chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
松本
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2020/08/07

arrow_drop_down
  • 97回目「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ:ハヤカワepi文庫)

    『ちびまる子ちゃん』のクラスに藤木という男子がいる。藤木は他のクラスメート達から卑怯者のレッテルを貼られている。なぜ藤木は卑怯者になったのか。詳細は覚えていないが、最初の方のエピソードで藤木が卑怯者になるきっかけがあったように思う。それ以降、まる子のクラスで何か事件があれば最初に藤木が疑われる。全くの冤罪で疑われる場合も多々あり、その度に弁明するのであるが、弁明すること自体が自己保身的と見なされ、「やっぱり藤木は卑怯者」と言われる始末である。気の毒な奴ではあるが、彼はクラスの中での自分の立場をよく弁えている。彼の言動は常に「自分は卑怯者」という原理に則っている。「卑怯者」というキャラに自ら進ん…

  • 96回目「バーバー」(コーエン兄弟監督)

    ビリー・ボブ・ソーントン演ずるエドは、義兄の経営する床屋で雇われ理容師として働いている。寡黙に淡々と客の髪を刈る毎日。妻のドリスが会社の上司デイヴと不倫しているのもエドは黙認している。ある日、一人の男がドライクリーニング事業への投資話をエドに持ち込んで来た。エドは、怪しいと思いながらも、理容師として淡々と過ぎる刺激のない日常に虚しさを感じていた為、投資の話に乗っかる。しかし、事業を始めるには資金が必要。エドは、匿名でデイヴに「ドリスとの不倫を世間にバラされたくなければ金を用意しろ」と脅迫状を送る。困ったデイヴは、脅迫状を送った本人であるエドに相談する。脅迫した犯人がエドであることを知る由もない…

  • 95回目「虞美人草」(夏目漱石:岩波文庫)

    恋愛小説の書き方を学びたいなら、まず、この『虞美人草』を読む事をお勧めする。明治時代の小説だと思って侮ってはいけない。恋愛小説を成立させる全ての要素が、余すところなく詰め込まれている。複雑な人間関係、キャラクターの類型、ドラマの展開のさせ方、などなど。読者を楽しませる工夫が散りばめられている。我が強く他人を見下す癖があるヒロインと、腹黒く本音を見せない母親が破滅していく様はカタルシスがある。真っすぐな男が恋敵であるはずの優柔不断な男を更生させる経緯は痛快である。「人間らしく正直に生きよう」という単純明快なメッセージも、これだけ正面切って言われると気持ちが良い。正直、昼ドラと変わらない通俗的な内…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、松本さんをフォローしませんか?

ハンドル名
松本さん
ブログタイトル
松本雄貴のブログ
フォロー
松本雄貴のブログ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用