても、何か、これさえ祈っていれば、生活が善い方向に変化する、といった祈りがあるのだろうか、と思って。 歴代誌Ⅰ(または上)の四章十節に、そのヤベツの祈りは載っていました。 ヤベツという聖人が居て、(そもそも、歴代誌が、旧約のアダムから始まり、そこから何千年も続いて、バビロン捕囚からイスラエルが帰ってくるまでの、ヘブル民族の正式な家系図を記述するのに費やされている。(一部、本文引用)だから、私も殆ど読んだこと..

  • 『こころ』読了

    夏目漱石先生の『こころ』を読みました。 こゝろ (角川文庫) 作者: 夏目 漱石 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2004/05/10 メディア: 文庫 ええー、今ごろ? と言われそうです。 私は、若い頃、読書癖がなかったので、古典(近代文学など)は未だ少ししか読んでいません。 最後まで読んで一番感じるのは、三田誠広さんがご著書のなかで述べられているように、作品によっては若い内に読まないと意味がないという事です。逆に、作品によっては或る程度の歳にならないと理解できないという場合もあります。 大学生である「私」が、暑中休暇に鎌倉に海水浴に出かける。 そこで、「私」が先生と呼ぶ人と出会う訳です。 「私」は、先生に惹かれていく。 何も仕事をしていない先生。奥さんと暮らしながら、ときどき(月に一度)墓参りに..

  • 『「ダ・ヴィンチ・コード」はなぜ問題なのか?』読了

    中井俊已(なかい としみ)さんの、『「ダ・ヴィンチ・コード」はなぜ問題なのか?』を読みました。 『ダ・ヴィンチ・コード』はなぜ問題なのか? 作者: 中井 俊已 出版社/メーカー: グラフ社 発売日: 2006/07 メディア: 単行本 私は、未だ、小説『ダ・ヴィンチ・コード』を最後まで読んでいませんが、最近、特に友人・知人からイエスの真実について、全く意外な史実を突きつけられるので、この本を手にとりました。 まず、この件の小説『ダヴィンチ・コード』の作者ダン・ブラウンが、本の冒頭に、「事実」と題した項目をつくり、前置きとして、「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」と掲げているから、読者に誤解を与えることになったのだという。 著者ダン・ブラウンのホーム..

  • 最近、読んだ本

    童話の賞にも応募しようと思って、とりあえず図書館で、子供向けの本五、六冊を借りてきました。 まずは、茂市久美子さんの『アンソニー』を読みました。これは小学高学年から中学生くらいが読む本らしく、童話というより小説でしたが。 アンソニー―はまなす写真館の物語 (あかね・ブックライブラリー) 作者: 茂市 久美子 出版社/メーカー: あかね書房 発売日: 2001/09 メディア: 単行本 実家の写真館を継いだ男性主人公のお話しです。 幻想的で、連作短編のような作りになっています。 それぞれの出来事が伏線になっていて、後のストーリーと絡みます。 プロのカメラマンに成るべく、大学卒業後、出版社に就職も決まっていた主人公なのですが、お父さんが急逝して、実家に戻り、自分で五代目になる写真館を継ぐこと..

  • 『「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』読了

    『「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』を読みました。  「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか? (Asahi original (66号))作者: 村上 春樹出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2000/08メディア: ムック  今頃ですが、古本屋に有ったので買ってきました。 読了という程、全部は読んでいませんが…。 村上春樹さんが、ホームページを開いて、メールで、どんな質問にも答える、という時期が有ったことが凄いです。 僕も、もう少し早くパソコン(特に、ネット接続を)始めていたら、色々聞けたのになぁ、と思いました。 エッチな質問が多いです。それだけ誰にも普遍的な問題なのかも知れません。 ..

  • 『使徒行伝』読了

    小型新約聖書 詩篇附 - 文語訳 作者: 出版社/メーカー: 日本聖書協会 発売日: 2000/04 メディア: 文庫 聖書の中の新約聖書から『使徒行伝』を読みました。 パウロや使徒たちが、当時ユダヤ教以外認められていなかった中で、(済みません。ココ誤りです。ローマなどは、ユダヤ教ではなく多神教、神話の神への信仰でした)迫害に遭いながら各地へ伝道に行きます。 何度もその土地の統治者や法律を励行する行政に捕まって、もう処刑されてしまうのではないか、という処で、神(の使いの天使など)によって監獄から逃げられて命拾いしています。 初代教会のコミュニティーの中で、私財を全部共同体に提供する、と申告しておきながら、その財産の全容を少なく申告した兄弟(霊の)が、使徒の手によって(直接手を下すのではなく、霊力、或いは神の意志で神から直接)息を止めら..

  • 『岬』読了(追記あり)

    中上健次さんの、『岬』を読みました。 岬 (文春文庫 な 4-1) 作者: 中上 健次 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1978/12 メディア: 文庫   上記バナーの本ではなく、文春文庫の短編・中編集から、表題作『岬』だけを読みました。 三田誠広さんが、小説作法の本の中で仰有ってましたが、一時期、格好悪いことを告白する作品が次々に出された時期があったそうですが……、もし、私小説だとしたらキツイです。気分が重くなります。 ともかく、明日、追記で感想を書きます。 では。   レビュー 基本的に『枯木灘』とストーリーは同じです。 主人公、秋幸。その秋幸の視点が彼という人称表現で書かれているので、カメラの位置としては自分を少し後ろから見ているような格好です。主人公(秋幸)は土方をやって、請負師を目指して..

  • 『人間は笑う葦である』読了

    土屋賢二さんの、『人間は笑う葦である』を読みました。 人間は笑う葦である 作者: 土屋 賢二 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1998/07 メディア: 単行本   この本を読まなくてはならない、という事は決してありませんが……、全編、随所で、ともかく笑えます。 そういう意味では、ナーヴァスになっている人、本を読んで笑いたい人には打って付けだと思います。 理路整然とした文章で、内容は矛盾している事実を一致しているように言葉で言い切るなどの方法で笑わせます。 はしがき、を読んで、町田康さんの文章に似ていると感じました。 普段は、哲学の教授をしておられるので、多分、頭の中は相当高邁な考え事で埋まっているんだろうなぁ、と思いましたけど、このエッセイ集では、フランクな話題を理論的に追究して、途中で妙な解に辿りつく..

  • 『光あるうち光の中を歩め』読了(追記あり)

    トルストイの『光あるうち光の中を歩め』を読みました。 光あるうち光の中を歩め (新潮文庫) 作者: トルストイ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/05 メディア: 文庫 原始キリスト教が理想とする生活とは、どういうものなのか、小説形式で語られる哲学です。 読了とは言うものの、トルストイが述べたい内実はどういうことなのかは、僕には咀嚼しきれませんでしたが、感想として書きたいと思います。 例によって追記で感想を挙げますので、しばらくお待ちください。   追記・レビュー キリストの弟子の弟子が存命で、キリスト教徒が共同生活をしていた時代。各地に伝道に明けくれた時代。物語は、そういう時代設定です。(ローマ皇帝トラヤヌスの御代) キリキヤの国(ちょっと現在の国名がギリシ..

  • 『枯木灘』読了(追記あり)

    中上健次さんの、『枯木灘』を読みました。 枯木灘・覇王の七日―中上健次選集〈1〉 (小学館文庫) 作者: 中上 健次 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 1998/08 メディア: 文庫 読んだ本ではない全集のバナーを挙げました。(読んだのは文庫本です) 感想・レビューは追記で挙げますので、しばらくお待ちください。(長いし、読みづらかったので、一息つかせてください(^^)) では、また。   さて、感想です。 人間は生きている限り、色んなしがらみを抱えていくしかないのだなぁ、と思わせます。   ごめんなさい。これから先の記事では、本編ストーリーを殆ど語ってしまいます。ネタバレになりますが……。ストーリーを知ってしまっても、読みごたえが減じるような作品ではないですからご安心ください。 主人公・秋幸の実父..

  • 『アサッテの人』読了(追記あり)

    諏訪哲史さんの、『アサッテの人』を(文藝春秋九月号で)読みました。 アサッテの人 作者: 諏訪 哲史 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/07/21 メディア: 単行本 オット、もう単行本化されていたのか、と、アマゾンバナーが有って驚き。 大体、四大小説月刊誌の新人賞になった作品が、芥川賞に選ばれるということが多いようです。 吃音という障害を持った叔父が、大人になった時、ある日急に治ってしまっている自分に気づいて喜ぶ反面戸惑う。 言語で意思疎通する人間関係の枠に納得がいかなくて、叔父が開発したのがアサッテの世界、その言語。突如、ポンパ、とか、タポンテュー、とか、チリパッハ、とかいう意味を持たない言葉を家族の会話中にも、知人を招いたときにも出してしまう。 これは、この気持ちは分かります。 例えば冠婚葬..

  • 『地下鉄(メトロ)に乗って』読了

    浅田次郎さんの、『地下鉄(メトロ)に乗って』を読みました。 地下鉄(メトロ)に乗って (徳間文庫) 作者: 浅田 次郎 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 1997/06 メディア: 文庫 戦前、戦後、父がどのように成長してきたのかを追う旅。 主人公の家族も含めて、下着の商社の上司、同僚との関係、親族のそれぞれの事情ということが、ストーリーに常に絡まっていて深いなぁ、と思いました。 読んでいる途中で、「ちょっと、簡単にタイムスリップし過ぎじゃないか」と思ってましたら、友人でもある主人公の会社の社長の、「そんな現象に何度も出くわすには、原因と結果がある筈だし、それには理由がある筈だ」という言葉が、頻度の高いタイムスリップにも必然性を持たせました。 そして、意外なラストとなる訳です。 ネタバレになりますが、最後(結..

  • 『セールスマンの死』読了

    アーサー・ミラー氏の、『セールスマンの死』を読みました。 アーサー・ミラー全集 1 改訂版 (1) 作者: アーサー・ミラー, 倉橋 健 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1985/02 メディア: 単行本 戯曲は初めて読みました。 本文終盤の、チャーリーの言葉が人生を普遍的に捉えているような気がします。大きな社会の中の似たような個というナラティブストラクチャーでもあると思う。 『誰もこの人を責めるわけにはいかない。(中略)ウィリーはセールスマンだった。セールスマンには基盤というものがないのだ。(中略)セールスマンは夢に生きるものなのだ。その夢は受け持ち区域にあるのだ。』(本文抜粋引用) 二人の息子が、もう少しで一人前になろうという頃、主人公ウィリーは、もう昔のようには成績が伸びず、馘を言い渡される。 本文中に象徴的に出さ..

  • 『リアル鬼ごっこ』読了

    山田悠介さんの、『リアル鬼ごっこ』を読みました。 リアル鬼ごっこ 作者: 山田 悠介 出版社/メーカー: 文芸社 発売日: 2001/11 メディア: 単行本   最近、新聞などで(全作品併せて)百万部突破と書かれているので、それと、『あそこの席』という作品を既に読んでいたんだけど、『リアル鬼ごっこ』に関しては、処女作でもあるし、アマゾンでのレビューが酷評が多いので、どんな作品なのだろうと思って読みました。 この本、2003年版の時点で、14刷り。 言い回しがおかしい、とかの酷評も有りましたが、増刷時に直しているんだと思いますから、どうしようもない程おかしい文章は少なかったです。 といっても、有るには有りましたが……。 副詞、助詞の使い方がおかしい処とか、描写しているのだけど、具体性に欠ける描写の積み重ねという処も有りました..

  • 『悪と不純の楽しさ』読了(追記あり)

    曽野綾子さんの、『悪と不純の楽しさ』を読みました。 悪と不純の楽しさ 作者: 曽野 綾子 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 1997/01 メディア: 文庫 簡単には、レビューが書けないので、少し待ってください。(と言って、新記事だけを挙げるのは狡い作戦みえみえですね(笑)) けれども、ホントに、後で(追記で)レビューを書きますので、暫くお待ちください。   さて、感想です。 多数派に与する作家が多い、理想主義なヒューマニスト発言をする人が多い、という事に、著者の曽野さんは嫌気が差しているようです。 例えば小説は、人間の美醜両方を率直に著すもので、作品に道徳の教えのような「こう生きるべきだ」というような、一般読者に向けての牽引力を指し示したりは特にすべきではない、と仰有られています。 慈善をする場合にも、損得勘定が..

  • 『しずく』読了

    西 加奈子さんの『しずく』を読みました。 しずく 作者: 西 加奈子 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2007/04/20 メディア: 単行本   短編集で、日々の生活での思いを正直に書いていらっしゃるように感じました。(著者の現実と必ず一致しているという訳ではないかもですが) 職場のなかでの女同士の思い、とか、同年代の同性が自分より幸せになっているのではないか、とか感じてしまう意識を描写されています。 子供、主人公の結婚相手の連れ子に対する思い。子供全般に関するうざったさ(言葉は悪いですが)、とか、子供を自分だったらこう育てるのに、と思いながら、それを他人の家庭に進言する訳にはいかない歯がゆさ、とか、心象描写が肉薄して伝わってきます。 表題作、『しずく』は、猫の視点なんですが、多分、猫たちはこういう感覚で生き..

  • 『むかし僕が死んだ家』読了

    東野圭吾さんの、『むかし僕が死んだ家』を読みました。 むかし僕が死んだ家 (講談社文庫) 作者: 東野 圭吾 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1997/05/14 メディア: 文庫 いやー、構成力に感服! 主人公「倉橋沙也加」が、欠落している自分の幼いときの記憶を探るために、話者である主人公「私」(名前が有るのですが、出てくるシーンが少ないので記憶できていません。済みません)と、旅に出る。 倉橋沙也加の親戚の家であるらしい家にたどり着いて、住人の残した日記などを読むことによって、幼い頃の沙也加が、その家とどう繋がっていたのかが、徐々に明らかになる、というお話しです。 仮定の推測案を何通りか出すことによって、段々真実に近づいていく。調べている内に証拠が出てきて、初めの仮定案とは違う真実が見えてくる。まさに、推理小説..

  • 『草葉の陰で見つけたもの』読了

    第一回小説宝石新人賞受賞作、大田十折(おおた とおる)さんの、『草葉の陰で見つけたもの』を読みました。 草葉の陰で見つけたもの 作者: 大田十折 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2008/06/20 メディア: 単行本   僕もこの賞に応募していて、『ホテル・琵琶湖イースト』だったんですが、自信作だったんですが、大田さんの作品には負けました。 何よりも、設定のアイデアが特異なんですね。それに、後半の主人公の行動などの描写と同時に心の中を描写していく場面では、グラッと眩暈を起こしかけます。スピード感もあるし、読者の方が、後半に来ると速く読みたくなってしまう、不思議な感覚にさせます。速く読むのだけど、内容は刻銘に頭に入ってくる。 『ホテル・琵琶湖イースト』も、後半、スピード感は有るんですが、主人公の心の内面を刻銘に、否..

  • 『人はなぜ自殺するのか』読了

    張 賢徳(ちょう よしのり)さんの、『人はなぜ自殺するのか(心理学的剖検調査から見えてくるもの)』を読みました。 人はなぜ自殺するのか―心理学的剖検調査から見えてくるもの (精神科医からのメッセージ) 作者: 張 賢徳 出版社/メーカー: 勉誠出版 発売日: 2006/12 メディア: 単行本 暗い話題(素材)は恣意的に避けて過ごすというのも、それはそれで一つの好ましい生き方かも知れませんが、僕は、深刻に悩む問題こそ、根本的な原因追究をすべきだ、と今回思って、この本を借りてきました。 この本の主な内容を表すと、張 賢徳さんが、1993年の日本に於いて、自殺者の心理学的剖検調査をされた結果から分かったことを記された本です。 心理学的剖検調査の自殺者に対しての調査は、アメリカでは既になされていたのだそうです。 心理学的剖検..

  • 『アリスの機関車』読了

    雨宮雨彦(あめみや あめひこ)さんの、『アリスの機関車』を、やっと読了しました。 アリスの機関車 作者: 雨宮 雨彦 出版社/メーカー: 鳥影社 発売日: 2002/04 メディア: 単行本 感想は、また明日、追記で書きます。 味わいのある文章でした。 今日は、もう寝ます。(読書とは関係なく、運動不足から肩こりでくたくただから)ごめんなさい。お待ちくださいね。(^。^)   追記 文体が、村上春樹さんのようなほんわか気分を感じる文体。 例えば、村上さんの場合。 仮の架空の文で表現してみると→『お盆もちかくなったおそらくこの年のうちでいちばん暑かったその日、ぼくは昼まえに起きだしてかるく近所を散歩したあとに缶ビールをキッチンのテーブルに置いてそれをときどき飲みながらスパゲッティーを茹でていたのだけれど、生憎..

  • 『昭和は遠くになりにけり』読了

    爆笑問題さんの、『昭和は遠くになりにけり』を読みました。 昭和は遠くになりにけり 作者: 爆笑問題 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2003/07 メディア: 単行本   私、全然、歴史に疎いので、こういう本からでも知識を得ようと思っています。 三島由紀夫さんのクーデターにしても、浅間山荘事件にしても、同時期に生きていたんですが(私)、子供だったので、どういうことか分からないままでした。紙がなくなる、と言って大騒ぎしたオイルショックは鮮明に覚えていますが。ウチもちり紙、買い溜めしました。(笑) 太田さんが、謙虚で、それでいて、本に纏めるとなると漫才形式の文にするという苦心はされているので、大変読みやすく、いいです。 現代に近いので、論評が決めてかかれない、と太田さんご本人も言っておられますが、まだ、昭和は僕のな..

  • 『ノルゲ』読了(追記あり)

    佐伯一麦さんの、『ノルゲ』を、やっと読了しました。 ノルゲ Norge (講談社文芸文庫)作者: 佐伯 一麦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/10/10メディア: 文庫 レビューは、少しお待ちください。(追記記事で感想は挙げますので、今しばらくお待ちください)  追記、レビュー Norge(ノルゲ)というのは現地語で、ノルウェーの意味だった。 佐伯さん自身が奥さんの留学に同行してノルウェーに滞在された期間の出来事を綴った内容だった。 佐伯一麦さんは、ご自身のことを私小説作家だと言っておられるので、この作品もご自身の体験を書かれたものだと推察できる。しかも、僕が読んでみて感じたのは、全編実際の現実の体験そのままが何の虚もなく描かれているようだったということだ。こういうタイプの作品を確かに私小説と分類するのだろう、それは、私小説という範疇であることは間違いないが、エッセイ、..

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、山雨 乃兎(やまめ のうさぎ)さんをフォローしませんか?

ハンドル名
山雨 乃兎(やまめ のうさぎ)さん
ブログタイトル
書評ブログDT
フォロー
書評ブログDT

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用