恋の香りは秋風にのって(リサ・クレイパス) ★★★★★ 19世紀の英国。アメリカ人新興実業家ボウマン家の長女、リリアンは、家族と一緒に、数週間におよぶウェストクリフ伯爵のハウスパーティに招待されていた。香りに強い感受性をもつリリアンは、出発前に、香水商で、理想の恋人と出会えるという「秘密の香水」を手渡される。パーティーの主催者は、広大な地所、館の主、ウェストクリフ伯爵。美貌の青年貴族だが、高慢で、堅苦しく、どうにもリリアンの気にさわる。それはウェストクリフ伯爵も同様で、不作法なリリアンが不快だった。ところがある日、ウェストクリフは、ものかげでリリアンとふたりきりになったとき、リリアンを抱きしめ…
「ポピーの幸せ」ダイアナ・パーマー(マイ・バレンタイン2007)
ポピーの幸せ(ダイアナ・パーマー) ★★ 多忙な仕事の合間に、ポピーはスキー場で休暇を楽しんでいた。今日は天気が悪くてスキーは無理だから、インストラクターから聞いた、かわいそうな迷子の子犬を探そう。そう思ってロッジを出たとたん、いきなり後ろから体をすくわれ、車に押しこめられてしまった。見ると相手はがっしりとした男性。どういうこと?まさか、私は誘拐されたの。 サスペンス要素があり、短編ながら詰め込まれた内容。 ただ、短い時間で起こったことにしては無理がある気がしなくもない。 特に、主役二人が絆を深めるには短すぎたかなぁ。 中編くらいで読みたい内容だった。
見知らぬ侯爵と結ばれて(エマ・ワイルズ) ★ あと、2日で花嫁になるなんて…。令嬢ジュリアンはいまだ戸惑っていた。花婿であるロングヘイヴン侯爵にして公爵家の跡取り、マイケルは18年間婚約していたハリーの“弟”だ。ハリーが病で突然亡くなったのち、爵位とともに婚約も引き継がれたのだった。しかも快活だった兄と違い、マイケルは謎めいている。愛ある結婚を望むジュリアンは、ほとんど話したことすらない彼を夫として愛せるか不安だった。一方、望まぬままにすべてを引き継いだマイケルもまた迷いの中にいた。兄の死にひどく落胆している両親のために婚約に同意したものの、彼は妻にさえ絶対に知られてはならない任務にたずさわっ…
ハイランドで眠る夜は(リンゼイ・サンズ) ★★★★ 13世紀イングランド北部。両親を亡くしたイヴリンドは、意地悪な継母の仕打ちを受けながらも、天真爛漫に生きてきた。だがある日、“ドノカイの悪魔”のもとに嫁ぐよう告げられて―。それは父と妻を手にかけたと噂される、恐ろしいハイランド領主。悲しみのあまり遠乗りに出かけたイヴリンドは、そこで荒々しくも情熱的な眼差しをもつひとりの男と出会う。結婚前の最後の思い出に、熱いひとときをともにしたイヴリンドだが、その男の正体とは思いもよらぬ人物で…。 貴族の娘×スコットランド領主。 ハイランドものに多い、嫁いでから始まるロマンスもの。 ミステリーとロマンスのバラ…
「愛の謎が解けたら」ジェニファー・テイラー(マイ・バレンタイン2007)
愛の謎が解けたら(ジェニファー・テイラー) ★★ クレアは三年ぶりに元恋人のキャルと職場で再会した。二人は以前、一緒に住んでいた仲だったが、ある日突然、キャルはなんの説明もなしにクレアに別れを告げ、彼女の前から姿を消したのだ。もう二度とあんな苦しみを味わうのはいや。いまだに悲しみを引きずるクレアはキャルと距離をおこうとするが、彼のほうには別の思惑があるようすで…。 マイ・バレンタイン2007収録。 数年前別れた理由が、自分勝手すぎる。 あっけなく許すヒロインも共感できず。 最後はまとまりよく終わっているので、後味はいい。
舞踏室の微熱(デボラ・シモンズ) ★★★★ 19世紀初頭のロンドンで、人々はエジプトと名のつくものすべてに熱狂していた。伯爵令嬢ジュリエットもかの地に魅せられ、古代文字の解読に情熱を注いでいる。そんな中、エジプトから帰還した冒険家モーガンが伯爵家に滞在することになった。秘宝で埋め尽くされた舞踏室で、型破りで大胆な冒険家とともに研究にいそしむうち、世間知らずの令嬢の眠れる感情が少しずつ熱を帯びていく。だが二人の密やかな恋が花開こうとするころ、屋敷では秘宝をめぐる謎めいた事件が次々と起きて……。ヒストリカル・ロマンス界稀代の人気作家、RITA賞ファイナリストをついに初邦訳! 冒険者と伯爵令嬢。 エ…
心閉ざされて(リンダ・ハワード ) ★★★★ アラバマきっての名家の末裔ロアンナ。幼いころに両親を亡くし、祖母の屋敷に引き取られた彼女は、17歳の時、叶わぬ恋と知りつつ又徒兄弟のウェッブに想いを寄せていた。そんな折り、屋敷で殺人事件が発生、容疑者扱いされたウェッブは故郷を去った。10年後、彼と再会したロアンナは蘇る愛の炎に心を乱される。歪んだ殺意が忍び寄っているとも知らず… 田舎の名家で起こった殺人事件を取り巻く、ミステリ-ロマンスもの。 苦手な設定やキャラが多く、あまり好きになれなかった。 近親相姦が苦手な方は注意。 ミステリー部分は面白い。
「白いドレスの願い」シェリル・ウッズ(マイ・バレンタイン2007)
白いドレスの願い(シェリル・ウッズ) ★★★ 亡き母の遺品でもある古ぼけたトランクの中身を見て、ララは困惑した。なぜ母は毎年二月十四日になるとこれを見つめ、一人泣いていたのかしら?疑問を抱えたララの前に、デーヴィッドと名乗る男性が現れる。まるで運命的ともいえる出会いを果たした二人はやがて、トランクの中身とそれにまつわる悲恋が、自分たちと無関係ではないことを知る。 「マイ・バレンタイン2007」収録の短編 ページ数は短いが、無駄な言葉がなくテンポがいい。 無理ない設定ながらバレンタインらしい内容。 これからの二人がどうなるか、続きが読みたいと思わせる楽しさ。
女王の娘 (アイリス・ジョハンセン) ★★★★ スコットランド女王メアリの隠し子とささやかれ、幼いころから厳格な牧師の下で育てられたケイト。ある晩彼女の人生は一変する。「おまえはおれの妻になる」―ならず者と恐れられる辺境の島の領主ロバートが突如口にした衝撃的な言葉。それは一年限りという契約で結ばれた、愛のない結婚を意味するものだった。見果てぬ地への人生を賭けた旅。だがそこには予想だにしない運命が待ち受けていた… スコットランド女王の非嫡子キャサリンを巡る歴史ロマンスもの。 ロマンスよりもサスペンスドラマが濃い。 ドラマチックな展開で、かなり読み応えあり。
ひそやかな初夏の夜の(リサ・クレイパス) ★★★★★ 19世紀半ばの英国。アナベルは22歳。貴族の娘とはいえ、家はひどく窮乏していた。社交界にデビューはしていたものの、誰からも求愛されない。アナベルは、上流社会で生きてゆくため、なんとかして貴族の青年と結婚したいと思っていた。愛のない結婚でもかまわない、と。2年後の初夏。アナベルは社交パーティーの「壁の花」3人と知り合う。3人は、アナベルが「意中の人」と結ばれるよう手助けをすることに。しかし、そのパーティーには、貴族ではない青年実業家、サイモンも招かれていた。2年前にアナベルの唇を奪ったサイモン。「貴族ではない」という理由で、アナベルが見下して…
黒衣の騎士との夜に(アマンダ・クイック) ★★★★★ 両親をなくした23歳の美女アリスは、冷酷な叔父のもとで辛い日々を送っていた。ある日、彼女は、従兄弟が行商人から買った緑の石を贈られる。ところが、やがてヒューという名の騎士があらわれ、石は自分のものだと主張した。彼が与えられた領地の平和のためには、その石が不可欠とされていた。が、石はすでに何者かに盗まれていた。アリスはそのことをヒューに告げ、一緒に石を探そうと提案する。しかし、アリスの出した条件を呑んだヒューが要求したのは、アリスが彼と婚約することだった…。中世の英国を舞台に描く傑作ヒストリカル・ロマンス。 冷酷騎士×知的令嬢。 気の強いヒロ…
舞踏会のレッスンへ(ジュディス・アイボリー) ★★★★ 19世紀末のロンドン。元侯爵令嬢で言語学者のエドウィーナは、たぐいまれな美貌をもちながら粗野まるだしの青年、ミックと出会う。彼は珍しい田舎言葉を話し、普通の英語は話せないようだ。するとそこに居合わせた双子の紳士が、彼女に奇妙な話をもちかけた。「6週間でミックに、上流階級の話し方とマナーを教え、紳士に仕立て上げることができるか?」と。この話を承諾したエドウィーナの自宅で「紳士教育」が始まる。もちろん、その間、2人は邸で同居。いつしかミックは、エドウィーナを熱い視線で見つめ始める。そして、エドウィーナもミックを…。住む世界があまりにも違いすぎ…
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