chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
3泊4日で旅に出る会社員の旅ブログ https://shinjiyoshikawa.hatenablog.com/

会社員でも旅に出たいをテーマに、サラリーマンの吉川が、駐在するメキシコを中心に旅した記録をつづります。チアパス州の奥地にあるエバーグリーン牧場を舞台に繰り広げられる人や動物との出会いが第1作目です。

吉川 真司
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2020/11/27

arrow_drop_down
  • 第55話 持ち寄りでがやがやと準備が進んでいく

    パーティーは持ち寄りでがやがやと準備が進んでいった ところでイギリス人のマットはゾエやシャヤンのことを小さな時から知っているお兄さんだ。ユカタン半島のカンクンから南に一時間ほど南下したところにある、トゥルムという小さなビーチリゾートに住んでいる。そこには小さくておしゃれなリゾートホテルがたくさんあって、そんなホテルに飾るように等身大から大きなもので五メートルもある木彫り作品を納品している。オブジェのモチーフは様々で、人魚だったり、熱帯に生息する鳥だったり、猿だったりする。 「本当はチアパスに住みたいけど、僕の作品が売れるのはトゥルムみたいなちょっと風変わりなリゾート地だったりする。だからまだ、…

  • 第54話 クリスマスツリー点灯

    森にはいくらでもクリスマスツリーになりそうな木が並んでいる 母屋のキッチン兼食卓の周りには、久しぶりに会った友達同士の近況や初対面のあいさつで、華やいだ空気が充満している。 松ぼっくりに娘たちが色を塗って作った飾りを、そこらへんでサムエルが切ってきた、樅木っぽい木の周りに置いて立派なツリーができ上がった。その根元に僕はさっき山道で拾ってきた大きな松ぼっくりを五つ黙ってそっと並べた。 サムエルがブルーのイルミネーションライトを手早く木の周りに巻く。準備を進めながらそれぞれが自分の好きなワインを持ち寄り、グラスを片手に語り合う。僕は前日までサン・クリストバルにいたクリスティーナおばさんに、チリ産の…

  • 第53話 巻き寿司はいかが

    キッチンには地元の野菜や果物が無造作に並んでいた 僕は鉄鍋にざるで洗ったお米と水を入れ、コンロの火をつけた。鍋とふたには微妙な隙間があって、ぴったりとはまらず、蒸気が予想以上に漏れ始めた。だからステファニーと相談して、蒸気が出ているところに濡れ布巾を上からかけることにした。幸い蓋がガラス製なので中の様子はよく見える。 水気が飛んで湯気が徐々に出なくなり、ぐつぐつという音も聞こえなくなったところで火を消す。ここまでくれば、ほぼできたも同然だ。 「お米はこのまま蓋をして、最低三十分はおいておく。そうすればさらに蒸されて、お米が柔らかくふっくらしてくるから」 そうステファニーに言うと、 「これが秘密…

  • 第52話 パーティーが始まろうとしている

    キッチンではかわるがわるシェフが登場する その日の夕方、まだ日が暮れる前なのに、パーティの準備で母屋はにわかに活気であふれていた。台所ではこの村の人口密度が局所的に史上最高を記録していたに違いない。 クリスティーナおばさんを含めた牧場の家族五人。それに前日から泊まりに来ていた、イギリス人木彫りアーティストのマットは、この家族と十八年の付き合いで、ゾエやシャヤンのことも小さなときから知っている。 近くで民宿を営むドイツ人のセバスチアンとメキシコ人の奥さんジュリディア、そしてその小さな子供たち三人。バーニャ、デイビッドと僕の宿泊客三人組。それぞれが交代で台所を使い、サラダを作り、持参した料理を食卓…

  • 第51話 デイビッドのギター

    クールな部屋でも夜は寒い。窓にガラスがまだはまっていない。 そんなデイビッドの引っ越し荷物の中に、小さなギターケースがあった。 実は彼らの部屋を初日に見せてもらったときに見つけて気になってはいたのだが、特に触れずにいた。でも僕は楽器が大好きでギターも少し弾くので、我慢できずにデイビッドに弾かせてもらった。カリフォルニア製の小さなギターは、旅行にはぴったりの大きさだ。お互いのギター歴とほんの少しのレパートリーを披露しあった。 「僕はギター習いだして三年なんだ。もともとそんなに音楽が得意ではないけど、ギターで曲を弾けたらかっこいいなと思ってトライしている」 デイビッドはギターの弦を指でつまびくアル…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、吉川 真司さんをフォローしませんか?

ハンドル名
吉川 真司さん
ブログタイトル
3泊4日で旅に出る会社員の旅ブログ
フォロー
3泊4日で旅に出る会社員の旅ブログ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用